(2022年08月14日[日])
どう戦争の記憶を残し、戦争を回避するのか。戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。
「火事場ドロボー」どもが、台湾有事を煽り、先制攻撃・核保有までも口にする。戦争法を盾に、子や孫を戦場に送り出したくて仕方ないらしい。《戦争絶滅受合法案》の制定を切に願う。
『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》』
琉球新報のコラム【<金口木舌>住民目線の継承の大切さ】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1563833.html)によると、《▼沖縄戦をどう継承するか。戦争体験者がいなくなる中、その思想がますます大切になっている。国のために死を強いた沖縄戦の実相を美談にしてはならない。紡いできた住民目線の継承を大切にしたい》。
『●対馬丸事件の教訓…《この悲劇は、いったん戦争に巻き
込まれればいかなる対象も、攻撃される対象となる危険性》』
「沖縄タイムスの記事【「いつまでも忘れないこと」 吉永小百合さん
対馬丸記念館へメッセージ 戦争で撃沈、犠牲の児童らに想い】…
《メッセージの中で対馬丸で犠牲になった子どもたちについて触れ、
「私達はしっかりと胸に刻んで、いまを生きる。いつまでも忘れない
ことが大切です。二度と戦争をしないという強い思いのなかで
吉永小百合」と色紙にしたためた》」
『●《「忘れない、風化させない、なかったことにしないために」
…反戦平和、反核、反原発を明確に打ち出す発言》を躊躇わず』
『●戦争の記憶の継承…《大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が
風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ…》』
『●沖縄イジメ、辺野古は破壊「損」の張本人が元最低の官房長官。
そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしているオジサン』
『●《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった
大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》』
『●「自衛隊派遣によって治安はかえって悪化する」、政府の政策に
逆らえば…衆院テロ対策特別委員会委員は国会参考人の発言を打ち切り…』
『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…』
「平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、
《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、
戦争の記憶をどのように継承していくのか。
《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに
なったそうです」
『●琉球新報《かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》
《沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない》』
《かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》、《沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない。もう二度と、絶対に。》
元《琉球朝日放送(QAB)の記者・大矢英代さんのスピーチの一部…
あらゆる戦争につながる原稿は1本たりとも書かないことを約束します。
戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。
戦争のために輪転機を回しません。》
『●「戦争のためにカメラを回しません。戦争のために
ペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1563833.html】
<金口木舌>住民目線の継承の大切さ
2022年8月10日 05:00
金口木舌 復帰50年
沖縄の日本復帰50年の今年、沖縄戦に関する多くの映画やドラマなどが公開されている
▼桜坂劇場の県立第二高等女学校(白梅学徒隊)に関する映画もその一つ。93歳の元白梅学徒の中山きくさんや武村豊さんらが冒頭の1時間半、戦場に動員されるまでや野戦病院壕での体験を証言している
▼中山さんは映画を見て「(体験は)半分も伝わっていないと思うが、語らなければという思いで語ってきて良かった」と話した。しかし戦後、美談調に伝える映画は少なくなかった
▼ひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳館長は、資料館を造る過程が沖縄戦の捉え返しにつながったと語り、「ひめゆりはそれ(美談)を拒否した。戦争動員につながった靖国のような役割をまた負わされるというのがあり、戦争の実相を語り続ける大切さに気づいた」と話す
▼沖縄戦をどう継承するか。戦争体験者がいなくなる中、その思想がますます大切になっている。国のために死を強いた沖縄戦の実相を美談にしてはならない。紡いできた住民目線の継承を大切にしたい。
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(2022年06月26日[日])
琉球新報のこらむ【<金口木舌>戦争のためにペンを取らない。もう二度と、絶対に】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1537729.html)。
《▼戦後77年を「戦前X年」にしてはならない。慰霊の日に、沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない。もう二度と、絶対に。》
琉球新報の【<社説>慰霊の日 「前夜」を拒絶する日に】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1537645.html)によると、《沖縄戦から77年。ロシアによるウクライナ侵攻後、初めて迎える慰霊の日である。政府は米国との軍事一体化を強化し、自衛隊を南西諸島に重点配備して沖縄の軍事拠点化が進む。政治家は台湾有事を持ち出し緊張が高まる。現状は外交努力が失われ力の論理が席巻したかつての日本と重なる。沖縄戦の前年に日本軍(第32軍)が配備され、島が急速に要塞(ようさい)化された。その結果「ありったけの地獄を一つにまとめた」(米軍戦史)戦闘によって4人に1人の県民が犠牲になった。沖縄戦の教訓は「命どぅ宝」という非戦の思想であり、人間の安全保障の実現である。慰霊の日のきょう、かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》。
『●対馬丸事件の教訓…《この悲劇は、いったん戦争に巻き
込まれればいかなる対象も、攻撃される対象となる危険性》』
『●《「忘れない、風化させない、なかったことにしないために」
…反戦平和、反核、反原発を明確に打ち出す発言》を躊躇わず』
『●戦争の記憶の継承…《大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が
風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ…》』
『●沖縄イジメ、辺野古は破壊「損」の張本人が元最低の官房長官。
そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしているオジサン』
『●《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった
大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》』
『●「自衛隊派遣によって治安はかえって悪化する」、政府の政策に
逆らえば…衆院テロ対策特別委員会委員は国会参考人の発言を打ち切り…』
『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…』
「平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、
《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、
戦争の記憶をどのように継承していくのか。
《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに
なったそうです」
『●大矢英代さん《沖縄の状況がいかに理不尽かということも、今回の
アメリカ大統領選から日本人は学ぶべきなのではないでしょうか》!』
『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》』
自公お維コミに投票する限り、沖縄イジメは止まらない。戦争のリスクは下がらない。むしろ、《火事場ドロボー》どもに唆され、軍事費倍増、壊憲、むしろ戦争のリスクは上がる。半田滋さん《南西諸島の戦場化…住民が巻き込まれるリスクは避けられません…これを避けるには「戦争をしない」という選択しか》ない。
まずは投票に行くこと。#わたしも投票します、それしかない。
『●「戦争のためにカメラを回しません。戦争のために
ペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
《かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》、《沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない。もう二度と、絶対に。》
元《琉球朝日放送(QAB)の記者・大矢英代さんのスピーチの一部…
あらゆる戦争につながる原稿は1本たりとも書かないことを約束します。
戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。
戦争のために輪転機を回しません。》
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1537729.html】
<金口木舌>戦争のためにペンを取らない。もう二度と、絶対に
2022年6月23日 05:00
金口木舌 慰霊の日 戦後77年
いつか来た道を、再びたどってしまっていないか。ウクライナ侵攻を伝えるロシアメディアの大半は、政府の「大義名分」を拡散する。政府系テレビ局のニュース番組に乱入し反戦を訴えた女性は「ロシア人はゾンビ化している」と思考停止状態に警鐘を鳴らす
▼一方国内では、国是としてきた専守防衛の範囲を超えるような「防衛力強化」の議論が勢いを増す。力の論理の延長線上に、本当に人命と個人の尊厳が守られる平和があるのだろうか
▼戦時中、新聞やラジオは大本営発表を垂れ流し、戦場の実相を隠すことに加担した。偽りの戦果に国民を熱狂させた帰結が、沖縄を捨て石とし、住民を惨禍に巻き込んだ沖縄戦だ
▼「戦争の最初の犠牲者は真実である」という有名な言葉がある。真実が葬られることを黙して見過ごせば、次の犠牲者は自由と尊厳、そして人命だ。沖縄戦の記憶はそれを物語っている
▼戦後77年を「戦前X年」にしてはならない。慰霊の日に、沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない。もう二度と、絶対に。
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[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]/
(2021年07月10日[土])
琉球新報の【<社説>サンゴ訴訟上告棄却 自治権侵害に背を向けた】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1350547.html)。
弁護士の馬奈木厳太郎さんによる、日刊ゲンダイの記事【「木を見て森を見ず」の判決 辺野古基地サンゴ訴訟最高裁、県敗訴を受けて】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291627)。
《国が、地方自治体の裁量を制限し自治を侵害している事実に背を向けた判決だ。米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、農林水産相が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁小法廷は県の上告を棄却した。県の敗訴が確定した。判決は「工事により(サンゴが)死滅する恐れがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の対応は「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」とし、請求を棄却した福岡高裁那覇支部判決を是認した》。
《東京合同法律事務所の馬奈木厳太郎弁護士…県を敗訴させた多数派の意見は、軟弱地盤の問題や設計変更の必要性など、工事の続行に関する不確実性を全く考慮に入れず、新基地は完成するという前提に立った極めて形式的な判断に終始するものでした。国が、地方自治体の裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実に正面から向き合うこともなく、結論ありきとの印象を免れません》。
『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』
『●高江破壊差し止め仮処分申請が却下
…司法判断ではなく、「工事者の政府に寄り添う」政治判断』
『●県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という
異様な辺野古破壊訴訟…そもそも「違法」を口にする資格は?』
『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…』
『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」』
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、進め」
と武器輸出推進の道に歩みを進めている」』
『●壊憲反対の不断の声を:
「戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます」』
『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ』
『●重大な誤りを含む「腐臭を放つ「判決」」:
「沖縄を弄んだというしかない」異常な辺野古破壊訴訟判決』
『●辺野古破壊のデタラメ: 《司法の監視機能の形骸化》、
どこが法治国家なのか? アベ様が統治する人治国家』
《辺野古岩礁破砕訴訟 監視機能が形骸化 …沖縄県名護市
辺野古の岩礁破砕差し止め訴訟は一審に続き二審判決も裁判所の
審理対象かどうかの入り口論に終始し、県の訴えを門前払いした。
国の違法性が問われている中、沖縄防衛局の法手続きの是非に
一言も触れない判決は司法の監視機能の形骸化といえる…
福岡高裁那覇支部の大久保正道裁判長は一審那覇地裁に続き、
漁業法の解釈や無許可の根拠法などについて国に主張を求めよう
としなかった。法解釈への見解を避け、問題解決への道筋も
示さなかった》
『●目取真俊さん「裁判所が市民を守る立場にないなら、
誰が市民を守るのか」!? 法的根拠もあいまいなまま長時間拘束』
《大久保正道裁判長…は、目取真さん側が刑事特別法による
緊急逮捕は違憲ではないと判断した一審判決を不服とした
控訴を棄却した…目取真さんは「裁判所が市民を守る立場に
ないなら、誰が市民を守るのか」と批判し、上告する考えを示した》。
『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…』
「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法は
〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、国が一般国民の
権利救済制度を使うこと自体がおかしい。国が「個人」になりすまし、
国に救済を求め、国に判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる。
安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている」
『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」』
『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず』
《行政の不当行為に対して国民が不服を申し立てる「行政不服審査法」に
基づく不服審査請求を石井啓一国交大臣(公明党)に行い、裁決が
出るまで効力を一時的に失わせる執行停止も求めたのだ》
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ』
「いまから、最「低」裁のコールが聞こえる。司法には何の期待
も持てないでしょうね…。」
《工事により(サンゴが)死滅する恐れ》を引き起こしているのは沖縄県なのか? あまりにデタラメ過ぎる。
《法令で知事に与えられた権限を奪うことになる…。国と地方が「対等・協力」の関係という分権改革の趣旨を逸脱…。新基地建設という国策を遂行するため、地方自治を破壊》(琉球新報)。
もはや最「低」裁を頂点とした司法による沖縄イジメ。元独裁政権・現独裁政権や行政にいじめられ、それを司法は見て見ぬふり。むしろ司法がいじめに加担する絶望的な状況。
《沖縄は今日まで自ら進んで米軍基地のために土地を提供したことはありません。新基地建設反対の民意も何度も示されています。…私たちの無関心が沖縄を苦しめているということを認識する必要があります》(馬奈木厳太郎さん)。
『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題』
『●辺野古破壊: 政権広報・アベ様のNHKが「移植できないのは
沖縄のせい」と攻撃…開いた口が塞がらない』
『●《工期も費用も言えない》辺野古破壊を進める
『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし』
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1350547.html】
<社説>サンゴ訴訟上告棄却 自治権侵害に背を向けた
2021年7月7日 05:00
国が、地方自治体の裁量を制限し自治を侵害している事実に背を向けた判決だ。
米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、農林水産相が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁小法廷は県の上告を棄却した。県の敗訴が確定した。
判決は「工事により(サンゴが)死滅する恐れがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の対応は「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」とし、請求を棄却した福岡高裁那覇支部判決を是認した。
防衛省沖縄防衛局は2019年、県にサンゴ類の移植許可を申請した。県が判断を保留する中、20年2月、防衛局の申請通りに移植を許可するよう、農水相が県に是正を指示した。県は国の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出たものの退けられ、昨年7月に提訴した。
一方、小法廷は5人の裁判官のうち2人が反対意見を述べた。反対意見は、県側の主張を認める内容であり注目したい。
判決は仲井真弘多知事(当時)が埋め立て承認したことを前提にしている。しかし、反対意見を述べた宇賀克也裁判官は、埋め立て承認後に、予定海域で軟弱地盤の存在が判明した点を重視している。
軟弱地盤の存在により仲井真知事の承認判断とは事情が変わってきた。にもかかわらず「護岸工事という特定の工事のみに着目」して是非を判断することは「『木を見て森を見ず』の弊に陥る」との指摘は納得できる。
軟弱地盤の存在によって防衛局は設計変更申請を県に提出している。「変更申請が拒否されることになれば、サンゴ類の移植は無駄になるばかりか、水産資源保護法の目的に反する」とも指摘し、知事が移植を許可しないことに「違法性はない」と結論付けている。県が評価するように「画期的」である。
同じく反対意見を述べた宮崎裕子裁判官は、埋め立てを行うには、県から設計変更承認を受ける必要があると指摘。仲井真知事による埋め立て承認の際になされた要件適合性の判断は「実質的に無意味」と断じた。
判決後に玉城デニー知事が述べたように、農水相の指示は「沖縄県知事が判断する前に大臣が具体的に許可を命ずるものであり、法令で知事に与えられた権限を奪うことになる」のである。国と地方が「対等・協力」の関係という分権改革の趣旨を逸脱している。新基地建設という国策を遂行するため、地方自治を破壊することは許されない。
辺野古新基地を巡る国と県の裁判はこれまでに9件ある。地方自治体が司法の場でここまで国と争うのは異例だ。辺野古新基地建設に反対する沖縄の民意があることを忘れてはならない。
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291627】
「木を見て森を見ず」の判決 辺野古基地サンゴ訴訟最高裁、県敗訴を受けて
公開日:2021/07/09 06:00 更新日:2021/07/09 06:00
(東京合同法律事務所の
馬奈木厳太郎弁護士(C)日刊ゲンダイ)
沖縄県の辺野古新基地建設をめぐって、農水大臣が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁第3小法廷は6日、県の上告を棄却し、県の敗訴が確定しました。
判決は、サンゴについて、「工事により死滅するおそれがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の判断は、「護岸工事を事実上停止させ、これを適法に実施し得る沖縄防衛局の地位を侵害するという不合理な結果を招来する」としたうえで、県の対応について、「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」としました。
この問題は、沖縄防衛局が2019年、約4万群体のサンゴの移植許可を県に申請したことに端を発します。県が判断を保留するなか、農水大臣は昨年2月、地方自治法に基づき、県に是正を指示しました。県は、国の第三者機関である国地方係争処理委員会に審査を申し出たものの退けられたため、昨年7月に提訴していました。
県を敗訴させた多数派の意見は、軟弱地盤の問題や設計変更の必要性など、工事の続行に関する不確実性を全く考慮に入れず、新基地は完成するという前提に立った極めて形式的な判断に終始するものでした。国が、地方自治体の裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実に正面から向き合うこともなく、結論ありきとの印象を免れません。
■裁判官5人のうち2人が反対意見
一方、この判決では、5人の裁判官のうち2人が反対意見を述べたことは注目されるべきです。
2人の裁判官は、県知事が埋め立てを承認した後に、埋め立て予定の海域に軟弱地盤が存在することが判明した事実を重視し、サンゴ移植の許可処分を行うには、大半を軟弱地盤が占める予定海域で、確実に事業が実施されることが前提になると指摘しました。
そのうえで、軟弱地盤の存在が判明したことによって、事情が変わったにもかかわらず、護岸工事という一部の工事だけに着目して判断することについて、反対意見を書いた宇賀克也裁判官は、「木を見て森を見ず」だと批判しました。
多数派と反対派の判断は、軟弱地盤の存在が判明したことによって、当初の承認の前提が崩れたと評価するかどうか、その事実が移植を許可するかどうかの判断に影響を及ぼす内容かどうかをめぐって分かれることになりましたが、より根本的には、国と地方自治体が対等であるという原則に対する認識の相違があると考えられます。
今回の判決は、政府の立場に追随するもので、新基地建設に反対する民意は今回も顧みられることはありませんでした。しかし、今回の判決によっても、新基地建設をめぐって、国に「お墨付き」が与えられたわけでも、問題が解決されたわけでもありません。
今月には、玉城デニー知事が変更申請を不承認するとの話も出ています。そうなると、国が承認を求めて訴訟を起こすことになります。
沖縄は今日まで自ら進んで米軍基地のために土地を提供したことはありません。新基地建設反対の民意も何度も示されています。沖縄の基地負担や基地被害をめぐっては、古くから「小指の痛みは全身の痛み」という言葉がありますが、沖縄という一地域の問題ではありません。私たちの無関心が沖縄を苦しめているということを認識する必要があります。
(弁護士・馬奈木厳太郎)
▽まなぎ・いずたろう 1975年、福岡県生まれ。大学専任講師(憲法学)を経て現職。福島原発事故の被害救済訴訟などに携わる。
【辺野古サンゴ訴訟】 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、埋め立て予定海域にあるサンゴの移植を許可するよう農水相が県に是正を指示したのは違法として、県が取り消しを求めた訴訟。沖縄防衛局は2019年、環境保全を目的にサンゴの採捕(移植)許可を県に申請。県が判断を示さなかったため、漁業法などを所管する農水相は20年2月、許可するよう指示。県は指示を違法として国地方係争処理委員会に申し出たが退けられ、福岡高裁那覇支部に提訴。同支部も今年2月、県側の請求を棄却したため、県は判決を不服とし、最高裁へ上告していた。
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[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑] (2021年03月28日[日])
琉球新報の【<社説>嘉手納爆音上告棄却 司法の責任を放棄した】 (https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1292949.html)。
《第三者行為論の背後に「高度の政治性を有する安保条約は司法判断になじまない」とする統治行為論がある。統治行為論は米軍駐留を違憲とする一審を破棄した59年の「砂川事件」最高裁判決で示された。この時、米国の内政干渉により司法がゆがめられたことが米公文書で判明している》。
最高裁第3小法廷・戸倉三郎裁判長は住民側の上告を棄却…。現在の最高裁裁判官は、アベ様の息のかかった方々ばかりだ、と言われています。
『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?
「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?』
『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!』
「【2017年最高裁判所裁判官国民審査】によると、以下の7名だそうです。
①小池裕
②戸倉三郎
③山口厚
④菅野博之
⑤大谷直人
⑥木澤克之
⑦林景一
…最後にもう一度、思い出そう…《はたしてこれらは、単なる偶然なのか。
つまり、安倍首相は最高裁人事まで私物化し、“オトモダチのオトモダチ”
のために、ポストを用意してやったのではないか。そういう疑念が
頭をもたげてくるのである》」
『●「完全に司法に影響を与えようとする
露骨な圧力にほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果』
『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁』
『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電』
《最高裁判事は十五人いるが、戸倉三郎裁判官は岡口裁判官が厳重注意
された当時、東京高裁長官だったため今回の審理から外れた》
《ツイッターへの不適切な投稿問題で東京高裁の岡口基一裁判官が
戒告となった。「品位を辱めた」が理由だ。
だが、さまざまな社会事象への裁判官の考えは、
個人として発信していいのではないか》
《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟マスコミの無関心も相まって、それが沖縄では如実に表れ続けている。アベ様や元・最低の官房長官による《メディアコントロール》の〝成果〟の一つでもある。
『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』
『●高江破壊差し止め仮処分申請が却下
…司法判断ではなく、「工事者の政府に寄り添う」政治判断』
『●県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という
異様な辺野古破壊訴訟…そもそも「違法」を口にする資格は?』
『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…』
『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」』
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、進め」
と武器輸出推進の道に歩みを進めている」』
『●壊憲反対の不断の声を:
「戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます」』
『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ』
『●重大な誤りを含む「腐臭を放つ「判決」」:
「沖縄を弄んだというしかない」異常な辺野古破壊訴訟判決』
『●辺野古破壊のデタラメ: 《司法の監視機能の形骸化》、
どこが法治国家なのか? アベ様が統治する人治国家』
《辺野古岩礁破砕訴訟 監視機能が形骸化 …沖縄県名護市
辺野古の岩礁破砕差し止め訴訟は一審に続き二審判決も裁判所の
審理対象かどうかの入り口論に終始し、県の訴えを門前払いした。
国の違法性が問われている中、沖縄防衛局の法手続きの是非に
一言も触れない判決は司法の監視機能の形骸化といえる…
福岡高裁那覇支部の大久保正道裁判長は一審那覇地裁に続き、
漁業法の解釈や無許可の根拠法などについて国に主張を求めよう
としなかった。法解釈への見解を避け、問題解決への道筋も
示さなかった》
『●目取真俊さん「裁判所が市民を守る立場にないなら、
誰が市民を守るのか」!? 法的根拠もあいまいなまま長時間拘束』
《大久保正道裁判長…は、目取真さん側が刑事特別法による
緊急逮捕は違憲ではないと判断した一審判決を不服とした
控訴を棄却した…目取真さんは「裁判所が市民を守る立場に
ないなら、誰が市民を守るのか」と批判し、上告する考えを示した》。
『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…』
「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法は
〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、国が一般国民の
権利救済制度を使うこと自体がおかしい。国が「個人」になりすまし、
国に救済を求め、国に判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる。
安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている」
『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」』
『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず』
《行政の不当行為に対して国民が不服を申し立てる「行政不服審査法」に
基づく不服審査請求を石井啓一国交大臣(公明党)に行い、裁決が
出るまで効力を一時的に失わせる執行停止も求めたのだ》
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
《前代未聞の人事を発令してまで定年が延長されたのは、黒川検事長が安倍官邸と極めて近いからだ》。最低の官房長官殿のお気に入りの子飼いという訳ね。《安倍政権は、官邸に近い黒川検事長を検察トップである検事総長に就け、検察組織を官邸の支配下に置くつもりだ》…。
金子勝さんは、以前、《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質が》。
青木理さんは、《本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい。民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。
金子勝さんは、さらに、《これまでも安倍政権は、積み上げてきた人事のルールを破って、NHKや内閣法制局を支配下に置いてきた。とうとう検察まで支配下に収めようとしている。もはや、この国は三権分立が成り立たなくなりはじめています》。最高裁も、最「低」裁となってすでに久しい。最高裁判事の人事までも私物化。
『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?
「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?』
『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!』
『●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力に
ほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果』
《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている。
というのも、政権を忖度したような判決が次々に下されているからだ
…そして、なかでも忘れてはいけないのが、木澤克之氏だ。
木澤氏は学校法人加計学園の元監事という経歴をもつ》
「…人治主義国家の「国難」な「裸の王様」アベ様が、着々と司法を
掌握した効果がジワジワと。《最高裁判事まで私物化》している。
いまや、最「低」裁を頂点に、様々な司法判断を放棄…。
もはや政治判断乱発なのは当たり前な酷い状態だ。こんな司法の状況下、
「ヒラメ」な裁判官は、上を見て、忖度するに決まっている」
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
「たとえ地裁・高裁レベルで勝訴しても、最高裁はいまや最「低」裁。
そして今や、最「低」裁判事の人事は…アベ様が掌握。
大谷直人最高裁長官をはじめ、現最高裁判事14人全員、アベ様の息が
かかっているアベ様派と言われている。三権分立が聞いてあきれる状況。
アベ様らのやり口はデタラメ」
『●《安倍政権は、官邸に近い黒川検事長を検察トップである検事総長に
就け、検察組織を官邸の支配下に置くつもりだ》、あぁ………』
これで、警察国家・《極右独裁国家》の完成だ。《メディアコントロール》についても、言うまでもない。
『●金子勝さん「安倍さん関連は検察も警察も一切動かない」
「まるで犯罪者集団。泥棒だらけ」「来年は泥棒しませ~ん」』
『●金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない
…公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質が》』
『●《桜疑惑の追及を批判するメディアは、こういう連中のグルだ
と考えた方がいいだろう。だまされてはいけない》』
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1292949.html】
<社説>嘉手納爆音上告棄却 司法の責任を放棄した
2021年3月26日 06:01
沖縄で日常的に繰り返される騒音被害に、司法はなぜ真摯(しんし)に向き合わないのか。
米軍嘉手納基地の周辺住民が騒音被害を訴えた第3次嘉手納爆音訴訟で、最高裁第3小法廷は早朝・夜間の米軍機飛行差し止めと、将来分の損害賠償を求めた住民側の上告を退けた。いずれも認めなかった二審福岡高裁那覇支部判決が確定した。
嘉手納基地周辺は、憲法で保障されている基本的人権、生存権が侵害されている。1982年の第1次訴訟提起から39年。いまだに騒音被害は改善されず不条理が繰り返されている。被害が放置されている実態を救済しないのは、司法の責任放棄だ。在沖米軍基地の自由使用を容認する日本政府の対米従属姿勢に、司法がお墨付きを与えた判決と言わざるを得ない。
飛行差し止めについてはこれまで同様、基地の管理は米国に委ねられており、日本政府が規制できる立場にないという「第三者行為論」によって退けた。
第三者行為論の背後に「高度の政治性を有する安保条約は司法判断になじまない」とする統治行為論がある。統治行為論は米軍駐留を違憲とする一審を破棄した59年の「砂川事件」最高裁判決で示された。この時、米国の内政干渉により司法がゆがめられたことが米公文書で判明している。
第三者行為論と統治行為論は、日本の国家主権と司法の独立の否定にほかならない。60年以上前の対米従属の論理が、まかり通っているのは異常ではないか。
第3次訴訟では、世界保健機関(WHO)欧州事務局が示した騒音に関するガイドラインを基に、北海道大学の松井利仁教授が証言した。嘉手納基地周辺の住民1万7454人が高度の睡眠妨害を受けており、騒音が原因となって虚血性心疾患になる人が年間51人に達し、10人が亡くなっていると推定された。最高裁は世界共通の基準をどれだけ考慮し判決を下したのか。
最高裁が上告を退けた翌24日、嘉手納基地周辺上空で米軍横田基地配備の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ2機が低空飛行して、空中停止(ホバリング)を伴う訓練が確認された。
嘉手納町によると同町兼久の騒音測定局で70デシベル以上の騒音が26回発生し、午前11時11分に最大97・2デシベルを記録した。70デシベルは「騒々しい街頭」に匹敵する。90デシベルは人に猛烈な不快感を与え長時間さらされると難聴になるとされる。
騒音問題は何も解決していない。基地周辺に住む住民は基地がある限り未来永劫(えいごう)、被害を甘受せよとでも言うのだろうか。そのような理不尽を許してはならない。
弁護団は来年1月にも第4次嘉手納爆音訴訟を提起する。25日には第3次普天間爆音訴訟団も那覇地裁沖縄支部に追加提訴した。政府が騒音被害を放置する以上、訴訟を起こさざるを得ない。
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(2020年12月28日[月])
マガジン9のインタビュー記事【この人に聞きたい 大矢英代さんに聞いた:アメリカ大統領選から見えたこと】(https://maga9.jp/201202-2/)。
《10年にわたって沖縄・八重山諸島を取材し、映画『沖縄スパイ戦史』を共同監督した大矢英代さんは、2年前、ジャーナリストとしての拠点をアメリカに移しました。11月初めのアメリカ大統領選を取材して見えてきたこと、感じたことは何だったのか。オンラインでお話をうかがいました》。
《大矢 ただ、日本のマスコミの取材を受けたときにも、「今回の大統領選挙のキーワードは分断ではないか」と言われましたが、こちらではそうした見方はそれほど強くなかったと思います。というのも、アメリカ社会の分断はもうずっと前からあることで、今に始まったことではないと人々は認識しているからです。ただ、トランプがそれを助長させたのは事実だと思います》。
『●戦争の記憶の継承…《大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が
風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ…》』
『●沖縄イジメ、辺野古は破壊「損」の張本人が元最低の官房長官。
そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしているオジサン』
『●《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった
大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》』
『●「自衛隊派遣によって治安はかえって悪化する」、政府の政策に
逆らえば…衆院テロ対策特別委員会委員は国会参考人の発言を打ち切り…』
『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…』
以前も引用させていただいたが、コラム『政界地獄耳』の〆、《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》と。一方、《分断という内戦》はニッポンではまだ続いている。7年8カ月にも及ぶアベ様の地獄のような政、それを全て《継承》する陰湿・悪質・強権化した大惨事アベ様政権の違法・違憲オジサン、スカスカオジサン。いつまで《分断という内戦》は続くのか…。利権漁りカースーオジサンの政、3カ月ほどが経過したが、COVID19対策にしろ、第2波高止まりの中、GoToで10月以降感染拡大をもたらし、市民には《自助》を求めるばかり。《勝負の3週間》でも、当然、感染拡大し、12・28まで《勝負》を続ける愚策。第3波のピークは見えず…。故意か、無意識か知らないが、社会の分断を煽っているとしか思えない。大矢さんの最後の御言葉、《「トランプひどい」と言うのなら、日本政府だって同じなのではないかということを自分自身に問い直してほしい。沖縄の状況がいかに理不尽かということも、今回のアメリカ大統領選から日本人は学ぶべきなのではないでしょうか》。
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
「マガジン9…【マガ9備忘録/その145)「沖縄のマスコミは“民”のもの」
高江で語ったQAB大矢記者の心】」
《沖縄のマスコミは、皆さん県民のものです。
“民(たみ)”のものです。
私たちには武器もありませんし、権力もありません。
でも、伝え続けることはできます。抗い続けることはできます。
その一歩一歩が、沖縄の歴史、そして本当の意味で
この国の、この日本の民主主義を勝ち得る手段と信じて、
これからも一生懸命、伝え続けていきたいと思っています。》
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」』
『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊
…昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露』
「レイバーネット…のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵・
大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】」
『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…
「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根』
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
私たちが何を学ぶのかが今、問われている」①』
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
私たちが何を学ぶのかが今、問われている」②』
『●『沖縄スパイ戦史』: 「それまで『先生』と島の人たちに
慕われていた山下が抜刀した」…「軍隊の本性」』
『●2019年度文化庁映画賞《文化記録映画部門の優秀賞》を受賞
…三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』』
『●《「遊撃戦遂行の為特に住民の懐柔利用は重要なる一手段にして
我が手足の如く之を活用する」…住民同士を監視させ…批判している…》』
『●《「慰霊の日」を迎えた。…鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊の悲劇が
伝わる一方、護郷隊の過酷な運命は長年ほとんど知られていなかった》』
『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…』
『●《戦争体験の継承はどうして必要》? 大矢英代さん《二度と同じ手段で
国家に殺されないように、生活を奪われないように、知恵をつけること》』
『●《8月ジャーナリズム》と《沖縄にとって戦争は遠い昔話ではない。
沖縄は、今も一年中、戦争の延長線上を生きている》(大矢英代さん)』
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【https://maga9.jp/201202-2/】
この人に聞きたい
大矢英代さんに聞いた:アメリカ大統領選から見えたこと
By マガジン9編集部 2020年12月2日
10年にわたって沖縄・八重山諸島を取材し、映画『沖縄スパイ戦史』を共同監督した大矢英代さんは、2年前、ジャーナリストとしての拠点をアメリカに移しました。11月初めのアメリカ大統領選を取材して見えてきたこと、感じたことは何だったのか。オンラインでお話をうかがいました。
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大統領選を取材して
──大矢さんは2018年から、アメリカ・カリフォルニア州北部のバークレーに拠点を置いて活動されていますね。今回のアメリカ大統領選は現地で取材されていたのですか?
大矢 大統領選の直前までは仕事で日本にいたのですが、投票締め切り日の数日前にアメリカに戻り、締め切り日の当日、11月3日はバークレーの投票所で取材していました。バイデンの当選確実が伝えられた7日は、バークレーに隣接するオークランドにいたのですが、あちこちから人々が道路に出てきてあふれ返り、次々に集まってきた車からも歓声が上がって、お祝いムードに満ちていたのが印象的でした。
──もともと、民主党支持者の多い地域なのですか。
大矢 バークレー、オークランド、サンフランシスコを含むカリフォルニア州北部のベイエリアは、アメリカでももっともリベラルといわれる地域ですね。この地域でトランプ支持者を見つけるのはかなり難しいと思います。CNNの報道によれば、トランプ得票率はバークレーとオークランドがあるアラメダ地域で17.7%。サンフランシスコ地域では12.7%。また、AppleやFacebookなどの巨大テック企業が本社を置くシリコンバレーを含むサン・ホセ地域やサン・マテオ地域は、トランプの減税政策の恩恵を受けてきたと指摘されている富裕層が暮らしていますが、この地域でさえもトランプ得票率は20.2%〜25.2%にとどまり、現職大統領は見事な惨敗を喫しました。
アメリカって政治的にも社会的にも同じ価値観を持つ人同士が小さな「泡」の中に住んでいて、その泡が集まって一つの地域が構成されているという感じがします。テレビのニュースなどで選挙結果を見ていると、カリフォルニア州は青(民主党)一色で、赤(共和党)は存在しないように見えますが、よく見るとそこにも小さな青赤の泡が混在していて、全体を遠くから眺めたら青に見えるだけに過ぎない。実際、ベイエリアから車で1時間半〜2時間ほど内陸に行けば、トランプ得票率が50%〜60%の地域が南北に帯状に並んでいます。中でもネバダ州との州境にあるラッセン地域やモドック地域では、トランプ得票率は70%を超えました。それでも、それぞれの泡の中では皆同じような政治的主張を持っていて、反対意見に出合うことがないので、疑問も生じない。そんな印象を受けます。
──投票所で取材されたときも、トランプに投票したという人には出会いませんでしたか。
大矢 会いませんでしたね。日本では、マスメディアの出口調査は別にして、だれに投票したか聞かれても答えない人が多いですが、こちらでは皆胸を張って「バイデンに入れた」と答えてくれます。
──実はトランプ支持者なんだけれど表だってはそれを言わない、「隠れトランプ」といわれる人たちも一定数いると言われますが……。
大矢 それらしき人が一人だけいました。台湾出身の大学生で、誰に入れたかは答えたくない、と言っていました。でも、トランプ政権の4年間をどう評価するか聞いたら、トランプが移民規制を強化したことに触れて「移民政策は国防問題でもあるので、一般市民があれこれ口を出す問題ではない。トランプは国の責任として、しっかりやっていた」。それを聞いて「隠れトランプ」かな、と思いました。バークレーでは、トランプ支持だとはちょっと口に出せない雰囲気がありますから。
──他に印象的だったことはありますか。
大矢 バイデンに投票した人も、今後のアメリカに希望を抱いているといった明るい印象は感じられませんでした。バイデンが大統領になったからといって、アメリカが抱えている問題は簡単には解決しないだろう、トランプよりはましだけど……という感じの人が目立ちましたね。
──「問題」とは、たとえばどういうことでしょう。
大矢 特に黒人の場合は、警察による暴力を挙げる人が多かったですね。オークランドはもともと黒人コミュニティが多く、1960年代に急進的な黒人解放闘争組織であるブラックパンサー党が立ち上がった街なんですよ。これももともとは貧しい黒人たちのゲットーを警察の暴力から守ろうということで生まれたものでした。いわば、そのころからBLM(Black Lives Matter)運動があったわけで、にもかかわらず今でも警察による暴力事件はなくなっていない。私がバークレーでインタビューをした大学生の黒人女性は「オバマ政権下でさえ警察による暴力、殺人事件はなくならなかった。たった一回の選挙で魔法のように社会が改善するなんて、そんなことは絶対にないと思う」と冷静に話していました。大統領が代わったからといって、簡単に解決する問題ではないことを、皆よく知っているのです。同時に、彼らにとっては最も切迫した命の問題なのだということを、あらためて知らされました。
分断を正当化したトランプ
──「トランプよりはましだけど」という言葉が出ましたが、今回の選挙そのものが、トランプ対バイデンというよりトランプ対反トランプの戦いに見えました。「バイデン当確」のお祭り騒ぎも、バイデンが当選してうれしいというよりも、とにかくトランプがやめることになってよかったという印象でしたね。
大矢 その通りです。「バイデン勝った!」より「トランプをやっつけたぞ!」という声のほうが断然大きかった。選挙期間中も「バイデン好き!」よりも、「くそ食らえトランプ!」といった、トランプに対する激しい罵倒表現のほうをもっぱら耳にしました。
とにかくトランプを政権からおろしたいという「アンチ・トランプ」を理由に人々がつながって、それが大きなうねりになり、バイデンの勝利につながった。いわばトランプに対する怒りや憎しみという負のエネルギーがひとつになって勝ったと言えるでしょう。ですからトランプが政権から降りた後、反トランプという旗印を失った今後はどうなっていくのだろうという懸念もあります。
バイデンは11月7日の勝利宣言で「分断から融和へ」というメッセージを発しましたが、その中で「アメリカのデモナイゼーション(悪魔化)した時代を終わりにしよう」と述べました。しかし実際、今回の選挙でトランプは7,389万票を取得しています。前回2016年の選挙での自身の得票数よりも1,000万票も増加しているのです。人々はなぜトランプを支持し続けるのか、その根源的な原因を理解することなしに、トランプの時代を「悪魔化の時代」と呼ぶのであれば、結局は新たな分断をつくり出していることにならないか、トランプがやってきたことと変わらないのではないかと、ちょっと気になりました。
──アメリカの分断はそれほど深いということでしょうか。
大矢 ただ、日本のマスコミの取材を受けたときにも、「今回の大統領選挙のキーワードは分断ではないか」と言われましたが、こちらではそうした見方はそれほど強くなかったと思います。
というのも、アメリカ社会の分断はもうずっと前からあることで、今に始まったことではないと人々は認識しているからです。ただ、トランプがそれを助長させたのは事実だと思います。
「アメリカ社会には根深い分断がある。それはよくないことだからなんとか克服して国民的な融和をめざそう」という共通認識を、トランプはひっくり返してしまった。社会に勝者と敗者がいるのは当たり前、分断や格差があって当然、それで何が悪いと開き直ってしまった。大統領権限を使って分断を正当化したことが、トランプ政権が残した最大の禍根だと思います。
トランプはなぜ支持されるのか
──バイデンが、というか「反トランプ」が勝利した最大の理由は何でしょうか。
大矢 2020年は、アメリカの全国民が当事者にならざるを得ない大きな問題が二つ起きました。一つは新型コロナウイルスの感染拡大、もう一つが警察による暴力に注目が集まったことです。この二つにトランプがうまく対応できなかったという認識が、反トランプに人々が結集する原動力になったのだと思います。逆に言えば、もしトランプがコロナ対策に成功していたら、勝っていたかもしれません。
──日本から見ていると、トランプはツイッターなどで平気でフェイクやデマを飛ばしたり、政敵を罵倒したりと、めちゃくちゃなことをやっているように思えます。そのトランプが、それでも一定の支持を集めるのはどうしてなのでしょう。
大矢 彼は悪の権化みたいに言われることがありますが、それでも一応は民主的選挙で選ばれた大統領です。先ほども触れたように、今回も決してバイデン圧勝でなく、有権者の半分近くがトランプに投票しています。なぜ彼がそこまで支持されるのか、その社会的背景を精査することこそが大事だと痛感しています。
私は、テクノロジーの発展と共に、人々が自分の欲しい情報だけを見て、判断して行動するのが当たり前の社会になってしまったことが、トランプという政治家を生み出したのではないかと思っています。インターネットが発達して、検索サイトに知りたいキーワードを入れればいくらでも情報が出てくるけれど、それを全部見ることはなく、最初に出てきた記事だけを読んで、それを信じてしまう。これだけじゃわからない、ほかの意見も調べてみようという視点を持たない傾向が加速している気がします。
そこからさらに進んで、トランプは自分に批判的なメディアをフェイクニュースだと言って、「敵」に認定するということを繰り返してきました。そういった大統領の態度を見て、国民もまた「自分の好きなものだけを見て信じて行動してもいいんだ」と思うようになってしまったのではないでしょうか。
私たちジャーナリストにとっては、事実に基づいた報道というのが大前提だったのに、この先のアメリカは、嘘でもフェイクでも、事実かどうかなんてどうでもいいという社会になってしまうのではないかと危惧しています。
──同じような傾向は、日本にもあると感じます。
大矢 日本でも、沖縄の基地建設反対運動について「中国の手先だ」「お金をもらっている」といったフェイクが飛び交っていますよね。それを言い立てる人にとっては、事実かどうかなんてどうでもいいのだと思います。そのフェイクを信じることで、自分の沖縄に対する無関心を免罪しているとしか思えません。
同時に、そうした「沖縄ヘイト」の背景には、いじめられる側には入りたくない、自分は「強い側」にいるという高揚感を持っていたいという、集団いじめのような心理も働いているのではないかという気がします。これも世界中で起きていることだといえるのではないでしょうか。
──また、バイデンの大統領就任が確実になったことで、非白人で女性のカマラ・ハリスが副大統領になるであろうことも注目されています。非常に画期的なことだと思うのですが、大矢さんはどう受け止められていますか。
大矢 おっしゃるとおり、女性であり有色人種であるハリスが副大統領になるのは、新たな歴史の第一歩です。私が取材した人々からも、初めての女性副大統領誕生に期待するという声が、特に白人女性から聞かれました。
彼女は勝利スピーチで、「私は、最初の女性副大統領かもしれないが、最後ではない」と、少女たちに自らの可能性を追求するよう励ましました。アメリカは可能性に満ちた国で誰でも夢を叶えることができるというメッセージが、アメリカ人の魂に訴える力には計り知れないものがあります。
その上で私があえて言いたいのは、女性だから、有色人種だからというだけで無条件に応援するのは違うだろうということです。
たとえば近年、アメリカでは「女も軍隊に入って国を支えよう、強い国を作ろう」といった、「女性ミリタリズム」ともいうべき新しい潮流も出てきています。昨年新設されたアメリカ宇宙軍は、コマーシャルで若い女性を主人公として「私が歴史をつくる、それが未来へと繋がる」というメッセージを発しており、このコマーシャルはオンライン動画配信サイトなどで頻繁に流れています。女性だからいいというのではなく、ハリスの政策がどういうものなのかしっかり見極める必要があるでしょう。彼女が、世界中に軍隊を送って戦争することで強い国を目指すというアメリカの伝統的価値観を持った女性でないことをひたすら願っています。
そして日本に対しても、これまでの対米追従の軍事政策を見直してもらいたい。少しでも沖縄の負担を減らし、日本が主権国家として独立できるような政策をとって欲しいと願っています。
私たちが考えるべきことは
──すべての州で開票が終了した後も、トランプは「不正選挙」を言いつのり、現時点でいまだ「敗北宣言」をしていません。平和的な政権移行ができるのかどうか、危ぶむ声もありますが……。
大矢 万が一、このまま「敗北宣言」が行われないままであれば、トランプ退陣を求める大規模なデモが起こり、そのカウンターとしてトランプを支持する武装勢力が乗り込んでくる……といったことはあり得ると思います。民主的な選挙で決まった結果なのに、スムースに政権移行出来なくて暴動が起きるのではと不安が広がっているなんて、民主主義先進国とは思えませんよね。
──「不正選挙だ」という主張に対しては、一般の人々はどう見ているのでしょう?
大矢 どのメディアを見ているか、どの情報を信じているかによってかなり異なります。バイデン支持者は、何言ってるんだ、いい加減にしろという反応ですし、トランプ支持者は、証拠はなくとも裏に何かある、誰かが操作していると言いつのっています。ただ、いずれトランプが引き下がるとしても、ずっと不正選挙だとかだまされたと言い続けることで、支持者はそれを真実として信じ込んでしまうことになるでしょう。バイデンが大統領になってもその思い込みは消えず、影響は長引くと思います。
一方、反トランプの側からは、トランプを「国家冒涜罪で逮捕しろ」といった声もあがっています。ただこれは、法的根拠に基づいてというよりは、とにかくトランプが悪い、嫌いだから逮捕しろ、と言っているように聞こえます。
選挙前、バイデンとトランプのテレビ討論がありましたが、まるで小学生のけんかでしたよね。お互いを罵倒するばかりで、ディスカッションになっていない。本来アメリカには多様な意見を受け入れる土壌があったはずなのに、相手の意見を聞く耳をまったく持たない者同士のののしりあいに終始していました。
トランプを逮捕しろという声もそれと同じように、単なる「好き嫌い」の世界になっているようで、気にかかっています。
──その他、今後予測されることはありますか。
大矢 トランプ大統領が残された任期の中で、やけくそになってとんでもない大統領令を出すのではないかということも心配です。たとえば中東のどこかを空爆して、「悪党をやっつけてやったぜ」と力を見せつける、それだけのために軍事行動を起こすようなことはあり得るかもしれない、と思います。
トランプが怖いのは、何をやるかその瞬間まで全く読めないことです。たとえば9・11後のブッシュのイラク攻撃は、そこに至る過程がカウントダウンで読めました。1週間後には戦争が始まるだろうと、誰の目にも明らかだった。けれどトランプは半径2メートルくらいの側近とだけ相談して、いきなりミサイル打ち込むとか、唐突に実行して国民には事後報告、というパターンなんですよ。それが怖い。
日本人が考えなければいけないのは、万が一そうなった時に日本はこれまでのように無条件にアメリカに付き従うのかということです。自分たちはどうするべきなのか、責任を持って判断しなければならない。トランプの無謀ぶりを語る時には、常に「じゃあ日本はどうする」ということを、主権国家として考えなければならないと思います。
──日本の私たちがアメリカ大統領選を受けて考えるべきは、そこでしょうか。
大矢 もう一つ、トランプの「不正投票」という主張に対し、民主党支持者が「開票結果がすべて」だというプラカードを出しているのを見て、思ったことがあります。
日本でも、同じように「選挙結果に従え」といってトランプを批判する声がありますよね。でも、そう主張するのであれば沖縄はどうなのだろう、と思ったのです。
沖縄の人々はこれまで、「辺野古に新基地はいらない」という意思を、何回も選挙で示してきましたよね。選挙結果がすべてというのが民主主義の基本だというのなら、それを無視し続ける日本政府とはいったいなんなのでしょう。「トランプひどい」と言うのなら、日本政府だって同じなのではないかということを自分自身に問い直してほしい。沖縄の状況がいかに理不尽かということも、今回のアメリカ大統領選から日本人は学ぶべきなのではないでしょうか。
(構成・写真/マガジン9編集部)
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おおや・はなよ 1987年、千葉県出身。琉球朝日放送記者を経て、フリージャーナリスト、映画監督。ドキュメンタリー映画『沖縄スパイ戦史』(2018年・三上智恵との共同監督)で文化庁映画賞優秀賞、第92回キネマ旬報ベスト・テン文化映画部門1位など多数受賞。2020年2月、沖縄・八重山諸島の知られざる沖縄戦「戦争マラリア」を追った10年間の取材記録・ルポ『沖縄「戦争マラリア」-強制疎開死3600人の真相に迫る』(あけび書房)を出版。本作で第7回山本美香記念国際ジャーナリスト賞・奨励賞受賞。2018年フルブライト 奨学金制度で渡米。以降、米国を拠点に軍隊・国家の構造的暴力をテーマに取材を続ける。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース修士課程修了(2012年)。現在、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員。ツイッター:@oya_hanayo ウェブサイト:https://hanayooya.themedia.jp/
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[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
三上智恵さんご自身のツイートで知りました。【週刊エコノミスト Online ワイドインタビュー問答有用/沖縄の「秘密戦」を記録=三上智恵 映画監督、ジャーナリスト/797】(https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200623/se1/00m/020/004000c)。COVID19の関係で、本屋にほとんど行けていない……まだ、未購入。
《第二次世界大戦末期の沖縄戦をテーマにしたドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」(2018年)を監督した三上智恵さん。同名の『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書)をこのほど出版した》。
《「遊撃隊戦闘教令(案)」はこう書いています。「遊撃戦遂行の為特に住民の懐柔利用は重要なる一手段にして我が手足の如く之を活用する」……。住民同士を監視させ、日本軍を批判している人はいないか、外国語が上手な人は誰かなどを探し、スパイとして密告させました》…いま、そうだとまでは言いません。でも、アベ様らが目指しているのは、そんな社会でしょうし、超監視・超管理したくて仕方ない雰囲気はふんぷんとします。
《三上 私は二度と沖縄を戦場にしないためにという思いでやっているので…》。本当に賛成です。沖縄だけではありませんが、どこの親が子や孫が戦争すること、殺し合うことに、賛意を示すでしょうか。
映画の共同監督の大矢英代さんは、かつて、「戦争のためにカメラを回しません。戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」と仰っています。「私たちは、過去の歴史からしか学べません…私たちが何を学ぶのかが今、問われている」とも。アベ様の政で〝唯一上手くいっている〟《メディアコントロール》の下、愚かな社会へと堕ちないように(もう既に堕落しきっていますが…)、いま、やるべきことは明確です。
『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」』
「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
…心の奥底にまるで「澱」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
その両方が存在しました》」
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●「安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が
世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実に」!?』
『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」』
《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊「護郷隊」や八重山の
戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》
『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊
…昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露』
「レイバーネット…のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵・
大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】」
『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…
「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根』
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
私たちが何を学ぶのかが今、問われている」①』
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
私たちが何を学ぶのかが今、問われている」②』
『●『沖縄スパイ戦史』: 「それまで『先生』と島の人たちに
慕われていた山下が抜刀した」…「軍隊の本性」』
『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》』
『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を
着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》』
『●《戦争が廊下の奥に立つてゐた》…《そんな時代にしては
ならない》はずが、癒党お維や与党議員ときたら』
『●2019年度文化庁映画賞《文化記録映画部門の優秀賞》を受賞
…三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』』
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【https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200623/se1/00m/020/004000c】
週刊エコノミスト Onlineワイドインタビュー問答有用
沖縄の「秘密戦」を記録=三上智恵 映画監督、ジャーナリスト/797
2020年6月15日
(「たくさんの人におじいちゃんたちと会ってほしかったので、
話し声が聞こえてくるように書きました」 撮影=佐々木龍)
第二次世界大戦末期の沖縄戦をテーマにしたドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」(2018年)を監督した三上智恵さん。同名の『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書)をこのほど出版した。
(聞き手=井上志津・ライター)(問答有用)
「つらい記憶のふたを開けた責任がある」
「軍隊が勝つための作戦と住民を守るための作戦は一致しないのが戦争の構図」
── 750ページ余に及ぶ『証言 沖縄スパイ戦史』には映画には盛り込まれなかった新たな証言も数多く収録されています。いつごろから本にまとめようと思いましたか。
三上 映画「沖縄スパイ戦史」の撮影中から本にしたいと思っていました。沖縄戦は沖縄守備軍・牛島満司令官の自決で1945年6月23日に終わり、民間人を含む20万人以上が犠牲になりましたが、映画はその後も北部で続けられた「秘密戦」の実態を描いたものです。映画には時間の制約があり、証言者一人ひとりを追うことはできないため、集団の記録として構成しましたが、皆さんのライフストーリーを聞き取った者の責任として、絶対に本として書き残さなければいけないと思いました。
── 映画に出ていない人の証言もありますね。
三上 本に掲載した証言者31人のうち10人は映画に登場していません。追加取材も重ね、第1章の元「護郷隊(ごきょうたい)」のおじいちゃんたちの証言だけでも300ページ以上になりました。執筆期間も、最初は3カ月の予定が1年半かかりました。
「秘密戦」とはスパイを使って敵の情報を入手したり、身内から情報が漏れる=スパイが出ることを防いだりする、正規軍がやらない「裏の戦争」のことだ。映画は秘密戦や遊撃戦と呼ばれるゲリラ戦の中で、主に日本軍が沖縄の住民に対して行ったスパイ視や虐殺に目を向けた。
「スパイリスト」工作
(米軍が沖縄北部の山中で押収した日本軍の「秘密戦に関する書類」
(映画「沖縄スパイ戦史」から)(C)2018「沖縄スパイ戦史」製作委員会)
── 映画「沖縄スパイ戦史」を作ることになったきっかけは?
三上 1作目の「標的の村」(2013年)と、続く「戦場(いくさば)ぬ止(とぅどぅ)み」(15年)は辺野古新基地と高江ヘリパッドの建設に抵抗する人々を記録しました。3作目「標的の島 風(かじ)かたか」(17年)では、それに加えて15年から与那国、宮古、石垣島など南西諸島に自衛隊の新しい基地計画が進んでいく状況を描きました。攻撃能力を備えた自衛隊の配備は、今や沖縄だけではなく日本列島全体が対中国戦略の米軍の防波堤にされていることを意味します。なのに、映画を見た人の反応の多くは「沖縄は大変ね」というものだったんです。とかく自衛隊というと合憲だ、違憲だとイデオロギーの話に矮小(わいしょう)化されてしまう面もあり、この「鈍感の壁」をもどかしく感じていました。
そんな時、自衛隊の情報機関が反対派住民の情報を収集し、リスト化していると聞いたのです。それって沖縄戦の「スパイリスト」の再来じゃないかと愕然(がくぜん)としました。でも、その話を周りにしても反応が薄い。知られていないんですね。それで4作目のテーマは沖縄戦にしよう、戦争の仕組みを知らせようと決め、「風かたか」の公開後、すぐに動き出しました。
米軍の沖縄上陸が迫っていた44年晩夏、42人の青年将校らが沖縄各地に潜伏した。軍事諜報(ちょうほう)員の養成機関「陸軍中野学校」の出身者たちだった。任務は本土決戦までの時間稼ぎのため、沖縄の守備軍が壊滅してもゲリラ戦を展開すること。14~17歳の少年たち約1000人をゲリラ部隊「護郷隊」に召集し、敵の食糧庫や弾薬庫の夜襲や、特殊兵器を使った爆破などをさせたほか、マラリアで恐れられた西表島への波照間島民の強制移住、地域の有力者による住民監視組織の結成など、さまざまな秘密工作を行った。
── この工作の一つが「スパイリスト」ですね。
三上 44年1月作成の「遊撃隊戦闘教令(案)」や米軍が押収した日本軍の「秘密戦に関する書類」を見ると、秘密工作はみなマニュアル通りに行われていたことが分かります。「遊撃隊戦闘教令(案)」はこう書いています。「遊撃戦遂行の為特に住民の懐柔利用は重要なる一手段にして我が手足の如く之を活用する」……。住民同士を監視させ、日本軍を批判している人はいないか、外国語が上手な人は誰かなどを探し、スパイとして密告させました。恐怖と疑心暗鬼の中、スパイと疑われて虐殺された住民は、数百人とも1000人ともいわれています。
── スパイリストによる住民虐殺については、番組制作のため09年にすでに取材していたものの、公開を保留にしたそうですね。
三上 当時は関係者が健在だったからです。小さな村ですから、誰の密告で誰が殺されたか、分かっているんですよ。大事なのは関係者の罪を問うことではなく、軍隊が勝つための作戦と、住民を守るための作戦は一致しないという戦争の構図を示すこと。多角的に描かないと、「沖縄の少年兵や住民が虐殺に関わっていた」などとセンセーショナルな部分だけが内地のメディアに取り上げられるのもいけないと思いました。
加害者になる心の動き
── リストには18歳の少女も載っていました。その中本米子さんは映画にも登場しますが、本書では映画で語らなかった告白をしているのが衝撃的です。
三上 映画完成後にお会いした時に、急に語り始めたんですよ。撮影中は隠していたのではなく、つらい記憶だから封印していたのだと思います。私のある質問をきっかけに、記憶のふたが急に開いてしまったようでした。私は残酷なことをしているのではないかと、動揺したのを覚えています。
── 本土決戦に向け、岐阜で少年兵を訓練していた中野学校関係者も初めて登場しています。
三上 現在98歳の野原正孝さんです。公開後、岐阜新聞を通じて連絡が取れました。「住民は兵器の一つで消耗品だった」と言い切り、「ゲリラの教官だったことは誰にも話してこなかったから、話せてよかった」とも言ってくれました。ただ、出版後、野原さんから手紙が来たんです。「あの当時、国のため、天皇陛下のために尽くしたことに後悔はありません。でも、あなたのような広い知見を持って、このような本にまとめられた歴史としてみた時に、一抹のわびしさを感じます」と書いてありました。
野原さんは今も自分が中野学校の一員だった誇りを持っているんです。今回、米子さんの告白からも分かりましたが、もちろん戦争は悪であっても、自分の青春時代を全部否定的にとらえたくはないですよね。楽しかった時間もたくさんあったはず。でも、「あの時代は大変だった」以外の話は、これまで耳を傾ける人がいなかったし、あまり話さないまま来たのかもしれません。
野原さんは中野学校の面白い裏話もたくさんしてくれました。だから、できればもう一回、劇映画などにして野原さんが喜ぶものを作りたいなと思っているのですが……。
── 「虐殺者」の面だけではない将校たちの人間性も描いています。
三上 護郷隊の隊長は戦後、戦死した全ての部下の家を回り、仏壇に手を合わせました。慰霊祭にも死ぬまで出席しました。これまで私は住民側の目線でずっと取材をしてきましたが、彼らに課せられた任務を知るにつれて、狂ったシステムの中で加害者になる人の心の動きが理解できるようになりました。初めて兵士の立場で考えられるようになったと思います。
── 証言を世に出すことで取材相手を傷つけてしまうのではないかという葛藤は?
三上 それは常に苦しんでいます。でも、誰も傷つけたくないのなら、ジャーナリストなんかやるべきじゃない。取材相手には「三上さんの作品でひどい目にあったけど、三上さんは憎めなかったな」と思ってもらえるように、その後も通い続けるようにしています。
── 12歳の時に家族旅行で初めて沖縄を訪れたのですね。
三上 強烈なカルチャーショックを受けました。家のような形のお墓も、本土とは異なる言語も不思議でしたし、南部戦跡や平和祈念資料館には沖縄の思いが詰まっているのを感じました。旧満州(現中国東北部)から引き揚げた経験を持つ祖母の話を聞いて育ったからか、もともと戦争には興味のある子どもでしたが、以来、沖縄のことが頭から離れなくなりました。大学では宮古島に通ってシャーマニズムを研究しました。ユタ(巫女)さんから「あんたの背後には草の冠に白装束を着けたおばあがたくさんいる」と言われたことが何度もあるんですよ。
「自分のこと」だから
(元第二護郷隊員の瑞慶山良光(ずけやまよしみつ)さん、
宮城清助(きよすけ)さん、仲泊栄吉さん(右から)と
三上さん(今年2月撮影) 三上智恵さん提供)
── 草の冠?
三上 草冠は祭祀(さいし)をつかさどり、神女と呼ばれる女性たちが身に着けるものです。だから、ひょっとして神に仕えながら島を守る役割の人たちから、島を守るよう使命を与えられているのかなと思っています。
三上さんは毎日放送(大阪市)でアナウンサーをしていたが、95年に開局した琉球朝日放送(QAB)へ開局と同時に転職。QABではキャスターを務めながら、ディレクターとしても「海にすわる~辺野古600日の闘い」(06年)、「英霊か犬死か~沖縄から問う靖国裁判」(11年)など多くのドキュメンタリー番組を制作した。
── 当時1歳だった息子さんを連れて沖縄に移住したのですね。
三上 航空会社に勤める父がその前に沖縄に転勤していて、両親が夜も息子を見てくれたので、思う存分仕事ができ、楽しくて仕方がなかったです。夫とはそれ以来、別居婚になりましたが。
── 95年には米兵による少女暴行事件が起きました。
三上 彼女を忘れた日はありません。彼女は二度と同じような犠牲者を出したくないという一心で事件を公にしたのに、普天間飛行場の返還が発表された時、私たちは「県民の怒りが普天間を動かした」と報道してしまいました。辺野古が面する大浦湾に米軍基地を作る計画は60年代からあり、それをこの機を利用して日本に作らせるというカラクリに気づいてなかったのです。
それが悔しくて、古い基地を返す代わりに新しい基地を日本の税金で作らせるという欺瞞(ぎまん)を伝えなければと、がむしゃらに走ってきました。沖縄の人から今も時々、「内地から来たのに沖縄のことをやってくれてありがとう」と言われますが、私は自分のことだからやっている感じなんですよ。
── QABの番組「標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち」が映画化された後、QABを退職したのはなぜですか。
三上 QABでは19年間、ニュース番組でキャスターを務めてきましたが、局からは管理職として裏方に回るよう言われていたんです。私は現場の方が向いていると反論し続けましたが、限界でした。直接言われたことはないですが、キャスターの主張が「反基地」すぎるのも問題だったと思います。何のあてもなく、どうしようと思っていたら、「標的の村」を応援してくれた人たちが「お金を集めるから取材を続けて」と言ってくれ、2作目につながりました。
── 今後も映画監督を?
三上 私は二度と沖縄を戦場にしないためにという思いでやっているので、映画にはこだわりません。人の人生を活字で再構成する楽しさを知ったので、沖縄戦をテーマに、また本を書きたいかな。
この本は証言者の話し声が聞こえてくるようでしょう。たくさんの人に証言者のおじいちゃんたちに会ってほしくて、黒砂糖とお茶を出して仏壇の前で話してくれる様子をそのまま表現するよう心がけました。この本は分厚いので、1ページ目から読まなくてもいいですよ(笑)。たまたまその日、開いたページに出てくる人の証言を読んでほしい。その人と出会ってもらえたらうれしいです。
●プロフィール●
みかみ・ちえ
1964年東京都生まれ。87年成城大学文芸学部を卒業し、アナウンサー職で毎日放送入社。95年琉球朝日放送(QAB)開局と同時に入社。2003年沖縄国際大学大学院修士課程修了。キャスターを務めながらドキュメンタリーを制作。初監督映画「標的の村」(13年)でキネマ旬報文化映画部門1位など数々の賞を受賞。14年独立。「戦場ぬ止み」(15年)など次々と手がける。著書に『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』(大月書店)など。沖縄県読谷村在住。
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東京新聞の社説【沖縄の住民排除 警察への重い戒めだ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019122402000159.html)。
《沖縄の基地建設現場での機動隊員による反対派住民の排除は、適法性に疑問がある-。警視庁機動隊の派遣を巡る住民訴訟で、東京地裁が示した判断だ》。
『●総立ちで拍手: 三権分立、「権力分立」なんて
ニッポンには無いようで、アベ王国国王様に「権力集中」』
「直近の例では、辺野古破壊訴訟の様に司法もアベ様寄り。
所信表明演説でアベ様が讃えた、そして、シモベが拍手喝采した
《日本領域の警備を続ける海上保安庁、警察、自衛隊》は、いま、
現在進行形で、番犬様を「思いやる」ために高江破壊・辺野古破壊を行い、
人権侵害をしています」
『●沈黙するマスコミ…「機動隊に加え、防衛省、自衛隊、
そして米軍が総掛かりで住民たちを排除し、監視」』
「リテラ…伊勢崎馨氏による記事【安倍が所信表明で高江の
「米軍ヘリパッド」建設強行を宣言! 反対派排除に巨額税金、
機動隊員は高級リゾートに宿泊】」
「《警察の機動隊に加え、防衛省、自衛隊、そして米軍が総掛かりで
住民たちを排除し、監視する》…日々酷くなる一方の高江破壊。
でも、「本土」マスコミはほとんど無視。「三権分立」
「権力分立」無きアベ王国国王様に「権力集中」。司法も役立たず。
そうなった要因の一つは「本土」マスコミにもある。どこが
《沖縄の未来》のための「基地負担軽減」なのか?、をアベ様らに
問い詰めないでジャーナリズムと言えるのか! 「本土」の市民に
伝えなくて、報道と言えるのか!」
《警察の機動隊に加え、防衛省、自衛隊、そして米軍が総掛かりで住民たちを排除し、監視する》…それに沈黙した「本土」マスコミ。
高江破壊で、《政権中枢の高官が民間企業に便宜供与を打診し、行政をゆがめた恐れがある》…アノ和泉洋人氏でした。
『●《生物多様性の生きた教科書》な森や美ら海を殺すな!
《和泉洋人首相補佐官…民間企業に便宜供与を打診し、
行政をゆがめ…》』
《和泉補佐官は菅義偉官房長官の側近とされ、辺野古新基地建設など
沖縄の重要案件を取り仕切る》
《和泉補佐官は「ありがたい。海外案件は何でも協力しますから」
と感謝を伝えた》
『●《高江のヘリパッド建設工事は異常だった》…その背景に
和泉洋人首相補佐官の暗躍、高江での《わずか9時間の歓喜》』
《疑惑の裏にこの男あり――。菅官房長官の“懐刀”として悪名高い
和泉洋人首相補佐官の暗躍ぶりが、また明らかになった。
沖縄タイムスが24日、沖縄県東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に
関して、和泉氏が民間企業に便宜を働きかけていた証拠となるメモを
スッパ抜いた》
『●高江破壊…《反対する市民らに対抗するのに協力することの
見返りに、海外事業で便宜を図ると和泉首相補佐官は約束》』
「リテラの記事【不倫報道の安倍首相側近・和泉洋人首相補佐官に
便宜供与疑惑! 沖縄・高江ヘリパッド強行めぐり見返りに
「なんでも協力するから」】」
『●国会で追及されない、税金での海外出張《公私混同》和泉洋人
首相補佐官のもっと大きな問題…それは沖縄イジメ《便宜供与》』
『●辺野古・大浦湾が「ホープスポット」登録…《海と、そして
海を保護しようと闘っている人々を、守ってほしい》』
『●《民主主義ならぬ「ご都合主義」国家》…《私人》、《調査・
研究》自衛隊中東〝派兵〟などデタラメ閣議ケッテェ~を乱発』
《「不倫」は和泉洋人首相補佐官(66)、「反社」は菅官房長官。
根底にあるのは長期政権のおごりと公私混同で、政権中枢は
腐り切っている》
『●和泉洋人首相補佐官…《日本の民間企業に建設協力を打診し、
便宜供与を匂わせていた…徹底的に民意をないがしろにする政権の姿》』
「沖縄タイムス・阿部岳さんによる、dot.asahiの記事【元防衛大臣・
驚愕の発言「なんでこんなに必要だったの?」 沖縄・ヘリパッド建設
強行の舞台裏】…《メモの中で、和泉洋人首相補佐官は「本件は官邸で
官房長官直結で私が仕切っており、一省庁の問題ではなく、国の問題」
と発言していた。菅義偉官房長官の側近として、官邸で権勢を振るう人物。
「本件」は米軍のヘリパッドを東村高江周辺に建設する事業を指す》」
《生物多様性の生きた教科書》(金平茂紀さん)な森・高江を様々な汚い手を使って破壊。《根拠法があいまいなまま警察権力が行使されたことに、強く警鐘を鳴らしたものだ。テント撤去以外にも現地では、沖縄平和運動センターの山城博治議長ら延べ十四人もの逮捕、建設車両への警察官同乗、県道の通行規制などが過剰警備として批判されていた。大阪府警隊員による住民への「土人」発言は、大きく波紋を広げた》。そしていま、美ら海・辺野古に土砂をぶちまけ続けているアベ様や最低の官房長官ら。工費と工期は∞なドブガネで、オマケに普天間は返還されない…辺野古は破壊「損」。
『●高江破壊の「異様…全国を見渡しても、
いったい沖縄以外のどこにこのような光景があるのか」?』
『●金平茂紀さん、「No Justice No Peace.
(正義のないところに平和は来ない)…高江には、ない」』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「国民の信頼を傷付け」ているのは?
…「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」』
『●「理」も「正義」も無し…「自衛」のためどころか
高江「破壊」のために自衛隊機が工事用重機を輸送』
『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…』
『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」』
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ』
『●「沖縄の未来」のためのアベ様の「基地負担軽減」という強弁
=「短絡的過ぎる」「まやかしである」』
『●重大な誤りを含む「腐臭を放つ「判決」」:
「沖縄を弄んだというしかない」異常な辺野古破壊訴訟判決』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」
「事実関係を無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●「「辺野古しかない」という一方的な結論は、
司法判断というより、もはや政治判断」…最高裁か最低裁か?』
『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた
盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019122402000159.html】
【社説】
沖縄の住民排除 警察への重い戒めだ
2019年12月24日
沖縄の基地建設現場での機動隊員による反対派住民の排除は、適法性に疑問がある-。警視庁機動隊の派遣を巡る住民訴訟で、東京地裁が示した判断だ。警察は重い戒めとしなければならない。
訴訟の対象となったのは、沖縄県東村高江周辺での米軍ヘリパッド建設に伴い、二〇一六年七~十二月に行われた約百四十人の警視庁機動隊員の派遣。約百八十人の都民が、派遣期間中に支払われた隊員基本給約二億八千万円や特殊勤務手当の損害賠償を求めて一六年十二月に提訴し、今月十六日に判決が言い渡された。
損害賠償の請求は退けられたが、判決は、東京、大阪、神奈川、愛知など六都府県警から派遣された機動隊員の反対派住民らへの対応に言及。「職務行為が必ずしも全て適正だったとは言い難い」とし、特に一六年七月、住民らが建設現場出入り口に置いた車両やテントを強制撤去したことについて「適法性に看過しがたい疑問が残る」との見解を示した。
根拠法があいまいなまま警察権力が行使されたことに、強く警鐘を鳴らしたものだ。テント撤去以外にも現地では、沖縄平和運動センターの山城博治議長ら延べ十四人もの逮捕、建設車両への警察官同乗、県道の通行規制などが過剰警備として批判されていた。大阪府警隊員による住民への「土人」発言は、大きく波紋を広げた。
三年にわたる裁判で、警視庁側は、今後の警備に影響するなどとして派遣隊員の人数さえ明らかにしなかった。判決での厳しい指摘は、原告側の陳述や証言、沖縄県警幹部らへの証人尋問の積み重ねにより導き出されたといえよう。
沖縄で、座り込み住民らの強制排除は、辺野古の新基地建設現場などでも続いている。警察側は、司法の指摘を真摯(しんし)に受け止めて警備に当たるべきだ。法令順守は言うまでもなく、威圧的と受け取られないよう細心の注意を払うことが求められる。
原告側は、今回の訴訟の最大の争点を「国家が一部地域に国策を押しつけるため、警察権力によって住民らの抵抗を排除することが許されるか」に置いた。抗議活動は平和的に行われており、都府県の機動隊派遣自体が工事推進を目的とした違法なものと訴えたが、その主張は通らなかった。
原告は控訴する方針だ。愛知県でも来年三月、同趣旨の住民訴訟の判決がある。身近な都道府県警察の在り方を通して、沖縄の基地問題が問われている。
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[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
琉球新報の記事【文化庁映画賞贈呈式 「沖縄スパイ戦史」監督2人に賞状 三上氏「お墨付き意外」 大矢氏「歴史伝える」】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1016175.html)。
《文化庁の2019年度映画賞の贈呈式が28日、東京都のグランドハイアット東京であった。文化記録映画部門の優秀賞に選ばれた「沖縄スパイ戦史」の三上智恵、大矢英代の両監督も宮田亮平文化庁長官から賞状を受けた。三上さんは受賞に感謝した上で、国際芸術祭あいちトリエンナーレへの文化庁補助金不交付決定に抗議の意を表し、撤回するよう再考を求めた》
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
私たちが何を学ぶのかが今、問われている」①』
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
私たちが何を学ぶのかが今、問われている」②』
大矢英代さんは、《私たちは、過去の歴史からしか学べません…私たちが何を学ぶのかが今、問われている》と言います。《軍の命令で「強制疎開」…結果、風土病のマラリアで3600人もの人が亡くなった…そもそもなぜ米軍が上陸しなかった島々で「強制疎開」なのか》…『沖縄スパイ戦史』。《この歴史を私たちの世代がしっかり伝えることが、二度と同じ悲劇を繰り返さない一歩になると信じている》とも。
《三上智恵…さんは受賞に感謝した上で、国際芸術祭あいちトリエンナーレへの文化庁補助金不交付決定に抗議の意を表し、撤回するよう再考を求めた》。さすが、三上さん。
『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」』
「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
…心の奥底にまるで「澱」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
その両方が存在しました》」
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●「安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が
世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実に」!?』
『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」』
《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊「護郷隊」や八重山の
戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》
『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊
…昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露』
「レイバーネット…のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵・
大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】」
『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…
「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根』
『●『沖縄スパイ戦史』: 「それまで『先生』と島の人たちに
慕われていた山下が抜刀した」…「軍隊の本性」』
『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》』
『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を
着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》』
『●《戦争が廊下の奥に立つてゐた》…《そんな時代にしては
ならない》はずが、癒党お維や与党議員ときたら』
文化庁のWPの【令和元年度文化庁映画賞について】(http://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/eiga/1409747.html)によると、文化庁映画賞受賞は以下の三作品、そして、その贈賞理由。
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○文化記録映画部門贈賞理由
『ぼけますから、よろしくお願いします。』監督:信友直子 2018年/102分
老齢化や看護は,誰しもが避けることができない人生の課題である。これは,その試練に淡々と向かい合おうとする家族の物語である。老夫婦の日々は,時に悲しく,時に過酷で,見る人をも辛くさせる。しかし,その試練に黙々と対処する老夫婦の姿に触れている中に,やがてやるせなさや愛おしさを共有し,静かな感動へと誘われていることに気付く。認知症という難しい課題を扱いながら,普遍的な物語へと昇華させた稀有な作品である。
(塚田芳夫)
『沖縄スパイ戦史』監督:三上智恵,大矢英代 2018年/114分
第二次世界大戦の末期,沖縄本島北部へ大本営が送り込んだ陸軍中野学校の青年将校たち。映画は,彼らが十代半ばの少年を組織しゲリラ戦を遂行したこと,スパイ容疑者のみならず,病人や怪我人が足手まといとして殺害されたことなど,当時の生存者の証言や資料を丁寧に掘り起こして敗戦末期の軍隊の恐ろしさを浮き彫りにする。語られることの少ない本島北部の悲劇について,沖縄戦の新たな視点での貴重な記録となっている。
(山田顕喜)
『福島は語る』監督:土井敏邦 2018年/170分
原発事故という大きな現実の中で,生きざるを得ない人びとがいる。その人たちは今,何を思い,どうしようとしているのか。映画は14人の声を,丹念に長い時間をかけ記録していく。お互いの信頼関係の中で,人びとは徐々に語りにくかった思いをしずかに,整理するように語る。制作者はその証言に正面から向き合い,そのことで,福島の現実を直視しようとする。この映画はドキュメンタリーの一つの到達点といってよい作品である。
(原田健一)
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文化庁、ほんのちょっぴり見直した。
『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》
…原状回復して見せたのか? 誰か責任は?』
「《失われた古里》、《もどれない故郷》、失われた
《本来は恵みをもたらす田畑の土》…原状回復して見せたのか?
誰か一人でも責任をとったのか?
それでも経済産業省は核発電の《維持推進を掲げる》…。
東京電力核発電人災から8年なのに、この体たらくだ。
核発電「麻薬」中毒患者達は、経済性から核発電輸出からは撤退しよう
としているが、…国内では、核発電所を再稼働し、新規建設をしたくて
しょうがない訳だ。3.11の核発電人災の反省など一切なし」
《「福島は語る」という映画…土井敏邦監督が福島県民ら十四人に
インタビューした記録映画である。そこに杉下初男さんが出ていた。
杉下さんは石材業を営み、本の中では、飯舘の白御影石は安くて色が
ブルーなので東京で人気だった、と書いてある。
映画で杉下家の本当の悲劇は、事故の何年も後だったと知った。
杉下さんは原発事故のせいとも、放射能のせいとも語っていないが、
故郷を離れ、避難生活を送ることの厳しさを感じた》
『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》』
「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
…。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
浮かび上がらせているのが特徴だ》」
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【https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1016175.html】
文化庁映画賞贈呈式 「沖縄スパイ戦史」監督2人に賞状 三上氏「お墨付き意外」 大矢氏「歴史伝える」
2019年10月29日 06:30
文化庁 沖縄スパイ戦史 あいちトリエンナーレ
(「沖縄スパイ戦史」の文化庁映画賞の文化記録映画部門
優秀賞受賞で賞状を受ける監督の三上智恵さん(右から2人目)と
大矢英代さん(右)=28日、東京都のグランドハイアット東京)
【東京】文化庁の2019年度映画賞の贈呈式が28日、東京都のグランドハイアット東京であった。文化記録映画部門の優秀賞に選ばれた「沖縄スパイ戦史」の三上智恵、大矢英代の両監督も宮田亮平文化庁長官から賞状を受けた。三上さんは受賞に感謝した上で、国際芸術祭あいちトリエンナーレへの文化庁補助金不交付決定に抗議の意を表し、撤回するよう再考を求めた。
三上さんは、辺野古新基地建設や高江ヘリパッド新設など国を批判する作品を制作してきたことから「国の文化庁からお墨付きをもらう日が来るのは意外。私自身は全く反日のつもりはなく、自分の古里を守るのに立ち上がらざるを得ない人の声に耳を傾けるのが私たちの仕事だ」と話した。
現在、琉球新報海外通信員も務める大矢さんは「駆け足で撮影したのには今の時代に対する危機感があった。この歴史を私たちの世代がしっかり伝えることが、二度と同じ悲劇を繰り返さない一歩になると信じている」と決意表明した。
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[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
(『沖縄スパイ戦史』劇場予告編)
【http://www.spy-senshi.com】
【https://youtu.be/Tsk9ggz-BoY】
週刊朝日の朝山実氏の記事【島民の3分の1が死亡…封印された沖縄「秘密戦」の実態】(https://dot.asahi.com/wa/2018082200061.html)。
《太平洋戦争末期、軍の命令でマラリアの島に送られ、住民の3分の1が亡くなった波照間島の話を知っていますか? 先月末ミニシアターで公開されたドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」が立ち見が出るほどの反響だ》。
《軍隊というものが持つ狂気性》、《軍隊の本性》。それを繰り返そうとしているニッポン。
『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」』
「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
…心の奥底にまるで「澱」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
その両方が存在しました》」
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●「安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が
世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実に」!?』
『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」』
《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊「護郷隊」や八重山の
戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》
『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊
…昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露』
「レイバーネット…のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵・
大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】」
『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…
「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根』
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
私たちが何を学ぶのかが今、問われている」①』
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
私たちが何を学ぶのかが今、問われている」②』
2018年9月沖縄県知事選挙で、万が一、玉城デニーさんが敗れ、「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」候補者が勝てば、辺野古は破壊「損」となり、普天間移設どころか、死した「美ら海」に新たな巨大基地が新設され、恒久化する…玉城さんは勝利したものの、アベ様や最低の官房長官らは「沖縄市民の民意」完全に無視。「森」は殺され、「美ら海」も殺され、基地から出撃した番犬様らは「人」を…。そして、番犬様は格好の攻撃のターゲット。出撃基地として「人殺し」「侵略」の恨みを買い、基地周辺も攻撃に巻き込まれる。「本土」のアベ様や最低の官房長官らのおかげで、「加害者性」と「被害者性」を強いられる沖縄の人々。「本土」の民は、見てみぬふり。
《軍隊は人を守らない(大田昌秀さん)》《軍隊は住民を守らない》《基地を置くから戦争が起こる(島袋文子さん)》《軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる(三上智恵さん)》…。「本土」の民や、沖縄の自公お維支持者は、何を過剰に番犬様やその基地に期待しているのか?
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【https://dot.asahi.com/wa/2018082200061.html】
島民の3分の1が死亡…封印された沖縄「秘密戦」の実態
朝山実 2018.8.24 07:00週刊朝日
(米軍に投降した少年兵(ドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」から。
映画は東京・ポレポレ東中野、大阪・第七藝術劇場、
名古屋シネマテークなど順次公開中)
(陸軍中野学校が作成した文書(ドキュメンタリー映画
「沖縄スパイ戦史」から))
(「護郷隊」の記念写真(ドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」から))
(大矢英代監督)
太平洋戦争末期、軍の命令でマラリアの島に送られ、住民の3分の1が亡くなった波照間島の話を知っていますか? 先月末ミニシアターで公開されたドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」が立ち見が出るほどの反響だ。長期にわたる綿密な取材で貴重な証言を掘り起こし、封印されてきた沖縄「秘密戦」の実態を明らかにしていく。
(【写真】陸軍中野学校が作成した文書)
* * *
監督したのは三上智恵、大矢英代の女性ふたり。
スパイの養成機関だった「陸軍中野学校」出身者が米軍上陸を想定し、離島も含めた沖縄の各地に配置された。映画は、彼らが及ぼした戦争の痕跡を追うものだ。
1944年秋、本土決戦をも視野に入れた「大本営」は、沖縄で徴兵年齢の17歳に達しない、14~16歳の少年約千人を召集し「護郷隊」と名づけた。割り当てられた銃は170センチ。「銃が(身長より)高い」と16歳で入隊した瑞慶山良光さんが映画の中で語る。ある日学校に行くと「志願」を求められた。
短期育成に当たったのは、陸軍中野学校を出たばかりの若い将校たちだ。少年をも兵員としなければならないほど日本軍は追い込まれていたとともに、「こんな子供たちが」と敵の油断を誘う効果もあった。
闇に紛れての攻撃や爆弾を背負い戦車隊に突っ込むなど、その存在は米軍を驚愕させたといわれる。約160人が戦死した。
撤退戦の中、足手まといとなった傷病兵が軍医や同郷の仲間によって「射殺される現場を見た」など、戦後70余年を経て得られた元少年兵の証言から、表に出てこなかった戦争の現実が浮き彫りになってくる。
当時15歳だった玉城秀昭さんは、一度米軍の捕虜になってから家族を捜しに来た男性がスパイだとののしられ、殺されかけた現場にいたという。
大矢さんが言う。
「聞き手は三上さんですが、読谷村で目撃者を探していくうちに、たまたま訪ねていった家で、質問がスパイの話になったとたん、顔つきが変わった」
三上さんが「今考えればスパイじゃないという彼の言い分は正しいわけですよね」と尋ねると、玉城さんは「あの時代、敵と通じたら大変」「感覚が全然違う。僕も(スパイは)殺しに行くよ、当たり前」と体を震わせた。
長い間「住民虐殺」が明るみに出ることがなかったのは、スパイ摘発に住民が関与し、戦後もそこで暮らさねばならなかった事情が絡みあっているのだろう。ある「スパイリスト」には、軍の施設で勤労奉仕していた少女の名前まで挙がっていたという。
「施設の配置を敵に知られることを恐れた口封じのためだったみたいですが、軍隊は誰を守ろうとしていたのか」(大矢さん)
ふたりの監督の丁寧な聞き取りの積み重ねから、戦後も沈黙を強いてきたものの正体があぶりだされていく。後半では、さらに驚くべき出来事が伝えられる。
地上戦のなかった八重山諸島で3600人余りの命が、日本軍の強制移住によって失われた。島の住民たちは「戦争マラリア」と呼ぶ。
「わたしが『戦争マラリア』のことを知ったのは学生だった9年前」と大矢さん。
最も被害が大きかった波照間島では、住民の3分の1にあたる約500人が亡くなった。当時マラリアの発生地帯だった西表島に、軍が強制移住を命じた。食糧難と医療も不十分なままに次々と発病。遺体の埋葬も追いつかず「浜一面が遺体だらけ」になったという。
当時13歳、カメラの前で語る浦仲孝子さんは、家族11人のうち妹と彼女だけが生き残った。父親をみとるくだりは衝撃的だ。
「なんでそんなことになったのか。誰でも知りたいと思いますよね」と大矢さん。
米軍は平坦(へいたん)な土地が多い波照間島を占領、飛行場を造るだろう。戦闘が起きれば、住民は足手まといとなるだけでなく、機密情報が漏れる恐れがある。強制移住は「住民保護」と称し、軍の監視下に置こうとしたのだと考えられている。
同時に、島には2千頭余りの牛馬や豚がいた。米軍に渡れば食料となると食肉処理を命じ、肉は島のカツオ工場で薫製にされ、日本軍が持ち出したという。
映画にも登場する川満彰さん(沖縄県名護市教育委員会文化課市史編さん係嘱託職員)は、著書『陸軍中野学校と沖縄戦』(吉川弘文館)の中で、強制疎開は「住民の証言を見ると、石垣島に駐屯していた約一万人の日本兵の食糧を確保するため、黒島と波照間島の豊富な食糧を奪うことが目的だった、という真相が見え隠れする」として、「米軍上陸の可能性」をも疑問視する兵隊の証言も挙げている。
もちろん何の反対もなく住民が移住したわけではない。大矢さんが言う。
「疎開の命令が出たのは45年2月ごろ。マラリアを怖がり、反対する人も出た。すると、それまで『先生』と島の人たちに慕われていた山下が抜刀したんです」
山下とは「山下虎雄」の偽名を使い、前年暮れに青年学校に赴任してきた臨時教員。じつは陸軍中野学校出身の軍曹で、昼間は「かっこいい先生」として子供たちから好かれていた青年だったが、夜になると島を巡って調査をしていた。
「結局、軍刀を前にしたら誰も反対できない。家族を失ったオバアやオジイに話を聞くと、憎んでいる人はものすごく憎んでいる。でも一方で、『やさしい人だったよ』という人もいる」
山下が残していった軍刀を戦後、こっそり廃棄したと証言する人が登場する。思いだしたくもないという顔つきで、「首をはねた」といううわさを口にする。
山下虎雄とは一体何者だったのか? ある日、豹変(ひょうへん)した男をめぐる証言の数々はミステリー色さえ感じさせるものだ。
山下だけではない。八重山諸島の各島に1人ないし2人の「偽名」兵士が送り込まれていた。24歳の山下もそのひとりだった。
「わたしが取材を始めたのが、当時の山下とほぼ同年齢。やさしい先生の顔と、豹変した後の顔。自分がその立場にいたら、と山下のことを何度も考えました」
学校で教わったという人たちを取材する中で、印象深い証言があったという。
「島にアダンという実があるんですが、山下がやってきたばかりのころ校庭に実を集め『どれだけあるかわかるか』と聞かれ、『たくさんで、わからない』というと、この小さな四角の中に何個あるかを数え、この何倍の広さか計算したらいいと教えられ、頭のいい人だと思ったと言うんです」
その山下先生が後に、その子の家を訪れ「ここは島の南端にある。米軍が上陸すれば一番にやられるんだぞ」と怒鳴り、子供の眼前で父親をぶん殴ったという。
「その人はオジイチャンになっても昨日のことのように語るんですよね。子供の目として見た豹変ぶりを」
軍隊の本性をさらしたということなのだろうが、大矢さんは、若者にそのように二つの顔をもたせた「戦争」「軍隊」というものに問題意識を持ち、この映画を撮ったという。(朝山実)
※週刊朝日 2018年8月31日号
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[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
琉球新報の滝本匠氏による二つのインタビュー記事【井浦新「沖縄の状況悪くなっている」 辺野古テント訪れ役作り 劇場版「返還交渉人」主演】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-753551.html)と、
【戸田菜穂「普天間でごう音を何度も体験」 劇場版「返還交渉人」千葉の妻役】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-753566.html)。
《井浦は「撮り終わって作品ができても、沖縄の状況は今もずっと続いている。なんなら状況はもっと悪くなって何も終わっていない。沖縄、日本の若い世代にも見てもらって、知ってもらいたい」》。
《戸田は「普天間飛行場のそばで撮影して、ごう音を何度も何度も体験した。実際に行ってみないと分からない」と話し、「若い人たちには戦争を題材にした作品を見てもらい、悲惨さを伝えていくしかない」と思いを述べた》。
NHKでのドラマについてのWPより:
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
【https://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=4487】
スペシャルドラマ
「返還交渉人 -いつか、沖縄を取り戻す-」
初回放送
2017年8月12日(土) 夜9時 BSプレミアム
ストーリー
千葉一夫は、沖縄返還で外交交渉の最前線にいた、実在の人物。戦時中、海軍の通信士官だった千葉は、沖縄を圧倒的な武力で攻撃する米軍の無線を、ただ傍受することしかできなかった。戦後、外交官となった千葉は、妻の恵子に「いつか、沖縄を取り戻す」と誓う。
返還交渉が始まった1960年代。本土から切り離され、アメリカの統治下にあった沖縄は、米軍がベトナム戦争へ出撃する拠点となり、核兵器まで配備されていた。沖縄から、核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないよう、アメリカと激しい外交交渉を重ねた千葉。さらに何度も沖縄に足を運んでは、人々の苦悩に真摯に耳を傾けた。千葉が貫いたもの。それは、日本のこと、沖縄のことは、自分たちで決められるようにするという、強い信念だった。その奥底にあった、想像を絶する体験とは。そして、挫折しかけた千葉を支えた、夫婦の愛と絆の物語とは…。
キャスト
千葉一夫(井浦新)
主人公: 戦時中、海軍の通信兵だった千葉一夫は、戦後、外交官となり妻の恵子に「いつか、沖縄を取り戻す」と誓い、アメリカと激しい外交交渉を重ねる。
千葉惠子(戸田菜穂)
千葉の妻: 外交官の妻として、夫を陰ながら支えた。戦前生まれの女性としては珍しく、キリスト教教育を受け「平等・対等」という開明的な考え方を持つ女性。
石野文男(尾美としのり)
西條の後の北米局長: 局長就任前は、駐米公使として植田大使を支えていた。物事を現実的に考えるタイプなので、理想を追う千葉とはそりが合わない。
西條公彦(佐野史郎)
沖縄返還交渉時の北米局長: 千葉一夫の直属の上司。学究肌の外交官。交渉が進展する中、理想と現実との狭間で揺れるが、千葉を高く評価し、「理想」を掲げる千葉のスタンスを支持した。
植田啓三(大杉漣)
沖縄返還交渉時の駐米大使: 日本の安全保障のためには米国の論理に従うのは当然だ、と考え、外交官としての職務を全うしてきたタイプ。外務省を退官後、最高裁の判事となる。
屋良朝苗(石橋蓮司)
沖縄返還交渉時の琉球政府の行政主席(今の知事): 政治家になる前は、教師として「沖縄の復興は次代を担う若者を教育の力をもって育てる」と教育に力を注いだ。復帰前、初めての公選行政主席となり沖縄の日本復帰に力を尽くした。千葉は、米国との返還交渉の進捗状況を屋良に説明する為、何度も沖縄に足を運んだ。復帰後も沖縄県知事を2期務める。
脚本・主題歌など
【作】西岡琢也
【音楽】大友良英
【原案】宮川徹志『僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫』
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ただし、「キャスト」の部分の説明文は【返還交渉人NHKドラマのロケ地や出演者(キャスト)あらすじ・原作紹介!】(http://nhk-dorama.com/hennkannkousyouninn-nhk/)より補足した。
《沖縄から、核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないよう、アメリカと激しい外交交渉を重ねた》人が居た。千葉一夫氏。
『●「「秘密」は秘密」:
「国家の秘密はときに悲劇を生」んでいた時代に逆戻り』
『●室井佑月さんによるアベ様の「美しい国」「日本を取り戻す」再考
…答えは「日本=アベ様そのもの」』
《でも、今こそその言葉の意味を考えてみたい。安倍政権がつづいて、
みんなが感じる、美しい国になったのか、日本を取り戻せたのか?…
日本を取り戻すどころか、安倍政権になり、この国を米国に
差し上げたんじゃないかと思うことが多々ある》
「…って、それって《美しい》のか? 《日本を取り戻》したのか?
〝醜悪〟な国、〝在日米軍特権〟な植民地に成り下がる…。
《国が壊れ、どんどん落ちぶれていく》…アベ様信者なウヨクな皆さんは
何にも感じないらしい。真の「右翼」「極右」の皆さんが、もし、
ニッポンに居るとしたら、耐えられない屈辱的状況だと思うのですがね」
『●屋良朝苗氏は「基地のない平和の島としての復帰」を望んだ…
モノクロから「天然色」に変わっても現実は…』
「取り戻す」どころか、沖縄を差し出すアベ様。
井浦新さんは「沖縄の状況は今もずっと続いている。なんなら状況はもっと悪くなって何も終わっていない。沖縄、日本の若い世代にも見てもらって、知ってもらいたい」と言い、戸田菜穂さんは「若い人たちには戦争を題材にした作品を見てもらい、悲惨さを伝えていくしかない」と言います。
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性」(高野孟さん)と、
いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
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【https://ryukyushimpo.jp/news/entry-753551.html】
井浦新「沖縄の状況悪くなっている」 辺野古テント訪れ役作り 劇場版「返還交渉人」主演
2018年7月6日 05:00
返還交渉人 井浦新
(NHKスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の
劇場版の1シーン。米政府の交渉相手と向き合う井浦新演じる
千葉一夫 ⓒNHK)
【東京】沖縄返還の日米交渉に携わった千葉一夫外交官を描いたNHKのスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の劇場版が7日から、那覇市の桜坂劇場で公開される。千葉役を演じた井浦新(いうら・あらた)と妻恵子役の戸田菜穂が沖縄公開を前に本紙取材に応じた。井浦は「撮り終わって作品ができても、沖縄の状況は今もずっと続いている。なんなら状況はもっと悪くなって何も終わっていない。沖縄、日本の若い世代にも見てもらって、知ってもらいたい」と話した。 (聞き手 滝本匠)
―千葉さんの印象は。
(映画「返還交渉人」の沖縄公演を前にインタビューに応じる、
千葉一夫役の井浦新=都内の事務所)
井浦 魅力の塊。今の政治で残念なことやうんざりすることが続いている中で、数十年前にこんなにもまっすぐで高い志を持って国を少しでも良くしようと尽力した人がいると知れたことは、僕自身勇気をもらったし、演じられたのは光栄だ。
―役づくりで気をつけたことは。
井浦 印刷物や資料映像など千葉さんの仕事に関するものは全部頭に入れようと心掛けた。それは当たり前だが、そうしてそのまま撮影初日を迎えられるほど簡単な人物像ではない。一番大変だったのは、米国人も舌を巻くと言われた英語。芝居をしながらスラスラせりふを吐けるビジョンがはじめはなかった。台本が来て実際向かい合ったのは1カ月半ほど。貪欲に練習した。
―撮影前には個人的に沖縄に入ったと聞いた。
井浦 今まで沖縄を旅した時は豊かな自然と歴史、文化がメインだった。千葉さんを演じるに当たってもっと体で感じなければと、現地スタッフに丸2日間付き合ってもらい普天間飛行場と嘉手納基地のそばにいた。台本を読みながら、戦闘機が飛んでいく真下にいて、公害とも言える爆音を聞き続けた。千葉さんが感じたであろう戦闘機の爆音を感じながら、腹の中に怒りや恐怖をため込む作業を続けた。
作品には直接関係ないが、名護市辺野古にも行った。当時あっただろう衝突が今起きている場所。豊かな自然が壊されていく辺野古は見届けないといけない。今も闘っている方の姿を目に焼き付けて、削られていく自然をしっかり見つめて、いろいろな感情を腹の中に膨らませた。
―辺野古の現場に関してネットなどでは座り込みの人に日当が出てるなどとフェイクニュースも流れる。
井浦 基地の金網越しにカメラを抱えてうろうろしたり、海側の公園の先にあるテントで話をうかがったりした。全て理解できるものではないかもしれないが、文字やニュース情報からでなく、自分の足を運んで、目で見て、においをかいで、地元の人と会話して、肌で感じたことが全て。それがなければこの作品の舞台に立つ資格はなく、スタートできなかった。
―副題にある「いつか、沖縄を取り戻す」を見て、沖縄の現状はいまだに取り戻せておらず、現代にも突きささるメッセージだと受け止めた。
(NHKスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の
劇場版の1シーン。フェンス越しに在沖米軍基地を眺める
千葉一夫役の井浦新 ⓒNHK)
井浦 撮り終わって作品ができても、終わっていないというのが正直な気持ちだ。ドラマで一区切りになるが、沖縄ではずっと続いている。なんなら今はもっと状況は悪くなっている。この状況を沖縄でも日本全体でも、どこまで知っているだろう。何もかも終わっていない。
作品が伝えているのは「いつか」の部分で、千葉さんは信念を貫き続けて闘ったが、最後は部署を外されて千葉さん自身『沖縄を取り戻す』ことは達成できなかった。その姿を見た仲間たちや若い世代が志を継ごうと思う人が一人でもいれば「いつか」の部分のピースが埋まってくるのかと思う。
沖縄の、日本の若い世代にもぜひ知ってもらって、沖縄といえば「海」「リゾート万歳」もいいけれど、40、50年前に実際に起きた歴史をちゃんと知った上で沖縄の自然の豊かさを感じて遊ぶことができれば本当の意味で沖縄を愛せるのではないか。
―ドキュメンタリーではなくドラマという手法でみせる意味は。
井浦 ドキュメンタリーでこその見応えもあるだろうが、沖縄の歴史や戦争、基地問題を、役者が芝居でみせる映像表現はエンターテインメントでもある。役者が魂を削ってぶつかり合う一瞬一瞬の記録で、生き生きしたり、悲しんだり、苦しんだり、怒ったりする姿を見る人の心に合わせて楽しんでもらえるのがいい。それで沖縄返還のさまざまなことを伝えられるのは、ドラマ、映画ならではの楽しみ方でもあるのではないか。
(戸田菜穂のインタビューは11日掲載)
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【https://ryukyushimpo.jp/news/entry-753566.html】
戸田菜穂「普天間でごう音を何度も体験」 劇場版「返還交渉人」千葉の妻役
2018年7月12日 06:00
返還交渉人 井浦新 戸田菜穂
【東京】沖縄返還の日米交渉に携わった千葉一夫外交官を描いたNHKのスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の劇場版が7日から、那覇市の桜坂劇場で公開される。千葉外交官の妻恵子役の戸田菜穂が沖縄公開を前に本紙取材に応じた。戸田は「普天間飛行場のそばで撮影して、ごう音を何度も何度も体験した。実際に行ってみないと分からない」と話し、「若い人たちには戦争を題材にした作品を見てもらい、悲惨さを伝えていくしかない」と思いを述べた。 (聞き手 滝本匠)
(NHKスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の
劇場版の1シーン。千葉一夫(右、井浦新)と妻恵子(戸田菜穂)ⓒNHK)
―出演の話を受けて。
戸田 千葉さんのことは知らず、教科書で習った沖縄返還の裏でこんなに尽力された人がいたのかと感動があった。絶対に諦めないという強い思いでおられ、千葉さんが動かなかったら、また状況は違っていたのかもしれない。
―千葉さんを支える妻恵子さんの役どころは。
戸田 本当に聡明(そうめい)な方で、米国に一緒に行った時も自宅でホームパーティーを用意して、本当に千葉さんと二人三脚で、ただの奥さんというより、返還交渉にも大きく関わったのではないかと思うほど。千葉さんの一番の味方で、家庭は千葉さんがほっとできる唯一の場所。恵子さんはいろいろな役割を果たした奥さんだった。学生時代からの恋人で、言いたいことが言える、本当に仲良しという雰囲気が出せたらいいなと思って演じた。私の理想のような奥さん。
―タイトルには「いつか、沖縄を取り戻す」とあるが、基地の存在も含め本当は現在も取り戻せていないのではという思いを感じた。
(映画「返還交渉人」の沖縄公演を前にインタビューに応じる、
千葉一夫外交官の妻恵子役の戸田菜穂=都内の事務所)
戸田 実際に普天間飛行場のそばで撮影して、ひっきりなしに米軍機が飛んできて、耳鳴りがして頭痛がするようなごう音を何度も何度も体験した。民家もあって、どんな思いで暮らされているのかとも思った。ニュースで見ているだけでは、実際に行ってみないと全然分からない。いろいろ不便や危険な思いをされていると改めて思った。
―沖縄のイメージは。
戸田 小学校のころに家族で万座ビーチなどに旅行に来た。毎年のように宮古島にも行っている。
―一方で基地と隣り合わせに暮らしている。
戸田 私自身、広島出身で、戦争の映画も見ている。リゾートのイメージだけではない。父方の祖父が原爆の日に救護の現場にいて、焼けただれた人たちが運ばれてくるのを目の当たりにしていた。私たちには何もしゃべらなかったが、手記を寄せていてあとでそれを知って、父も驚いていた。
戦争を題材にした作品は特に身が引き締まる。皆さんの心に届くよう一生懸命演じるしかない。どんどん語り部さんも亡くなっていく中で、若い人たちにはそういう作品を見てもらって戦争の悲惨さを伝えていくしかない。
―千葉さんの沖縄へのこだわりも沖縄戦の体験がきっかけだった。
戸田 今も終わっていない。苦しんでいる人がいる。
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[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
マガジン9(http://maga9.jp/)の仲藤里美氏によるインタビュー記事【この人に聞きたい/大矢英代さんに聞いた:戦後73年。今こそ「沖縄戦」から学ぶべきことがある】(http://maga9.jp/180808-2/)。
(その②はコチラ)
《8月15日といえば、結びつくワードは「終戦」、そしてヒロシマ・ナガサキです。でも、石垣島の一面トップは「戦争マラリアの犠牲者に黙祷を捧げる」というものでした。「戦争マラリアって何?」と思って読んでみると、沖縄戦のとき八重山諸島では地上戦がなかったのに、軍の命令で「強制疎開」させられた結果、風土病のマラリアで3600人もの人が亡くなった、と書いてあった。まったく知らない話でした。そもそもなぜ米軍が上陸しなかった島々で「強制疎開」なのか》。
(『沖縄スパイ戦史』劇場予告編)
【http://www.spy-senshi.com】
【https://youtu.be/Tsk9ggz-BoY】
三上智恵さんとともに、ドキュメンタリー映画『沖縄スパイ戦史』の共同監督の大矢英代さん。コラム【マガ9備忘録/その145)「沖縄のマスコミは“民”のもの」高江で語ったQAB大矢記者の心】(http://www.magazine9.jp/article/biboroku/30180/)で初めて、大矢英代元QAB記者を知りました。その時のスピーチにとても感動しました。
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
《私たち(沖縄)マスコミ労協は、
あらゆる戦争につながる原稿は1本たりとも書かないことを約束します。
戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。
戦争のために輪転機を回しません。
……
そして、それを支えているのは沖縄の皆さんです。
沖縄のマスコミは、皆さん県民のものです。
“民(たみ)”のものです。
私たちには武器もありませんし、権力もありません。
でも、伝え続けることはできます。抗い続けることはできます。
その一歩一歩が、沖縄の歴史、そして本当の意味で
この国の、この日本の民主主義を勝ち得る手段と信じて、
これからも一生懸命、伝え続けていきたいと思っています。》
「本土」ではほとんど知られていない戦争マラリアが修論のテーマであり、今回のドキュメンタリーの大矢さんの主な担当部分。いま、先島諸島などでの自衛隊配備を受け、島々の市民の皆さんは分断されつつある…《戦争や軍隊の本質》を「本土」の皆さんも考えてみるべきだ。
『●『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』?
普天間で起きている、辺野古で起きようとしていること』
「辺野古で、今現在まで、ずっと起き続けていること、そして、辺野古で
確実に起きること、起きつつあること。普天間飛行場の撤収か、
辺野古移設か、という二者択一を迫るアベ様や最低の官房長官ら。
普天間を撤収し、番犬様に本国へお引き取り頂けば、
「森」を殺すこともなく、辺野古の「美ら海」を殺すこともない。
沖縄の人々を分断することもないし、基地から出撃したん番犬様が
「人殺し」することもない。沖縄の大幅な「負担削減」が実現できる
というのに。「本土」では大騒ぎされないが、沖縄の人々があれ程の
反対運動をしている辺野古では、生物多様性の破壊が引き返せない
ところまで来てしまいつつある。
「在日米軍特権」を放置する「日米共犯」。「子どもを園庭で遊ばせたい」
「当然の日常がほしいだけ」、そんな極当たり前のことなのに…
《愛僕者》達のやることときたら。何が愛国者か! ヘイト者・ヘイト屋や
デマ者・デマ屋らに支えられた、トンだ《愛僕者》達」
『●「武力によって平和を創造することはできない」…
「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」』
「《石垣島や宮古島への陸上自衛隊配備などを念頭に
「沖縄の基地負担への影響が大きい」》…壊憲が及ぼす影響は、
沖縄では計り知れない。「森」を殺し、「美ら海」を殺し続け、沖縄の
市民を分断、基地から出撃する番犬様は「人」を…。
沖縄の地で、《「武力によって平和を創造することはできない」とし、
日本国憲法の精神や米軍基地のない平和を求める沖縄の心を
大切にし、真の平和をつくっていくことを掲げた「憲法宣言」を採択》
にも肯ける」
《「ボランティアに行って戦争で傷ついた人を助けたい」と思っていながら、紛争地に爆弾を落としている軍隊の飛行機が自分の国にある基地から飛び立っているという事実についてはまったく意識していなかったことにも気付かされました。海外で人を助ける前に、まず自分の国のことと向き合わないといけないんじゃないか、と感じましたね》…「森」を殺し、「美ら海」を殺し続け、沖縄の市民を分断、基地から出撃する番犬様は「人」を…。「本土」の自公支持者が考えようともしない、新たな《記憶の澱》を生み出し続けている。
《私たちは、過去の歴史からしか学べません。その歴史を語れる人がいなくなりつつある中で、私たちが何を学ぶのかが今、問われていると思います》…そして、《『学んだ者』としての責任がある》と。
『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」』
《先島諸島と呼ばれる沖縄県南西部の島々が自衛隊配備で揺れて
います。蘇るのは戦争による悲劇の記憶です…宮古島には
七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と警備部隊を
配備する計画です。地元では…住民の意見は割れているのが実情です。
…有事には自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する
声が聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患して亡くなり
ました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。同じく
大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、船が米軍に
攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》
『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
…米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)』
《とくに石垣島の場合は地上戦がなく、空襲で178人が亡くなっている
のですが、一方で、日本軍の命令によって住民たちがマラリアが
蔓延する山奥に押し込められ、しかも日本軍は特効薬を大量に持って
いたにもかかわらず住民に使うことはなく、結果3647人も亡くなって
います。これは米軍が上陸してきたときに住民が捕虜となり、情報が
筒抜けになることを避けるため、ゆるやかな集団自決を住民に強制した、
ということでしょう。じつは沖縄でも、この一件は「たまたま疎開した先に
マラリア蚊がいて、マラリアが蔓延してしまった」というくらいにしか
捉えていない人が多い。映画のなかで山奥に押し込められた体験を
証言してくださった方が出てきますが、この映画での新証言なんです。
この部分は、どうしても映画のなかに残しておきたかった。
軍隊がいたから、石垣島ではマラリア地獄が起きた。軍隊の論理で
死ななきゃいけない人が出てきてしまった、ということですから》
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
《今回は、そこに大矢監督の静かな怒りが加味された。
日本軍の命令による、マラリア地獄への住民強制移住という事実の
掘り起こしである。1944年暮れのある日突然…波照間島民たちの
西表島への「疎開という名の強制移住」だった。西表島は今でこそ
明るい観光地になってはいるが、当時は「マラリア地獄」と呼ばれる
ような死病の蔓延する島だった。強制された移住先で何が起こったか》
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
《「戦争や軍隊の本質を伝えたい」…戦争中に多くの住民が罹患した
「戦争マラリア」について大矢さんは、「陸軍中野学校出身者の命令に
よって、波照間島の住民が当時マラリアが蔓延していた西表島に
移住を強いられた。米軍ではなく、日本軍の命令によってあれだけの
被害がでた。そこに軍隊の本質が見えるんじゃないかと思って取材を
しました。苦しみを抱えて語りたがらない体験者に、頭を下げて話を
聞きました」と話します》
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性」(高野孟さん)と、
いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…』
『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」』
《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊「護郷隊」や八重山の
戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》
『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…
『沖縄スパイ戦史』「自衛隊…昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露』
『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…
「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根』
【インタビュー本編②へ】
[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
リテラの記事【『沖縄スパイ戦史』三上智恵監督・大矢英代監督インタビュー/「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根だ!『沖縄スパイ戦史』監督が語った”スパイ”という名の分断】(http://lite-ra.com/2018/07/post-4150.html)。
《“戦争に備える軍隊”は、本当に人々を守るのか。…沖縄戦における少年ゲリラ兵、軍が住民を強制移住させた「戦争マラリア」の問題、本土から送り込まれた陸軍中野学校出身者の暗躍、そして、軍統制下での秘密保持と相互監視のもとで起きた「住民虐殺」の真相に迫る》。
(『沖縄スパイ戦史』劇場予告編)
【http://www.spy-senshi.com】
【https://youtu.be/Tsk9ggz-BoY】
《スパイに仕立てられた少年兵を仲間に銃殺させたり》…。《記憶の澱》…《軍隊というものが持つ狂気性》。
そして、現代の、アベ様の《我が軍》も、自衛隊の配備やミサイル基地建設など、《昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質》を発揮しようてしてはいないか? 「戦争マラリア」…《ゆるやかな集団自決を住民に強制》。(木下昌明さん)《大矢は、波照間島の住民約500人を死に追いやった犯罪を追及している。…米軍は現れず、彼も姿を消した。スパイだったのだ。…今日、沖縄南西諸島に自衛隊が配備され、ミサイル基地が建設されつつある。三上と大矢は、自衛隊が当時の法規を踏襲し、昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質を暴いている》。
『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ』
『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」』
『●東京MXテレビ「沖縄デマ」宣伝…
「目的がデマの拡散による沖縄の反基地運動への不信あおりにあった」』
「【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより… 目取真俊/東京MXテレビ
「ニュース女子」の虚偽報道に対する抗議の記者会見。】…
《殴られた女性はカヌーメンバーでもあるので、二日後に怪我の様子を見た。
顔に青黒いあざができて痛ましかった。番組の視聴者の大半は
そういうことを知らないだろう。「反対派の暴力」などとよく番組で扱えたものだ。
こういうメンバーをそろえること自体、番組の目的がデマの拡散による
沖縄の反基地運動への不信あおりにあったことを示している》」
『●確信犯…「ジャーナリストが極右的言動で
活躍しはじめたことのほうが、より事態の深刻さを物語っている」』
『●放送法「四条の規律を撤廃することは、
自由の拡大ではなく、自由縮小」…報道へのアベ様の不当な政治介入』
『●「亡命」させられた辛淑玉さんは
「一時帰国するにも勇気がいる…」とは、一体ニッポンはどんな国なのか?』
「〝罰〟を受けるべきは、一体どちらなのか? ヘイト屋・デマ屋の醜さ、
醜態、醜悪さ…《態度・人間性・思考のお粗末さ》、どうにかならないものか」
《番組「ニュース女子」は辛さんと沖縄の基地反対運動へのデマを並べていた》
また、いまも止まず。病んだ沖縄デマ、沖縄ヘイトによる市民の分断。ニッポンの保守を自称する人達は、番犬様の在日米軍特権には沈黙し、アベ様の「我が軍」が沖縄や島嶼の人々を「防波堤」代わりにしても、何にも感じないらしい。『沖縄スパイ戦史』の両監督は《「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根!…”スパイ”という名の分断》であることを指摘。
『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」』
「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
…心の奥底にまるで「澱」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
その両方が存在しました》」
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●「安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が
世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実に」!?』
『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」』
《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊「護郷隊」や八重山の
戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》
『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…
『沖縄スパイ戦史』「自衛隊…昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露』
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【http://lite-ra.com/2018/07/post-4150.html】
『沖縄スパイ戦史』三上智恵監督・大矢英代監督インタビュー
「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根だ!『沖縄スパイ戦史』監督が語った”スパイ”という名の分断
2018.07.27
(7月28日より東京でも公開されるドキュメンタリー映画
『沖縄スパイ戦史』を監督した大矢英代氏(左)と三上智恵氏(右))
県民の約4分の1が死亡した沖縄戦。6月23日の慰霊の日に行われた沖縄全戦没者追悼式で、翁長雄志知事は「辺野古に新基地を造らせないという私の決意は県民とともにあり、みじんも揺らぐことはない」と力を込めた。
一方、安倍首相は「基地負担軽減に全力を尽くす」と述べた。嘘だ。政権に辺野古新米軍基地の建設強行を止める気配は微塵もない。石垣島、宮古島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の配備も推し進めており、石垣市では中山義隆市長が7月18日に陸自配備受け入れの方針を正式に表明した。
安倍政権の建前は「防衛強化」だ。過去最大、約5兆3000億円の来年度予算を要求する防衛省の長・小野寺五典防衛相は、沖縄全戦没者追悼式の直後に「我が国の平和と安全は自衛隊が担っている」との訓示を出した。
しかし、“戦争に備える軍隊”は、本当に人々を守るのか。
7月公開のドキュメンタリー映画『沖縄スパイ戦史』は、過去と現在の双方からこの問題をえぐった。沖縄米軍基地や自衛隊ミサイル基地配備問題などを追い続ける三上智恵監督と、三上監督の琉球朝日放送時代の後輩にあたる大矢英代監督、ふたりの女性ジャーナリストによる共作だ。
両監督の丹念な取材で一次証言や資料を集めた本作は、沖縄戦における少年ゲリラ兵、軍が住民を強制移住させた「戦争マラリア」の問題、本土から送り込まれた陸軍中野学校出身者の暗躍、そして、軍統制下での秘密保持と相互監視のもとで起きた「住民虐殺」の真相に迫る。
共通するキーワードは、表題にあるとおり「スパイ」。周知の通り、昨今では新基地や自衛隊配備に反対する人々が、右派やネット右翼から「工作員」「回し者」と攻撃され、テレビや新聞などのマスメディアまでもが沖縄をめぐるデマに加担している。両監督はそうした安倍政権下の状況をどう見ているのか、自衛隊の問題にも踏み込んで話を伺った。ぜひ、最後まで読んでもらいたい。
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──これまで『標的の村』や『戦場ぬ止み』『標的の島 風かたか』で、高江のヘリパッドや辺野古新基地の建設、先島諸島の自衛隊・ミサイル基地配備の問題を描いた三上監督が、今作では大矢監督とともに沖縄戦を扱いました。なぜいま沖縄戦、それも「スパイ」をテーマに選んだのでしょう。
三上 みなさんそれを聞きますよね(笑)。三作の映画をつくってみて、まだこれではダメだと思ったからです。辺野古や高江の問題は、沖縄が大変だということではない。もう日本自体が壊れていて、民主主義も国民主権も三権分立も手放そうとしている。そのことの警鐘としてやってきました。
だけれども、その危機感はほとんど浸透していない。たとえば一作前の『標的の島 風かたか』は、具体的に始まっていく宮古・石垣の自衛隊による要塞化が日本の運命をどう変えていくかということを打ち出したのに、ほとんど後追いもされませんでした。だから、基地建設反対運動や沖縄や離島の文化というのを絡めてドキュメンタリーとしていく手法は、もう甘いんだなって思ったというのがひとつ。
もうひとつは、日本人は「次の戦争はピカっと光って終わりの核戦争だ。いまどき白兵戦をやるわけがない」と決めつける人が多いですけど、いま、世界中で戦われている戦争って、実際には核戦争じゃないですよね。テロであり、ゲリラであり、スパイによる秘密戦なんです。秘密戦というのは恐ろしい世界で、言わば、敵兵の顔も見ずに、弾に当たる前に殺される人が出る。そうしたいま起きている、起ころうとしている恐怖を知ってもらうために、私たちが放送局時代から取材してきた沖縄戦に何を学ぶべきかと考えて、この題材を選びました。
大矢 実は当初のタイトル候補は「沖縄裏戦史」だったんですよ。でも「裏」というよりかは、全編を通して「スパイ」の話なんですね。陸軍中野学校という本土でスパイや秘密戦、ゲリラ戦などの教育を受けた青年将校が沖縄に赴任し、10代の少年たちを集めてゲリラ兵にした「護郷隊」。私が学生時代から取材してきた戦争マラリアの問題もそうです。たとえば、波照間島の住民は日本軍によって悪性マラリアの蔓延する西表島に強制移住させられ、島民の3分の1が命を落としましたが、実は、その前に中野学校出身者が学校の先生として偽名で赴任してきて、住民の生活を秘密裏に監視していました。強制移住は住民を守るためではなく、食料確保や情報を漏洩させたくない軍の都合だった。
つまり「スパイを防止する」という名目で住民のスパイをしていたのです。人々を守るためじゃなくて、日本の国体を守るためですよね。軍が住民に住民を監視・密告をさせて作成した「スパイ容疑者リスト」の存在と、疑心暗鬼になった住民同しによる虐殺も、背景には機密を保持するという軍の論理がありました。
■「沖縄にスパイが入ってる」というデマがもつ本当の恐ろしさ
──住民たちを疑心暗鬼にさせて「あいつはスパイらしい」みたいな流れをつくることは安倍政権もやっています。一例をあげると、公安調査庁は報告書のなかで、中国の大学やシンクタンクが沖縄独立を求める団体の関係者との交流を深めているとして〈日本国内の分断を図る狙いが潜んでいる〉などと言いふらしています。他にも、基地新設に反対する人たちや翁長知事に対して「スパイ」とか「回し者」みたいな誹謗デマが飛んでいる。たとえば昨年、作家の百田尚樹氏が〈テント村の中には、漢和辞典も。日本語を勉強している人たちなのかも〉とツイートして、あたかも高江に「中国のスパイ」が紛れ込んでいるかのようにほのめかしていました。
三上 えっ、そんなことを言っていたんですか……。低俗すぎて論外ですが、たしかに「沖縄にスパイが入ってる」というようなデマはいま、再燃しています。しかし、そういう話が流布されていくと、本当に、自分たちの所属している社会が根から腐っていく。
「スパイ」という言葉の怖さがわかっていないんでしょう。それはジェームズ・ボンドの「スパイ」ではなくて、戦争のときは命取りになる言葉。いや、戦争の前から「スパイ」とされて、いじめ殺されたりということが日本中であった。だからこそ、魔女狩りみたいな危険な集団心理として肝に命じておかなくちゃいけないはずなのに……。
──でも、百田氏の言うような話は現状、かなり流通してしまっています。たとえば「基地反対派は金をもらっている」というネトウヨのデマを本当に信じてしまっている人は少なくないです。
大矢 もちろんネットの恐ろしさはわかります。私が琉球朝日放送に入局したときから、それこそ“沖縄バッシング”と言われるものは始まっていました。日々のニュースのなかで、普天間基地がつくられる前にはもともと村があって、住民の生活があって、それを米軍が接収したのだというニュースを伝えても、「普天間基地」とgoogleで検索したら、「普天間基地の真実」とか「普天間基地の嘘」みたいな話がたくさんでてくるじゃないですか。
私は伝える側ですが、受け取る側から見たら、普天間の歴史をもっと知りたいなと思っても、ネットで調べたら事実とはまったく違う嘘にたどり着いちゃうわけですよね。そういう恐ろしさをネットは常にはらんでいると思うし、結局はリテラシーを身につけないと状況は変わらない。
ただ、一方で、映画を作るようになってからは、正直、あんまりネット右翼と言われている人たちの声は、もう無視してもいいんじゃないかと思うようになってきていて(笑)。
■沖縄デマに乗っかれば、自分が加害者であることに向き合わなくていい
((C)2018『沖縄スパイ戦史』製作委員会)
──ネトウヨのバッシングはあまり意識しないということですか。
大矢 はい。だって単なる卑怯じゃないですか。こっちが実名で顔までだしてつくっているものに対して、どこの誰かもわからない、ネットがなければ存在すら証明できない人たちが書き込むわけですよね。それって、対等な関係にならない。だからあんまり、ネットでこんなバッシングが……というのは気にしていないし、相手にしなければいいんじゃないか。そうも思うんですよ。
もちろん、そうした言説がなぜこれほどまでに出てきているのかということについては、社会の闇の部分としてもっと取材しないといけないですが。誰かを攻撃することで安心している、あなたのなかのその気持ちはなんなんですか? そう問いたいですね。
三上 「あいつらは中国のスパイなんだってよ」みたいなデマって、『沖縄スパイ戦史』の「スパイ」にも共通しますが、ものすごく無責任にアドレナリンが出る話なんですよ。それで知ったような気になる。実際、「翁長知事の娘は中国に留学し、中国共産党の幹部と結婚した」というような有名なフェイクに多くの人が飛びついた。念のため言っておきますが、翁長知事の娘さんは中国に留学どころか一度も中国に行ったことがないですからね。
しかし「翁長はスパイ」と思いたい人は、「娘が中国人と結婚しているらしい」なる話をフェイクだろうとなんだろうと拡散する。いいね!されることが生きている実感になっちゃっている。そんな病んだ社会がありますよね。「辺野古で反対している人たちはお金もらっているんだぜ」みたいなデマもそう。こういうことさえ言っていれば、自分たちは辺野古の人たちに同情することもないし、実は加害者だということに向き合う必要もないから。
沖縄のことを考えたくもないし、政治的な感覚も本当は0点なんだけど、それをどこか恥ずかしいと思ってるからこそ、そこは悟られたくない。どっちかと言えば、楽してかっこはつけたい。そういう人が群れを成してデマやバッシングに向かう。負の連鎖ですよね。
■世の中に政治的じゃないものなんてありますか?
──そうしたデマとはまた違った角度のバッシングとして、基地反対や日本軍の戦争犯罪を批判すると「政治的なプロパガンダだ!」みたいな言いがかりも飛んできます。『沖縄スパイ戦史』では、石垣島への自衛隊配備を容認する中山氏が当選した石垣市長選のシーンも出てきますね。選挙も入れようというのは最初から考えていたんですか。
三上 もちろんです。ひょっとして、いま現在の選挙を入れると後から古びてみえるとか、そういう違和感を感じましたか?
──いえ、そうではなくて、「政治的な映画だ!」みたいなことを言い出す連中が出てくるのではないかと……。
大矢 うーん、想定はしていましたね。最初は、石垣市長選をどういう風に扱うかは結構悩んでいて。本編を終えたエンドロールのところに入れるというプランもあったのですが、するとまったく違う印象になりますから。まあ、中山市長が映画をみたら怒るだろうなとは承知の上でつくってますけどね(笑)。
でも、現在とつなげなければ意味がない。なぜ、2018年のいま、この映画をつくっているのか。目の前で起こっている石垣の市長選があって、自衛隊基地をどうするの?というところは撮らなければいけない。そう思っていました。
だいたい「政治的だ!」というバッシングがあると言いますけど、世の中に政治的じゃないものなんてありますかね?
三上 というか「政治的だ!」っていうバッシング自体、実は政治的でしょう。
大矢 そうそう。八重山の選挙に限っていえば、右とか左とか、そういう問題じゃなくて命の問題なんです。自衛隊基地を置くことで、どういう風に自分たちの生活が脅かされていくのか。どういう風に作戦に加担させられていくのか。映画で過去を掘り下げたように、戦争では「軍の秘密を握る住民」とされて、住民も子どもたちの生活も一変してしまったから。
三上 生活や命が脅かされると心配することを「政治的だ!」とか「プロパガンダだ!」と責めて楽しいですか。自分はこの島にずっと住み続けていくし、そこは先祖の土地だし、未来の子どもたちも守りたい、そういう思いを持つは自然でしょう。あなたがこの島にいたら心配しませんか。右往左往しませんか。自衛隊基地についてのいろんな意見を聞いて、迷ったり、怖くなったりしませんか。
メディアの問題にも通じますが、「政治的中立」みたいな無重力の場所が仮にあったとして、自分はそこを探してそこに立って、公平に世の中にあるすべてのことを見渡すことができる、なんて考えているとしたらかなり傲慢ですよ。そんな人間がいるはずがない。あなた自身が偏っていないというのならば、その意味のない自信はどこからくるのでしょうか。
■旧日本軍と自衛隊が同質であるかどうかは重要な問題
((C)2018『沖縄スパイ戦史』製作委員会)
──映画をみれば、自衛隊についてもいやが応にも考えざるをえないです。
大矢 自衛隊のことについて目をつむり、耳を塞ぐのは、罪悪感をとりはらいたいがための自己暗示でしかないと思っています。
三上 たとえば、先の戦争で散々なことをした旧日本軍と自衛隊が同質であるかどうかはとても重要な問題なのですが、みんなそこを検証せずに「まさか同じなわけないじゃないか」と思っている。
この映画をみて、何が同じで何が変わったのか、考えてみてほしい。少なくとも、旧日本軍が何をやったのかということが知られてなさすぎるし、もっと多くの人の目で検証しないと信用できないはず。だからこそ、私たちは『沖縄スパイ戦史』のようなドキュメンタリーをつくっているんです。
(取材・構成/編集部)
■『沖縄スパイ戦史』
7月21日(土)より那覇・桜坂劇場にて先行公開中、7月28日(土)より東京・ポレポレ東中野にて公開。ほか、全国順次公開(公式サイトhttp://www.spy-senshi.com)。
未曾有の犠牲を出した沖縄戦の裏には、知られざる「秘密戦」があった。本土から沖縄へ送り込まれた、諜報員を養成する陸軍中野学校の出身者。ある者は年端もない1000人もの子どもたちをゲリラ兵にし、スパイ活動をさせた。ある者は教師になりすまして村に潜入し、悪性マラリア地帯の離島へ住民を閉じ込める軍命を実行した。18歳の少女までもがスパイリストなるものに載せられた。軍の監視と密告で疑心暗鬼になる住民たち。そして発生した「スパイ虐殺」。当時を知る証言者たちが、三上智恵・大矢英代両監督の取材で口をひらく。はたして軍隊は住民の命を守るのか、それとも──。沖縄で進められている自衛隊とミサイル基地配備の現実。映画が映すのは、過去の話ではない。
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[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
レイバーネット(http://www.labornetjp.org/)のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】(http://www.labornetjp.org/news/2018/0721eiga)。
《市川雷蔵主演の『陸軍中野学校』(1966年)をみて、日本の戦時にスパイ学校があったと知った。印象に残ったのは、主人公が国家に忠実を尽くすために恋人さえも殺す冷血漢となるシーンだった。三上智恵(ちえ)と大矢英代(はなよ)の両監督の『沖縄スパイ戦史』は、中野学校を出たスパイが戦地で何をしたか――その実態の一面を見事に切りとっている》。
《スパイに仕立てられた少年兵を仲間に銃殺させたり》…。《記憶の澱》…《軍隊というものが持つ狂気性》。
『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」』
《宮古島には七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と
警備部隊を配備する計画です。地元では、過疎化対策や抑止力強化の
観点から配備を歓迎する人たちもいますが、住民の意見は割れている
のが実情です。
島の主要産業である観光への影響を懸念する意見のほか、有事には
自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する声が
聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患(りかん)して
亡くなりました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。
同じく大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、
船が米軍に攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》
『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」…
米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)』
《『標的の島 風かたか』三上智恵監督…とくに石垣島の場合は
地上戦がなく、空襲で178人が亡くなっているのですが、一方で、
日本軍の命令によって住民たちがマラリアが蔓延する山奥に
押し込められ、しかも日本軍は特効薬を大量に持っていたにも
かかわらず住民に使うことはなく、結果3647人も亡くなっています。
これは米軍が上陸してきたときに住民が捕虜となり、情報が筒抜けに
なることを避けるため、ゆるやかな集団自決を住民に強制した、
ということでしょう。じつは沖縄でも、この一件は「たまたま疎開した先に
マラリア蚊がいて、マラリアが蔓延してしまった」というくらいにしか
捉えていない人が多い。映画のなかで山奥に押し込められた体験を
証言してくださった方が出てきますが、この映画での新証言なんです。
この部分は、どうしても映画のなかに残しておきたかった。
軍隊がいたから、石垣島ではマラリア地獄が起きた。
軍隊の論理で死ななきゃいけない人が出てきてしまった、ということですから》
そして、現代の、アベ様の《我が軍》も、自衛隊の配備やミサイル基地建設など、《昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質》を発揮しようてしてはいないか?
《ゆるやかな集団自決を住民に強制》。《一方の大矢は、波照間島の住民約500人を死に追いやった犯罪を追及している。…米軍は現れず、彼も姿を消した。スパイだったのだ。…今日、沖縄南西諸島に自衛隊が配備され、ミサイル基地が建設されつつある。三上と大矢は、自衛隊が当時の法規を踏襲し、昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質を暴いている》。
『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」』
「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
…心の奥底にまるで「澱」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
その両方が存在しました》」
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●「安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が
世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実に」!?』
『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」』
《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊「護郷隊」や八重山の
戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》
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【http://www.labornetjp.org/news/2018/0721eiga】
木下昌明の映画の部屋 : 三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』
<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』
住民500人を死に追いやった犯罪
市川雷蔵主演の『陸軍中野学校』(1966年)をみて、日本の戦時にスパイ学校があったと知った。印象に残ったのは、主人公が国家に忠実を尽くすために恋人さえも殺す冷血漢となるシーンだった。 三上智恵(ちえ)と大矢英代(はなよ)の両監督の『沖縄スパイ戦史』は、中野学校を出たスパイが戦地で何をしたか――その実態の一面を見事に切りとっている。
三上は『標的の村』(2012年)など基地反対の住民に焦点を当てたドキュメンタリーでよく知られている。大矢は若きドキュメンタリストで『テロリストは僕だった~沖縄・基地建設反対に立ち上がった元米兵たち~』(2016年)がある。この2人が共同で沖縄戦の埋もれた戦史を掘り起こしている。
戦時下、42人の中野学校出身者が沖縄全島に派遣された。このうち「護郷隊」という秘密部隊を作り、少年兵らにゲリラ訓練をさせていた2人のスパイに、三上は光を当てる。米軍が撮った少年兵らの写真の数々と生き残った元少年兵の証言を重ねて、戦場の無残さを伝えている。スパイに仕立てられた少年兵を仲間に銃殺させたり、仲間に見捨てられた元少年兵の話などに唖然(あぜん)となる。
一方の大矢は、波照間島の住民約500人を死に追いやった犯罪を追及している。
1944年暮れごろ、一人の教師が島にやってくる。彼は住民に優しく慕われた。だが米軍が攻めてくると噂(うわさ)が立つや彼は隠していた軍刀で人々を脅し、隣の西表島に強制疎開させた。2000頭の家畜は処分し、軍隊が食用に持ち去った。着のみ着のままの住民は、マラリアと飢えで亡くなった。米軍は現れず、彼も姿を消した。スパイだったのだ。彼は戦後どうしたか。
今日、沖縄南西諸島に自衛隊が配備され、ミサイル基地が建設されつつある。三上と大矢は、自衛隊が当時の法規を踏襲し、昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質を暴いている。必見。
(『サンデー毎日』2018年7月29号)
※7月21日より沖縄・桜坂劇場、28日より東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開
〔追記〕この映画をみると、日本兵は中国ばかりでなく、沖縄からも食料を「現地調達」していたことがわかる。
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[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
沖縄タイムスの田嶋正雄記者によるコラム【[大弦小弦]ジャーナリストの三上智恵さんと大矢英代さんが…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/289056)。
《ドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」が那覇市の桜坂劇場で公開中だ…10代半ばの千人が召集された護郷隊。中高生の年頃の少年たちが背丈より長い銃を担ぎ、敵陣への突撃、スパイと疑われた仲間の処刑などに追い込まれたという。生存者の生々しい証言に胸が痛む》。
《軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる》(マガジン9)し、《軍隊は地域に忍び入り、住民同士を監視させ、物資を徴用し、機密を知った者や邪魔になった者は「始末」する》(田嶋正雄記者)。《▼北部各地から10代半ばの千人が召集された護郷隊。中高生の年頃の少年たちが背丈より長い銃を担ぎ、敵陣への突撃、スパイと疑われた仲間の処刑などに追い込まれたという》…沖縄の人々にとっての《記憶の澱》だろうか…。
《沖縄戦は「日本軍という組織と、それに虐げられた住民」という構図で語られることが多いけれど、ほんとうにそれだけなのか?》(鈴木耕さん)…あの壮絶な戦場を経験した沖縄、つまり、田嶋正雄記者の言う《表の沖縄戦》…そして、《裏の沖縄戦》では、「スパイリスト」に載ることの意味を知る人々の心の中に、《記憶の澱》として、こびりついているのでしょうか…。
『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」』
「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
…心の奥底にまるで「澱」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
その両方が存在しました》」
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」』
『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●「安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が
世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実に」!?』
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/289056】
[大弦小弦]ジャーナリストの三上智恵さんと大矢英代さんが…
2018年7月26日 07:26
ジャーナリストの三上智恵さんと大矢英代さんが共同監督を務めたドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」が那覇市の桜坂劇場で公開中だ。初日の舞台あいさつは満員の約300人が詰め掛けた
▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」とすれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊「護郷隊」や八重山の戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる
▼北部各地から10代半ばの千人が召集された護郷隊。中高生の年頃の少年たちが背丈より長い銃を担ぎ、敵陣への突撃、スパイと疑われた仲間の処刑などに追い込まれたという。生存者の生々しい証言に胸が痛む
▼映画は住民同士の密告のシステムを暴き、軍への協力を拒めなくなる過程も描く。無垢(むく)な被害者という側面だけではなかった住民の姿が浮かび上がる
▼軍隊は地域に忍び入り、住民同士を監視させ、物資を徴用し、機密を知った者や邪魔になった者は「始末」する。映画が掘り起こした史実は、特定秘密保護法ができた現在とつながる
▼先島では国防強化の名のもと、自衛隊配備が進む。「情報戦」は既に始まっているかもしれない。70数年前、やんばるや波照間島で何が起きたか。再び誰かに利用されないために知る必要がある
(田嶋正雄)
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[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]
琉球新報のコラム二つ、【<金口木舌>「なぜ、基地や政権に批判的なのか」…】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-735610.html)と、
【<金口木舌>「喜撰」は宇治茶の銘柄で…】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-736594.html)。
《是枝裕和監督は…「映画がかつて、『国益』や『国策』と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば」「公権力(それが保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つのが正しい振る舞いなのではないか」…▼沖縄の新聞も戦前戦中にかけては、軍の意向に沿った「戦意高揚」の報道に終始した。那覇市若狭の「戦没新聞人の碑」では、毎年の慰霊の集いで記者が戦争のためにペンを取らない誓いを重ねる》。
《米朝首脳会談…「どうして広島でできんかったんだろう」と口惜しそうだった ▼平和を願ってやまない広島での開催は、非核の思想も相まって成功に寄与したはずだと言う。「街の役目がある。平和を発信する沖縄での開催も考えられるのでは」と提案された》。
『●「戦没 新聞人の碑」と「対馬丸犠牲者の慰霊碑 小桜の塔」』
《ただ先人たちの霊を慰めるだけでなく、先人たちの前に反戦平和を
誓う場所がこの碑ではないか》
『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」』
「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
…心の奥底にまるで「澱」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
その両方が存在しました》」
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
「マガジン9…【マガ9備忘録/その145)「沖縄のマスコミは“民”のもの」
高江で語ったQAB大矢記者の心】」
《沖縄のマスコミは、皆さん県民のものです。
“民(たみ)”のものです。
私たちには武器もありませんし、権力もありません。
でも、伝え続けることはできます。抗い続けることはできます。
その一歩一歩が、沖縄の歴史、そして本当の意味で
この国の、この日本の民主主義を勝ち得る手段と信じて、
これからも一生懸命、伝え続けていきたいと思っています。》
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
《平和への誓い…先人たちの前に反戦平和を誓う》ための「戦没新聞人の碑」。《「映画がかつて、『国益』や『国策』と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば」「公権力(それが保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つのが正しい振る舞いなのではないか」》という是枝裕和監督を、様々な難癖で批判する人達は、戦争がお好き、ということだ。
『●「自己責任」バッシングの嵐: 「話す」ことも許さず、「話しても」伝わらず』
『●「百田氏や自民党議員からの圧力は全てのメディアの
言論の自由に対する挑戦・・・危機感を共有して」!』
『●脳内回路は大丈夫?? 自民党若手の脳内では、
「憲法学者達<<百田尚樹氏」という訳だ!?』
『●翁長知事「がくぜんとしている、日本の将来に禍根を残す」・・・
深層心理に「沖縄だからいいや」の醜さ』
『●芸術家との意見交換を通じて「心を打つ『政策芸術』を立案し、
実行する知恵と力を習得・・・だそうです』
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
『●むき出しの「言論弾圧政党」: 東京新聞社説
「沖縄の二紙のみならず、報道機関全体で抗議すべきこと」』
『●「百田氏や自民党議員からの圧力はすべてのメディアの
言論の自由に対する挑戦・・・危機感を共有して」!』
『●高江破壊: 「沖縄・地域住民弾圧隊」による
「市民に対する暴虐としか言いようのない異常な光景」』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」
「事実関係を無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
『●言いすぎを謝罪・撤回した石嶺香織宮古島市議…
もはや「見せしめ」、「卑劣」なイジメ、あざとい「狙い」』
『●《推定ウン千万〜1億円弱も払って出した》「ト」な広告…
出稿側も「ト」なら、掲載側も「報道」の放棄』
『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ』
聞く耳持たず(理解力無し、同意する気なし)を相手に大変でしょうね…。
リテラにも記事が。【是枝裕和監督をネトウヨや田端信太郎が「国に助成金もらってる」と攻撃も、町山智浩、想田和弘、松尾貴史らが一斉反論】(http://lite-ra.com/2018/06/post-4062.html)。長く引用させて頂きます:
《この映画に対してネトウヨ層から非難の声が上がっている。それは、是枝裕和監督が文科相の祝意を辞退したことがきっかけだった…映画が公権力から一定の距離を置くことの重要性を確認したうえで、政府などからの顕彰の類は固辞していると明かした…〈最後に一言だけ。今回の『万引き家族』は文化庁の助成金を頂いております。ありがとうございます。助かりました。しかし、日本の映画産業の規模を考えるとまだまだ映画文化振興の為の予算は少ないです。映画製作の「現場を鼓舞する」方法はこのような「祝意」以外の形で野党のみなさんも一緒にご検討頂ければ幸いです〉とも綴られていたのだが…》
《助成金を受け取ったんだから、国の言うことを聞けって、こいつらは文化助成の目的や、表現や芸術の自由すらわかっていないのか……と愕然としていたら、本サイトが何かを言うまでもなく、映画監督、評論家、芸能関係者らから一斉に反論の声が相次いだ…》
《■町山、想田が反論!“助成金もらったら国の批判するな”は全体主義、ソ連と同じ …安倍政権が推し進める愛国心と歴史修正主義植え付けの“明治”国策映画 その頭の悪さには呆れ返るしかないが、しかし、こうした発想をもっているのは彼らだけではない。安倍政権じたいがいま、映画のプロパガンダ化を推し進めようとしている。…ようするに、安倍政権は愛国心植え付けと歴史修正主義正当化のために、明治を前面に打ち出した国策映画を作らせようとしているのだ…このままいくと、安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実になる可能性はかなり高いと言っていいだろう》
『●岸井成格さんの〝遺言〟「真実を伝えて、権力を監視する」
…「報道に携わる人間は重く受け止めなくては」』
『●「規制の少ない通信と放送」…がもたらすのは
「総安倍チャンネル化」、「アベチャンネルに成り下がる」』
《米朝首脳会談…「どうして広島でできんかったんだろう」と口惜しそうだった …「街の役目がある。平和を発信する沖縄での開催も考えられるのでは」と提案された》。
唸らされた…こういう提案ができないところが非戦や核廃絶に向かわないアベ様らだし、蚊帳の外の《蚊》による外交音痴の害交・害遊ばかり。
『●ささやかな核兵器廃絶の願い…高校生の言論封殺:
アベ様のメンツを守るための外務省の横やりという大愚』
『●「核兵器禁止条約」…「核なき世界」への
その先頭を走るべきアベ様やニッポン政府は一体何をしていたの?』
『●「核保有国とみられる一部の加盟国が、
高校生にスピーチをさせないよう日本政府に圧力をかけていた…」』
『●「核の傘」の下のニッポン…オーストリア軍縮大使
「世界で唯一の被爆国として特別な役割がある」』
『●ニッポンの様に核の傘に頼る国々は「共犯者」…
「核兵器は必要悪ではなく絶対悪だ」(サーロー節子さん)』
《「核兵器は必要悪ではなく絶対悪だ」と強調。「世界の全ての国の
大統領と首相に懇願する。条約に参加し、核による滅亡の脅威を
永久に絶ってほしい」と訴えた…核の傘に頼る国々を「共犯者」と呼び、
条約に署名しない日本政府を暗に批判した》
『●《「焼き場に立つ少年」の写真が物語る深い意味を、
誰よりも考える必要があるのは安倍首相自身だ》』
『●「核兵器という大きな問題から、逃げ隠れしている
安倍首相の態度は実に卑怯極まりない…子供じみた政権」』
『●室井佑月さん「この国の首相は、そういうお人。
…問題からは逃げる。…そういう自分を卑怯だと思わない」』
『●ICAN・フィン氏、「核の傘」による核抑止は
「神話だ。…時代遅れの政策を継続していることこそ脅威」』
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-735610.html】
<金口木舌>「なぜ、基地や政権に批判的なのか」・・・
2018年6月10日 06:00
金口木舌 是枝裕和 万引き家族 安倍政権 林芳正 国策 国益 戦意高揚 戦没新聞人の碑
「なぜ、基地や政権に批判的なのか」―。琉球新報の報道について知人からよく聞かれる。いろいろな説明が思い浮かぶが、一言で答えている。「日本が戦争をしないようにです」
▼大抵、「皆が平和を望んでいる。戦争をすると思うのか」と返ってくる。「平和のため」が名目の戦争もある。絶対起きてはいけないことに対し、警戒に、警戒を重ねてもしすぎるということはない
▼映画「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞を受賞した是枝裕和監督は、林芳正文科相が示した祝意の意向に辞退を表明した。フランスの有力紙は、安倍政権が是枝監督に賛辞を送らないのは監督が日本の政治に批判的だからだ、と報じていた
▼是枝監督は7日、自身のブログで辞退の理由をこうつづった。「映画がかつて、『国益』や『国策』と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば」「公権力(それが保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つのが正しい振る舞いなのではないか」。大いに賛同する
▼沖縄の新聞も戦前戦中にかけては、軍の意向に沿った「戦意高揚」の報道に終始した。那覇市若狭の「戦没新聞人の碑」では、毎年の慰霊の集いで記者が戦争のためにペンを取らない誓いを重ねる
▼「万引き家族」では登場人物の一人が、自分の生きる環境に疑問を見いだし、思い切った行動に出る。監督の姿勢にも重なる。
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-736594.html】
<金口木舌>「喜撰」は宇治茶の銘柄で・・・
2018年6月12日 06:00
喜撰 上喜撰 黒船 米朝首脳会談 核兵器禁止条約 沖田孝司 ノーベル平和賞 サーロー節子 金口木舌
「喜撰」は宇治茶の銘柄で、特に上等が「上喜撰」。黒船来航時、世の慌てぶりを笑う落首に出てくる。船を杯で数えることもかけて「たった四杯で夜も寝られず」と揶揄(やゆ)した
▼こちらは「たった2カ国」の話ではある。きょう開催予定の米朝首脳会談だ。通常の首脳会談とは訳が違う。北朝鮮にいかに核を放棄させるかは、国際社会の共通課題であるからだ
▼強硬な北朝鮮が対話へ舵(かじ)を切りつつある。真意がどこにあるかも関心を呼ぶのだろう。核兵器禁止条約に保有国が軒並み不参加の中、世界の盟主よろしく振る舞う米国がどのような交渉を行うかも注目される
▼広島市特任大使でヴィオラ奏者の沖田孝司さんのミニコンサートが沖縄市であった。平和への思いも語った沖田さんと話していると米朝会談に話題が向いた。「どうして広島でできんかったんだろう」と口惜しそうだった
▼平和を願ってやまない広島での開催は、非核の思想も相まって成功に寄与したはずだと言う。「街の役目がある。平和を発信する沖縄での開催も考えられるのでは」と提案された
▼同じ特任大使で被爆者のサーロー節子さんは昨年のノーベル平和賞授賞式で核廃絶に向け「光に向かってはっていけ」と訴えた。人ごとではないとの戒めでもある。会談がどんな結果になっても、はい続け、もがき続けて実現しなければならない核廃絶だ。
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