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●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中

2014年04月27日 00時00分12秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【海自いじめ 隠蔽認定 「自殺予測できた」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042302000236.html)と、
【告発 強まる萎縮  3佐「秘密法成立で難しくなる」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042302000235.html)。
amakiblog.comの記事【「たちかぜ」判決が迫った特定秘密保護法の破棄】(http://www.amakiblog.com/archives/2014/04/24/#002955)。
asahi.comの記事【防衛省の隠蔽―良心はどこへいった】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html)。
東京新聞の記事【いじめ高裁判決 海自は隠蔽体質見直せ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014042602000131.html)。

 「東京高裁は二十三日、一審の四百四十万円の賠償命令を変更し、賠償額を約七千三百万円に増額した。鈴木健太裁判長は「元二曹や上司は自殺を予測できた」と責任を指摘し、「重要な証拠となる内部アンケートなどを隠した」と海自の隠蔽(いんぺい)も認めた」。
 「ここまで明確に国と自衛隊のいじめ責任を弾劾した東京高裁の判決は異例だ」。
 「海上自衛隊の男性隊員の自殺をめぐり、先輩のいじめを示す証拠を同省が隠蔽(いんぺい)していたと、東京高裁が認定」。
 「東京高裁はいじめを裏付けた内部アンケート隠しを「違法な隠蔽(いんぺい)」と断定した。防衛省は隠蔽を反省し、改善策を示すべきだ」。

 「たちかぜ」イジメ自死問題について。『NNNドキュメント’14』でも取り上げられていて、大きな反響があったと思われます。

   『●「闘うアート」 『週刊金曜日』(2014年4月18日、988号)
                                 についてのつぶやき


 「内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ」・・・・・・イジメの証拠であるアンケートの悪質な隠蔽と「稀代の悪法」・猛毒法(非)特定秘密「隠蔽」法。さらには、ホイッスル・ブロワーに第二のイジメ進行中
 鯨肉横領事件の際のGPJ 星川淳さんの言説を思い出した。

   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●『創(2010年11月号)』読了

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     星川淳さん、「[グリーンピース裁判]特別寄稿/「クジラ肉裁判」判決間近/
    税金ドロボーはどっちだ!?」(pp.122-127)。「・・・若い検察官
    (・・・志布志事件の担当・・・)は「NPOの分際で捜査機関さえ令状がなければ
    できないことをやったのは絶対に許せない!」と啖呵を切った。
    私は〝正義の番人〟のはずの検察官が民主主義の真逆を口にする 
    司法教育の崩壊ぶりに驚き呆れ、心の中で徹底抗戦を誓った」。
    「・・・青森地裁、仙台高裁、最高裁の全てが証拠開示の必要なしと判断した。
    原告側・弁護側が対等に争う条件である証拠の全面開示なしに、
    どうして公正・公平な裁判が可能だろう? 国策扱いの調査捕鯨を
    国家ぐるみで必死に守ろうとする姿勢は戦前・戦中を思わせる」。
    「・・・国際人権(自由権)規約に基づき、おおよそ次のように立論する。
    民主社会において一般市民やジャーナリストやNGO職員が公共の利益の
    ために政府などの不正を明らかにしようとする際、やむを得ず法律の枠を
    踏み越えた場合は、その行為によって得られた公共の利益と、失われた
    法益とを秤にかけ、前者の方が大きければ許容(違法性阻却)されるべきだし、
    かりに形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない
    なぜなら、不均衡で過重な懲罰は市民による政府監視を委縮させるからだ
    と―――。・・・西山事件や立川・葛飾ビラ入れ事件などについても
    同様なことがいえる」。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042302000236.html

海自いじめ 隠蔽認定 「自殺予測できた」
2014年4月23日 夕刊

 海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)の護衛艦「たちかぜ」の乗組員だった一等海士の男性=当時(21)=が自殺したのは、先輩の元二等海曹(43)=懲戒免職=のいじめが原因として、遺族が国と元二曹に約一億五千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は二十三日、一審の四百四十万円の賠償命令を変更し、賠償額を約七千三百万円に増額した。鈴木健太裁判長は「元二曹や上司は自殺を予測できた」と責任を指摘し、「重要な証拠となる内部アンケートなどを隠した」と海自の隠蔽(いんぺい)も認めた。 

 鈴木裁判長は「上司が調査、適切な指導をしていれば、自殺は回避された可能性がある」と判断。一審で国側代理人を務めた三等海佐(46)が内部告発した隠蔽については、情報公開請求した遺族への慰謝料として、二十万円の支払いを国に命じた。

 海自は男性の自殺直後、暴行の実態把握のため乗組員に「艦内生活実態アンケート」を行った。控訴審では三佐が、アンケートの存在を証言した。

 海自は当初「破棄した」としていたが、アンケートや同僚への聞き取りメモなど二百点以上の新証拠を高裁に提出。遺族は「意図的な隠蔽で、精神的苦痛を受けた」と、国への請求額を二千万円増額した。

 新証拠からは、男性の自殺を他の隊員が心配していたことや、自殺前に男性が顔にエアガンの弾で撃たれたようなあざを作ったり、同僚に元二曹への怒りを口にしたりしていたことが判明。国側は「判決に影響を与える内容ではない」と反論した。男性は二〇〇四年十月、元二曹を名指しで非難する遺書を残し、東京都内で自殺した。

 遺族は〇六年に提訴。一一年の一審・横浜地裁判決は、元二曹による暴行や恐喝行為を認めたが、「自殺まで予測できなかった」と死亡に対する賠償責任は退け、男性が生前に受けた精神的苦痛への慰謝料の支払いを命じた。

<防衛省のコメント> 国の主張の一部について、裁判所の理解を得ることができなかった。今後、判決内容を慎重に検討したい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042302000235.html

告発 強まる萎縮  3佐「秘密法成立で難しくなる」
2014年4月23日 夕刊

 内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり厳しい立場に追い込まれている。機密情報を漏らした公務員への罰則を強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ。

 「自衛隊は国民にうそをついてはいけないという信念で告発した」。三佐は昨年末、法廷証言で告発の理由をこう語った。

 法廷での証言後には「隠蔽は民主主義の根幹に関わる違法行為。組織として反省していないからこそ、逆に私を処分しようとしている」と海自を批判。同じころ、特定秘密保護法が成立し「内部告発が今より難しくなる」と懸念した。

 海自は一等海士の自殺直後、護衛艦「たちかぜ」の全乗組員百九十人に、暴行や恐喝などの有無を尋ねるアンケートを実施。だが遺族の情報公開請求に、海自は「破棄した」と答えた。

 遺族の提訴後、海自側の訴訟担当だった三佐はアンケートを発見。アンケートの存在を示す文書のコピーを自宅に保管し二〇〇八年、防衛省の公益通報窓口に内部告発した。一審判決直前には上官に進言し自ら情報公開請求もしたが、海自側はアンケートの存在を否定し続けた。

 三佐は一二年四月、悩んだ末、「海自がアンケートを隠している」とする陳述書を東京高裁に提出した。「証拠隠しに警鐘を鳴らしてほしい」と司法に望みを託した。

 海自はようやくアンケートの存在を認めたが「文書管理が不適切だった」と隠蔽は否定。公益通報者保護法は内部告発者への不利益処分を禁じているが、海自は三佐のコピー持ち出しを問題視し、昨年六月、規律違反の疑いで懲戒処分を審理すると通知した。 (沢田敦)
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http://www.amakiblog.com/archives/2014/04/24/#002955

2014年04月24日
「たちかぜ」判決が迫った特定秘密保護法の破棄

 東京高裁はきのう4月23日、海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」で起きた隊員のいじめを認め、国と自衛隊に7300万円の損害賠償を命じる判決を下した。

 ここまで明確に国と自衛隊のいじめ責任を弾劾した東京高裁の判決は異例だ。

 なぜここまで東京高裁は異例の判決を下す事が出来たのか。

 それは公益通報保護法に基づきいじめがあったことを内部告発した三等海佐の勇気ある行動があったからだ

 いじめに関する自衛隊の証拠隠蔽が内部告発で明らかにされたからだ。

 しかし特別秘密保護法が安倍首相の手で強硬に成立させられてしまった為に、これからはこのような内部告発は困難になる

 内部告発した者が罰せられ、国家権力は組織的国家犯罪を隠し続けることができる

 我々は、だからこの稀代の悪法である特定秘密保護法の発動を阻止し、法律そのものを葬り去らなければいけないのだ。

 今度の東京高裁の判決の本当の凄さは、判決が我々にその事を教えてくれたところにある(了)
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http://www.asahi.com/paper/editorial2.html

【社説】
防衛省の隠蔽―良心はどこへいった
2014年4月26日(土)付

 都合の悪い文書は組織をあげて隠す。それを内部告発する者は徹底攻撃する。そんな防衛省の姿が浮かび上がった。

 海上自衛隊の男性隊員の自殺をめぐり、先輩のいじめを示す証拠を同省が隠蔽(いんぺい)していたと、東京高裁が認定した。

 そんな証拠があることは、裁判を担った海自の3等海佐が暴露し明らかになった。それがなかったら、いじめを放置した組織の責任は闇に葬られていた。

 人命を守るべき組織でありながら、命が失われた重みを顧みずにひたすら自らの防衛に腐心したのである。

 猛省するほかあるまい。誰が隠蔽を指示し、その事実を誰が知っていたのか。早急に徹底調査し、公表すべきだ。

 隠されたのは、男性が所属した護衛艦の乗組員たちにいじめの有無を聞いたアンケートや、事情にくわしい乗組員に聞き取ったメモだ。

 遺族は情報公開法に基づいて開示を請求したが、海自は存在しないとして応じなかった。

 情報をもつ側が「ない」と突っぱねれば、情報公開は成り立たない。そんな実態がある中で年内に特定秘密保護法が施行される。当局に不都合な情報はいっそう闇にとどまるだろう。暗然たる気持ちになる

 救いといえば、3佐の良心が、それを許さなかったことだ。控訴審で証拠の存在を明らかにしたことは、組織人としての立場を賭した、勇気ある行いだった。

 しかし、控訴審で国側はその発言を「信用できない」と批判した。実際には、少なからぬ関係者が隠蔽を知っていたはずだが、その3佐以外、誰も真実を語ろうとしなかった。

 同省は3佐の懲戒処分も検討したという。言語道断の対応というほかない。処分が必要なのは告発者ではなく、情報隠しをした側である。告発した3佐を不当に扱うことはしないと約束すべきだ。

 男性の自殺からすでに10年がたっている。アンケートが早く明らかになっていれば、裁判は長引かなかったし、その教訓は自衛隊内のいじめ防止などに生かせたかもしれない。

 ふつうの裁判に勝敗はつきものだが、国が当事者の場合、勝てばいいというものではないはずだ。真実に近づく証拠を裁判で示すことが、公益の側に立つ政府の責任ではないか。

 どんな公的組織であれ、その組織自体よりも大切に守るべき社会の正義というものがある。防衛省はその当たり前の原則を肝に銘じるべきだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014042602000131.html

【社説】
いじめ高裁判決 海自は隠蔽体質見直せ
2014年4月26日

 海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」乗員の自殺をめぐる控訴審判決で、東京高裁はいじめを裏付けた内部アンケート隠しを「違法な隠蔽(いんぺい)」と断定した。防衛省は隠蔽を反省し、改善策を示すべきだ。

 判決が「隠蔽していた」と断定したのは、二〇〇四年に一等海士の男性が自殺した直後、海上自衛隊が「たちかぜ」の全乗員に対して行った「艦内生活実態アンケート」など。海自は当初、「破棄した」としていたが、控訴審の途中で現役の三等海佐が存在を証言、海自はアンケートや同僚への聞き取りメモなど二百点以上の新証拠を高裁に提出した。

 高裁は新証拠から男性が同僚に自殺をほのめかすなど複数の兆候があったとして「上司は自殺を予測できた」と結論づけ、賠償額を一審の四百四十万円から約七千三百万円に増額した。

 海自はアンケートについて「文書管理が不適切だった」と隠蔽を否定。あろうことか内部告発した三等海佐を一度は規律違反の疑いで懲戒処分の審理対象とした。海自は隠蔽体質を恥じるどころか、開き直り、全隊員に隠蔽を助長するよう求めたに等しい。

 海自は古くから、その隠蔽体質が問題になってきた。一九八八年、潜水艦「なだしお」と衝突した遊漁船が沈没し、乗員・乗客三十人が死亡した事件で、艦長らが航海日誌をひそかに修正した。事故直後だったことから証拠の改竄(かいざん)と批判された。

 〇三年にはインド洋で米艦艇へ洋上補給した量を取り違えて官邸などへ報告、その後、間違いに気づいたものの、報告せず、官房長官らが記者会見などで事実と異なる内容を公表する結果になった。

 自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された。

 自衛官の自殺は十万人あたり、約三十五人で一般の国家公務員の一・五倍という高率である。

 一般社会の目が届かない部隊や艦艇といった閉鎖された環境で「いじめ」が横行し、自殺を選ぶ若者が後を絶たないとすれば、「有事になれば、国民を守る」といわれても信じられるはずもない。隠蔽体質は不都合な「いじめ」を隠し、自衛隊への信頼を失墜させている。アンケート隠しの検証と関係者の厳正な処分が求められる。
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NNNドキュメント14 年間賞 決定!/優秀賞 (A.S.)
2015-05-06 01:00:08
■「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5a64c50bab6de3a4a19e5e6a973f51b0) 『NNNドキュメント14 年間賞 決定!/優秀賞 自衛隊の闇 不正を暴いた現役自衛官』(http://www.ntv.co.jp/document/news60.html)/「所属する組織の不正を知ってしまった男が、正義の遂行のため立ち上がった。いじめによる隊員の自殺で自衛隊の責任が問われている裁判。かつて訴訟担当者だった現役自衛官が「重要文書を隠蔽している」と、自らの組織の[不正]を暴いた。「自衛隊が、不利な事実を隠したまま『不正な勝利』を得てしまう」今の生活を失ってしまうかもしれない恐怖と闘いながらの苦渋の決断だった。自衛隊は「文書は破棄した」と説明してきたが、一転。その後、200点もの大量の文書が開示された。今、裁判の流れは大きく変わろうとしている。「私は、組織に対してではなく、法の正義と国民に忠誠を尽くしたい」 今なお、組織に留まり一人、正義のために闘い続ける自衛官の姿を取材した。
ナレーター:二又一成
制作/日本テレビ
2014/2/23放送」
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