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●「沖縄から核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないようアメリカと激しい外交交渉を重ねた」人

2018年11月12日 00時00分52秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



琉球新報の滝本匠氏による二つのインタビュー記事【井浦新「沖縄の状況悪くなっている」 辺野古テント訪れ役作り 劇場版「返還交渉人」主演】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-753551.html)と、
【戸田菜穂「普天間でごう音を何度も体験」 劇場版「返還交渉人」千葉の妻役】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-753566.html)。

 《井浦は「撮り終わって作品ができても、沖縄の状況は今もずっと続いている。なんなら状況はもっと悪くなって何も終わっていない。沖縄、日本の若い世代にも見てもらって、知ってもらいたい」》。
 《戸田は「普天間飛行場のそばで撮影して、ごう音を何度も何度も体験した。実際に行ってみないと分からない」と話し、「若い人たちには戦争を題材にした作品を見てもらい、悲惨さを伝えていくしかない」と思いを述べた》。

 NHKでのドラマについてのWPより:

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https://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=4487

スペシャルドラマ
返還交渉人 -いつか、沖縄を取り戻す-

初回放送
2017年8月12日(土) 夜9時  BSプレミアム

ストーリー

千葉一夫は、沖縄返還で外交交渉の最前線にいた、実在の人物。戦時中、海軍の通信士官だった千葉は、沖縄を圧倒的な武力で攻撃する米軍の無線を、ただ傍受することしかできなかった。戦後、外交官となった千葉は、妻の恵子に「いつか、沖縄を取り戻す」と誓う。
返還交渉が始まった1960年代。本土から切り離され、アメリカの統治下にあった沖縄は、米軍がベトナム戦争へ出撃する拠点となり、核兵器まで配備されていた沖縄から、核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないよう、アメリカと激しい外交交渉を重ねた千葉。さらに何度も沖縄に足を運んでは、人々の苦悩に真摯に耳を傾けた。千葉が貫いたもの。それは、日本のこと、沖縄のことは、自分たちで決められるようにするという、強い信念だった。その奥底にあった、想像を絶する体験とは。そして、挫折しかけた千葉を支えた、夫婦の愛と絆の物語とは…。

キャスト
千葉一夫(井浦新) 
主人公: 戦時中、海軍の通信兵だった千葉一夫は、戦後、外交官となり妻の恵子に「いつか、沖縄を取り戻す」と誓い、アメリカと激しい外交交渉を重ねる。

千葉惠子(戸田菜穂)
千葉の妻: 外交官の妻として、夫を陰ながら支えた。戦前生まれの女性としては珍しく、キリスト教教育を受け「平等・対等」という開明的な考え方を持つ女性。

石野文男(尾美としのり)
西條の後の北米局長: 局長就任前は、駐米公使として植田大使を支えていた。物事を現実的に考えるタイプなので、理想を追う千葉とはそりが合わない。

西條公彦(佐野史郎)
沖縄返還交渉時の北米局長: 千葉一夫の直属の上司。学究肌の外交官。交渉が進展する中、理想と現実との狭間で揺れるが、千葉を高く評価し、「理想」を掲げる千葉のスタンスを支持した。

植田啓三(大杉漣)
沖縄返還交渉時の駐米大使: 日本の安全保障のためには米国の論理に従うのは当然だ、と考え、外交官としての職務を全うしてきたタイプ。外務省を退官後、最高裁の判事となる。

屋良朝苗(石橋蓮司)
沖縄返還交渉時の琉球政府の行政主席(今の知事): 政治家になる前は、教師として「沖縄の復興は次代を担う若者を教育の力をもって育てる」と教育に力を注いだ。復帰前、初めての公選行政主席となり沖縄の日本復帰に力を尽くした。千葉は、米国との返還交渉の進捗状況を屋良に説明する為、何度も沖縄に足を運んだ。復帰後も沖縄県知事を2期務める。


脚本・主題歌など
【作】西岡琢也
【音楽】大友良英
【原案】宮川徹志『僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫』
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 ただし、「キャスト」の部分の説明文は【返還交渉人NHKドラマのロケ地や出演者(キャスト)あらすじ・原作紹介!】(http://nhk-dorama.com/hennkannkousyouninn-nhk/)より補足した。

 《沖縄から、核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないよう、アメリカと激しい外交交渉を重ねた》人が居た。千葉一夫氏。

   『●「「秘密」は秘密」:
      「国家の秘密はときに悲劇を生」んでいた時代に逆戻り
   『●室井佑月さんによるアベ様の「美しい国」「日本を取り戻す」再考
                          …答えは「日本=アベ様そのもの」
    《でも、今こそその言葉の意味を考えてみたい。安倍政権がつづいて、
     みんなが感じる、美しい国になったのか日本を取り戻せたのか?
     日本を取り戻すどころか、安倍政権になり、この国を米国に
     差し上げたんじゃないかと思うことが多々ある》
    「…って、それって《美しい》のか? 《日本を取り戻》したのか? 
     〝醜悪〟な国、〝在日米軍特権〟な植民地に成り下がる…。
     《国が壊れ、どんどん落ちぶれていく》…アベ様信者なウヨクな皆さんは
     何にも感じないらしい。真の「右翼」「極右」の皆さんが、もし、
     ニッポンに居るとしたら、耐えられない屈辱的状況だと思うのですがね」

   『●屋良朝苗氏は「基地のない平和の島としての復帰」を望んだ…
                   モノクロから「天然色」に変わっても現実は…

 「取り戻す」どころか、沖縄を差し出すアベ様。
 井浦新さんは「沖縄の状況は今もずっと続いている。なんなら状況はもっと悪くなって何も終わっていない。沖縄、日本の若い世代にも見てもらって、知ってもらいたい」と言い、戸田菜穂さんは「若い人たちには戦争を題材にした作品を見てもらい、悲惨さを伝えていくしかない」と言います。

   『●「戦争のためにカメラを回しません。
      戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」
   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
   『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
          「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」
   『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
       「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」

   『「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性」(高野孟さん)と、
                       いまも続く沖縄での不条理の連鎖


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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-753551.html

井浦新「沖縄の状況悪くなっている」 辺野古テント訪れ役作り 劇場版「返還交渉人」主演
2018年7月6日 05:00
返還交渉人 井浦新

     (NHKスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の
      劇場版の1シーン。米政府の交渉相手と向き合う井浦新演じる
      千葉一夫 ⓒNHK)

 【東京】沖縄返還日米交渉に携わった千葉一夫外交官を描いたNHKのスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の劇場版が7日から、那覇市の桜坂劇場で公開される。千葉役を演じた井浦新(いうら・あらた)と妻恵子役の戸田菜穂が沖縄公開を前に本紙取材に応じた。井浦は「撮り終わって作品ができても、沖縄の状況は今もずっと続いている。なんなら状況はもっと悪くなって何も終わっていない。沖縄、日本の若い世代にも見てもらって、知ってもらいたい」と話した。 (聞き手 滝本匠)

―千葉さんの印象は。

     (映画「返還交渉人」の沖縄公演を前にインタビューに応じる、
      千葉一夫役の井浦新=都内の事務所)

井浦 魅力の塊。今の政治で残念なことやうんざりすることが続いている中で、数十年前にこんなにもまっすぐで高い志を持って国を少しでも良くしようと尽力した人がいると知れたことは、僕自身勇気をもらったし、演じられたのは光栄だ。


―役づくりで気をつけたことは。

井浦 印刷物や資料映像など千葉さんの仕事に関するものは全部頭に入れようと心掛けた。それは当たり前だが、そうしてそのまま撮影初日を迎えられるほど簡単な人物像ではない。一番大変だったのは、米国人も舌を巻くと言われた英語。芝居をしながらスラスラせりふを吐けるビジョンがはじめはなかった。台本が来て実際向かい合ったのは1カ月半ほど。貪欲に練習した。


―撮影前には個人的に沖縄に入ったと聞いた。

井浦 今まで沖縄を旅した時は豊かな自然と歴史、文化がメインだった。千葉さんを演じるに当たってもっと体で感じなければと、現地スタッフに丸2日間付き合ってもらい普天間飛行場と嘉手納基地のそばにいた。台本を読みながら、戦闘機が飛んでいく真下にいて、公害とも言える爆音を聞き続けた。千葉さんが感じたであろう戦闘機の爆音を感じながら、腹の中に怒りや恐怖をため込む作業を続けた。

作品には直接関係ないが、名護市辺野古にも行った。当時あっただろう衝突が今起きている場所。豊かな自然が壊されていく辺野古は見届けないといけない。今も闘っている方の姿を目に焼き付けて、削られていく自然をしっかり見つめて、いろいろな感情を腹の中に膨らませた。


―辺野古の現場に関してネットなどでは座り込みの人に日当が出てるなどとフェイクニュースも流れる。

井浦 基地の金網越しにカメラを抱えてうろうろしたり、海側の公園の先にあるテントで話をうかがったりした。全て理解できるものではないかもしれないが、文字やニュース情報からでなく、自分の足を運んで、目で見て、においをかいで、地元の人と会話して、肌で感じたことが全て。それがなければこの作品の舞台に立つ資格はなく、スタートできなかった。


―副題にある「いつか、沖縄を取り戻す」を見て、沖縄の現状はいまだに取り戻せておらず、現代にも突きささるメッセージだと受け止めた。

     (NHKスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の
      劇場版の1シーン。フェンス越しに在沖米軍基地を眺める
      千葉一夫役の井浦新 ⓒNHK)

井浦 撮り終わって作品ができても、終わっていないというのが正直な気持ちだ。ドラマで一区切りになるが、沖縄ではずっと続いている。なんなら今はもっと状況は悪くなっている。この状況を沖縄でも日本全体でも、どこまで知っているだろう。何もかも終わっていない。

作品が伝えているのは「いつか」の部分で、千葉さんは信念を貫き続けて闘ったが、最後は部署を外されて千葉さん自身『沖縄を取り戻す』ことは達成できなかった。その姿を見た仲間たちや若い世代が志を継ごうと思う人が一人でもいれば「いつか」の部分のピースが埋まってくるのかと思う。

沖縄の、日本の若い世代にもぜひ知ってもらって、沖縄といえば「海」「リゾート万歳」もいいけれど、40、50年前に実際に起きた歴史をちゃんと知った上で沖縄の自然の豊かさを感じて遊ぶことができれば本当の意味で沖縄を愛せるのではないか。


―ドキュメンタリーではなくドラマという手法でみせる意味は。

井浦 ドキュメンタリーでこその見応えもあるだろうが、沖縄の歴史や戦争、基地問題を、役者が芝居でみせる映像表現はエンターテインメントでもある。役者が魂を削ってぶつかり合う一瞬一瞬の記録で、生き生きしたり、悲しんだり、苦しんだり、怒ったりする姿を見る人の心に合わせて楽しんでもらえるのがいい。それで沖縄返還のさまざまなことを伝えられるのは、ドラマ、映画ならではの楽しみ方でもあるのではないか。

(戸田菜穂のインタビューは11日掲載)
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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-753566.html

戸田菜穂「普天間でごう音を何度も体験」 劇場版「返還交渉人」千葉の妻役
2018年7月12日 06:00
返還交渉人 井浦新 戸田菜穂

 【東京】沖縄返還の日米交渉に携わった千葉一夫外交官を描いたNHKのスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の劇場版が7日から、那覇市の桜坂劇場で公開される。千葉外交官の妻恵子役の戸田菜穂が沖縄公開を前に本紙取材に応じた。戸田は「普天間飛行場のそばで撮影して、ごう音を何度も何度も体験した。実際に行ってみないと分からない」と話し、「若い人たちには戦争を題材にした作品を見てもらい、悲惨さを伝えていくしかない」と思いを述べた。 (聞き手 滝本匠)

     (NHKスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の
      劇場版の1シーン。千葉一夫(右、井浦新)と妻恵子(戸田菜穂)ⓒNHK)


―出演の話を受けて。

戸田 千葉さんのことは知らず、教科書で習った沖縄返還の裏でこんなに尽力された人がいたのかと感動があった。絶対に諦めないという強い思いでおられ、千葉さんが動かなかったら、また状況は違っていたのかもしれない。


―千葉さんを支える妻恵子さんの役どころは。

戸田 本当に聡明(そうめい)な方で、米国に一緒に行った時も自宅でホームパーティーを用意して、本当に千葉さんと二人三脚で、ただの奥さんというより、返還交渉にも大きく関わったのではないかと思うほど。千葉さんの一番の味方で、家庭は千葉さんがほっとできる唯一の場所。恵子さんはいろいろな役割を果たした奥さんだった。学生時代からの恋人で、言いたいことが言える、本当に仲良しという雰囲気が出せたらいいなと思って演じた。私の理想のような奥さん。


―タイトルには「いつか、沖縄を取り戻す」とあるが、基地の存在も含め本当は現在も取り戻せていないのではという思いを感じた。

     (映画「返還交渉人」の沖縄公演を前にインタビューに応じる、
      千葉一夫外交官の妻恵子役の戸田菜穂=都内の事務所)

戸田 実際に普天間飛行場のそばで撮影して、ひっきりなしに米軍機が飛んできて、耳鳴りがして頭痛がするようなごう音を何度も何度も体験した。民家もあって、どんな思いで暮らされているのかとも思った。ニュースで見ているだけでは、実際に行ってみないと全然分からない。いろいろ不便や危険な思いをされていると改めて思った。


―沖縄のイメージは。

戸田 小学校のころに家族で万座ビーチなどに旅行に来た。毎年のように宮古島にも行っている。


―一方で基地と隣り合わせに暮らしている。

戸田 私自身、広島出身で、戦争の映画も見ている。リゾートのイメージだけではない。父方の祖父が原爆の日に救護の現場にいて、焼けただれた人たちが運ばれてくるのを目の当たりにしていた。私たちには何もしゃべらなかったが、手記を寄せていてあとでそれを知って、父も驚いていた。

戦争を題材にした作品は特に身が引き締まる。皆さんの心に届くよう一生懸命演じるしかない。どんどん語り部さんも亡くなっていく中で、若い人たちにはそういう作品を見てもらって戦争の悲惨さを伝えていくしかない。


―千葉さんの沖縄へのこだわりも沖縄戦の体験がきっかけだった。

戸田 今も終わっていない。苦しんでいる人がいる。
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