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●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電

2018年10月28日 00時00分29秒 | Weblog


東京新聞の蜘手美鶴・小野沢健太両記者の記事【「不適切投稿」裁判官を戒告 最高裁、ツイートで初懲戒】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018101802000134.html)と、
社説【ツイートで戒告 裁判官の声が聞きたい】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018101902000170.html)。
リテラの鈴木耕さんのコラム【言葉の海へ/第48回:九電の太陽光発電遮断から見えたこと】(https://maga9.jp/181017-5/)。

 《ツイッターに不適切な投稿をしたとして東京高裁が懲戒を申し立てた岡口基一裁判官(52)の分限裁判で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は十七日、投稿内容が「裁判官の品位を辱める行状」にあたると判断し、同高裁の岡口裁判官を戒告とする決定をした。裁判官十四人全員一致の意見》。
 《最高裁判事は十五人いるが、戸倉三郎裁判官は岡口裁判官が厳重注意された当時、東京高裁長官だったため今回の審理から外れた》。
 《ツイッターへの不適切な投稿問題で東京高裁の岡口基一裁判官が戒告となった。「品位を辱めた」が理由だ。だが、さまざまな社会事象への裁判官の考えは、個人として発信していいのではないか》。
 《電力が余っちゃうから、太陽光発電の接続を遮断する。それが10月13、14日に、九州電力がとった手段だった。ああ、なるほどね。もう、電力が余っちゃう時代になったんだ、それも再生可能エネルギーの増加で…と、ぼくはとても感心をしたのだ》。

 いきなり、話はわき道にそれますが…東京新聞の社説が言う《さまざまな社会事象への裁判官の考えは、個人として発信していいのではないか》に賛成です。《問題の核心は、高裁長官が「ツイートを続ければ、分限裁判を検討する」と岡口氏に言ったことではないのか。もし私的な表現行為の自由を封殺する意図ならゆゆしき問題だ》…《今回の決定で、裁判官たちが萎縮しないか閉鎖的環境の中に逼塞(ひっそく)するのを懸念する》。

   『●「国民の信頼を傷付け」ているのは?
     …「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」
    《岡口基一裁判官…は謝罪したが…。「米軍基地という面倒な施設は
     沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と
     言及したことも。公平な視線は信頼に値しそうだ
    「《国民の信頼を傷付け》ている「司法」は岡口裁判官でしょうか、
     それとも、沖縄で辺野古破壊や高江破壊に貢献している司法関係者
     でしょうか? まさか、沖縄の市民の皆さんはこの《国民》には
     含まれていない、とでも思っているの?」

 「司法」判断しない最「低」裁のアベ様忖度な政治」判断乱発…その行状こそが、十分に《品位を辱める行状》です。
 特に、戸倉三郎最「低」裁裁判官の《品位》はどうか? 戸倉氏は、最高裁事務総局事務総長時代に核発電再稼働推進人事を推進していたお方です。相当に辱められた《品位》な裁判官。

   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
         もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁
    《そして注目すべきは、今回の大飯原発訴訟を巡っても、同様の
     “再稼働推進人事”がなされていたたことだ。2014年5月の樋口判決後、
     控訴審の審理が始まる前の進行協議で、当時の高裁裁判長は関電側に
     厳しい態度を取ったがほどなくその裁判長は転勤となり、
     次に着任してきたのが今回の判決を下した内藤裁判長だった。
     内藤裁判長は、当時の最高裁事務総局のトップである事務総長で現在は
     最高裁判事の戸倉三郎氏の司法修習同期の裁判官で、かつ大学の
     同窓でもある間柄なのだ。つまり電力会社や政府が“国策”として目指す
     再稼働に都合の悪い裁判所や裁判官に対し人事権を発動し、
     その後釜として自分たちのコントロールのきく人物を、原発訴訟の
     担当として送り込んだということだ》

   『●アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…
          捏造された「社会通念」で核発電所再稼働を容認

 さて、前置きの後の本題…核発電「麻薬」中毒な九電のデタラメなやり口。
 《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか》? 核発電「麻薬」中毒なニッポン国のアベ様らのおかげで、《主電力を再生可能エネルギーで賄い、もし不足した場合には火力で補うというのが世界的な流れ》、《世界の脱原発、再生エネの主力電源化という潮流には、完全に乗り遅れているもう1周遅れだよ》。な~にが技術大国か。

 《すなわち、他の給電源がすべて停まった後でなければ原発は停められない。簡単に言えば、何があっても原発は停めない、というのが政府の方針》…これを核発電「麻薬」中毒と言わずして何という。
 「電力の地産地消」、内橋克人さんのFECは目の前にあるというのに、この国は何をやっているだろうか。

   『●今頃ようやく福島第二原発の廃炉を決断、
      一方、「あとは野となれ山となれ」な玄海原発4号機の再稼働…

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018101802000134.html

「不適切投稿」裁判官を戒告 最高裁、ツイートで初懲戒
2018年10月18日 朝刊

     (記者会見で処分理由を批判する岡口基一裁判官
      =17日、東京・霞が関の司法記者クラブで)

 ツイッターに不適切な投稿をしたとして東京高裁が懲戒を申し立てた岡口基一裁判官(52)の分限裁判で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は十七日、投稿内容が裁判官の品位を辱める行状にあたると判断し、同高裁の岡口裁判官を戒告とする決定をした。裁判官十四人全員一致の意見。インターネットへの投稿を巡り裁判官が懲戒を受けるのは初めて。 (蜘手美鶴、小野沢健太

 東京高裁によると、岡口裁判官は五月、高裁で判決があった犬の所有権を巡る民事訴訟に関し、自身のツイッターで訴訟について書かれたネット記事を引用し、「え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?」などと投稿。元の飼い主である原告の感情を傷つけたとして懲戒を申し立てた。

 大法廷は決定で、憲法が保障する「表現の自由」を踏まえても「裁判官に許容される限度を逸脱したものと言わざるを得ない」と指摘。裁判官の品位を辱める行為に当たると判断した。

 岡口裁判官は、二〇一六年六月と今年三月にもツイッター投稿を巡り厳重注意を受けている。

 戒告の決定を受け、岡口裁判官は東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「懲戒申立書に記載されていない過去の行為も含めて判断するなど、最高裁の事実認定には問題がある。がくぜんとしている」と不満を述べた。

 東京高裁は「裁判官が戒告されたことは遺憾であり、重く受け止めている」とコメントした。

 最高裁判事は十五人いるが、戸倉三郎裁判官は岡口裁判官が厳重注意された当時、東京高裁長官だったため今回の審理から外れた。


<分限裁判> 裁判官を懲戒すべきか否かを決める手続き。対象者が高裁判事の場合、最高裁大法廷が担当する。懲戒となるのは、職務上の義務に違反したり職務を怠ったりした場合か、品位を辱める行状があったときで、戒告か1万円以下の過料とされる。最高裁によると、懲戒は岡口基一判事が62人目で、内訳は戒告が54人、過料が8人。他に3人が懲戒を申し立てられたが、退けられている。裁判官を罷免する場合に開かれる弾劾裁判は別の手続き。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018101902000170.html

【社説】
ツイートで戒告 裁判官の声が聞きたい
2018年10月19日

 ツイッターへの不適切な投稿問題で東京高裁の岡口基一裁判官が戒告となった。「品位を辱めた」が理由だ。だが、さまざまな社会事象への裁判官の考えは、個人として発信していいのではないか

 官僚的裁判官像が望ましいか。市民的裁判官像が望ましいか。どちらかに立つことで、この問題の考え方も変わってくる。

 前者は世間と交わらず、ひたすら裁判所の中で裁判に取り組む。後者は積極的に世間と交わり、交流を深めることによって、裁判に取り組む。

 前者は確かに世間と隔絶するから、外観的には公正で中立に見える。だが、後者のように世間のさまざまな意見の中で裁判を考えた方が、より公正で中立な結果が出るともいえるのだ。

 岡口氏はツイッターで不特定多数の人々に「つぶやき」を発信する裁判官として有名だった。身近な法的話題から、裁判に興味を持ってもらおうという趣旨で書いた軽妙な短文である。

 問題にされたのは、今年五月のツイートである。拾われた犬の所有権が元の飼い主と拾った人のどちらにあるかが争われた裁判をめぐっての内容だ。

 原告の名前などは明らかにしていないから、一般市民の投稿ならば、さして問題にならないであろう。だが、投稿者は裁判官。原告からの抗議を受けて、東京高裁が岡口氏を懲戒すべきかどうかの分限裁判を申し立てたのだ。

 「表現の自由を踏まえても、裁判官に許容される限度を逸脱した」-。これが最高裁大法廷の判断だった。同時に「裁判所に対する国民の信頼を損ね、裁判の公正を疑わせる」とも述べた。

 実は岡口氏は過去にもブリーフ一枚の半裸写真を投稿したこともある。そして厳重注意。これが二回あった。最高裁が「品位を辱めた」と言ったのはそれだ。確かに品位に欠ける。裁判所が顔をしかめたのは当然であろう。

 だが、問題の核心は、高裁長官が「ツイートを続ければ、分限裁判を検討する」と岡口氏に言ったことではないのか。もし私的な表現行為の自由を封殺する意図ならゆゆしき問題だ。

 歴史と文化は異なるが、欧米なら裁判所の門を出れば一私人である。日本でも原則的に私人として表現の自由があるはずだ。裁判官の声を聞きたい人は多い。今回の決定で、裁判官たちが萎縮しないか閉鎖的環境の中に逼塞(ひっそく)するのを懸念する
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https://maga9.jp/181017-5/

言葉の海へ
第48回:九電の太陽光発電遮断から見えたこと鈴木耕
By 鈴木耕  2018年10月17日

 電力が余っちゃうから、太陽光発電の接続を遮断する。それが10月13、14日に、九州電力がとった手段だった。ああ、なるほどね。もう、電力が余っちゃう時代になったんだ、それも再生可能エネルギーの増加で…と、ぼくはとても感心をしたのだ。
 でも、考えてみると、どうも腑に落ちない。なぜ他の電源ではなく、再生可能エネルギーの遮断なのか。そうか、原発だな


電力が余った、再生エネを停めろ!

 九州電力は、他の電力会社に先駆けて、次々と原発を再稼働させてきた。現在、川内原発1、2号機(鹿児島県)、玄海原発3、4号機(佐賀県)の計4基の原発を稼働させている。約410万kwが原発電力だ。
 10月13日の九電管内の電力需要は約850万kw。つまり、ほぼ半分は原発で賄うことができるわけだ。ところがこの日の供給量は約1200万kw。どうしたって供給量が需要を上回る。そうすると、電力が溢れてしまい、大規模停電が起きる可能性が出てくるのだという。
 それが九電の言い分だった。
 しかし、ではなぜ原発ではなく再生エネを抑えたのか
 九州は他地域と比べて日照量に恵まれており、太陽光発電は急速に伸びた。太陽光発電の九電への接続量は、今年8月の時点で約800万kwに達している。13日の電力需要量を、ほぼ満たせるほどの供給量がある
 こうなれば、なぜ4基もの原発を急いで再稼働させたのか、わけがわからなくなる。
 ぼくははっきりと「脱原発」の立場であるけれど、百歩譲ってどうしても原発を再稼働させなくてはならないことを認めたとしても、なぜ4基410万キロワットもの原発が必要なのか、まったく理由がわからない。余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?

 日本政府は、いまだに「原発は重要なベースロード電源」と位置付けている。それへの批判をかわす意味で、仕方なく「再生エネも主力電源」と認めざるを得なくなっているが、それでも政府の「新エネルギー基本計画」は、相変わらず旧態依然、「原発は2030年には20~22%、再生エネは22~24%」と、原発依存を諦めていないその先兵としての九州電力の原発再稼働なのだから、どうしたって原発優先、再生エネは抑制、ということにならざるを得ないわけだ。世界の脱原発、再生エネの主力電源化という潮流には、完全に乗り遅れているもう1周遅れだよ
 それでも、原発容認派という旧勢力はまだいるわけで、「再生可能エネではなく原発を停めるべきではないか」という主張には、当然のように罵声が飛んでくる


再生エネはほんとうに不安定なのか?

 もう耳タコだけれど、「太陽光や風力は安定しないから、主要電源にはなり得ない。雨の日や夜間はどーすんだ!」である。もう何度説明しても、聞く耳をもたないからおんなじ批判を繰り返すのだ。

 例えば、最近の家庭用太陽光発電では、蓄電池と併用しているケースが多い。昼に発電して余った分を蓄電しておき、夜間に使用する。こうすることによって、電力会社からの買電量は下がり続け、電力会社の供給量も減り続けているのだ。
 蓄電技術の進展も著しく、例えば容量30万kwで出力5万kwという巨大蓄電池がすでに実用化されている。価格は約200億円で、これを20基備えれば、出力は100万kwで原発1基に相当する。
 原発の建設費は安全対策等で高騰を続けており、いまや1基1兆円を超えるほどだ。それを考えれば、4000億円でほぼ原発1基分の蓄電が可能なら、安いものではないか。しかもこれは太陽光だから燃料費はタダ。さらに廃炉費用や放射性廃棄物処理を考える必要もない原発よりもはるかに安価でしかも安全だ
 また、節電技術も飛躍的な進歩だ。あの福島事故以来、全国でほぼ2割以上の電力節減となっていて、電力は足りている電力供給不足による停電など、一度も起きていない

 1年でいちばん大量の電力を必要とするのは真夏の昼間だが、当然のことながら、この時間は太陽光発電が最大の威力を発揮できる。太陽が照れば照るほど発電量は増す。したがって、このところの日本の酷暑でクーラーがフル回転しても電力は足りていたのだ。

 太陽が照らない雨の日などは発電量も減るけれど、その分、使用量も下がるし、最近のパネルは曇りや雨でもそれなりの発電は可能だという。パネル技術も進歩している。
 それでも太陽光だけでは不安だというのであれば、例えば風力や地熱、バイオマスなどの再生エネと組み合わせれば、そうとう程度まで不安は解消できる。それこそが、本来の意味での「ベストミックス」だ
 「主電力を再生可能エネルギーで賄い、もし不足した場合には火力で補うというのが世界的な流れであり、それで不具合を起こしたという話はほとんど聞かない。
 エネルギー関連技術の日進月歩は著しく、飯田哲也さんによれば「1年前は考古学」とまで言われているそうだ。それほど技術の進歩は速い。これからも、電力が余る傾向は加速する。
 原発は、出力調整が難しく、停止や再開を簡単にはできないから、再生エネの制限をする、というのが九電や原発容認派の言い分だが、実際にはドイツやフランスでは需要に応じて原発の出力調整をした例もある。その際にも、何の不都合もなかったという。
 九州と本州をつなぐ「関門連係系」という送電システムがある。これを使って余剰電力を本州側へ送るという手もある。つまり、電力会社間で電力を融通し合うということだ。北海道と本州を結ぶ「北本連係系」もあったのだが、これをうまく使うことができなかったために、あの北海道のブラックアウトが起きたのは、記憶に新しい。
 やれることはたくさんあるのだが、それを怠り原発依存の体質を温存してきたために、今回のような再生可能エネルギーの遮断というあり得ない事態を引き起こしてしまったのだ。


巨大な蓄電池がある…

 もうひとつ、太陽光発電で余った電力をきちんと使う方法はある。それが「揚水発電」だ。これは、ある高さに大きな貯水池を作り、余剰電力で水を汲み上げ、電力不足のときにその水で発電して補うというもの。
 本来は、夜間に余ってしまう原発電力の有効活用を目的としたシステムだった。しかし、福島事故以来、全国的に原発はほとんどが停止状態にある。したがって、原発余剰電力では揚水発電は使えない。
 今回の九電のように、太陽光発電が大量に余るなら、これを貯水池への水の汲み上げに使うことも可能だろう
 ぼくがそうツイートしたら「これからまたダムを造る気か、笑わせるな。問題は今だ。間に合うわけがない」と嫌味たっぷりの反論(とはとても言えないおバカ発言)が来た。少しは調べろよ、である。
 現在、九電管内には3基の大きな揚水発電所がある。大平発電所(熊本県八代市)、天山発電所(佐賀県唐津市)、小丸川(宮崎県木城町)で、合計発電量は実に230万kwに達する。
 九電のHPには、以下のような記述がある。


*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
「揚水発電所は大きな蓄電池」

  通常の発電機が燃料等の持つエネルギーを、電気エネルギーに変換する「エネルギー変換装置」であるのに対し、揚水発電所は電気エネルギーの蓄積(充電)と放出(放電)を繰り返す「エネルギー蓄積装置」です。

 すなわち、基本的に蓄電池と同じです。(略)

(参考)揚水発電の特徴と主な用途
◎電力使用量の大きな時間帯(ピーク時)への対応とともに、時々刻々と変化する電力の使用量にあわせて発電量を調整でき、効率的な電力の安定供給に寄与
◎迅速な軌道能力
通常の火力機では起動~最大出力まで半日~数日程度要するが、揚水発電機は緊急起動~最大出力まで2分程度
◎他の発電機がトラブル等で発電できなくなった場合に、緊急起動することによって電力需給面での迅速な対応が可能(頼りになる予備電力)
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***


 確かに揚水発電は、原発の補完システムとして造られたものだがそれが余剰の再生エネの利用にも使えるのだ。しかも、電力会社が自ら認めているように、原発や火力に比べて、その小回りの速さは圧倒的だ。ほんの2分程度で自由に出力調整ができる“蓄電池”ならば、どんな場合でも対応ができるはず。これを有効活用しない手はない。
 しかし「原発優先政策」がそれを妨げている。
 今回の九電の措置は、この点から見てもおかしい。電力供給過剰で大停電の恐れがあるということを九電はかなり前からアナウンスしていた。分かっていたのなら、最初にやるべきは、原発2基を停めることだったはずだ。けれど、九電にはそれができなかった。
 なぜなら、安倍政権のエネルギー政策に抵触してしまうからだ。
 国は「優先給電ルール」というのを定めており、それによれば、出力制限はまず再生可能エネが最初であり、次に火力等で、原発の制限は最後の最後である。すなわち、他の給電源がすべて停まった後でなければ原発は停められない。簡単に言えば、何があっても原発は停めない、というのが政府の方針なのだ。
 九電は安倍政権に逆らえない。だからまず、太陽光発電を遮断したのだ。


原発はベースロード電源とは言えない

 もうひとつ問題がある。九電がどういう基準で再生エネ業者を選んだのかという点だ。どこの発電所を遮断したか分からない。遮断対象業者のリストを九電が公開していないのだ。これでは再生エネ業者はたまらない。いつ、自分のところが遮断されるか分からないのでは、企業としては成り立たなくなる可能性もある。せっかく伸び始めた自然エネルギーの未来を、まるで踏みにじるようなものだ。
 東京新聞こちら特報部(10月16日付)で、自然エネルギー財団の大林ミカ事業局長は、次のように語っている。


*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
 再生可能エネルギーの普及が進む欧米では、需要と供給の予測をITにより正確に行い、供給電のマネジメントをきちんとやることで、再生エネで日本のベースロード需要に相当する電力を賄っている。停止すると一気にエリアが停電しかねない原発など大規模発電所はベースロード電源とは言えない
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***


 大規模発電に頼ったシステムが崩壊したのが「北海道ブラックアウト」ではなかったか。なぜそれに学ばないのか
 エリアを適度な広さに細分化し、その規模に応じた電力需給システムを構築すること。それはすでに欧米では行われていることだ。しかも、それほど難しいシステムではないとされる。
 さらに、その細分化した地域に先述の「巨大蓄電池」を設置すれば、電力供給は安定するし、「電力の地産地消」という自然エネルギーに適したシステムがうまく回っていく。


原発は「領土」を奪う

 最後に付け加えておこう。
 10月16日、福島第一原発事故で「強制起訴」された東京電力の旧経営陣3名(勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長)の公判が開かれた。その場で、武藤元副社長は冒頭、次のように謝罪した。


*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
 事故で亡くなられた方々、ご遺族、ケガをなさった方々、故郷をなくされ今の避難生活を送られている方々、とても多くの方に、言葉では表せないご迷惑をおかけしました。まことに申し訳ございませんでした…。
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***


 原発容認派の中には、いまだに「原発事故そのもので亡くなった人はいない。原発は安全性を確かめた上で、早急に再稼働すべきだ」などと言う愚かな連中がいる。むろん、これは悪質なデマだ。
 放射線障害で労災認定を受けた人たちは複数いるし、武藤元副社長でさえ認めざるを得なかったように、「事故で亡くなられた方々」はたくさんいるのだ。そしてなによりも、故郷を奪われた人たちの悲しみは、決して癒えることがない
 原発推進派は、なぜかその多くがネット右翼と重なる(むろん、すべてではない)。ぼくは不思議でならない。ネット右翼諸士は「愛国」を語り「領土を守れ」と主張するならば、故郷という「領土」をこの日本から消し去った原発になぜ反対しないのだろうか?
 原発はひとたび事故を起こせば、この国の大切な「領土」を奪い去る存在なのだ。
 愛国者なら、原発に反対しようよ
 原発はもう時代遅れなのだから。
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●砂川事件弁護団:「眼科病院に行ったらいい」「アクロバチックでむちゃ」「ふらちな拡張解釈」とまで指摘

2015年06月16日 00時00分21秒 | Weblog


東京新聞の記事【砂川事件弁護団 再び声明 合憲主張「国民惑わす強弁」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015061302000133.html)。

   『●「憲法9条にノーベル賞を」!、暴走改憲を止める一矢に!
                   ~世界の笑いものにならないために~

   『●「積極的平和主義」の本性、つまり「死の商人」「そういうビジネス」
   『●「ダムを壊したら魚がもどってきた」
      『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号)について

    「宇都宮健児さん【黒風白雨23 最高裁までが対米従属なのか】、
     砂川事件、「田中耕太郎最高裁判長が、上告審の公判日程や裁判の
     見通しを駐日米大使館関係者に対して漏らしていた事実・・・最高裁は、
     はっきりと釈明すべきであろう」」

   『●鎌田慧さんインタビュー: 「一人の人間として勇気をふるった名判決」
   『●「憲法9条にノーベル賞を」!、暴走改憲を止める一矢に!
                    ~世界の笑いものにならないために~

    「安倍晋三首相や自民党幹部が集団的自衛権の行使を容認するため、
     一九五九年の最高裁による砂川事件判決を根拠にする考えを
     相次いで示している
。しかし、この判決は五十五年前のもの。
     歴代政権は判決を踏まえた上で、集団的自衛権の行使は
     「憲法上許されない」とした政府見解を三十三年前に定め、
     維持してきた。安倍首相らは今になって、判決に独自の考えを
     加えて解釈改憲に利用しようとしている
。この判決の無効を求める
     動きまであり、憲法解釈の根拠とすることの正当性も揺らいでいる。
     (金杉貴雄、新開浩)
      <砂川事件> 1957年、東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地
     拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に立ち入り、7人が
     日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴された事件。
     東京地裁は59年3月、米軍駐留は憲法9条2項が禁ずる戦力の保持に
     当たり、違憲として無罪を言い渡した。検察側の上告を受け、最高裁は
     同年12月、9条は日本に自衛権があると認め、安保条約のような
     高度に政治的な問題は司法判断になじまないとも指摘。一審判決は
     破棄され、その後有罪が確定した。」


   『●「僕らは「戦争」を知らない?」
     『週刊金曜日』(2014年4月25日・5月2日合併号、989号)

    「長沼節夫氏【砂川闘争・伊達判決・最高裁判決から55年後の新事実
      米大使と密談重ねた最高裁判決は違法だと再審請求へ】、
     「・・・判決の背景には政治的圧力があった」。砂川事件
     (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/92b74a8ed74fe9714b565af899754410)」

   『●「上級審では国側が勝つこの国の裁判」
       ・・・・・・今度こそ、福井地裁の名判決を活かしたい

    「原告弁護団事務局長の笠原一浩弁護士は「原発のように科学的見解に
     複数の知見が存在するテーマだからこそ、万一の事故もあっては
     ならないという、最高裁の判断も踏まえた判決だと理解しています」と言い、
     控訴審に自信を示したが、不安がよぎる。過去を振り返れば、この国では
     「司法の独立」なんて絵に描いたモチで、
     住民側が苦汁をなめる判決が多いからだ。
      米軍基地に立ち入った学生7人が安保条約に伴う刑事特別法違反に
     問われた砂川事件(1957年)は、1審は米軍駐留そのものが違憲だ
     として全員無罪となったが、米政府などから圧力を加えられた
     最高裁では国が逆転勝訴した」

   『●砂川事件: 「三権の長でありながら
       米国の干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」



 「集団的自衛権について砂川判決から何かを読み取れる目を持った人は眼科病院に行ったらいい・・・『わが国が、自国の』とする文辞からも文脈からも個別的自衛権を指すことに疑問の余地はない・・・高村氏らは実にアクロバチックでむちゃな読み方で、ふらちな拡張解釈をしている」。
 憲法学者に続き、アベ様や高村氏は砂川事件弁護団にもケンカを吹っ掛ける愚。弁護団は明白な違憲・壊憲を指摘。「眼科病院に行ったらいい」「アクロバチックでむちゃ」「ふらちな拡張解釈」「何らの根拠なき謬見であり、デマゴギーにすぎない」「安倍首相や高村副総裁の言説が無価値とまで指摘される始末。トホホ。
 上記の通り、このことは、1年以上前から、ず~っと指摘され続けているのに、まだ理解できないアベ様や高村氏、アタマは大丈夫か? あるいは、分かっていて強弁する傲慢さか?? 国民はバカにされている。

   『●「最高の責任者」アベ様のオツムの中身
   『●戦争に油を注ぎ、番犬様の片棒を担げば、
      「非戦闘地域」「後方支援」は何の保証にもならない

   『●壊憲: 「憲法を「変えない」という重み」と
      「「政治家が「戦争のできる国」を志向し、その言葉の軽さ」

   『●福島瑞穂氏への「絶対権力」者の横暴と狭量:
      「自らと異なる立場に対する敬意や尊重などかけらもない」

   『●「戦争法案」: 「戦争できる国」、
      番犬様の国のために「戦争したい国」・・・主権者は誰か?

   『●東京新聞・半田滋さん「「銃後の国民」も
      無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは・・・」

   『●『戦争法案』、理由は何でもアリ:
     だって「国民から強い支持をいただいた」んだもの!? 嗚呼・・・

   『●「平和」「安全」ラベル付き「戦争法案」:
     「非戦闘地域」で「後方支援したい。リスクとは関わりない」

   『●立派な「戦争法案」!: 後方支援=兵站「武力行使と
         一体不可分の中心構成要素」、「リッパな戦闘行為」

   『●選挙民の重い責任:
     「大量殺人」に賛成票を投ずる「傍観」「無知」と「愚」

   『●「恐怖販売機」(©東京新聞『筆洗』)・・・
     押し売りしておいて出てくるオモチャがすべて赤紙とはネ

   『●死にゆく平和憲法: 伊藤真さんの憲法の絵本
     『あなたこそ たからもの』と松本ヒロさんの「憲法くん」

   『●戦争出来れば何でもOK: 「米国などを攻撃した
       相手国が日本を標的にする意思を持つかどうか・・・?」

   『●「恐怖販売機」(©東京新聞『筆洗』)から出てくる「戦争法案」:
                国会や憲法学者の存立危機事態

   『●戦争法案・違憲立法・壊憲法案:
      中学生の国語力すら無い、ご都合主義な自公議員たち


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015061302000133.html

砂川事件弁護団 再び声明 合憲主張「国民惑わす強弁」
2015年6月13日 朝刊

     (集団的自衛権の行使容認を合憲とした政府解釈に
      抗議する砂川事件弁護団の新井章弁護士(右から2人目)、
      坂本修弁護士(左)ら=12日、東京・霞が関の
      司法記者クラブで)

 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案について、政府が一九五九年の砂川事件の最高裁判決を根拠に合憲と主張しているのに対し、判決時の弁護団の有志五人が十二日、東京都内で会見し、「裁判の争点は駐留米軍が違憲かに尽きる。判決には集団的自衛権の行使に触れるところはまったくない」とする抗議声明を出した。五人はみな戦争を知る白髪の八十代。「戦争法制だ」「国民を惑わすだけの強弁にすぎない」と批判し、法案撤回を求めた。 (辻渕智之)

 「集団的自衛権について砂川判決から何かを読み取れる目を持った人は眼科病院に行ったらいい

 会見の冒頭。新井章弁護士(84)は眼鏡を外し、鋭いまなざしを子や孫世代の記者たちに向けた。そして「事件の弁護活動をした私らは裁判の内容にある種の証人適格を持っている」と法律家らしく語り始めた。

 自民党の高村正彦副総裁は十一日の衆院憲法審査会で判決に触れた。「わが国が、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然」という部分だ。これを根拠に、政府は判決が集団的自衛権の行使を否定していないと主張している。

 しかし声明では「『わが国が、自国の』とする文辞からも文脈からも個別的自衛権を指すことに疑問の余地はない」と断じた。

 新井弁護士は横畠裕介内閣法制局長官が十日の衆院特別委で「判決は集団的自衛権について触れているわけではないと認めた発言にも言及。「高村氏らは実にアクロバチックでむちゃな読み方で、ふらちな拡張解釈をしている」と評した。

 判決時、最高裁長官だった田中耕太郎氏(故人)は補足意見で「自衛はすなわち『他衛』、他衛はすなわち自衛という関係がある」と述べた。内藤功弁護士(84)は「集団的自衛権の言葉はなく、法律論としても構成していない。集団的自衛権を容認すると読める余地はない『集団的自衛権の行使は許されない』と結論づけた一九七二年の政府見解は、砂川判決も十分精査した結果だ」と主張した。

      ◇

 昨春、安倍内閣の集団的自衛権行使容認に向けた与党協議が進められる最中、三月末ごろに至って協議の座長を務める高村正彦自民党副総裁が突如として、その作業の有力な法的根拠の一つとして砂川事件最高裁判決を挙げ、同判決がわが国の集団的自衛権について言及し、その行使を肯認しているかのごとき見解を公表されたことがあったが、その際われわれは直ちにその誤りを指摘し、厳しく批判する声明を発した

 しかるに、高村氏はこの批判を受けとめて自説を撤回しないばかりか、最近に至って再び謬見(びゅうけん)<誤った考え>を強調し、安倍首相もこれに倣って「今般の法整備の基本的論理はこの判決と軌を一にする」などと言明し始めているので、われわれはここにあらためてこれらの言説が何らの根拠なき謬見であり、デマゴギーにすぎないことを指摘しておきたいと考える。

 この最高裁判決の判示は、第一に、日米安保条約に基づく米軍駐留は憲法九条二項の「戦力不保持」原則に違反するか、そして第二に、米軍駐留は憲法九条(全体)や前文等の趣旨に反するかの、二つの争点についてなされており、それに尽きている。それらを通じて、わが国の集団的自衛権のあり方やその行使に関して触れるところは全くないそのことは現在の内閣法制局長官も認めている)。指摘されている、「わが国が、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のこと」という判示が、わが国の個別的自衛権を指すものであることは、「わが国が、自国の」とする文辞からしても、また、それが位置づけられている文脈(論脈)からしても疑問の余地はない

 以上の次第で、安倍首相や高村副総裁の言説が無価値であり、国民を惑わすだけの強弁にすぎないことはもはや明白であるから、一刻も早く態度を改め、提案している安保法制(改正法案)を撤回して、憲法政治の大道(だいどう)<人の行うべき正しい道>に立ち返られんことを強く要求するものである。

※全文の<> 内は 本紙の注釈


 <砂川事件> 1957年7月、東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対するデモ隊が基地内に入り、23人が逮捕され、7人が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反罪で起訴された。東京地裁は59年3月、「米軍駐留は憲法9条違反」として無罪を言い渡した(伊達判決)が、上告を受けた最高裁は同年12月、「自国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとりうるのは当然。日本を守る駐留米軍は違憲ではない」「安保条約のような高度な政治性を持つ案件は裁判所の判断になじまない」として、一審地裁判決を破棄して差し戻した。63年に全員に罰金2000円の有罪判決が確定した。歴代政府は最高裁判決を踏まえて、72年の政府見解で「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と明確にし、40年以上維持されてきた
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●教員イジメ: 元東京「ト」知事の顔色をうかがってばかりいた東京「ト」教委、敗れる

2015年05月30日 00時00分22秒 | Weblog


東京新聞の記事【再雇用拒否 都に賠償命令 君が代不起立元教職員勝訴】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015052602000117.html)。

 「「都教育委員会は裁量権を逸脱、乱用しており、再雇用を認めなかった判断は違法」と指摘し、全員に一人当たり約二百十万円~約二百六十万円の賠償を都に命じた・・・・・・吉田徹裁判長は「思想信条などに従って行われた行為を理由として不利益を課す際には特に慎重な考慮が求められる」と指摘。その上で都教委の判断を「職務命令違反があったことだけを不当に重視して教職員としての長年の経験や意欲を全く考慮しておらず、再雇用への期待を違法に侵害した」と判断」!
 東京「ト」教委、敗れる・・・・・・たかがハタやウタを強制し、教員イジメ。こんな「ト」な教育委員会なんて要らない。

   『●日弁連声明: 都教委を擁護する東京高裁
   『●ハタとウタと東京都教委:
       強制しておいて、その記述を問題視するとは・・・

   『●どちらの国に生まれた子どもが幸せだろうか?
   『●音圧計でも持ち出しそうな勢い、
     たかがウタに「口パク」禁止令・監視命令・・・アホらしい

   『●石原慎太郎元東京「ト」知事の都市伝説はどうやら正しかったらしい

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015052602000117.html

再雇用拒否 都に賠償命令 君が代不起立元教職員勝訴
2015年5月26日 朝刊

 卒業式や入学式で君が代斉唱時に起立して歌わなかったことを理由に定年後に再雇用しなかったのは違法として、東京都立高校の元教諭二十二人が都に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は二十五日、「都教育委員会は裁量権を逸脱、乱用しており、再雇用を認めなかった判断は違法」と指摘し、全員に一人当たり約二百十万円~約二百六十万円の賠償を都に命じた。

 訴えたのは二〇〇七~〇九年に定年などで退職し、再雇用を求めたが、都教委から不合格とされた二十二人。いずれも卒業式などで君が代斉唱時に起立することを命じた学校長による職務命令に従わず、戒告などの懲戒処分を受けていた。

 吉田徹裁判長は「思想信条などに従って行われた行為を理由として不利益を課す際には特に慎重な考慮が求められる」と指摘。その上で都教委の判断を「職務命令違反があったことだけを不当に重視して教職員としての長年の経験や意欲を全く考慮しておらず、再雇用への期待を違法に侵害した」と判断した。

 原告団によると、同様の再雇用拒否をめぐっては、元教職員側の敗訴が最高裁で確定した訴訟が、これまでに三件ある。

 判決後に東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した原告の永井栄俊(えいしゅん)さん(68)は「学校現場は都教委の言うことを聞かなければ定年退職後に採用されないと萎縮している。今回の判決が現場に与える影響は非常に大きい」と語った。

 ◆中井敬三・東京都教育長の話 大変遺憾だ。判決内容を精査して今後の対応を検討する。
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●「国が象徴空間に集約することに我慢がならない。先祖の遺骨をコタンに返してほしい」

2015年04月24日 00時00分23秒 | Weblog


東京新聞の記事【遺骨集約「アイヌ否定」 協会会長ら 人権救済申し立て】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015013102000136.html)。

 「明治時代から一九六〇年代にかけ、全国の大学が研究目的で発掘した千六百体以上のアイヌ民族の遺骨を、政府が新設する慰霊施設に集約するのは人権侵害だとして、北海道の浦幌アイヌ協会会長の差間(さしま)正樹さん(64)らアイヌ民族の十三人と支援者の八人が三十日、日本弁護士連合会人権救済を申し立てた」。

 「研究目的」(!!)で勝手に盗掘して「大量の遺骨や副葬品が返還されないまま」に放置する大学人、そして、政府のいい加減な対応。一体どんな国やねん!! 当事者が「嫌だ」と言っているにもかかわらず、平気で「人権侵害」。「墓を暴いて先祖の遺骨を集めた学者たちの責任をあいまいにしたまま、国が象徴空間に集約することに我慢がならない先祖の遺骨をコタンに返してほしい」と云う叫びにどう応えるつもりか?

   『●『ドキュメント 憲法を獲得する人々』読了(4/4)
    「【田中伸尚著、『ドキュメント 憲法を獲得する人々』】・・・・・・
     その他、「「神主の娘」の意見陳述」の木村さん、
     「揺れる心で「アイヌ宣言」」の多原さん、
     「在日だけど、日本社会の一員だから」の徐さん、
     「沖縄に基地があるかぎり」の中村さん」

   『●「「希望はTPP。」なのか」
      『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)

    「平田剛士氏【アイヌ人骨〝発掘〟研究の実態は依然不明 
     北大のずさんな管理が発覚】・・・・・・」

   『●「安倍首相の暴走と「妄想」」
      『週刊金曜日』(2014年2月7日号、978号)について

    「平田剛士氏【いまだ返還されず 全国12大学にアイヌ遺骨1636体!】、
     「遺骨を返還すれば大学自体も癒される。アイヌも力を得て、
     誇りを取り戻せるはず・・・・・・より人間的な大学に変わるための
     チャンスととらえることもできる」」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015013102000136.html

遺骨集約「アイヌ否定」 協会会長ら 人権救済申し立て
2015年1月31日 朝刊

     (人権救済を申し立て記者会見する差間正樹さん(左)
       =30日、東京・霞が関の司法記者クラブで)

 明治時代から一九六〇年代にかけ、全国の大学が研究目的で発掘した千六百体以上のアイヌ民族の遺骨を、政府が新設する慰霊施設に集約するのは人権侵害だとして、北海道の浦幌アイヌ協会会長の差間(さしま)正樹さん(64)らアイヌ民族の十三人と支援者の八人が三十日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。

 申立書では「発掘収集されたアイヌの遺骨は、墓地や遺骨を管理していたコタン(集落)に返還されるべきで、国の施設に遺骨を集約することは、コタンごとに先祖を慰霊するアイヌの宗教上の行為を否定した人権侵害だ」と指摘した。

 申立書などによると、遺骨は北海道大の千二十七体をはじめ、東京大、京都大など全国の十二大学で計千六百三十六体が確認されている。これらは、研究目的で墓地を発掘するなどして集めたもので、大量の遺骨や副葬品が返還されないままとなっている

 政府は昨年六月の閣議決定で、アイヌ文化振興に向け、二〇二〇年に一般公開する北海道白老町の新施設「民族共生の象徴となる空間(象徴空間)」に、大学にある遺骨や副葬品を集約する方針を決めた。身元判明分は二十三体にとどまり、大半の遺骨が「象徴空間」に集約される見通しとなっている。

 東京・霞が関の司法記者クラブで会見した差間さんは「墓を暴いて先祖の遺骨を集めた学者たちの責任をあいまいにしたまま、国が象徴空間に集約することに我慢がならない先祖の遺骨をコタンに返してほしい」と訴えた。
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●沖縄密約文書: 「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

2014年07月16日 00時00分33秒 | Weblog


asahi.comの記事『「情報公開の極小化」 沖縄密約原告、最高裁判決を批判』(http://www.asahi.com/articles/ASG7G5HXCG7GUTIL03L.html?iref=comtop_list_nat_n04)と、
社説『沖縄密約文書―説明なしではすまない』(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
東京新聞の記事 『沖縄密約の歴史、闇に 最高裁「請求者に立証責任」』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071590070844.html)と、
社説 『沖縄密約判決 「国家の嘘」を許すのか』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071502000133.html)。

 沖縄密約文書について「『ないのだから仕方ない』という国の言い分を正当化する判決。こんなことを認めたら民主主義は崩壊する」・・・・・・「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国、それを許容する最高裁!? 「請求者に立証責任」ってどんな言いぐさ?? 世界を見渡してこんなにダメダメな裁判所ってあるのだろうか? それにしても、この国は一体・・・・・・。

   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
               ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

    「綿井健陽さんの言葉を再掲。
     「【http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-10-01】 wataitakeharu昨日(29日)は
      沖縄密約文書開示訴訟の判決の一報を、
      普天間基地の隣りの沖縄国際大で聞いた。
      東京高裁では頻繁にある“逆転判決”とはいえ、驚く
      外交文書を政府が捨ててOKの国・日本。沖縄の地元2紙から→
      http://t.co/j9vJ34QW http://t.co/qw6ZaIKm 09/30 01:32」」

   『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
      「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」
   『●西山太吉さんが喝破、「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」
   『●特定秘密保護法案: 「うそをつく人たちが作」る猛毒を
              「いい内容に仕上がっている」認識とは!?
   『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』
   『●特定秘密保護法案「改悪」協議:
       沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」
   『●政治家の耳には市民の反対の声は届かず:
                      特定秘密隠蔽法案が衆院通過
   『●特定秘密隠蔽法案衆院通過: ・・・だから?、
       福島の人々の声は聞こえないのだろうか? それとも・・
   『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
                      メディアが入っている」非民主国


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http://www.asahi.com/articles/ASG7G5HXCG7GUTIL03L.html?iref=comtop_list_nat_n04

「情報公開の極小化」 沖縄密約原告、最高裁判決を批判
2014年7月15日01時14分

   (判決を受け、厳しい表情で会見する西山太吉さん
     =14日午後、東京・霞が関、諫山卓弥撮影)

 「『ないのだから仕方ないという国の言い分を正当化する判決こんなことを認めたら民主主義は崩壊する」。判決後、東京・霞が関で記者会見した元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)は、最高裁判決を批判した。

 「情報公開をできるだけ極小化し、押さえつけようとするもので、政府にとって都合のよい情報だけが届く危険な状態になる」。情報公開の制度について、「民主主義の一番の要だ」と強調した。

 西山さんは、初めて密約の存在を暴いた。だが、沖縄返還が迫った1972年4月、密約を示唆する機密電文を西山さんに渡した外務省女性事務官(当時)とともに国家公務員法違反容疑で逮捕され、78年に最高裁で有罪が確定した。その後も、密約の存在を訴え続けてきた。西山さんをモデルに、作家の故・山崎豊子さんは密約事件をテーマにした小説「運命の人」を書いた。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

沖縄密約文書―説明なしではすまない
2014年7月15日(火)付

 あるべき文書がなぜないのか。このまま、説明なしではすまされない。

 42年前の沖縄返還に伴う米国の財政負担を、日本が肩代わりするという秘密の合意。

 日本政府は否定してきたが、米公文書館が公開した文書で、90年代以降裏付けられている。

 その存在を認めた司法判断が、きのう最高裁で確定した。元毎日新聞記者の西山太吉さんらが国などを相手に起こした情報公開請求訴訟である。

 判決は文書を開示しないことを認めており、形の上では国側の勝訴だ。だがその判断は、密約は存在し、01年の情報公開法施行前に秘密裏に廃棄された可能性を否定できないという見方に基づいている。政府は判決の意味を厳しく受け止めなければならない。

 沖縄密約文書を「ないものはない」とかわしてきた政府の態度は目に余る。密約によって多額の税金が使われた。国民の評価にさらされるべきだ。当時の外務省の内規に照らしても永久保存すべき文書だったことは裁判所も認めている。

 その存在をジャーナリストとして突き止めた西山さんは刑事罰を受けた。その一方で、闇に葬った政府関係者がとがめなしでは、あまりにバランスを欠くのではないか

 そもそも政府が「文書が存在しない」といって公開を免れられるのなら、情報公開制度は成り立たない

 知る権利のうえからも、歴史を記録する観点からも、「第一級の極めて重要な歴史文書」と裁判所が評価した今回の密約文書が、この先も存在しない状態でいいとは考えにくい。

 政府が見つけられないならいっそ、米国側に文書の写しをもらい、それを保存、公開することを考えてはどうか。

 気になるのは、米側の公開文書や外務省元局長の証言から原告が密約文書の存在をはっきり立証したのに、文書の性質によってはその後保管されなくても許容されるかのような判断を最高裁がしたことだ。情報公開を狭めることにならないか。

 公文書管理法が11年に施行され、公文書の保存や廃棄のルールは明確になった。しかし、年内に施行される特定秘密保護法で指定されたら、それとは別ルートで扱われる。外交に不利益だとみなされれば、半永久的に秘密扱いにできるのだ。

 この大がかりな情報隠しの道具を適正に運用できるのか。沖縄密約文書をめぐる一連の政府の姿勢を振り返るにつけ、疑問と不信は新たになる。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071590070844.html

沖縄密約の歴史、闇に 最高裁「請求者に立証責任」
2014年7月15日 07時08分

    (記者会見する西山太吉さん=14日、東京・霞が関の
     司法記者クラブで(平野皓士朗撮影))

 一九七二年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書開示訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は十四日、元毎日新聞記者西山太吉さん(82)ら原告側の逆転敗訴とした二審判決を支持し、上告を棄却した。西山さんらの敗訴が確定した。行政機関が存在しないと主張する文書について「開示の請求者側に存在を立証する責任がある」との初判断を示した。裁判官四人の全員一致の意見。

 情報開示を求める市民に重い立証責任を課した判断で、特定秘密保護法の施行を控え、国民の知る権利に大きな制約を与えそうだ。

 判決理由で千葉裁判長は「いったん文書があると立証された場合、その後も行政機関が持っていると認められるかどうかは文書の内容や性質、作成の経緯などに応じて個別具体的に検討すべきだ」と判示。文書廃棄などの立証責任を行政側に負わせた一、二審とは異なる判断を示した。

 その上で、密約文書の探索調査をした外務、財務両省が「文書は見つからなかった」としたことを踏まえ、「交渉過程で作成されたとしても、不開示決定時に文書があったと認めるには足りない」と結論づけた。密約の存在を認めた一、二審の判断は維持した。

 一審・東京地裁判決は、米国立公文書館で見つかった米公文書や元外務省局長の法廷証言を基に、国が文書を作成、保有していたと認定。国に文書の全面開示を命じ、原告一人当たり十万円の賠償も認めた。二審・東京高裁判決も国が過去に文書を保有していたことは認めたが「外務、財務両省が秘密裏に廃棄した可能性を否定できない」とし、不開示は妥当と判断した。

 西山さんらは、日本が米軍用地の原状回復費を肩代わりするなど三つの密約に関する文書を開示請求。外務、財務両省は二〇〇八年、文書の不存在を理由に開示しなかった。


◆国の主張を正当化

 西山太吉さんの話 日米政府が共同して国民をごまかすために作ったのが密約文書で永久に保存されるべきだ。最高裁判決は、その文書がないという国の主張を正当化した。国民主権にのっとった情報公開の精神がみじんもなく、民主主義の基礎を崩壊させかねない。

 <沖縄返還協定の密約> 1972年5月に発効した沖縄返還協定をめぐる日米の交渉過程で、米軍用地の原状回復費400万ドルや米短波放送中継局の国外移設費1600万ドルを日本政府が肩代わりし、協定で定められた米国への支出金に上乗せして負担することにした密約。「沖縄を金で買い戻した」との批判が予想されたため、国民には伏せられた。毎日新聞記者だった西山太吉さんが外務省の極秘公電を入手し、報道で密約を示唆したが、公電を提供した同省女性職員とともに国家公務員法違反罪で起訴され、2人の有罪判決が確定した。2000年以降、米国立公文書館で密約文書が見つかり、外務、財務両省は10年3月に「広義の密約」があったと認めた。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071502000133.html

沖縄密約判決 「国家の嘘を許すのか
2014年7月15日

 沖縄密約の文書は、とうとう国民の前には出なかった。最高裁はまるで情報公開の流れに逆行する初判断をした戦後の重要な領土返還交渉での「国家の嘘(うそ)」を司法が隠蔽(いんぺい)するのと同然ではないか

 「沖縄密約はない」と長く政府は言い張ってきた。でも、米国で次々と密約文書が公開され、日本政府の嘘がばれた。原告らは情報公開法でその公開を求めた。

 一、二審とも密約の存在は認めた。東京高裁は「文書は廃棄された可能性がある」と考え、原告の求めを退けた。

 だが、最高裁は密約があったとは明確には言わず、「文書が作成されたとしても、(外務省や財務省が不開示の決定をしたとき)文書が保有されていたことを推認するには足りない」と述べた。

 かみ砕いて言えば、「役所が文書を保管していることを証明しなさい」と原告側に求めたのだ

 この論法だと、役所が「文書はない」と言えば、情報公開を求める国民は、その時点で「役所に文書がある」ことを証明せねばならない。このハードルは高い。情報公開の精神は、役所側に証明させることではなかろうか

 国家の秘密と公文書の在り方を根源から問うた大事な裁判で、このような判決が出たのを憂う。

 米国側がオープンにした「国家の嘘」を挙げてみよう。まず、沖縄返還協定に基づいて、日本が米国側に支払った三億二千万ドルの中に、不適切な出金が数々あった。本来、米国側が負担すべき軍用地復元補償費などだ。

 それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない」と言い張ってきた状況は異様である。

 「秘密枠」の金は国会の承認を得ておらず、違法なはずだ。「核密約」も非核三原則の国是に反する。国家は国民に嘘をつく-、その典型例が沖縄密約である。しかも、秘密文書は作成、保管、移管、廃棄というプロセスがまったく霧の中である。

 特定秘密保護法が年内に施行される。チェック機関が正常でないと、違法な秘密や実質的な秘密でない情報まで隠蔽される懸念がある。特定秘密でなくとも、さまざまな情報が官庁から出にくくなる副作用を伴うだろう。

 正しい情報を持たない国民は正しい判断ができないことをあらためて強調したい。
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●砂川事件: 「三権の長でありながら米国の干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」

2014年07月06日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞の記事【砂川事件 再審請求 元被告ら「公平な裁判侵害」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014061802000097.html)と、
asahi.comの社説【最高裁と米軍―司法の闇を放置するな】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html)。

 「三権の長でありながら米国の干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」・・・・・・司法の腐敗具合が分かろうというもの。

   『●「ダムを壊したら魚がもどってきた」
      『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号)について

    「宇都宮健児さん【黒風白雨23 最高裁までが対米従属なのか】、
     砂川事件、「田中耕太郎最高裁判長が、上告審の公判日程や裁判の
     見通しを駐日米大使館関係者に対して
漏らしていた事実・・・最高裁は、
     はっきりと釈明すべきであろう」」

   『●鎌田慧さんインタビュー: 「一人の人間として勇気をふるった名判決」
    「砂川事件の名判決に匹敵する(13:45-)」

   『●「憲法9条にノーベル賞を」!、暴走改憲を止める一矢に!
                    ~世界の笑いものにならないために~

    「安倍晋三首相や自民党幹部が集団的自衛権の行使を容認するため、
     一九五九年の最高裁による砂川事件判決を根拠にする考えを
     相次いで示している
。しかし、この判決は五十五年前のもの。
     歴代政権は判決を踏まえた上で、集団的自衛権の行使は
     「憲法上許されない」とした政府見解を
三十三年前に定め、
     維持してきた。安倍首相らは今になって、判決に独自の考えを
     加えて解釈改憲に利用しようとしている
。この判決の無効を求める
     動きまであり、憲法解釈の根拠とすることの正当性も揺らいでいる。
     (金杉貴雄、新開浩)
      <砂川事件> 1957年、東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地
     拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に立ち入り、7人が
     日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴された事件。
     東京地裁は59年3月、米軍駐留は憲法9条2項が禁ずる戦力の保持に
     当たり、
違憲として無罪を言い渡した。検察側の上告を受け、最高裁は
     同年12月、9条は日本に自衛権があると認め、安保条約のような
     高度に政治的な問題は司法判断になじまないとも指摘。一審判決は
     破棄され、その後有罪が確定した。」

   『●「僕らは「戦争」を知らない?」
     『週刊金曜日』(2014年4月25日・5月2日合併号、989号)

    「長沼節夫氏【砂川闘争・伊達判決・最高裁判決から55年後の新事実
      
米大使と密談重ねた最高裁判決は違法だと再審請求へ】、
     「・・・
判決の背景には政治的圧力があった」。砂川事件
     (
http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/92b74a8ed74fe9714b565af899754410)」

   『●「上級審では国側が勝つこの国の裁判」
       ・・・・・・今度こそ、福井地裁の名判決を活かしたい

    「原告弁護団事務局長の笠原一浩弁護士は「原発のように科学的見解に
     複数の知見が存在するテーマだからこそ、万一の事故もあっては
     ならないという、最高裁の判断も踏まえた判決だと理解しています」と言い、
     控訴審に自信を示したが、不安がよぎる。過去を振り返れば、この国では
     「司法の独立」なんて絵に描いたモチで、
     
住民側が苦汁をなめる判決が多いからだ。
      米軍基地に立ち入った学生7人が安保条約に伴う刑事特別法違反に
     問われた
砂川事件(1957年)は、1審は米軍駐留そのものが違憲だ
     として全員無罪となったが、米政府などから圧力を加えられた
     
最高裁では国が逆転勝訴した」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014061802000097.html

砂川事件 再審請求 元被告ら「公平な裁判侵害」
2014年6月18日 朝刊

    (砂川事件の再審請求後、記者会見する元被告の
     土屋源太郎さん(右)ら=17日、東京・霞が関の司法記者クラブで)

 旧米軍立川基地(東京都立川市)の拡張に反対する学生らが逮捕された一九五七年の砂川事件で、有罪判決が確定した土屋源太郎さん(79)=静岡市=ら元被告三人と遺族一人が十七日、「公平な裁判を受ける権利を当時の最高裁長官に侵害された」と、裁判のやり直しを求めて東京地裁に再審請求した。五十年前の確定判決を取り消す「免訴判決」をめざす。

 土屋さんらは、当時の田中耕太郎最高裁長官(故人)が米側に判決の見通しなどを伝えていたことを示す米公文書三通を、新証拠として地裁に提出した。

 事件の最高裁判決は、駐留米軍を合憲とするとともに日本の自衛権にも言及。安倍政権はこれを集団的自衛権の行使容認の根拠に引用している。土屋さんらは十七日に記者会見し「再審請求は、立憲主義を根底から覆そうとする安倍政権への抗議の意思表示でもある」とした。

 再審請求書によると、逆転有罪を決定づけた五九年十二月の最高裁大法廷判決をめぐり、田中長官は事前に駐日米大使らと非公式に三度面会。一審無罪判決を破棄する見通しや審理日程、判事十五人の全会一致を導く意向などを伝えていた

 当時の在日米大使館の電報や書簡が二〇〇八年以降に米公文書館で機密指定を解かれ、判明した。

 土屋さんらは「評議の秘密を定めた裁判所法七五条に反し、田中長官が裁判長を務めた大法廷は、憲法三七条が被告人に保障する『公平な裁判所ではなかった」と指摘。訴訟手続き上の憲法違反があり、「差し戻し審の裁判官は、裁判を打ち切る免訴判決を選択するべきだ」と主張している。

 ほかの請求者は、いずれも元被告の椎野徳蔵さん(82)=神奈川県茅ケ崎市、九州大名誉教授の武藤軍一郎さん(79)=福岡県篠栗町=と、昨年他界した元川崎市議坂田茂さんの長女和子さん(57)。


◆司法の独立性に疑義

 <解説> 砂川事件の再審請求は、裁判史に残る最高裁判決の舞台裏に光を当てようとしている。歴代の最高裁長官でも著名な田中氏の情報漏えいを、再審の是非を審理する裁判官がどう判断するのか注目される。

 田中氏は東京帝国大法学部長から文部大臣や参院議員などをへて法曹界トップに就き、国際司法裁判所(ICJ)判事も務めた。米公文書からは、その政治家としての顔がうかがえる。

 当時の駐日米大使は、駐留米軍を違憲とした一審判決が、翌年の日米安保改定に反対する勢力の論拠とされることを恐れ、日本政府に迅速な対応を求めた。

 田中氏は大使らに、自ら裁判長を務める大法廷の意見を一致させ、一審判決を早期に破棄する考えを伝えていた。上告審はその通りに運び、大使は「長官の手腕と政治力」を称賛する電報を本国に送っている。

 これが事実なら、三権の長でありながら米国の干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切りだ

 田中氏は反共理論家として知られたが、そうまでした理由は何か。ジャーナリストの末浪靖司さんは、判決翌年に田中氏が米国務省高官にICJ判事立候補を伝えて支持を得ていることから、論功行賞狙いだった可能性を指摘する。

 在日米軍にお墨付きを与えた最高裁判決は、判例として米軍基地訴訟で住民の訴えを退ける根拠とされてきた。元被告らは、その判例としての効力の是非にも切り込みたいとしている。 (阿部博行)

 <砂川事件> 1957年7月8日、旧米軍立川基地の滑走路拡張に反対する学生と労働者らが境界柵を倒して基地内に入った。23人が逮捕され、7人が日米安保協定の実施に伴う刑事特別法違反罪で起訴された。東京地裁は59年3月「駐留米軍は憲法9条違反」として無罪としたが、検察が高裁を跳び越す「跳躍上告」をし、最高裁大法廷は同12月「安保条約は高度な政治性があり、裁判所が司法審査をするのは適当でない」と地裁判決を破棄。差し戻し審で地裁は罰金の有罪とし、64年1月に確定した。
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http://www.asahi.com/paper/editorial2.html

最高裁と米軍―司法の闇を放置するな
2014年6月19日(木)付

 57年前、米軍の旧立川基地の拡張に反対するデモの中、学生らが敷地内に入った。

 日米安保条約にもとづく刑事特別法違反で7人が起訴された。砂川事件である。

 東京地裁は、そもそも米軍の駐留が憲法9条に違反するとして無罪を言い渡した

 続いて高裁をとばして審理した最高裁は、その判決を破棄し、差し戻した。罰金2千円の有罪判決が確定した。

 最高裁はその際、次のような判断をくだした。

 日米安保条約のような高度に政治的な問題に、司法は判断をしない――

 それは「統治行為論」と呼ばれ、いまでも重い判例として強い影響力をもっている。

 最近になって、この判決に大きな疑義が持ちあがった。

 裁判長だった田中耕太郎最高裁長官が判決に先立ち、米国大使らと会い、裁判の情報を伝えていたというのだ。

 大使が本国にあてた複数の公電が米公文書館で公開され、そうした記述が見つかった。

 裁判は公平だったといえるのか政治的に判決が導かれたのではないか。元被告ら4人が今週、裁判のやり直しを請求したのは当然だ。

 裁判所はすみやかに再審を開き、何が起きていたか、検証しなければならない

 当時は日米安保条約の改定交渉が大詰めだった。米軍の駐留を違憲とした一審判決の取り消しを、両政府関係者が強く望んだのは想像にかたくない。

 そんななか、公電が伝えた田中氏のふるまいは、およそ常軌を逸したものだった。

 米側との面談で、審理の時期を漏らしたうえ、一審判決は誤っていた、と述べた。少数意見のない全員一致での判決にしたいと語った、とされる。

 公電は、外交官の都合に沿う表現や印象を反映しがちなものではあるが、これは司法の正義が根本から問われる疑義である。本来、最高裁自らがすすんで真実を解明すべきだろう。

 半世紀前のことと決して受け流せない。判決は今に至るまで、在日米軍がからむ訴訟で裁判所がことごとく判断を放棄する理由となっている。

 統治行為論は、司法に託された立法と行政に対するチェック機能を骨抜きにするという批判がかねて向けられてきた。

 むしろ高度な政治問題であるほど国民への影響は大きい。憲法の番人として、司法判断には重い役割が求められる。

 判決の正当性が揺らいだいまこそ、問い直さねばならない。
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●「自由はまぶしい」: PC遠隔操作冤罪事件、もし無罪となったらマスコミはどう責任を?

2014年03月08日 00時00分21秒 | Weblog


付記(140521): ブログ主にとっては意外な結果になりました・・・・・・●PC遠隔操作”冤罪”事件: 意外な結果に・・・・・・ブログ主自身の無能さを痛感』]

zakzak.co.jpの記事【遠隔操作事件、片山被告保釈「ストロボがまぶしい。自由はまぶしい」】(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140306/dms1403061207005-n1.htm)、
asahi.comの記事【PC遠隔操作事件の片山被告保釈 「私はやっていない」】(http://www.asahi.com/articles/ASG356VXHG35UTIL04Z.html)、
gendai.netの記事【PC遠隔操作 冤罪本500冊読破の片山被告に恐れる検察】(http://gendai.net/articles/view/newsx/148481)。
そして、この事件に一貫して疑問を呈してきた神保哲生さんのvideonews.comの記事【遠隔操作ウイルス事件 片山祐輔被告保釈会見 「自由の眩しさをあらためて感じている」】(http://www.videonews.com/press-club/0804/003200.php)。

 遅い。でも、一歩前進だ。これでもし無罪になったら、警察や検察、特にあれだけのバカ騒ぎをしたマスコミはどう責任を? 神保哲生さんのvideonews.comの記者会見映像を是非見てみて下さい。この「保釈」のニュースはかなりい大きなものだと思うのですが、取り扱いが小さすぎないですかね?

   『●PC遠隔操作冤罪事件: なぜこんなに長期にわたり
             勾留しないといけないのか?、マスコミは報じるべき
   『PC遠隔操作事件でまたしても暴走?

  
      「隠し撮りか何か知らないがあれだけ浮かれた報道をしたマスコミ
        警察との癒着が酷すぎるように見えてしょうがない」

   『遠隔操作ウィルス冤罪事件: 「2人は自白まで」させられた
   『●PC遠隔操作冤罪事件: やはり捏造しようとしていないか?
   『バカ騒ぎしないマスコミは検察に配慮?:
                  PC遠隔操作冤罪事件、さっさと釈放すべきだ

   『●PC遠隔操作冤罪事件:
     マスコミは「お釈迦様の掌の上の孫悟空だった」「検察に踊らされた」

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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140306/dms1403061207005-n1.htm

遠隔操作事件、片山被告保釈「ストロボがまぶしい。自由はまぶしい
2014.03.06

 他人のパソコン(PC)にウイルスを感染させて遠隔操作し、無差別殺人などの犯行を予告した事件で、東京高裁は5日、IT関連会社元社員、片山祐輔被告(31)=威力業務妨害罪などで起訴、公判中=の保釈執行停止を取り消した。片山被告は同日、勾留されていた東京拘置所から保釈された

 保釈後の記者会見で片山被告はカメラのフラッシュを浴び、「ストロボがまぶしい。自由はまぶしい」と笑顔。無実を訴え、「(真犯人は)前科のある私をスケープゴートにしようとして、犯人に仕立て上げられた」とも語った。

 片山被告は2005年、インターネット掲示板に大手レコード会社社員らの殺害予告を書き込み、脅迫罪などで懲役1年6月の実刑判決を受けていた。

 片山被告は遠隔操作ウイルスの作成技術がないとして無罪を主張。検察側は片山被告の派遣先の会社のPCで見つかった遠隔操作ウイルスの痕跡などを証拠に、有罪を主張している。
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http://www.asahi.com/articles/ASG356VXHG35UTIL04Z.html

PC遠隔操作事件の片山被告保釈 「私はやっていない
2014年3月5日21時41分

      (保釈後に記者会見する片山祐輔被告(左)
          =5日午後7時36分、東京・霞が関)

 他人のパソコンを遠隔操作し、インターネット上で無差別殺人などの犯罪を予告したとして、威力業務妨害罪などに問われた元IT会社員片山祐輔(ゆうすけ)被告(31)=公判中=が5日、東京拘置所(東京都葛飾区)から釈放された。東京高裁が同日、保釈を認めた。片山被告は都内で会見し、「私はやっていないし、身に覚えもない。頑張って裁判を闘っていきたい」と述べた。

 片山被告は昨年2月10日に逮捕され、1年余り勾留されていた。高裁は今月4日に片山被告の保釈を認め、保釈保証金1千万円も同日納付されていた。しかし検察側は最高裁に特別抗告。さらに最高裁の判断が出るまで保釈を認めないよう申し立て、これを高裁が認める決定を出していた。だが、高裁は5日、自らその決定を取り消した。理由は明らかにされていない。
 片山被告の弁護人によると、検察側は最高裁と高裁に対する4日の申し立てを、権限のない東京地検名義でしていた。検察側は5日に高検名義で申し立てをし直したという。
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http://gendai.net/articles/view/newsx/148481

PC遠隔操作 冤罪本500冊読破の片山被告に恐れる検察
2014年3月6日 掲載

 「検察の最後の悪あがき。何が何でも私を外に出したくなかったのだろう」――。

 PC遠隔操作事件で威力業務妨害罪などに問われた元IT関連会社社員、片山祐輔被告(31)が5日、東京拘置所から保釈された。

 東京高裁が4日に保釈を認めたが、検察側が不服を申し立て、執行停止に。しかし、検察の手続きミスが判明し保釈が決まった。片山被告は東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、冒頭のように検察批判を展開した。

 昨年2月10日に逮捕されてから、389日3度も再逮捕され、10の事件で起訴されたが、片山被告は一貫して否認してきた。5日の会見でも「私はやっていないし、身に覚えもない」と改めて無実を訴えている。

 まず、神奈川・江の島の野良ネコの首から回収された、SDカードに付着していたセロハンテープから検出されたDNAについて、「私のDNAではなかった。検察はそこかしこに証拠の矛盾があるのに屁理屈で隠蔽、ごまかしている」とピシャリ。

 東京近郊の雲取山に記憶媒体を埋めて“証拠隠蔽”した、という検察側の主張に対しては、「スコップも持っていなかったのに、土を掘って埋められるわけがない。そもそも、私が山頂にいた30~40分の間はずっと6、7人の登山客がいた。目撃証言がないのはおかしい」と反論した。

 また、片山被告は「無罪を勝ち取るところがゴール」としたうえで、検察との対決姿勢を鮮明にした。

 冤罪問題について「かなり勉強した」といい、佐藤優氏の「国家の罠」、村木厚子氏の「私は負けない」など“関連書籍”を500冊近く読み漁り、みっちり理論武装したそうだ。今後は裁判と並行して、講演、執筆活動を通じて訴えていくという。

 すでに、片山被告の“反論本”のアプローチをしている出版社もあるという。保釈で執筆は急ピッチで進みそうだ。検察は覚悟するしかない。
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http://www.videonews.com/press-club/0804/003200.php

プレスクラブ (2014年03月05日)
遠隔操作ウイルス事件
片山祐輔被告保釈会見 自由の眩しさをあらためて感じている」

 遠隔操作ウイルス事件で逮捕・起訴され、昨年2月以来身柄を拘束されていた片山祐輔氏が3月5日、保釈された。

 「正直に申し上げるとストロボが眩しいです。そういった意味でも、気持ち的な意味でも自由っていうのは眩しい、そんなふうに思います。」東京拘置所から保釈された直後に記者会見に臨んだ片山氏はこう語り、自由の身をなった喜びを露わにした。

 また、一貫して無実を主張してきた片山氏は会見で、「(真犯人に対して)できれば出てきて自首してほしいが、それが無理なら、片山さんは犯人ではないというアクションをしてくれることを1%くらい期待している。」と語り、今後は自らも積極的に自身の潔白を訴えていく意向を明らかにした。

 他人のパソコンを遠隔操作して企業や自治体などに脅迫メールなどを送りつけた、いわゆる遠隔操作ウイルス事件の真犯人として、昨年2月10日に逮捕された片山氏は、逮捕後も一貫して無実を主張し保釈を求めていた。しかし、東京地検は証拠隠滅の恐れがあることを理由に保釈に反対し、裁判所もこれまで保釈を認めてこなかった。

 検察は片山氏の逮捕後、犯人から報道機関などに送られてきたメールが止まっていることを重視。片山氏を保釈することで犯人からのメールが再開し、捜査に影響が出ると主張していた。近親者に片山氏が犯人のメールアカウントのパスワードを教える恐れがあるとの理由から、片山氏は母親や弟との接見も一度も認められていない

 弁護人からの度重なる保釈申請を受けて、昨日、東京高裁が一旦は片山氏の保釈を認める決定を下した。ところがこれを不満とする東京地検が特別抗告を行ったために、直前になって保釈は停止となっていた。しかし、この日東京高裁が正式に保釈を認める決定を下したために、1年1か月ぶりの保釈が実現した。これと相前後して、最高裁も保釈を認める決定を下し、弁護人にその意思を伝えていた。保釈補償金は1000万円で、片山氏の弁護人の佐藤博史弁護士によると、片山氏の母親が用意したという。

 遠隔操作ウイルス事件の裁判は、2月12日に公判が始まっている。保釈日となった3月5日には第2回公判が開かれ、検察側は片山氏が派遣先の会社で遠隔操作ウイルスを作成していたことを裏付ける証拠などを主張した。片山氏は遠隔操作ウイルスによって自分のパソコンが何者かに乗っ取られていたと主張している。
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●書籍紹介『20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』

2013年08月30日 00時00分51秒 | Weblog


長々と全文引用させてもらっており、すいません。原文は、NPJ(http://www.news-pj.net/index.html)に出ていた記事【「小沢事件」 の真実権力の暴走とメディアの加担による民主主義の破壊】(http://www.news-pj.net/npj/kimura/20130814-ozawajiken.html)ですので、是非そちらをご覧ください。

 このような本が出版されていること、全く気づきませんでした。最近は、書店に足を運べる機会が激減し、読書量もそれに引きづられ激減してしまいました。
 何度も書いてきましたが、ブログ主は小沢一郎氏が好きではありません。でも、それとこの「小沢問題」は別です。おそらく、もはや小沢氏の復権は無いでしょう。とはいっても、ブログ主は自民党の復権は無いと思っていましたので、小沢氏の復権の可能性についても大した根拠があるわけではありませんし、確度も高くはないでしょう。

   『●小沢裁判控訴審: すべての証拠採用が却下され、即日結審
   『●小沢裁判、控訴棄却
   『●小沢裁判、控訴棄却のまともな記事が少なすぎる
   『●小沢氏元秘書裁判の暗黒
   『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?
   『●期ズレと証拠捏造、どちらが重要な犯罪なのか?

 この「小沢問題」で気に入らないのは、結局のところたかが「期ズレ」で、あれだけのバカ騒ぎをしたマスコミや自民党・民主党の議員、検察や(イカサマ)検察審査会メンバー・・・・・・が、小沢氏を政治的に〝抹殺〟しておきながら、「知らんぷり」を決め込んでいることです。その〝抹殺〟に、あるいは、その〝抹殺〟により生じた政治的な結果に、意識的かあるいは無意識にかは知りませんが、彼らは無自覚であることです。彼らは、小沢氏の政治生命を抹殺するという一点のみに浮かれて、バカ騒ぎを行いました。その無茶苦茶ぶりに、小沢一郎氏嫌いのブログ主も無性に腹が立つ訳です。
 下記の記事で紹介されている本書にはその辺の全てのことがおそらく網羅されていると思うのですが、本書をマスコミが取り上げてくれることはおそらくないでしょうから、ますます絶望的な気分になります。

   『●魚住昭さんが記者生命をかけて断言 ~小沢一郎氏関連裁判~
   『●小沢裁判、終わりの始まり?
   『●小沢裁判、検察の問題であると同時に、癒着したマスコミの問題

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http://www.news-pj.net/npj/kimura/20130814-ozawajiken.html

2013.8.14
「時代の奔流を見据えて──危機の時代の平和学」
木村 朗 (きむら あきら、鹿児島大学教員、平和学専攻)

NPJ特別寄稿
「小沢事件」 の真実 権力の暴走とメディアの加担による民主主義の破壊

  この8月に鳥越俊太郎氏と私との共編著 20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う が、日本文芸社から出版されることとなりました。本書の目的は、この日本中を4年近くずっと揺るがせた、いや今もゆるがせ続けている小沢問題(「小沢事件」)の本質と全体像を現時点であらためて多様な角度から考察することにあります。本書を一読していただければ、いまの日本の司法・政治がどれほど深刻な危機に陥っているか、あるいは日本はすでに法治国家・民主国家ではなく暗黒社会・全体主義国家(ファシズム)に移行しつつあるのではないかという問題提起の意味が分かっていただけると思います。

  執筆陣は、共編者である鳥越俊太郎氏をはじめ、三井環仙波敏郎、鈴木宗男、佐藤栄佐久石川知裕植草一秀郷原信郎、川内博史、有田芳生、小川敏夫、八木啓代、青木理、高野 猛、二木啓孝山口一臣神保哲生浅野健一、マーティン・ファクラー各氏などこの問題に精通した蒼々たる方々に加わっていただいています。

  本書には小沢一郎衆議院議員(生活の党代表)から貴重な序言を寄せていただいています。また、孫崎 享先生(元外務省国際情報局長)からも 「政治的謀略としての小沢問題をここまで多角的に検証した本は初めてだ」という力のこもった帯の言葉をいただきました。

  本書が、小沢問題(「小沢事件」)の解明にどこまで成功しているか、そしていままさに危機に瀕している民主主義の再生に寄与できるかどうかは、読者の皆さんにお任せするしかありません。しかし、前回のNPJ特別寄稿 「日本は真の独立国家なのか 『終わらない〈占領〉』 を問う」 でご紹介させていただいた孫崎享氏と私の共同編著 『終わらない〈占領〉: 対米自立と日米安保見直しを提言する!』(法律文化社 書評はこちら )と同じく、現在の政治状況に一席を投じるだけでなく、日本の戦後史にとっての貴重な歴史的文書・資料としての価値をもっていると確信しています。

  この8月に来日されたアメリカのオリバー・ストーン監督がピーター・カズニック先生(アメリカン大学)と共同で作られた 「もうひとつのアメリカ史」は、アメリカ現代史の暗部を明らかにした作品(映画と本)であり、アメリカしに限らず、世界の現代史に対する大きな貢献だと思います。またそれは、日本の戦後史の<影の部分>に挑戦した孫崎享氏の 『戦後史の正体』(創元社)と 『アメリカに潰された政治家たち』(小学館)、あるいは鳩山由紀夫氏、孫崎 享氏、植草一秀氏の3者による共著 『「対米従属」という宿痾(しゅくあ)』(飛鳥新社)とともに、これまでタブー視されてきたテーマ・問題を解明しようとしている点で共通点があり、大きな歴史的意義があると思います。日米両国において期せずして同じ時期にこのようなこれまで語られなかった(教えられなかった)歴史の真実が明らかにされようとしていることは決して偶然ではないと思います。

  いまの日本内外の状況は、1930年代の戦争とファシズムの時代状況にかなり近づきつつあるといっても過言ではありません。こうした閉塞状況を克服・打破していくためにも、わたしたち一人ひとりが思考停止状態から脱してまずは知ることからはじめる必要があるのではないでしょうか。


☆鳥越俊太郎・木村 朗共編 『20人の識者がみた「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』(日本文芸社)の目次・構成目次は以下の通り。

序言 小沢一郎
序章 鳥越俊太郎

第1章 被害者たちが証言する 「国策捜査」 の実態
  三井環 検察がつぶれる 「最大の弱み」 を告発
  仙波敏郎 「暴力組織」 に成り下がった検察、「既得権益」 にしがみつくメディア
  鈴木宗男 権力とメディアの暴走を許さない
  佐藤栄佐久 原子力帝国・全体主義国家に変貌する日本
  石川知裕 日本の民主主義のため最後まで闘う
  植草一秀 小沢裁判事件の評価と主権者がとるべき行動

第2章 民主主義の危機、「検察」の暴走を検証する
  郷原信郎 陸山会事件における検察とメディアの暴走
  川内博史 法務・検察官僚に組織としての正義派あるか?
  有田芳生 政治的冤罪事件「小沢ケース」の奇々怪々
  小川敏夫 検察の暴走と「指揮権発動」の真相
  八木啓代 検察の暴走・司法の崩壊に、市民に何ができるか
  青木 理 暴走検察の背後にある刑事司法の巨大な歪み

第3章 なぜ、大メディアは「検察」の暴走に加担したのか
  高野 孟 革命的改革を阻止した官僚と、それに手を貸したマスコミ
  二木啓孝 「アンチ小沢という空気」の正体
  山口一臣 「週刊朝日」と大手メディアの違いはどこから生じたのか
  神保哲生 民主統制なき刑事司法に、メディアが最後の砦になれないことの悲劇
  浅野健一 小沢事件をメディアはどう報じてきたか
  マーティン・ファクラー 官僚機構の一部と化したメディアの罪

終章
  木村 朗 検察の暴走とメディアの加担―小沢問題の意味を問う

小沢関連問題の参考文献



     序 言         小沢 一郎

  昨年(2012年)11月12日に東京高裁・控訴審で無罪判決が出され、その後に検察官役の三人の指定弁護士が上告を断念した結果、陸山会事件に関する私の無罪判決が確定しました。私にとっては、この三年七か月余りに及ぶ、検察の捜査と裁判の日々は本当に忍耐の毎日であり、大変厳しい試練の月日でした。国民の皆さんの支援や励ましがなければ、到底この重圧に耐えることはできなかったと思います。これまで私を信じ、励ましてくれた多くの国民の皆さんに、この場をお借りして心から感謝したいと思います。
  しかし、陸山会事件での私の元秘書3人(石川知裕氏、大久保隆規氏、池田光智氏)に対する不当な有罪判決が今年に入って出されました。また、検察審査会への捜査報告書を捏造した検事が不起訴処分となっています。私や秘書たちに対するいわれなき誹謗中傷や理不尽な人物攻撃などもいまもかたちをかえて続いています。その意味で、この陸山会事件はまだ終わったなどとは到底いえるような状態ではありません。

  本書には、いわゆる 「小沢問題(捜査・事件・裁判)」 ともいわれる私・小沢一郎と私の3人の秘書に向けられた 「政治とカネ」 をめぐる問題の背景・経緯と本質・核心がそれぞれの論者によって詳細かつ明確に分析・叙述されています。多くの論者は、小沢問題は単なる刑事(えん罪)事件ではなく、その背景には何らかの政治的意思を持ったある特定の個人・集団が検察と司法を暴走させ、それにメディアが加担した結果として作られたものであると結論付けておられます。
  こうした見方にはじめて接せられる多くの読者の方は、きっと驚かれるかもしれません。ただ、本書を一読していただけるならば、これまで取り沙汰された私に対する疑惑のほとんどが何ら根拠のないものか、まったくの誤解に基づくものであることに同意していただけるのはないかと思います。

  私自身も今回の一連の事件や裁判の本質や背景については思うところはございますが、ここではそれは申し上げません。何らかの特定の思惑を持って行動した人たちや、不公正な言動をした人たちに対しては、いずれ国民が判断を下すものと考えています。そういうことで、国民の裁き、天の裁きにお任せしたいと思います。この検察審査会を通じて強制起訴にいたった経過も、すでに国民の皆さんがよくよく自分の目で見て、耳で聞いて分かっていることと存じます。

  ここで申し上げたいことは、いまの日本は独立した主権国家でも、真の民主主義国家でもないということです。特に、捜査当局による公権力の濫用とメディアの加担という状況は、日本の民主主義と法治主義にとって最大の脅威となっていると言わねばなりません。私が本当に心配しているのは、日本の民主主義そのものの危機であります。まさにいつか来た道と同じ状況にさしかかっています。いままさに滅亡への道を歩んでしまっている現状をただこのまま黙って見過ごすことはできません。これはいま現在、すべての日本人が本当に真剣に考えなければならないことです。
  私は本当の議会制民主主義を定着させることにこれまで自分の政治生命をかけてきました。日本を真の意味での独立国家にすることも私の長年の夢です。他国の意向を忖度するだけの主体性なき外交・政治や思考停止状態のメディアと国民も変わらなくてはなりません。
  私にはまだまだやらなければいけないことがたくさん残っています。微力ではありますが、これから日本に民主主義と自主独立を実現するために全力投球で頑張ることを国民の皆さまにお約束します。

  最後に、本書を世に出すことに尽力されたすべての関係者の皆さま方に深く感謝いたします。本書がより多くの人々に読まれて、こうした日本が直面する深刻な現状と課題について共通の問題意識を一人でも多くの国民がもつようになることを心から願っています。



     まえがき       共同編者 鳥越 俊太郎、 木村 朗

  今年(2013年)3月7日夜、東京・池袋にある豊島公会堂において 「小沢一郎議員を支援する会(日本に真の民主主義を実現する会、代表世話人 伊東章弁護士)」が主催する 「小沢一郎議員の無罪判決確定報告と石川知裕、大久保隆規、池田光智元秘書の無罪を勝ちとる国民大集会」 が開催されました。この国民大集会は、昨年11月12日の東京高裁での小沢一郎氏への陸山会事件での無罪判決とその確定(検察官役の指定弁護士による上告断念)を受けて開かれる予定でしたが、急激に変動する政局の中での突然の解散・総選挙によって延期されていたものでした。

  満場の参加者から大きな拍手を受けながら登壇した小沢一郎氏は、「日本の民主主義を守るために私を本当に熱い思いで支援し、激励してくださった皆さんのおかげで、小沢一郎を抹殺しようとした法務・検察官僚の思惑を打破することができました。私がこの会に出席させていただいたのは今日が初めてです。本当に皆さんが日本の将来を心配し、今日も会場いっぱいの皆さんが来てくださいました。私自身は終わったが、秘書裁判がまだ続いております。これからも皆様のお力添えをいただきたい」と述べて深々と頭を下げました。

  この間に小沢一郎氏とその秘書たちの身に起こった出来事は、いったい何であったのでしょうか。またそれは、日本の政治と社会のあり方にどのような影響を与えたのでしょうか。

  本書の目的は、この日本中を4年近くずっと揺るがせた、いや今もゆるがせ続けている 「小沢問題」 の本質と全体像を現時点であらためて多様な角度から考察することにあります。

  小沢問題(あるいは小沢事件・捜査・裁判)ともいわれる、小沢一郎氏をめぐる 「政治とカネの問題」 は、西松建設事件(2009年3月3日の小沢一郎議員公設第一秘書の大久保隆規氏逮捕)にはじまり、陸山会事件(2010年1月15日の石川知裕議員、大久保隆規氏、池田智光氏ら3人の秘書逮捕)へと続き、小沢裁判(2010年9月14日の東京第五検察審査会での2度目の 「起訴相当」 議決による強制起訴)へと展開しました。

  結局、西松建設事件は裁判途中の不可解な 「訴因変更」 によって事実上立ち消えとなり、陸山会事件では、小沢一郎氏の無罪判決は2012年11月19日に確定したものの、検察審査会をめぐる捜査報告書の捏造をはじめとする様々な謎はいまだに解明されずに残されたままです。また、3人の秘書裁判では2013年3月13日に控訴審でも再び有罪判決が出されて、石川知裕氏(5月21日に議員辞職願を衆議院が許可)が単独で上告しており、まだ最終的な決着はついていません。

  カレル・ヴァン・ウォルフレン氏(オランダ人研究者・ジャーナリストで、日本の政治・官僚制度の専門家)は、「小沢氏という政治家への “人物破壊” の一連の動きには、ある密約が存在している事実が見えてくる」とし、その 「密約を取り交わしたのは日本とアメリカであり、その恩恵を受けるのは両国の政治エリートたちである」、「省庁の高級官僚と、ビジネス界やメディア界の幹部からなる日本の政治エリートは、決して純粋な意味での日本の独立を求めようとはしない。それどころか、彼らは、アメリカ政府が日本の超法規的で非公式な権力システムの存続を支援してくれる見返りに、日本を引き続きアメリカに隷属させようとしているのである」と小沢問題の核心をずばり突いています(ウォルフレン著 『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?』 角川書店、を参照)。

  また、元参議院議員で小沢氏の盟友でもある平野貞夫氏は、その著書 『小沢一郎 完全無罪-「特高検察」 が犯した7つの大罪』(講談社)の中で、「小泉政権は、経済の構造改革をする一方で、日本の社会に格差と停滞をもたらしたと厳しい批判がある。それもさることながら、公訴権による国策捜査により、国家統治の基本を狂わせたと私は論じたい」、「“検察の裏金” を封印するため、取材当日に三井環元大阪高検をでっち上げ逮捕し、マスコミを操って極悪検事の虚像を作り上げ、三井氏を無実の罪に落としいれた。本来、正義をなすべき司法が、世間の批判を怖れ、時の権力者 “自民党” の番犬となった。三井環氏のいうところの “けもの道” に落ちた訳だ」 など、当事者しか知り得ない内情を率直に語っています。検察の裏金問題を実名で告発しようとした三井環氏を “口封じ” 逮捕したことが、その後の村上正邦氏、鈴木宗男氏(・佐藤優氏)、村岡兼造氏、緒方重威氏、佐藤栄作久氏、村木厚子(・石井 一)氏、小沢一郎氏(あるいは植草一秀氏や堀江貴文氏)などへの “国策捜査” につながる検察の暴走のきっかけとなったという重要な指摘です。小沢氏の政治資金団体の元資金管理責任者であっただけに、その言葉には非常に説得力があります。

  とりわけ注目されるのは、平野氏がその著書の文庫版 「まえがき」 で次のように述べていることです。

≪「小沢問題」 を通じて私に見えてきたものとは、いま日本に 「新しいファシズム」 が展開しはじめたということである。「ファシズム」 の教科書的定義は、「資本主義が危機的状況になると、権力が暴力装置を活用して議会制民主主義による政治の機能を失わせ、独裁的政治を展開する」ということだ。(中略)21世紀ではファシズムの定義も再考が必要である。繰り返しになるが、「小沢問題」 での大手マスコミの報道は、検察の根拠なきリークだけでなく、捏造された「事実」 が次から次へと報道され、その異常さは 「社会心理的な暴力」 といえるものだった。≫

  まさに 「小沢問題」 の本質は、権力(特に検察と司法)の暴走とメディアの加担による 「ある種の政治的謀略」、「静かな政治的クーデター」 であり、その背後に「新しいファシズム」 が胎動し始めているということではないでしょうか。

  今の日本における最大の問題は、権力犯罪の発生、すなわち公権力が恣意的に濫用されたときにそれを裁くシステムが存在していないこと、そして権力の暴走を監視・批判するはずのメディアがその役割を放棄していま起きている出来事の本質・真相を伝えないことです。そして、いまの日本は、本当に民主主義国家なのか、また真の独立国家といえるのかがまさに問われているのです。

  本書には、「冤罪」 「国策捜査」 の当事者自身からの証言だけでなく、司法とメディアに精通した選りすぐりの論者による数多くのすぐれた深い分析・洞察が収められています。まさに本書自体がそのまま貴重な歴史的文書・資料となっていると言っても過言ではありません。本書を一読すれば、多くの読者は、テレビや新聞を通じて報じられてきたものとはまったく別の見方があることを知って、それまでの自分の考えを見直すきっかけになるかもしれません。もちろん、本書の最終的評価は読者の手の中に委ねられていることは言うまでもありませんが…。

  いずれにしても、一人でも多くの市民がメディアの発する情報を主体的かつ批判的に読み解く能力(「メディア・リテラシー」)を身につけることで現在の思考停止状態から脱して、いまの日本が陥っている(議会制)民主主義の危機と検察ファシズムの到来から目を背けずに直視するようになることを切に願っています。

  最後に、本書を発行するにあたって、いまだに事件の渦中にありながら貴重な歴史的証言となる序言をお寄せいただいた小沢一郎衆議院議員(生活の党代表)にも心から御礼を申し上げます。

2013年6月30日 参議院選挙を目前に控えて


『検察の暴走とメディアの加担―小沢問題とは何か―』
木村 朗(鹿児島大学教員、平和学専攻)

1. 小沢一郎問題とは何か-小沢問題をめぐって二つに割れ続ける世論
  ①西松建設事件、②陸山会事件(水谷建設)、③小沢裁判(検察審査会による強制起訴)
A 金権政治家の不正献金疑惑追及→「政治とカネをめぐる問題」 (「違法な犯罪行為」)
  ※ 「検察の正義」(東京地検特捜部=「史上最強の捜査機関」)を前提とした 「小沢VS検察」 という問題
B “えん罪(でっち上げ)” “報道被害”→「国策捜査」 による不当な逮捕・捜査・裁判
  ※ 「検察ファッショ」 と 「メディア・ファシズム」 が結合した 「静かな政治クーデター」:
  「民主党VS全官僚機構」 あるいは 「鳩山連立政権VS官僚機構・自民党・マスコミ(・米国)」 という権力闘争・政治闘争
  ※ 「国策捜査」 か? (森法務大臣の指揮権発動、漆間巌官房副長官のオフレコ発言、石川知裕議員を取り調べた検事の脅し的文句、検察審査会への捜査報告書の捏造)
  検察の暴走とメディアの加担=権力とメディアが一体化した情報操作・世論誘導
  → 検察権力と司法記者メディアの癒着構造(民主主義の危機=ファシズムの到来)

<関連事件・裁判>
A 三井環事件(検察の裏金問題の告発)→「獣(けもの)道」(官邸の犬となった検察)
  ※ 検察が犯した三つの犯罪
B 佐藤栄佐久前福島県知事の 「汚職」 事件→国策(原発)反対の首長を特捜が政治弾圧
  ※ 佐久間達哉現東京地検特捜部長、大鶴基成東京地検次席検事、前田主任検事らが関与!
C 郵政不正事件(村木厚子氏、石井一民主党副代表、前田主任検事によるFD改ざん事件)
  ※ 鳩山由紀夫氏の政治献金(「故人献金」 の謎)事件の影響
  ※ 鈴木宗男(・佐藤優)事件との関連(ロッキード事件やリクルート事件、日歯連事件、朝鮮総連ビル詐欺事件、ライブドア事件、防衛省汚職事件なども)

2. 政権交代とは何であったのか-日本で最初の本格的な政権交代(一種の 「市民革命」)
<挫折した脱官僚政治と対米自立>
A 脱官僚政治(官僚主導から政治主導へ)…事務次官会議の廃止、特別会計の見直し、「歳入庁」 構想、天下りの廃止、機密費の廃止、日米密約の調査・公表
B 対米自立…「より対等な日米関係」の構築、海上自衛隊の撤退、年次改革要望書の廃止、日米地位協定・思いやり予算見直しの失敗、普天間問題での「国外移転、せめて県外移転」の模索と挫折

<幻となった検察改革とメディア改革>
  ※ 検察権力と記者クラブ・メディアの共犯関係(検察とマスコミのリーク情報を通じたもたれ合いの関係):「検察官僚と司法記者クラブが横暴を奮う恐怖国家」(上杉隆)、「検察庁という組織の、骨の髄まで腐った不誠実さと恐ろしさ」(鳥越俊太郎)、「検察リークを受けて報道がつくられているというより、むしろメディア自らが進んで検察の提灯持ちに走っている」(青木理)、「特捜検察の捜査能力の劣化とモラルハザード」(魚住昭)、「検察権力の恣意的乱用とそれに追随するマスコミの権力監視機能の放棄、そして、「検察の正義」を微塵も疑わずにマスコミ報道を鵜呑みにして翻弄される我々一般国民の思考停止こそが目下の最大問題、すなわち日本の民主主義の危機をもたらす根源的問題である」(木村朗)
  ※ 「彼らは政治家の汚職を摘発し正義を貫く事が正しいと思い込んでいるが、実際は民主党政権による司法制度改革で検察の権益が縮小することを恐れているはずだ」(堀江貴文)
A 検察(司法)改革…検察・警察・裁判所を含む司法制度改革! 「検察の犯罪を糺す機関は存在しない」という点が最大の問題:起訴独占主義と起訴便宜(裁量)主義の弊害
  ① 取り調べの可視化法案、② 民間陣からの検事総長の登用(検事総長人事を国会承認案件に)、③ 裏金の解消、④ 裁判員制度の見直し、 ⑤ 死刑制度の見直し、⑥ 証拠の全面開示のための法改正の断行
B メディア改革…真の意味でのメディアの再生を! (神保哲生氏の指摘)
  ① 「記者会見のオープン化」(政府の記者会見をすべてのメディアに開放し、既存のマスメディアの記者クラブ権益を剥奪する。)
  ② 「クロスオーナーシップの規制・禁止」(クロスメディア:新聞社とテレビ局の系列化のあり方を見直す。)
  ③ 日本版FCC(米連邦通信委員会のように行政から独立した通信・放送委員会)を設立し、放送免許の付与権限を総務省から切り離す。
  ④ NHKの放送波の削減を検討する
  ⑤ 新聞再販制度・押し紙制度の見直し・廃止
  ⑥ 電波オ-クション制度の導入・・・等々

3. 日本は民主主義国家・独立国家なのか-「米国の影と圧力」 について
  ※ 「この政治家は二つの注目すべき持論を隠し持っている。一つは米国との距離を測り直すこと、他のひとつは象徴天皇制を隠れみのにした官僚支配への問題意識だ」(斎藤学)
  ※ 孫崎享さんの日本の 「特捜検察」 と米国との特殊な関係という重要な問題提起:
    「(小沢捜査の-木村)スタートは、外為法か何かで外国から出発していますよね」 「検察の動きを見ていると、アメリカの意思が分かる」
  ※ 「日本国内の、国民に選ばれた正当な政治権力に対しても特捜部は歯向かう。その背後には、そもそも出発点からアメリカの存在があった。ということは、東京地検が日本が対米隷属から離れて、独立独歩の道を歩もうとする政治家をねらい打ちにしてきたのは、ある意味で当たり前なんですね」(岩上安身)

A 官僚独裁国家:カレル・ヴァン・ウオルフレン氏の指摘
  「いま日本はきわめて重要な時期にある。真の民主主義をこの国で実現できるかどうかは、これからの数年にかかっている。 …国際社会で、真に独立した国家たらんとする民主党の理念を打ち砕こうとするのは、国内勢力ばかりではない。アメリカ政府もまたしかりである。 …民主党政権発足後の日本で起こりつつある変化には、実は大半の日本人が考えている以上に大きな意味がある、と筆者は感じている。 …あらゆる国々は表向きの、理論的なシステムとは別個に、現実の中で機能する実質的な権力システムというべきものを有している。 …日本のシステム内部には、普通は許容されても、過剰となるや、たちまち作用する免疫システムが備わっており、この免疫システムの一角を担うのが、メディアと二人三脚で動く日本の検察である。…検察とメディアにとって、改革を志す政治家たちは格好の標的である。 彼らは険しく目を光らせながら、問題になりそうなごく些細な犯罪行為を探し、場合によっては架空の事件を作り出す。 …日本の検察が、法に違反したとして小沢を執拗に追及する一方、アメリカは2006年に自民党に承諾させたことを実行せよと迫り続けている。 …いま我々が日本で目撃しつつあり、今後も続くであろうこととは、まさに権力闘争である。これは真の改革を望む政治家たちと、旧態依然とした体制こそ神聖なものであると信じるキャリア官僚たちとの戦いである。 …日本の新政権が牽制しようとしている非公式の政治システムには、さまざまな脅しの機能が埋め込まれている。何か事が起きれば、ほぼ自動的に作動するその機能とは超法規的権力の行使である。このような歴史的な経緯があったからこそ、有権者によって選ばれた政治家たちは簡単に脅しに屈してきた。」
  ※ メディアの劣化と言論統制の拡大
B 米国の 「属国」 から 「属領」 へ…終わらない 「占領」(間接統治)から 「再占領」(直接統治)へ、「トモダチ作戦」と日本の 「アメリカ化」(日本本土の 「沖縄化」)

4. 検察審査査会の闇と最高裁事務局のスキャンダル
  ※ 検察審査会は、裁判員制度の先駆的形態:市民から無作為に選ばれた11人の審査員が、検察の起訴・不起訴の処理に対して不服の申し立てがあった場合にこれを審査して、(1) 不起訴相当 (2) 不起訴不当 (3)起訴相当のいずれかの判断を下す。司法制度改革の一環として、裁判員制度導入にともなう法改正で2009年5月からは、審査会が同じ件で2度「起訴相当」 と決議すると、検察ではなく裁判所が指定した指定弁護士により強制的に容疑者が起訴されることになった。小沢裁判ではこの制度改正が完全に悪用された!
  ※ 「新政権は検察審査会法を再改正すべきかどうかを検討課題とすべきだろう」(高野猛)
  ※ 当初から批判が多い情報開示の少なさや〝密室性〟黒く塗りつぶされた公開文書。容疑者がまったく意見を言えないことも大きな問題。
  ① 小沢一郎民主党元代表を 「起訴相当」 と議決した審査員十一人の平均年齢が不自然な形で一転二転したこと(小沢元代表審査員 生年月も黒塗り)は不可解
  ② 検察審査会の不正、検察の虚偽報告書に対する裁判所の判断に納得出来ない。
  ※ 強制起訴制度で初の判決公判も 「検証へ情報開示を」、指定弁護士による控訴は不当!?
  ③ 森ゆう子議員が明らかにしたくじ引きソフトの不正
  ④ 小川敏夫法務大臣による指揮権発動の封じ込め
  ※ 「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」 が、最高検察庁に新たな告発状を提出した。被告発人である佐久間達哉(法務総合研究所国連研修協力部部長)、木村匡良(東京地方検察庁公判部副部長検事)、大鶴基成(元最高検察庁公判部部長検事)、斉藤隆博(東京地方検察庁特捜部副部長検事)、吉田正喜(元東京地方検察庁特捜部副部長検事)、検察審査会の第五検察審査会の事務局長、担当課長らを証人申請が採用されるかが焦点。
  ※ 最高裁事務局のスキャンダル:最高裁判所発注のコンピューターシステム関連の一般競争入札で 「一社応札」が続出し、 100%を含む高い落札率が大半を占めていた疑惑!
    改めるチャンスが何度もありながら、一向に変わらなかった最高裁の手法。

5. 現在の閉塞状況を打開するためには何が必要か
  【検察とマスコミが一体化した情報操作による小沢氏の狙い撃ちと民主党叩きの世論誘導が米国の圧力をうける形で行われた可能性、すなわち検察権力のリーク情報を無批判的にマスコミが裏づけを取らないまま小沢氏を犯罪人扱いするような過剰な印象操作・偏向報道を一方的に垂れ流し、その結果、検察の正義を疑わない一般国民がそれを鵜呑みにして小沢批判を強めて民主党離れを加速させるというある意味で分かりやすい構図】
  ※ 旧勢力(小泉流に言えば 「守旧派」 「抵抗勢力」)による既存秩序の維持と既得権益の保持を目的とした改革潰しの動き!
  ※ マスコミが検察の監視役ではなく、「検察の正義」(あるいは 「正義の検察」)という前提を無批判に受け入れて、検察の「最大の味方」 となってその露払いや煽り役を果たしてしまうことが最大の問題である!
  ※ 「小沢不起訴になってから検察の危機が言われていますが、それ以上に、今回はマスコミの危機を露呈させたと言えますね」(魚住昭)
A 検察による恣意的な強制捜査と違法な取調べによる直接的な人権侵害
B 検察のリーク情報に依存したマスコミの過剰な偏向報道と、その影響をまともに受けた世間の人々のバッシングという深刻な報道被害
  ① 市民の覚醒と官邸デモ-政府不信とメディア不信の高まり
  ② ソーシャル・メディアとメディア・リテラシー
  【海外メディアの 「報道の5原則」】 原則1 「推定無罪の原則」(最初から有罪であるよう印象づける報道はしないこと)、原則2 「公正な報道」(検察の発表だけをたれ流すのでなく巻き込まれた人や弁護人の考えを平等に報道すること)、原則3「人権を配慮した報道」(他の先進国並みに捜査権の乱用を防ぐため、検察・警察の逮捕権、家宅捜索権の行使には、正当な理由があるかを取材、報道すること)、原則4 「真実の報道」(自主取材は自主取材として、検察・警察の情報は、あくまでも検察・警察の情報である旨を明記すること)、原則5「客観報道」(問題の歴史的経緯・背景、問題の全体構図、相関関係、別の視点などをきちんと報道すること)

【小沢問題関連重要文献】
・小沢一郎を支援する会 (編集) 『私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか』 (諏訪書房) [新書] ノラ・コミュニケーションズ (2011/5/15)
・森 ゆうこ 『検察の罠』 日本文芸社 (2012/5/26)
・平野 貞夫 『小沢一郎 完全無罪 -「特高検察」が犯した7つの大罪』 (講談社プラスアルファ文庫 ( 2011/7/21)
・郷原 信郎 『検察崩壊 失われた正義』 毎日新聞社 (2012/9/1)
・カレル・ヴァン・ウォルフレン 『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?』 角川文庫(2012/3/24)
・マーティン・ファクラー 『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』 双葉新書 (2012/7/4)
・山崎行太郎 『それでも私は小沢一郎を断固支持する』 総和社 (2012/6/23)
・三井 環 『ある検事の告発』 (双葉新書) (2010/12/22)
・村木厚子編 『あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ』 日経BP社 (2011/11/28)
・石川知裕 『悪党―小沢一郎に仕えて』 朝日新聞出版 (2011/7/7)
・鈴木 宗男 『汚名-検察に人生を奪われた男の告白 』
・佐藤 栄佐久 『知事抹殺 つくられた福島県汚職事件』 平凡社 (2009/9/10)
・大坪 弘道 『勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか』 文藝春秋 (2011/12/16)
青木理 『国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』 金曜日 (2008/05)
・副島隆彦、植草一秀、 高橋博彦 『国家は 「有罪(えんざい)」をこうして創る』 祥伝社 (2012/6/30)
・粟野仁雄 『検察に、殺される』 (ベスト新書) ベストセラーズ (2010/11/16)
・岐 武彦、山崎行太郎氏 『最高裁の罠』 (志ケイアンドケイプレス 、2012/12)
・佐藤 優/魚住 昭 『誰が日本を支配するのか!?検察と正義の巻』 マガジンハウス (2010/8/12)
・石川 知裕/佐藤 優 『小沢一郎はなぜ裁かれたか―日本を蝕む司法と政治の暴走』 徳間書店 (2012/3/26)
・今西憲之/週刊朝日取材班 『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日』 (著) 朝日新聞出版 (2010/9/7)
・孫崎 享 (著) 『戦後史の正体』 創元社; 初版 (2012/7/24)
・孫崎 享 (著) 『アメリカに潰された政治家たち』小学館 (2012/9/24)
・孫崎 享 (著) 『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土』 (ちくま新書)
・孫崎 享 (著) 『日米同盟の正体~迷走する安全保障』 (講談社現代新書)
・郷原 信郎(著) 『検察の正義 』 (ちくま新書) ( 2009/9)
・郷原 信郎(著) 『特捜神話の終焉』 飛鳥新社(2010/7/22)
・『郷原 信郎(著)検察が危ない』 (ベスト新書) ( 2010/4/9)
・三井 環 (著) 『検察の大罪 裏金隠しが生んだ政権との黒い癒着』講談社 (2010/7/29)
・三井 環 (著) 『「権力」 に操られる検察 』(双葉新書) 双葉社 (2010/7/21)
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●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」: 東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

2013年06月08日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013053102000111.html)。asahi.comの記事二つ(http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201306060572.htmlhttp://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201306050658.html)。

   『●言葉が見つかりません・・・
   
    「須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の
     出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。
     遺族によると、男性は原発事故後福島の百姓は終わりだと話していたという」。

 「「原発さえなければ」書き残し自殺」「原発さえなければ私の旦那は今も生きていた。夢もなくなったが・・・・・・」。東京電力原発人災と、どう考えても因果関係が大ありだ。また、「震災さえ」ではなく、「原発さえなければ・・・」というところが重要。原発再稼働・原発輸出したりできる政治家や電力会社幹部、財界の神経が分からないし、そういった政治家を支持し投票する人たちの気持ちが分からない。

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013053102000111.html

原発さえなければ」書き残し自殺 酪農家遺族が東電提訴
2013年5月31日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故で将来を悲観して自殺した福島県相馬市の酪農家菅野重清さん=当時(54)=の妻バネッサさん(35)と二人の息子が三十日、東電に約一億二千六百万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、菅野さんは乳牛約四十頭を飼育していたが、原発事故で原乳が出荷停止となり、牛の処分に追い込まれた。フィリピン国籍のバネッサさんと息子たちを一時帰国させていた二〇一一年六月、酪農場の堆肥小屋で首をつって自殺した。小屋の壁には「原発さえなければ」などと書かれていた。

 訴状は「事故で酪農経営の先行きが見えず、家族もフィリピンに避難して菅野さん一人に重圧がかかった。心身ともに疲弊し、うつ病にかかって自殺した」と指摘し「事故と自殺には因果関係がある」と主張している。

 提訴後に東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見したバネッサさんは「原発さえなければ私の旦那は今も生きていた。夢もなくなったが、二人の子どものために裁判を闘いたい」と涙ぐみながら語った。

 東電広報部は「訴訟においてご事情を伺った上で真摯(しんし)に対応する」としている。
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http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201306060572.html

2013年6月7日
(私の視点)災害関連死 弔慰金審査、早急に検証を 小口幸人

 震災から2年が過ぎた。改めて思うのは、家族を亡くした方々の悲しみは別物だ、ということだ。最も丁寧にケアされるべき人々だが、現状はそうなっていない。

 問題を浮き彫りにするのが、災害弔慰金支給に関する審査だ。震災で家族を亡くされた一定の遺族に支給されるお金のことであるが、金銭だけの問題ではな・・・・・・・・・。

・・・・・・例えば、シートによれば、自殺の場合、精神科への通院歴があり、しかも震災から半年以内に対象疾病を発病した記録がなければ関連死ではないことにされてしまう。目安に過ぎない資料が、否定のために乱用されかねないのだ。審査結果は「県から来ました」とだけ言われて遺族に渡される。無機質な通知書は遺族の心を傷つける。遺族の声は「県の結果なので」で切り捨てられてしまう。 国は早急に各審査会で行われている審査を調査し、・・・・・・・・・。
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http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201306050658.html

2013年6月6日
父自殺、東電は謝罪を 原発事故、心晴れぬ和

 東京電力福島第一原発の事故後に自殺した福島県須賀川市の農家の男性(当時64)の遺族が5日、東京都内で記者会見した。東電とは原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)の仲介で近く和解する見通しだが、賠償金の支払いに応じながら、謝罪を拒んでいる同社の姿勢を批判した。

 「東電は、私の家に来て・・・・・・。

   (写真キャプション: 自殺した樽川久志さんの次男和也さんは
      記者会見で「東電はしっかり謝罪して欲しい」と涙をこらえながら訴えた
      =5日午後、東京都千代田区、福留庸友撮影)

・・・・・・・・・「東電は、私の家に来て父の仏前に線香をあげて欲しい。それがなければ、和解したといっても心が晴れない」。自殺した樽川(たるかわ)・・・・・・・・・。
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コメント
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●小沢裁判、終わりの始まり?

2012年04月27日 02時05分24秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012042602000251.html)、asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0426/TKY201204260297.html)、gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/136330)。また、東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012042601001750.html)。

 大善裁判長は〝浮世離れ〟した判決を下した。マスコミ、検察、自民・民主党の小沢憎しの世論形成には与しなかった訳で、〝浮世離れ〟した素晴らしい、でも、当然な判決だと思う。大善裁判官は〝犬〟ではなかった訳で、逆に、今後の裁判官としての大善氏の生活が非常に懸念される。
 最後の記事のように、おそらく控訴するのではないでしょうか。無茶苦茶な裁判はまだ続くことになるのでしょうね、きっと。終わりの始まり。少なくとも、反省なきマスコミはひたすらバッシングを続けると思う。世間もそれに引きずられて。なにせ、あのCMLでさへ、「親小沢派」とレッテル貼りする始末。
 検察審査会の制度やシステムを再検討しないと、検察やマスコミによる恣意的な今回のような問題が今後も続くことになるはず。何らかの検察審査会の透明性が担保されないと、あまりにお粗末すぎるし、怖すぎます。監視すべきマスコミが機能しないので、ますます無茶苦茶で、特に、この小沢裁判の検察審査会はウソと捏造の塊。

   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●御もっとも
   『●検察審査員の不正選出問題
   『●「検察官適格審査会」に期待
   『●「非実在検察審査会審査員」?
   『●続・検察審査会の「起訴相当」: 『週刊朝日』山口一臣編集長の〝日記〟
   『●検察審査会の「起訴相当」: 郷原信郎さんの発言
   『●マスコミには載らない一つの意見
   『●捏造された検察審査会、確信犯的にそれをバックアップするマスコミ

 次の山は、控訴期限の5月10日。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012042602000251.html

小沢元代表に無罪 虚偽記入の共謀否定 東京地裁判決
2012426日夕刊

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、市民を構成メンバーとする検察審査会の判断によって、政治家として初めて強制起訴され、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の判決公判が二十六日、東京地裁で開かれ、大善文男裁判長は「虚偽記入について、故意や共謀を認めることはできない」として無罪を言い渡した。検察官役の指定弁護士は禁錮三年を求刑していた。 

 強制起訴された被告への判決は二例目で、いずれも無罪となった。元代表の動向は消費税関連法案をめぐる政局や、検察審査会制度のあり方をめぐる議論に影響を与える可能性があり、注目される。

 最大の争点は、政治資金収支報告書の虚偽記入について、元秘書らとの共謀の有無。

 大善裁判長は判決理由で、石川議員について「元代表から受け取った四億円の原資についてマスコミなどからの追及を恐れ、借入金として報告書に記載しなかった」とし、池田光智元秘書(34)とともに収支報告書にうその記載をしたと判断した。

 さらに、秘書が元代表の政治的立場や金額の大きな事柄について独断で判断できないとし、元代表は石川議員から二〇〇四年十月に購入した土地について、同年分の収支報告書に記載せず、翌年分に記載することの報告を受け、了承していたと認めた。

 だが大善裁判長は「元代表は収支報告書に計上する必要性を認識していなかった可能性があり、虚偽記入の故意や共謀は認められない」と結論付けた。

 検察審査会の議決による起訴の有効性も争点だった。公判では、石川議員を取り調べた元東京地検特捜部の田代政弘検事(45)が作った捜査報告書に実際にはないやりとりが記載されていたことが発覚。この時作成された石川議員の供述調書は検察審査会の議決の根拠となったもので、弁護側は「審査員が誤った証拠に基づいて判断した議決は無効」として、起訴の棄却も求めていたが、判決は議決を有効と判断した。
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http://www.asahi.com/national/update/0426/TKY201204260297.html

20124261332
小沢氏「判決、私の主張に沿う」 無罪判決受けコメント

 小沢一郎・民主党元代表が無罪判決を受けて出したコメントは以下の通り。

    ◇

 本日の判決は、「虚偽記載について共謀したことは断じてない」というかねてからの私の主張に沿うものである。裁判所の良識と公正さを示して頂いたことに敬意を表すると共に、今日までご支援頂いた同志と全国の皆さんに感謝を申し上げたい。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/136330

きょうで小沢裁判は終わったのか
2012426日掲載

小沢が無罪判決でどうなるこれから

<小沢抹殺は何のため 誰のためだったか>

 長く不毛な裁判にようやく一区切りがついた。26日、検察審査会によって強制起訴された小沢一郎・元民主党代表に対し、東京地裁(大善文男裁判長)が無罪判決を出したのだ。小沢の政治資金団体・陸山会の土地取引を巡り、政治資金収支報告書の虚偽記載が問題視された裁判は、政治的謀略以外の何モノでもなかった。政権交代の立役者・小沢の元秘書らをいきなり逮捕し、小沢自身も裁判にかけることで、その政治活動を封印することが狙いだったありえないような裁判の過程で明らかになったのは、魔女狩りのごとく最初から小沢を狙い撃ちにしていた検察の横暴と、そのためには捜査報告書すらも捏造するというデタラメ捜査手法だった。これで小沢が有罪になったら、まさに日本の司法は戦前の暗黒時代に逆戻りだったのだが、寸前で踏みとどまったとはいえる。しかし、それで「めでたし」と言えるのか。小沢裁判は多くの課題と疑問を投げかけた。小沢の今後も気にかかる。これにて一件落着といえるのかどうか。さまざまな角度から探ってみる。

この暗黒裁判は歴史的にどう見られるか

 オランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏は小沢裁判について、こう言っていた。

   「小沢一郎氏の裁判で考えなくてはいけないのは、捜査、逮捕、起訴、
    裁判が先進国として、きちんとバランスのとれたものであったかということです」

   「小沢氏を標的にして進行していることは人物破壊です。
    長年かかって築き上げてきた既得権益を破壊しようとする人物(=小沢一郎)に
    銃口を向け、そして引き金を引く。体制側にとって、新種の人間というのは
    いつの時代も脅威なのですが、こういうことが許されていいのか

 これが先進国の第一線ジャーナリストの見立てなのだ。この裁判がいかに異常で異様だったか分かる。

 言うまでもなく、小沢は政権交代の立役者だ。政治主導、官僚支配打破の先頭に立つべき政治家だった。だから、検察は狙い撃ちにした。2009年3月に西松事件で小沢の元秘書を逮捕すると、翌年は「陸山会」の土地取引に目を付け、現衆院議員の石川知裕など元秘書ら3人を逮捕。がんがん締め上げ、小沢への裏金を暴こうとした。結局、裏金の証拠はなく、小沢本人の起訴は断念したが、検察審査会が強制起訴した。検察審査会が強制起訴の根拠とした捜査報告書は捏造だった。恐怖の謀略と言うしかない

 小沢に無罪判決が出たが、21世紀の日本でかくも異常な魔女狩り裁判が行われたことは歴史にハッキリ記さねばならない。あってはならない「政治的謀略」と「人権破壊」が白昼堂々と行われ、しかも、大メディアはそれを批判するどころか、暴走検察のリーク情報を垂れ流し、そのお先棒を担いだのである。

 ウォルフレン氏は小沢の元秘書で衆院議員・石川知裕ら3人に有罪が下った判決にも驚いていた。

   「判決は推認による有罪でした。私に言わせれば、
    あれは司法による大量虐殺に等しい。秘書3人は、
    別に政治献金を着服したわけではありません。単なる記載ミスです。
    推認によって有罪判決を受けるといったことが先進国であっていいのでしょうか

 これがこの国の司法の姿だ。だから、小沢無罪でも喜べない。「これにて一件落着」にしてはいけない。司法の責任を徹底追及する必要があるのである。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012042601001750.html

無罪判決に検察官役「結論が逆」 弁護団「グレーでない」
2012426 1958

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表の小沢一郎被告(69)を無罪とした東京地裁判決を受け、弁護団と検察官役の指定弁護士が26日午後、東京・霞が関の司法記者クラブで相次いで会見した。

 判決は元秘書が収支報告書に虚偽記入をしたと認めたが、元代表の関与は否定した。弁護団は「元代表はグレーではない」と強調。指定弁護士は「主張の大半は認められたが、結論は逆」としており、控訴するかどうか今後検討する。控訴期限は5月10日。

(共同)

写真: 民主党の小沢元代表の無罪判決を受け記者会見する、元代表の主任弁護人を務める弘中惇一郎弁護士(中央)ら=26日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ
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