[【辺野古新基地建設で防衛省が計画する地盤改良】(東京新聞2020年2月15日)↑] (2023年11月13日[月])
「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。
『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし』
『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた
盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》』
『●防衛省と「技術検討会」による《ずさん》な《「結論ありき」の
出来レース》…《軟弱地盤調査せず…何のための「検討会」か》?』
《新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)を代表とする
「沖縄辺野古調査団」は受注業者の実測データを基に護岸の
安定性を調べた。国土交通省が定める港湾施設の基準を満たさず、
巨大護岸が崩壊する恐れがあると指摘した》
---------------------------------------------------------------
(過去のブログ: 2019年09月14日 00時00分21秒)
「辺野古技術検討会」が、「公正」 「中立」ねぇ? アベ様らや自公お維の皆さん方から最も程遠い言葉。
「環境監視等委員会」も機能していないし、その二の舞でしょう。「監視」してないし、「悪しき結果の追認」委員会、「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。おまけに、「辺野古とカネ」の問題まである。「辺野古技術検討会」も「検討」することはないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもありません。《建設ありきの路線にお墨付きを与えるだけ》だし、《客観的な検討ができる》訳もない。《客観的》なんて、元々あり得ないが、《主観的》過ぎやしないか? 《利害関係》が過ぎやしないか?
《防衛省幹部の言葉はもっとあけすけだ。有識者らの技術検討会が「建設ありき」との批判があることについて「移設工事は決まっていて、意見をいただくのに、建設ありきではいけないのか」と開き直っている》…って、委員会・検討会や委員が不要だと言っているようなもの。沖縄の民意はさんざん無視しておいて。《政府の新基地建設を後押しする機関》、《環境監視等委員会も本来の役割を果たさず、政府の追認機関》。《環境監視等委員会は「新基地建設ありき」の防衛局の追認機関である。これで環境保全ができるわけがない》。委員の問題というよりも、委員長や委員会事務局、検討会事務局の問題か…。
---------------------------------------------------------------
さて、中沢誠記者による、東京新聞の記事【【独自】「辺野古」軟弱地盤工事にお墨付き与えた委員に230万円 受注業者から資金提供 就任前にも570万円】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/289467)。《辺野古工事を検証している新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)は、「リスクの高い地点なのに調査しないほうが不自然。意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》。
委員会での旅費や謝金は必要だと思うんですよね。でも、委員就任後に受注業者から奨学寄付金を受け入れるというのは如何なものなのだろうか? 「お礼」と受け取られても仕方ないのでは? 利益相反に抵触しないか? 《◆沖縄防衛局「公正性・中立性に影響ない」》と果たして言えるか。
《「近傍の地点から強度を推定するという方法は決して間違ったものではない」「近傍の地点の調査結果から推定できるので、B27で改めて調査をする必要まではない。これ以上お金と時間をかけて調査したとしても新しく得られる情報がすごく少ない」》…地盤力学や土質力学を専門とする研究者がこれを是とするとは思えないのだが…。《軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点では、簡易的な地盤調査が行われていた》…この《簡易的》ていうのも疑問なんだけれど、沖縄防衛局は、詳細なデータを持っていて隠蔽したりしていないですよね。
---------------------------------------------------------------
(過去のブログ: 2020年05月17日 00時00分20秒)
一体どこが《専門家》なのか? 何が、「技術検討会」? 不要不急な工事…いや、無駄な工事。美ら海破壊にドブガネ。工期と工費は∞。いつまでたっても新基地は完成しない。百万歩譲って、完成しても普天間は返還されない。辺野古は単なる破壊「損」。
結論ありき、「辺野古が唯一」…どこまでも無能な独裁政権。
デタラメ防衛省…一方、着々と辺野古破壊が進む。正に破壊「損」。大浦湾で護岸が崩壊したら、辺野古も含めて元の自然に戻せるのか? 責任もって、原状回復して見せてくれんでしょうね?
---------------------------------------------------------------
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/289467】
【独自】「辺野古」軟弱地盤工事にお墨付き与えた委員に230万円 受注業者から資金提供 就任前にも570万円
2023年11月12日 06時00分
(軟弱地盤が広がる沖縄県名護市辺野古の沿岸部。
難工事が予想される地盤改良工事は、いまだ手つかずだ
=2019年(沖縄ドローンプロジェクト提供))
米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古へのこ移設問題。焦点となっている埋め立て予定地の軟弱地盤の対応を巡り、沖縄防衛局の設計変更にお墨付きを与えた技術検討会の委員2人が、就任した2019年9月以降に、関連工事の受注業者から計230万円の奨学寄付金を受け取っていたことが、本紙の調べで分かった。(中沢誠)
奨学寄付金 研究振興のため民間から大学などに寄付される資金。使い道が限定されていないのが特徴で、大学への交付金が減少する中で貴重な研究資金となる一方、産学の癒着の温床になりやすい。原子力規制委員会は委員の選任に当たり、直近3年間の関係業者からの寄付を申告させ、公表している。国の医薬品の承認審査では、関係企業から年50万円を超える寄付を受けた委員は議決に加われない。
◆技術検討会の8委員、半数が旧運輸省OBら政府系出身者
4年前の本紙調査では、委員3人が就任前、受注業者から計570万円の奨学寄付金を受け取っていた。
辺野古工事を巡っては、防衛局の変更申請を不承認とした県の敗訴が確定。国は県に代わって承認する「代執行」を目指しているが、受注業者から資金提供を受けた委員が関与していたことで、改めて設計変更の妥当性が問われそうだ。
(辺野古工事の設計変更を不承認とした玉城デニー知事)
あわせて読みたい
辺野古の設計変更は「出来レース」 受注業者から政府委員への資金提供だけではない 産官学の密接ぶりとは…
技術検討会は、土木工学の専門家ら8人の委員で構成。設計変更に関して専門的見地から技術的な助言を得るため、防衛局が委員を選んで2019年9月に設置した。8人のうち半数が、旧運輸省OBの大学教授ら政府系出身者で、当初から審議の中立性や客観性に疑問の声が出ていた。
(辺野古新基地建設の地盤改良工事を巡り開かれた
技術検討会の初会合=2019年9月、防衛省で)
技術検討会での6回の会合を経て、防衛局は2020年4月、専門家からも理解が得られたとして、県に設計変更を申請した。防衛省によると、申請後も適宜、検討会の委員から助言を得ているという。
本紙は、委員就任後の2019年9月~23月3月、奨学寄付金の有無を調査。8人の委員うち、情報公開制度のある大学や法人に属する6人には開示請求を行った。
開示文書によると、大谷順・熊本大教授が2019年9月に「不動テトラ」(東京)から80万円、23年3月に退任した青木伸一・大阪大学院教授(当時)が2020~22年度に「東洋建設」(東京)から計150万円を受け取っていた。
◆寄付した業者は埋め立てや護岸工事受注
防衛局が発注した辺野古関連工事のうち、地盤改良を得意とする不動テトラは護岸工事を受注。海洋土木大手の東洋建設は埋め立て工事などを受注している。
大谷氏と青木氏は委員就任前にも、受注業者から5年間で、それぞれ120万円と300万円の寄付金を受け取っていた。
大谷氏と青木氏に見解を尋ねたが、11日までに回答はなかった。不動テトラは「個別事項への回答はしません」とコメント。東洋建設からは回答がなかった。
情報公開制度のない大学に属する委員には、大学や本人に問い合わせたが、「取材はお断りしている」などとして回答はなかった。
本紙の開示請求によると、8人の委員のうち少なくとも3人は、受注企業と共同研究をしたり、受注企業が設けた有識者会議の委員を務めたりもしていた。
【関連記事】<税を追う>辺野古技術委員に570万円 受注業者が資金提供(2020年1月3日)
◆沖縄防衛局「公正性・中立性に影響ない」
沖縄防衛局報道室の話 各委員の研究活動が、技術検討会における議論の公正性・中立性に影響があるものと考えていない。各委員が有している技術的・専門的知見を基に、客観的に議論いただいているものと認識している。
◆「軟弱地盤の調査不十分」県は不承認
技術検討会の意見は、沖縄防衛局が辺野古工事での設計変更を正当化する根拠となっている。
これに対し、沖縄県は「調査が不十分」として不承認にした。
不承認の主な理由は、軟弱地盤が最も深い海面下90メートルの「B27」地点で、地盤の強度を実測していないことだ。
90メートルにまで達する軟弱地盤の改良工事は世界でも例がない上に、「B27」地点には巨大な護岸が建つ。強度が足りなければ護岸が崩壊する恐れもある。これまで国会でも、何度も「B27」地点の再調査を求める声が上がっているが、防衛局は応じていない。
県は、不承認通知書の中で、こう指摘している。
「地盤の安定性等に係る設計に関して最も重要な地点において必要な調査が実施されておらず、地盤の安定性等が十分に検討されていないことから、災害防止に十分配慮されているとは言い難い」
防衛局は設計変更に当たって、最大で750メートル離れた他の3地点で計測したデータから類推し、「B27」地点の強度を推計している。
この設計方法についても、県は不承認通知書で「地点周辺の性状等を適切に考慮しているとは言い難い」と疑問を呈し、「他の3地点からの類推ではなく、B27地点における力学試験等を実施し、その結果をもって設定することが最も適切」と主張している。
逆に、技術検討会の委員らは、会合の中で、次のように発言し、防衛省の計画を支持していた。
「近傍の地点から強度を推定するという方法は決して間違ったものではない」
「近傍の地点の調査結果から推定できるので、B27で改めて調査をする必要まではない。これ以上お金と時間をかけて調査したとしても新しく得られる情報がすごく少ない」
意見を引き取った委員長も「もう追加の必要はないのではないかと思う」と語っていた。
防衛局は、本紙の取材に対しても、技術検討会の意見を引き合いに出し、「土の強度の設定方法は、技術検討会で適正なものだとの意見をいただいており、これまでに実施した土質調査は、護岸等の構造物の設計を行うに当たり十分なものだと考えている」と回答する。
辺野古工事を検証している新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)は、「リスクの高い地点なのに調査しないほうが不自然。意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる。
◆不可解な防衛局の地盤調査
そもそも防衛局の地盤調査には、不可解な点が目立つ。
その一つが調査の時期だ。
防衛局から開示された地盤調査の報告書によると、軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点では、簡易的な地盤調査が行われていた。実施したのは2017年3月。この調査でB27地点では、軟弱地盤が海面下90メートルにまで達してることが判明した。
(軟弱地盤が海面下90メートルまで達している
「B27」地点のデータ。調査は2017年3月と記録されている)
一方で、「B27」地点の強度を推定するために引用した他の3地点の調査は、いずれも「B27」地点の調査の後に行われていた。3地点のうち2地点については、「B27」地点の調査から1年も経った2017年暮れから2018年にかけて行われていた。
2018年の追加調査は、より地盤の状態を詳細に調べるために実施したものだ。他の地点から推定するよりも、「B27」地点で調べれば、より正確なデータが得られるはず。なぜ、その追加調査に「B27」地点を含めなかったのだろうか。
防衛局に尋ねると、「準備が整ったものから実施した」という回答しか返ってこなかった。
◆他からデータ引用「つじつま合わせでは」
ある土木技術者は「追加調査したときにB27地点も一緒に調査していれば、費用も時間もあまりかからなかったはずだ。ましてやB27地点は一番危険な場所。技術者からすると、その危険な場所を調べもせずに設計するなんて冒険でしかない」という。
同じように軟弱地盤を改良して造成した羽田空港や関西国際空港の海底は、ほとんど起伏がない。一方、辺野古の埋め立て予定地の海底は凹凸のある複雑な地形になっている。本来なら、より慎重な調査が求められるはずだ。
土木技術者は、頑なに「B27」地点の調査を避けようとする防衛局の思惑について、こう推測してみせた。
「おそらくB27地点で地盤強度を測ると、基地を作るために必要な地盤の安定性を確保できないからでは。そのため、わざわざ他の地点のデータを引用して、つじつまを合わせようとしたのではないか」
辺野古の軟弱地盤問題 埋め立て予定地の海底で、軟弱地盤が確認されたとして、沖縄防衛局は2020年、沖縄県に設計変更を申請した。県は承認せず、国との間で法廷闘争になった。国は知事に代わって承認する「代執行」に向けて提訴し、既に結審している。防衛局の設計変更では、海底に約7万本の砂杭などを打ち込み、地盤を固める改良工事を計画している。総工費は2.7倍の9300億円に膨らむ。仮に代執行が認められ、国が地盤改良工事に着手しても、普天間返還は2030年代半ば以降となる見通し。
【関連記事】防衛省調査を追認 辺野古軟弱地盤で有識者会議(2019年9月7日)
【関連記事】「辺野古」工事費 底なし 埋め立て14%すでに半分近く使い切る 米軍幹部も「ドローンの時代に不要」
【関連記事】辺野古新基地推進のために最高裁が「不合理」判決 行政法学者100人が指摘するおかしな点
=====================================================
[↑ 命どぅ宝/沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)] (2023年10月22日[日])
(目取真俊さん)《ただ、判決が9月4日に出されることを知って以来、怒りを抱き続けていた。9月4日は1995年に米兵3人がレイプ事件を起こした日だ。辺野古新基地建設問題の原点にあるのはこの事件だ》。
『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている』
『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…』
『●辺野古新基地建設: 国が寄って集って沖縄をイジメ、司法が沖縄イジメ
にお墨付きを与える…野党議員は団結して立ち上がってくれないのか?』
《政府はあまりにも鈍感ではないか》。一体何が主権国家なのか。プーチン氏に嗤われるはずだ。番犬様もキシダメ政権も沖縄を「植民地」とでも思っているのではないか。
琉球新報の【<社説>米軍犯罪多発 政府は鈍感ではないか】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2393723.html)。《重大な米兵事件が起きた。本来ならば政府はただちに事件に抗議し、規律の緩みをただすべきだ。しかし、政府の危機感は希薄だといわざるを得ない》、《今回の事件を含め、政府は沖縄で発生する米軍犯罪を深刻に受け止めるべきだ。ところが政府の反応は米軍犯罪に対する県民の不安や憤りとかけ離れている。傷害罪で米兵が略式命令を受けたことについて松野博一官房長官は「個別事件における検察当局の事件処理について政府として所感を述べることは差し控えたい」と述べた。再発防止の取り組みについても「当局においては具体の事実に即して法と証拠に基づき、適切に捜査を行っているものと承知している」と答えるにとどめた。政府はあまりにも鈍感ではないか。1人の女性が米兵の暴力行為によって負傷したのである。事件に対して米側に強い抗議の意思を示し、再発防止に向けた政府の姿勢を表明すべきである》。
『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…』
「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法は
〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、国が一般国民の
権利救済制度を使うこと自体がおかしい。国が「個人」になりすまし、
国に救済を求め、国に判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる。
安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている」
『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」』
『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず』
『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている』
『●辺野古基地サンゴ訴訟、最「低」裁上告棄却…《国が、地方自治体の
裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実》を無視』
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●辺野古抗告訴訟、《原告の資格がないとして県敗訴とした一、二審判決
が確定》――― アベ様《政権を忖度した判決が連発》危惧が的中…』
『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」』
『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず』
司法がイジメや差別に加担しているのだから、自称〝法治国家〟が聞いて呆れる。《代執行とは平たく言えば、国が埋め立てを申請し、知事から承認の権限を奪い取って自ら承認し、7割もの県民が反対の意思表示をしているにもかかわらず強制的に基地を建設することに他ならない。かつてない最悪の判断である。知事が対話による解決を求めてもそれに応じず代執行を強行するのは、沖縄に対する構造的差別の固定化につながりかねない。最高裁には、沖縄の現実に向き合い、沖縄の声をすくい取る実質審理を求めたい》(沖縄タイムス社説)。
沖縄タイムスの【[社説]辺野古新基地建設 代執行は最悪の選択だ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1242159)。《裁判は、新基地建設の軟弱地盤改良工事に関する設計変更申請を巡り、承認指示に応じない玉城デニー知事に代わって国が工事を承認する「代執行」に向けたものだ。国は訴状で、知事が承認しないことは「法令規定や大臣処分に違反し、法定受託事務を怠るもの」とし、放置すれば「安全保障と普天間飛行場の固定化回避という公益上の重大課題が達成されない」と主張する。これに対し、県は「最高裁は、知事が承認しないことが各規定に違反するとは認定していない」と答弁書で反論。米軍は普天間を使い続けており、建設の進捗(しんちょく)は安全保障に影響を及ぼさないとした上で「明確な反対の民意こそ、公益として考慮すべきだ」と民意を前面に押し出す》。
=====================================================
【https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1242159】
[社説]辺野古新基地建設 代執行は最悪の選択だ
2023年10月20日 5:01
辺野古代執行訴訟で国と県、双方の言い分が出そろった。
裁判は、新基地建設の軟弱地盤改良工事に関する設計変更申請を巡り、承認指示に応じない玉城デニー知事に代わって国が工事を承認する「代執行」に向けたものだ。
国は訴状で、知事が承認しないことは「法令規定や大臣処分に違反し、法定受託事務を怠るもの」とし、放置すれば「安全保障と普天間飛行場の固定化回避という公益上の重大課題が達成されない」と主張する。
これに対し、県は「最高裁は、知事が承認しないことが各規定に違反するとは認定していない」と答弁書で反論。米軍は普天間を使い続けており、建設の進捗(しんちょく)は安全保障に影響を及ぼさないとした上で「明確な反対の民意こそ、公益として考慮すべきだ」と民意を前面に押し出す。
争点の一つが「公益」の判断だ。
代執行の要件は、他の方法で是正を図ることが困難で、かつ放置することで「著しく公益を害することが明らかであるとき」とされる。今回の「公益」は、国の言い分では「安全保障」であり、県にとっては「新基地建設反対を訴える民意」に他ならない。
県は答弁書で、工事の間も普天間は固定化され、国が主張する危険性除去という公益は抽象的だと指摘する。現案はむしろ県民の負担が大きく公益に反する施設だとする。
海を埋め立てて基地を造ることや、そこから生じる事件事故、環境汚染や騒音被害などが公益を害すると考えるからこそ、県民は反対しているのだ。
■ ■
2000年の地方分権改革で、国と地方自治体との関係は「対等・協力」であり、上位・下位はないと位置付けられた。県が訴える「県の公益(新基地反対の民意)」を力でねじ伏せ、代執行によって自らの公益を優先させようとする国の行為は、看過できるものではない。
建設予定地の辺野古・大浦湾海域について県は「厳正な自然保護を図る区域」と位置付け、自然環境保全指針で「ランク1」と指定。国際的にも高い生物多様性を持つと評価される宝の海だ。
その海を埋め立てるだけでなく、沖縄戦戦没者の遺骨が混入している可能性がある南部の土石を使用することも否定していない。建設には最低でもあと12年かかるとされ、その後の普天間返還の時期も見通せない。安保の恩恵を本土だけが享受し、負担を沖縄に押し付ける構図は不平等であり認めることはできない。
■ ■
代執行とは平たく言えば、国が埋め立てを申請し、知事から承認の権限を奪い取って自ら承認し、7割もの県民が反対の意思表示をしているにもかかわらず強制的に基地を建設することに他ならない。
かつてない最悪の判断である。知事が対話による解決を求めてもそれに応じず代執行を強行するのは、沖縄に対する構造的差別の固定化につながりかねない。最高裁には、沖縄の現実に向き合い、沖縄の声をすくい取る実質審理を求めたい。
=====================================================
[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様…日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑] (2023年10月13日[金])
「法治国家」と人治国家。
ニッポンは法治国家なので、玉城デニー知事は最「低」裁の判決に従え?? 法治国家の大前提は、三権分立でしょ? とっくに、小泉純一郎政権あたりからメロメロで、アベ様・スガッチ・キシダメ政権なんて、お世辞にも法治国家などと呼べやしない。とっくに、ニッポンは人治国家に堕ちている。人治国家による沖縄イジメ、沖縄差別。政権に忖度し、政治判断しかできない最「低」裁がイジメや差別に加担している。
『●「思いやり予算」として小さく生んで、いまや「同盟強靱化予算」
として大きく育った番犬様の「お財布」、とっても気前の良いニッポン』
『●日刊ゲンダイ【卑劣すぎる! 玉城知事憎しの岸田政権「沖縄振興予算」
330億円削減の非情】…破壊「損」な辺野古にはドブガネしつつ…』
『●玉城デニー沖縄県知事の再選の一方で、自公政権はまだ「辺野古移設が
唯一の解決策」と嘯く…《民主主義や…地方自治の原則》はどこに?』
『●畠山理仁さん《沖縄県民は民主主義の手続きに則って民意を示し続けて
いる…愛のある沖縄は、間違いなく民主主義の最先端を行っている》』
『●ダースレイダーさん《愛国心から「日本の国土である尖閣諸島や竹島は大事」
と言う人は多い。ならば、どうして辺野古は大事じゃないんだろう》?』
『●《自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています》…アノ
戦争法の強行採決以降暴走を加速、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増』
『●森村誠一氏「秘密保護法…作成、強行成立の過程が杜撰…こういう法律が
できたことを国民が忘れず、廃止に向け声を上げ続けることが大切だ」』
『●「戦う覚悟」…何度目かの《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ節」――
戦争法や軍事費倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を』
『●台湾での《「戦う覚悟」発言》…《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ
節」はキシダメ首相と《打ち合わせた“政府の代弁”》だったとは…』
『●アベ様が《集団的自衛権の行使容認を閣議決定…このタイミングで自衛官
募集のダイレクトメールが届けられた…「赤紙が来た」「召集令状だ」》』
『●《「戦争絶滅受合法案」…権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは
安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう》』
『●最「低」裁の《忖度判決》…<金口木舌>《自治と民主主義は今にも吹き
飛ばされそう。誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》』
『●「憲法の番人」が聞いて呆れる最「低」裁…《「臨時国会を開かなくても
違憲でない」という新しい規範が生じたに等しい。憲法が死文化…》』
『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている』
『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…』
『●辺野古新基地建設: 国が寄って集って沖縄をイジメ、司法が沖縄イジメ
にお墨付きを与える…野党議員は団結して立ち上がってくれないのか?』
『●《「専守防衛」のタガは緩み、9条の形骸化…その起点が15年、当時の安倍
晋三政権が国会内外での反対論を押し切って成立を強行した安保法…》』
《当然の結論だ》。
沖縄タイムスの記事【知事、辺野古承認せず 代執行訴訟に応訴表明】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1237987)によると、《玉城デニー知事は11日、名護市辺野古の新基地建設に伴う軟弱地盤改良工事を巡り、沖縄防衛局の設計変更申請を承認せず、国が提起した代執行訴訟に応訴することを表明した。玉城知事は沖縄の過重な基地負担は受忍限度を超えており「県の現状に鑑み、承認する立場には立てない」と述べた》。
琉球新報の【<社説>代執行訴訟 堂々と不条理問うべきだ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2367855.html)。《当然の結論だ。玉城デニー知事が11日、名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請に関して国が起こした代執行訴訟について「県に承認せよとの国土交通相の請求の趣旨には承服できない」と表明した》。
そもそも、《不服審査請求など論外》だったのだ。こんなものに裁判所がお墨付きを与えたことが大きな間違い。《国が一般国民の権利救済制度を使うこと自体がおかしい。国が「個人」になりすまし、国に救済を求め、国に判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる》。どこが法治国家か? 最高裁をアベ様〝関係者〟で固め、恥ずかしげもなく政権忖度の政治判断しかしない、司法判断しない裁判所にしてしまった。
(琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する。裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在である》べきなのではないのか? 川内博史さん《裁判所は、権力への忖度をすべきではない。権力への奉仕ではなく、民主主義に奉仕すべき》とつぶやき、古賀茂明さんも《あまりにも酷い》《信じ難い判決》《日本の司法は、一般市民の側には立たないことがよくわかる》《この資料を公開すると、どれだけ財務省や自民党政権に都合が悪い情報が出てくるのか》《裁判所が権力のためになりふり構わず尽くす》《やはり自民党政権と霞ヶ関を守る用心棒なのだ》とも。小林節氏も、やんわりと《この状況は、私たちに「司法の独立」の問題も突きつけている。自公長期政権の下で、国と対立する訴訟において司法が「第三者」ではなくなってしまったように見える》と。
ニッポンが法治国家ならば、数多のアベ様案件などとっくの昔に解決している。アベ様が銃弾に倒れるようなことも起こらず、いまも、塀の向こうで安全に、安心して生活していたはずだ。
『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…』
「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法は
〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、国が一般国民の
権利救済制度を使うこと自体がおかしい。国が「個人」になりすまし、
国に救済を求め、国に判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる。
安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている」
日刊ゲンダイのコラム【ここがおかしい 小林節が斬る!/辺野古新基地建設を巡る2つの憲法問題 地方自治体の拒否権と司法の機能不全】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/330445)。《この状況は、私たちに「司法の独立」の問題も突きつけている。自公長期政権の下で、国と対立する訴訟において司法が「第三者」ではなくなってしまったように見える。ここもおかしい》。
=====================================================
【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2367855.html】
<社説>代執行訴訟 堂々と不条理問うべきだ
公開日時 2023年10月13日 05:00
更新日時 2023年10月12日 14:14
当然の結論だ。玉城デニー知事が11日、名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請に関して国が起こした代執行訴訟について「県に承認せよとの国土交通相の請求の趣旨には承服できない」と表明した。
玉城知事は2018年の初当選以来、国内外で「国土の0.6%に過ぎない沖縄に全国の米軍専用施設面積の70.3%が集中している」として米軍基地の過重負担を強いられる不条理を訴えてきた。法廷でも「平和で静かで安心に暮らしたい」という大多数の県民の思いを代弁するのは知事の責務である。
とはいえ、県庁は行政機関だ。法律や規則などルールに基づいて業務を遂行する県職員から、法の手続きに沿った国の承認指示に従わないことへのリスクを懸念する声が上がるのも理解できる。
新基地問題に関連して、政府や政権与党がことあるごとに強調する「法治国家」の実態はどのようなものなのか。
敗戦国の日本は戦後、一貫して米国の軍事戦略に合致した防衛政策を推進してきた。近年では安倍政権下での安保法制の整備、集団的自衛権行使容認を推し進め、「戦争ができる国」への準備を着々と進めてきた。岸田政権は2027年度の防衛費と関連予算を合わせて国内総生産(GDP)比2%にすることを目標としている。23~27年度の5年間で総額約43兆円を防衛費に投じる計画だ。
辺野古新基地計画は米軍再編の一環であり、有事の際には出撃拠点となる可能性がある。日本政府が沖縄以外の移設先を追求せず、振興策をちらつかせて地元を二分してきた経緯もある同計画には、県試算で最大2兆5千億円余りの国民の血税が投じられる。
政府が言う「法治国家」とは、辺野古新基地建設をはじめ、米国の意に沿う計画を進めるための形式的な行政手続だけを指していよう。内実は人権の尊重や平和を希求する憲法の精神を軽視するものと言わざるを得ない。
さらに、辺野古移設の前提である普天間飛行場の返還を巡っても政府の主張に二重基準が生じている。代執行訴訟で政府は「飛行場移設による危険性除去の必要性」を指摘し、承認指示に従わない県を「著しく公益を害することが明らかだ」と非難した。
一方、飛行場周辺住民が米軍機の飛行差し止めなどを求める第3次普天間爆音訴訟では、飛行場が災害時に「高度の公共性を有する」などとして必要性を強調している。爆音訴訟の弁護団はこの矛盾点を批判している。米国の要求に応えようとするあまり、政府は自ら論理矛盾に陥ってしまっている。
法治国家を論じながら自国民を軽視する悪手を打ってしまっている国に対し、玉城知事は県民に寄り添い、堂々と法廷で沖縄が強いられてきた不条理を問うてほしい。
=====================================================
=====================================================
【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/330445】
ここがおかしい 小林節が斬る!
辺野古新基地建設を巡る2つの憲法問題 地方自治体の拒否権と司法の機能不全
公開日:2023/10/13 06:00 更新日:2023/10/13 06:00
(小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ)
憲法95条は、「一つの地方自治体のみに適用される『特別法』は、その自治体の住民投票で過半数の同意を得なければ制定してはならない」と明記している。この趣旨が、「国策として特定の自治体に特別の負担を強いる場合には、その自治体には拒否権がある」という意味であることは明白である。
それに対して、日米安保条約の締結・順守は国の権限(73条2号、3号、61条、98条2項)で地方自治体の権限ではなく、基地の立地の選定は行政権(65条)の裁量事項で「立法事項」ではないという反論がある。しかし、それは詭弁であろう。
日米安保条約が正当だという立場を取ったとしても、その危険の7割を、47都道府県の中で、人口で31番目、面積で44番目の小さな沖縄県に負担させておいて良いのか? は、95条の「精神」に照らして大いに疑問である。これは法的条理(道理)の問題である。
また、辺野古の埋め立て予定海域に限界が不明な軟弱地盤が発見されたため、防衛省が設計変更を申請し、沖縄県がそれを不承認として、国対県の訴訟に発展した。
それに対して、司法府は、要するに、それは公有水面埋立法により「国の権限」を自治体に委任したものであるから、両者が対立した場合には国に従うべきだ……という「法的な形式論理」だけで県の主張を退けた。
これは、司法権の本質と司法の独立(76条3項)問題を私たちに提起している。
司法とは、当事者間では決着できない問題について、「第三者」として、「事実認定」と「法解釈」の両面で判断を下して紛争を解決させる国家の権力作用である。
今回は、辺野古の建設予定地に建設の障害になる軟弱地盤が発見されたという「事実」に起因する紛争である。だから、県の不承認には正当な根拠がある。ところが、裁判所は、形式的に、法律上は国の権限を県に委任しているのだから国に従え……という国の主張をなぞるだけで県の主張を退けた。
この状況は、私たちに「司法の独立」の問題も突きつけている。自公長期政権の下で、国と対立する訴訟において司法が「第三者」ではなくなってしまったように見える。ここもおかしい。
=====================================================
[↑ 命どぅ宝/沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)] (2023年10月05日[木])
心底、怒りに震える。こんな理不尽が許されるのか?
国が寄って集って沖縄をイジメている、最「低」裁など司法が沖縄イジメ・沖縄差別にお墨付きを与える…(なぜか国交相ポストが指定席となっているアノ下駄の雪党は平和の党・子育ての党なんて自称していて、恥ずかしくないのかね? ゆ党なお維やコミなどは論外)真の意味での野党議員は団結して立ち上がってくれないものかね? 特に、立憲民主党には非常に大きな責任があるのではないですか。
『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている』
『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…』
アベ様はスガッチらに、無法に辺野古破壊に着工させてしまったのが大きなミス。出来もしない新基地のためにドブガネし、日々大量の土砂を美ら海にぶちまける愚行が続く。あの変わり果てた辺野古…。新基地など完成しない訳で、辺野古は単なる破壊「損」ではないか。美ら海を破壊して何か「益」があったか?
琉球新報の【<社説>設計変更承認指示 歴史に堪える知事判断を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2323142-2-2-2.html)。《米軍普天間飛行場の全面返還を確認した1996年の日米合意に端を発し、今日まで続く辺野古新基地建設問題は重大局面を迎えた。玉城デニー知事は新基地拒否の民意を踏まえ、数々の困難と闘ってきた沖縄の歴史にも堪える判断を下さなければならない。斉藤鉄夫国土交通相が大浦湾側の軟弱地盤の設計変更を承認するよう県に指示した件で、玉城知事は指示期限であるきょう、判断を示す予定だ。承認すれば国は大浦湾側の地盤改良に向けた作業を加速させる。不承認ならば国は代執行訴訟を福岡高裁那覇支部に提起する。県は大きな岐路に立たされている》。
《県の敗訴は濃厚》って、暗澹たる気分だ…最「低」裁という司法のお墨付きによる沖縄差別、沖縄イジメ。あまりに醜悪過ぎないか…。
沖縄タイムスの記事【玉城知事、期限内に承認せず 辺野古新基地巡る国交相指示で方針固める 国は代執行に向けあす5日にも提訴】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1233829)。《沖縄県名護市辺野古の新基地建設で軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更申請を巡り、玉城デニー知事は国からの承認指示の期限内に承認しない方針を固めたことが分かった。承認期限は4日だった。指示を出した斉藤鉄夫国土交通相へ4日夕にも「期限内に判断できない」と回答する方向で最終調整している。国交相は国が代わりに承認する「代執行」に向け、5日にも福岡高裁那覇支部へ提訴する方針。県の敗訴は濃厚で、沖縄防衛局は早ければ年内にも海底に軟弱地盤がある大浦湾側での工事に着手する可能性がある》。
立川談四楼さんのつぶやき:
---------------------------------------------------------------------------------------
【https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1709414679234433311】
立川談四楼@Dgoutokuji
「国交相の承認指示届く 辺野古新基地の設計変更申請 玉城知事『引き続き対応検討』」 4日までの承認を迫ってるんだね。拒否すると、国は知事や県職員個人に数億から数十億の賠償を請求するんだってさ。鬼畜め。維新が勝手にコケた万博は助けるのに、民意を受けた沖縄には圧力をかけるんだ。狂気だぜ。
午後0:46 2023年10月4日
---------------------------------------------------------------------------------------
金子勝さんのつぶやき:
---------------------------------------------------------------------------------------
【https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1709570091527110691】
金子勝@masaru_kaneko
【不当な処置を認めない】辺野古軟弱地盤工事の事業主体の防衛省沖縄防衛局が「私人」になりすまし不服申し立て、「身内」の国交相が審査庁として沖縄県の処分を取り消す裁決を出す異常さ。玉城沖縄県知事は「期限までに承認を行うことが困難」と発表。国は代執行するな。
午後11:04 2023年10月4日
---------------------------------------------------------------------------------------
『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…』
「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法は
〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、国が一般国民の
権利救済制度を使うこと自体がおかしい。国が「個人」になりすまし、
国に救済を求め、国に判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる。
安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている」
『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」』
『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず』
福岡高裁那覇支部は代執行まで認めるのか?
沖縄タイムスの【[社説]知事 辺野古承認「困難」 全国で議論深める時だ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234160)。《県民投票で示された民意を尊重し、理不尽な埋め立てを承認しないよう求める県政与党や知事後援会、市民団体。承認しない場合の業務への影響を懸念し、行政として最高裁判決に従うしかないと知事を説得する県幹部ら。板挟みにあって悩み抜いた末に、玉城デニー知事が出したのは「期限までの承認は困難」という判断だった》。
琉球新報の【<社説>設計変更「承認困難」 新基地阻止の道筋残した】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2336040.html)。《米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設で、玉城デニー知事は軟弱地盤の設計変更に関する斉藤鉄夫国土交通相の承認指示に対して「期限までに承認を行うことは困難」と回答した。承認勧告に対する回答と同じで、事実上の不承認と言える。県の対応を受け、政府は5日にも福岡高裁那覇支部に代執行訴訟を起こす見込みだ》。
沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]いばらの道と不服従】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234216)。《「いばらの道ですが、踏みしめて、踏み越えていく覚悟が必要。その先に、県民が求めている未来が見えてくると信じて突き進んでいきたい」。玉城デニー知事が1期目の就任会見で語ったのは、2018年10月4日のことだ ▼あれからちょうど5年後の昨日。名護市辺野古の新基地建設問題は、重大な局面を迎えた。設計変更を巡る国交相の指示に対し、知事が出した結論は、いわば不当な権力にあらがう「不服従」。政治家として、民意と公約を優先した ▼政府が自ら承認手続きに乗り出せば、県が関与できる余地は狭まる。巨額の損害賠償を請求されるのではという不安も渦巻く。「対話による解決を求めたい」。大勢の記者に囲まれた知事の顔は険しかった...》。
2023年10月05日(木)。スガッチ並みの最低な官房長官・松野博一官房長官の以下のコメントを見て下さい。酷過ぎる。沸々と怒りが沸く。
東京新聞の記事【辺野古巡り「代執行」へ国が提訴 福岡高裁那覇支部で弁論】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/281854)。《米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は5日、軟弱地盤改良工事の設計変更を玉城デニー県知事に代わって承認する「代執行」に向け、福岡高裁那覇支部に提訴した。15日以内に口頭弁論が開かれる。国が勝訴すれば、高裁は知事に承認を命令。知事が応じなければ、国交相が代わりに承認し、防衛省が工事を再開できる。9月4日の最高裁判決で承認の義務を負った知事が対応しなかったことを受け、国交相は19日、知事に承認を勧告した。28日にはより強い「指示」を出した。回答の期限を迎えた10月4日、知事が「承認は困難」と表明したため、提訴に踏み切った。松野博一官房長官は5日の会見で「辺野古移設は、普天間飛行場の危険性を一日も早く除去するための唯一の解決策だ。地元に丁寧な説明を行い、基地負担軽減に向け全力で取り組む」と述べた。知事が訴訟で負けた場合は、最高裁に上告できる。逆転勝訴まで制度上、工事を止めることはできない》。
=====================================================
【https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234160】
[社説]知事 辺野古承認「困難」 全国で議論深める時だ
2023年10月5日 5:01
県民投票で示された民意を尊重し、理不尽な埋め立てを承認しないよう求める県政与党や知事後援会、市民団体。
承認しない場合の業務への影響を懸念し、行政として最高裁判決に従うしかないと知事を説得する県幹部ら。
板挟みにあって悩み抜いた末に、玉城デニー知事が出したのは「期限までの承認は困難」という判断だった。
自民党内の保守強硬派を中心に、玉城県政批判が高まるのは確実だ。ネット上にはここぞとばかりに「沖縄ヘイト」や「知事バッシング」が増えるのではないか。
想定されるさまざまな逆風を考慮した上で、それでも玉城知事は、名護市辺野古で国が進める新基地建設の軟弱地盤改良に必要な設計変更申請の承認を、事実上拒んだのである。
沖縄の「自治と尊厳」を守ろうとした知事の判断を、全国に向けた問題提起と受け止めたい。
■ ■
今後、予想されるのは、大臣が高裁に「命令請求」を提起し、高裁の命令にも従わないとき、大臣が知事に代わって「代執行=設計変更の承認」をするという流れだ。
政府は早ければ5日にも、代執行訴訟を高裁に起こす。
埋め立て対象区域は、新基地建設予定地の大浦湾側約111ヘクタール。海面下に広がる軟弱地盤は深い所で90メートルに達するという。
その場所に約7万本もの砂杭を打ち込む計画だ。サンゴやジュゴンへの影響、環境への負荷など不安材料が多い。
県民投票で示された民意に反し、米軍基地建設のための埋め立て工事が、国の代執行によって行われれば、前代未聞の事態となる。
玉城知事が「対話による解決」を求めてきたにもかかわらず、無視し続け、丁寧な合意形成を怠ってきたつけが回ってきたのだ。
松野博一官房長官は4日の会見で「世界で最も危険といわれる普天間飛行場の危険性を一日も早く除去すること」を強調した。
官僚が書いたと思われるこの言い回しは、これからも頻繁に使われるはずだ。だが、ここにはごまかしがある。
大浦湾側の埋め立ては、事業完了まで少なくとも12年かかるといわれている。工事が難航すれば工期はさらに延び、経費も膨れ上がる。
「世界で最も危険」と自ら認めながら、今後12年余も街のど真ん中にある普天間飛行場を使い続け、なおかつ「一日も早い危険性除去」と言い続けるつもりなのか。
まともな行政のやることではない。
埋め立てが完成すれば土地は国有地になり、米軍や自衛隊に半永久的に使われるのは確実だ。本島北部に日米が共同使用できる飛行場を確保し、演習場や弾薬庫と一体的に運用する-これが日米の最大の狙いである。
■ ■
県が設計変更申請を不承認としたのは、普天間飛行場の危険性の早期除去につながらず、環境面への影響も払拭されていないからだ。「承認要件を満たしていない」と判断したのである。
だが最高裁判決は、この件について何の判断も示していない。主務大臣が裁決したのだから従えと言っているだけである。
法は解釈され執行されることによって効力を発揮するが、その過程で法本来の趣旨から逸脱してしまう事態が生じることがある。
一連の辺野古訴訟で浮かび上がった国による「私人なりすまし」はその典型である。行政不服審査法は「国民の権利利益を救済するため」の法律だ。ところが国(防衛省)は行審法を使って国(国交相)に不服審査を申し立て、国交相がこれを是として県の不承認処分を取り消す裁決を行った。中立性、公平性を疑わせる措置だ。
国と地方自治体の関係はどうあるべきか。安全保障を巡る負担を国民がどのように分かち合うべきか。国は本当に南部の戦跡国定公園内から採掘された土石を埋め立てに使うつもりなのか。
いずれも日本全体が考えなければならない問題であり、玉城知事の今回の対応はこれら重要な課題を浮かび上がらせたというべきだろう。
=====================================================
=====================================================
【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2336040.html】
<社説>設計変更「承認困難」 新基地阻止の道筋残した
公開日時 2023年10月05日 05:00
更新日時 2023年10月04日 22:30
米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設で、玉城デニー知事は軟弱地盤の設計変更に関する斉藤鉄夫国土交通相の承認指示に対して「期限までに承認を行うことは困難」と回答した。承認勧告に対する回答と同じで、事実上の不承認と言える。
県の対応を受け、政府は5日にも福岡高裁那覇支部に代執行訴訟を起こす見込みだ。
設計変更承認勧告と指示への対応に関して、政府が県を相手に工事遅れによる損害賠償を求める訴訟を起こす可能性がある。県庁内では行政として最高裁判断に従うべきだとの意見もあった。
一方、玉城知事は2度の選挙で新基地反対を公約に掲げて当選した。新基地建設に反発する県内世論は根強い。玉城知事が承認に踏み切れば公約違反の批判は免れない。県内外の新基地反対運動は計り知れないダメージを受けるであろう。知事辞職を求める声が上がる可能性もある。
新基地建設問題は重大な局面を迎えている。玉城知事が政府の承認指示に対し、「承認は困難」という判断を下したことは、県が置かれた厳しい環境でのぎりぎりの対応であったと考える。新基地建設に反対し、政府に抵抗する道筋を残したのだ。
設計変更申請を巡る県と政府の対峙(たいじ)は5日以降、代執行訴訟へと局面は移ることになる。辺野古新基地の埋め立て承認を取り消した翁長雄志前知事に対する代執行訴訟などの経験を踏まえ、訴訟に向けた理論構成を急いでほしい。併せて訴訟リスクへの対処も必要だ。
知事判断を支える体制の整備も必要であろう。回答期限を前にした2日、県議会与党会派は玉城知事に対し、承認を避けるよう求めた。裁判に向け、与党としてどう対応するのか議論を進めるべきだ。
今回の設計変更申請を含め、辺野古新基地建設を巡る県と国の対立は、常に県の側に理があることを改めて強調しておきたい。
県民は近年の知事選で新基地拒否を公約に掲げた知事を選んだ。辺野古埋め立ての是非を問う県民投票でも新基地ノーの民意を示した。さまざまな県民大会や集会を通じて平和的に訴えてきた。
民主的な手続きを踏み、沖縄の意思を繰り返し示してきたのである。しかし、政府は新基地建設に固執し、沖縄に背を向け続けたのだ。どちらが民主主義に沿った態度であるかは明白であろう。
メディアを通じて沖縄と政府の対立に接している日本本土の国民に伝えたい。
沖縄は日米安全保障条約による過重な基地負担を背負っている。安保による利益を得ているならば、沖縄県民だけに負担を押しつけるのではなく、本来ならば日本国民全体で負担すべきである。
新基地建設問題も沖縄だけの問題ではなく、日本全体の問題であることを忘れてはならない。
=====================================================
『憲法と社会問題を考えるオピニオンウェブマガジン。/マガジン9』(http://www.magazine9.jp/)の鈴木耕氏によるコラム【風塵だより 鈴木耕/91 「民意」とは何か? 辺野古訴訟判決のヘリクツ。』(http://www.magazine9.jp/article/hu-jin/30236/)。
《一読、腸(はらわた)が煮えくり返った。思わず「ふざけんな!」と吐き捨てた。例えば、その判決要旨には、次のような恐るべき文言がある。翁長知事とともに、沖縄県民が唖然としたのも無理はない。…本件新施設の建設に反対する民意には沿わないとしても、普天間飛行場その他の基地負担の軽減を求める民意に反するとは言えない。…いったい何なんだ、これは!》
『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』
『●県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という
異様な辺野古破壊訴訟…そもそも「違法」を口にする資格は?』
『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…』
『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」』
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、進め」
と武器輸出推進の道に歩みを進めている」』
『●壊憲反対の不断の声を:
「戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます」』
『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ』
計画的なヒラメ裁判官の沖縄支部への配属だった訳です。《沖縄を弄んだというしかない》異常な辺野古破壊訴訟判決、記事に指摘されている様に、重大な誤りを含む「腐臭を放つ「判決」」。当然、沖縄県は上告しました。でも、最高裁も、どうせアベ様には逆らえないでしょうから、「腐臭を放つ「判決」」を踏襲して、きっと、「最低裁」とコールされることでしょう。《司法が死ねば、国の在り方が歪む》、逆もまた同様。《国の方向を正すべき司法に「甦ってほしい」と、ぼくは心の底から思う》、全く同感。
それにしても、三上智恵さんが言うように、「銃剣とブルドーザー」ではなくて、いまや、番犬様のシモベとして「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」が辺野古や高江を破壊しているのですから、このニッポンの社会ときたら。あっ、そうか、アベ様や「沖縄負担軽減担当相」最低の官房長官らは、沖縄はニッポンに含まれない、と考えているんでした…。「沖縄差別」し、「住民分断」し、沖縄を「捨て石」にするアベ様ら。「本土」の皆さんは、自公議員や「癒(着)」党議員に投票して、彼らを支えている訳です、「第二の加害者」として。
==================================================================================
【http://www.magazine9.jp/article/hu-jin/30236/】
2016年9月21日up
風塵だより 鈴木耕
91
「民意」とは何か?
辺野古訴訟判決のヘリクツ。
沖縄県辺野古の米軍新基地建設をめぐる訴訟に、9月16日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が判決を下した。
簡単に言えば「仲井真前知事の名護市辺野古海域の埋め立て承認を取り消した翁長現知事の処分は違法である」ということ。つまり、翁長知事側(沖縄県)の主張を、問答無用と斬り捨てた判決だった。
この「判決文」を入手した。
判決本文だけでA4で189頁に及ぶ。例によって、素人には分かりにくい、句読点が少なくどこが切れ目なのかよく分からない文章である。しかし、判決文には「判決要旨」(同13頁)と「判決骨子」(同2頁)がついている。まあ、こちらにはぼくのような素人でも、なんとか理解できそう。
で、読んでみた。一読、腸(はらわた)が煮えくり返った。思わず「ふざけんな!」と吐き捨てた。
例えば、その判決要旨には、次のような恐るべき文言がある。翁長知事とともに、沖縄県民が唖然としたのも無理はない。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
第2 当裁判所の判断の5の(2)
(略)本件新施設の建設に反対する民意には沿わないとしても、普天間飛行場その他の基地負担の軽減を求める民意に反するとは言えない。(略)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
いったい何なんだ、これは!
「辺野古新基地建設反対の民意」と「基地負担軽減の民意」を、あたかも別々の概念であるように取り上げる汚いトリック、詐術だ。沖縄県民が、選挙等で繰り返し表明してきた「民意」を否定し、新たにわけの分からない「民意」をでっち上げた。
そんなことを、いつ沖縄県民が主張したか。沖縄県民は「基地負担軽減」の一環として「辺野古反対」を訴えているのだ。「もうこれ以上、沖縄に新しい米軍基地は造るな。どうしても必要ならば、せめて県外へ」と言っているだけではないか。このふたつは、決して「対立概念」ではない。「辺野古新基地反対」は「基地負担軽減」に含まれるもの。すなわち、ふたつは一体の概念なのだ。多見谷裁判長は、多分、承知の上だろう。こんなひどいヘリクツを駆使してまで、安倍政権に奉仕しようとする。司法というものへの信頼を、自ら否定する判決である。
その感想は、ぼくだけではなかったようだ。むろん、沖縄県民の怒りは、ぼくら本土の人間の理解を越えた凄まじさだったろうけれど、それでも、ぼくと同じように怒った本土の人たちだっていたのだ。
例えば、TBS「報道特集」(17日)のオープニングで、キャスターの金平茂紀さんはこう言った。
「『これはもはや、裁判の判決というよりも一方的な恫喝というしかない』。
これは、昨日出たいわゆる辺野古裁判の判決に対する地元新聞の
社説です。司法の独立、三権分立が失われれば、今日の特集でお伝えする
北朝鮮のような国になりかねません」
また、テレビ朝日「報道ステーション」では、憲法学者の木村草太さんが判決文について「不愉快な言い方です」と吐き捨てるように言った。
それほど、この判決は異常なのである。
ぼくは「デモクラTV」という市民ネットTV局で「新沖縄通信」という1時間番組を、沖縄タイムスの東京支局編集部長・宮城栄作さんと弁護士の升味佐江子さんの3人で担当している(毎月最終月曜日の午後8時からオンエア。その後はこのネットTV局のアーカイブでいつでも視聴可能:dmcr.tvで検索してください)。
番組では、この裁判について、最初からかなり丁寧にウォッチしてきた。だから、この判決の異常さがよく分かるのだ。
実は、判決を書いた多見谷裁判長は、この裁判に先立ついわゆる「代執行訴訟」で、県と国に対して和解勧告をした時の裁判長でもあった。
その内容は、おおよそ次の3項目だった。
●国交相は代執行訴訟を取り下げ、沖縄防衛局長は埋め立て工事を
ただちに中止する。同時に、沖縄県知事は関連訴訟を取り下げる。
●国と県は、円満解決に向け協議を行う。
●仮に訴訟となった場合、判決後は、国と沖縄県は判決内容に沿った
手続きを実行することを確約する。
今年の3月4日に、この和解勧告を国と沖縄県双方が受け入れ、この日、中谷防衛相(当時)は辺野古での工事の中止を表明した。安倍首相も同日「裁判所の勧告を受け入れて沖縄県と和解する。辺野古への移設が唯一の選択肢であるという国の考え方はいささかも変わらないが、このままでは膠着状態が続くだけだ。しっかりと国と沖縄県で協議していく」と表明。
ここで、辺野古工事は一応の中止措置がとられたのだ。
この勧告案について、沖縄県側は「県の主張が一定程度、受け入れられたものと思う。時間をかけて国と話し合っていきたい」と評価した。しかし、工事中止については、「参議院選前の、民意尊重のパフォーマンスに過ぎない。安倍政権は選挙後に折を見て、また強硬手段に出てくるだろう」との見方も強かった。
残念ながら、その見方のほうが正解だったようだ。
安倍政権は、7月10日に投開票が行われた参院選での勝利を背景に、翌11日早朝から、沖縄県東村高江での米軍ヘリパッド工事を突如、まるで騙し討ちのように強行開始。
そして、同じ7月22日には、国が福岡高裁那覇支部に「翁長知事の『仲井真前知事の辺野古海域の埋め立て承認取り消し』は違法であること」の確認訴訟を、これも突然提起したのだ。
3月4日の那覇地裁による和解勧告を、国も沖縄県も受け入れた。そこには「円満解決に向けて協議を行う」と書かれていたはずだった。ところが「協議」はほとんど開かれることもなく、国は沖縄県(翁長知事)を訴えるという挙に出たのだ。
これでは、せっかく和解案を出した多見谷裁判長の顔が丸潰れで、怒っているだろう…と思いきや、その後の訴訟指揮は、なんだか首をかしげざるを得ないようなものだった。沖縄県側の証人申請を片っ端から却下。うーん、これは怪しいと、沖縄県側も警戒し始めた。
そして、今回のなんとも言いようのない判決が、出た…。
選挙が終わってしまえば、もう沖縄に遠慮する必要はないということ。まさに、参院選を有利に戦うために、沖縄を弄んだというしかない。
この少し前に、県は「国地方係争処理委員会」に裁定を訴えていた。この委員会は、1999年の地方自治法改正で新たに設置されたもので、国と地方自治体の立場を対等と認め、その上で両者の主張に食い違いがある場合には、委員会が独立した立場で裁定を下す、というもの。
係争処理委員会の裁定は、残念ながら「門前払い」だった。要するに、ここも「国と沖縄県はよく話し合うように…」と言うだけだった。
その上で、今回の那覇支部の判決があったわけだ。
こんな判決がまかり通るなら、国は地方の言い分を無視して何をやってもいいことになる。「地方自治」「地方分権」が聞いて呆れる。
この判決に関しては、とても分かりやすい解説が、沖縄タイムス(9月18日付)に載っていた。武田真一郎成蹊大学法科大学院教授の意見である。
余談だが、武田教授が、あの安倍晋三氏の母校の先生であることがなんとも皮肉だ(笑)。以下、抜粋引用する。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
自治侵害 自覚欠く裁判所
審理対象に重大な誤り
(略)地方の自己決定を最も重要な目的とする現行地方自治法の下でそのような結果となったのは、本判決には次のような重大な誤りがあるからである。
本判決は、仲井真弘多前知事のした埋立承認は違法ではないから翁長知事のした埋立承認取消は違法であるとしている。しかし、埋立承認と承認取消は別個の処分であり、国交大臣のした是正の指示の対象は承認取消であるから、本件の審理の対象は承認取消の違法性である。
本判決は前知事の埋立承認を審理の対象としたため、前知事の承認に裁量権の逸脱・濫用がない限りは適法であるとして、著しく国に有利な結果になっている。
埋立承認取消が審理の対象であれば、翁長知事が検証委員会の報告書に基づいてした承認取消に裁量権の逸脱・濫用がない限りは適法であることになり、国の勝訴はかなり困難となる。この点は上告審で適切な判断がなされることになろう。
もう一つの本判決の重大な誤りは、米軍普天間飛行場の危険性除去のためには辺野古新基地建設以外に方法はないと断定したことである。裁判所はいかなる証拠によってそのような認定に至ったというのだろう。沖縄県民は、そのような決め付けによって過剰な基地負担を強要されていることに痛みを感じているのである。(略)
地方自治は基本的人権と同様に憲法が保証する価値であり、立憲主義をとる日本では多数決によってもこれらの価値を侵害することは許されない。それをチェックするのが司法の役割であるが、本判決を見る限り裁判所はその自覚を欠いているのではないだろうか。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
武田教授が指摘しているように、多見谷裁判長は、意図的かどうかは分からないが、取り上げるべき対象を明らかに間違えている。本来なら「翁長知事が行った仲井真前知事の埋立承認の取り消しの是非」が審理対象のはずなのに、その対象を「仲井真前知事の埋立承認の是非」にすり替えてしまった、というわけだ。このふたつは似て非なるもの。どうも、その混同は故意のようにしか思えない。裏で何があったのか?
そして問題なのは、ふたつ目の指摘だ。
ぼくも判決要旨を読んで翁長知事と同じように唖然としたのだが、いったいどんな根拠があって「辺野古以外にない」と断定したのか。それは、ほとんど多見谷裁判長個人の思い込みでしかない。辺野古新基地建設に関しては、実にさまざまな意見がある。そのうちの「辺野古以外にはない」との国の主張だけを取り上げて、他の意見を考慮しなかったのは、まさに「結論ありき」の判決だと思わざるを得ない。
これほど、あからさまに国の主張にベッタリと跪いた判決は、司法そのものの死を意味する。三権分立はどこ行ったか。違憲立法審査権など期待するのもバカらしい。
司法が死ねば、国の在り方が歪む。いまや、司法が率先して国の歪みにお墨付きを与え始めている。原発訴訟などで、危険性を指摘する判決を下すような裁判官もいるけれど、それはやはりごく一部。
国の方向を正すべき司法に「甦ってほしい」と、ぼくは心の底から思う。
==================================================================================
nikkan-gendaiの記事【「辺野古」司法判断で県敗訴も 翁長知事に“逆転シナリオ”】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190137)。
『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の野尻民夫氏による【辺野古トンデモ判決の裏に裁判所の露骨人事! リベラルな裁判官を異動させ行政べったりの裁判官を抜擢】(http://lite-ra.com/2016/09/post-2567.html)。
《ヒラメ裁判官が国の主張を代弁するような判決だった…多くの沖縄県民がア然としたと思います》。
《安倍(国)VS翁長(沖縄県)の法廷闘争は、アッサリ安倍に軍配が上がったのだ。しかも、その判決文は、翁長知事が「あぜん」という言葉を繰り返すほど、国側に媚びた内容》。
『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…』
上にしか目がいかないヒラメだった訳です。オマケに《野球の審判がいきなり相手チームに入るようなもの》…という異常さ。酷い裁判、酷い判決。
《鶴保沖縄担当相…判決前に「注文はたったひとつ、早く片付けて欲しいということに尽きる」と言い放った》…如何にこの裁判がアベ様寄りで、デキレース、猿芝居だったかが分かろうというもの。
まぁ、「最低裁」もオウム返しでしょう、きっと…。
琉球新報のコラム【<金口木舌>国家権力によるDV】(http://ryukyushimpo.jp/column/entry-359221.html)によると、《「DV(ドメスティックバイオレンス)」…DVの本質は「力と支配」…▼16日の違法確認訴訟の判決や、米軍北部訓練場のヘリパッド建設問題を考えると、いずれも国家によるDVだと改めて思う。話し合う気があるかのような優しさを見せつつ、権力で基地を押し付け、安全保障の面で沖縄への依存を強める ▼DVも基地問題も「人権が守られていない」という点で共通する。パートナー同士、国と地方も互いに「対等」な関係を築くことから始める必要がある》…とありますが、おそらく、アベ様らは沖縄を「ドメスティック」とは思っていないようです…。
沖縄タイムスの【社説[辺野古判決と自治権]対等の精神ないがしろ】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/62646)では、《判決では「国が説明する国防・外交の必要性について、具体的に不合理な点がない限り、県は尊重すべきだ」と言い切っている。国が辺野古に新基地を建設するといえば、県はその考えに従え、と言っているのに等しい》…とあります。地方自治なんていう言葉はヒラメ裁判長の脳裏に浮かぶことも無く、沖縄の皆さんの民意も一切無視。
辺野古破壊への《県側の徹底抗戦はこれからだ…翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり》。何としても、高江や辺野古の破壊をストップしないと。
サンデーモーニング(2016年9月18日)のトップニュースで「辺野古破壊訴訟」が取り上げられていた。
==================================================================================
■サンデーモーニングのトップニュース《辺野古破壊訴訟》について 翁長雄志知事記者会見「これまで地方自治とか民主主義とかを守ろうという話をさせて頂いたが、三権分立という意味でもこれは相当な禍根を残すものではないか」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd3baaefb3d7b23e0eff7628e6e794af)
■サンデーモーニングのトップニュース《辺野古破壊訴訟》について 県民の声「沖縄の人たちを、頭から差別して、民意もまるで無視して…」、「判決を聞いていたら、日本全国の掃きだめのような印象…」。
■サンデーモーニングのトップニュース《辺野古破壊訴訟》について 翁長雄志知事記者会見「「辺野古が唯一」との国の主張を追認するかのような内容となっており、地方自治制度を軽視し、沖縄県民の気持ちを踏みにじる、あまりにも国に偏った判断となっている」
■サンデーモーニングのトップ《辺野古破壊訴訟》について 一昨年以降、2014年1月名護市長選、11月県知事選、12月衆院選、2016年6月県議選、7月参院選…「「辺野古反対」の民意が示し続けられている…それが無視されている」
■サンデーモーニングのトップ《辺野古破壊訴訟》について 判決のポイント③「普天間飛行場の危険除去には辺野古移設以外になく、それによって県全体の基地負担は軽減される」。「辺野古が唯一」!、「基地負担軽減」!、はぁ? 二重の意味で酷い
■サンデーモーニングのトップ《辺野古破壊訴訟》 判決のポイント④「国防・外交の事項では、国の判断を県が尊重すべき」! アベ様や「沖縄負担軽減担当相」最低の官房長官がお考え下さっているのだから、四の五の言わず、従え!…酷い判決
■サンデーモーニングのトップ《辺野古破壊訴訟》 浅井愼平さん「裁判で最初から客観を欠いている。答えが用意されていて、その答えに向かって裁判が行われた。公平であるべき裁判が…国は上にあり、沖縄は下にある、という構図が裁判に反映」
■サンデーモーニングのトップ《辺野古破壊訴訟》 谷口真由美さん「国の追認だけならば、司法なんて要らない…三権分立が機能していないわけで、如何に司法が立法や行政に対してチェックできるかが機能不全。…この道しかない、という暴力構造」
■サンデーモーニング《辺野古破壊訴訟》 岸井成格さん「愕然。司法の判断というより保守派の判断そのまま。…工事の再開や移設を強行して良い訳ではない。真摯に話し合いを続ける…最高裁もある。強行だけは止めてもらいたい」。でも「最低裁」?
==================================================================================
==================================================================================
(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190137)
「辺野古」司法判断で県敗訴も 翁長知事に“逆転シナリオ”
2016年9月17日
(判決後、怒りをにじませた翁長知事(C)日刊ゲンダイ)
ヒラメ裁判官が国の主張を代弁するような判決だった。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事が処分を撤回しないのは違法だとして、国が沖縄県を訴えた裁判。16日、福岡高裁那覇支部が出した判決は「翁長知事の対応は違法」というものだった。
辺野古移設をめぐる国と県との対立で、司法判断が出たのは初めて。だからこそ、福岡高裁の判決に注目が集まっていたのだが、多見谷寿郎裁判長は「普天間飛行場の被害を除去するには埋め立てを行うしかない」「沖縄の米海兵隊を移転できないという国の判断は合理性がある」と言い切った。
琉球新報編集局次長の松永勝利氏が言う。
「高度な政治判断を伴う裁判では、問題を曖昧にしようとする裁判官が多い。
ところが、多見谷裁判長は県外移設を訴えた沖縄県側の主張を
退けただけでなく、政府の主張をそのまま代弁しました。随分踏み込んだな
という印象です。多くの沖縄県民がア然としたと思います」
県側は判決を不服として上告する方針を決めた。最高裁判決は早くても年明け以降になる見込みで、国はそれまで中止している工事を再開できない。
■放たれる二の矢、三の矢
県側の徹底抗戦はこれからだ。16日の会見で「長い闘いになろうかと思う」と怒りをにじませた翁長知事は、二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもりだ。
「翁長知事は最高裁で敗訴が確定した場合は『判決に従う』
としていますが、一方で『あらゆる方策で移設を阻止する』と
次の対抗策を示唆しています。その一つが埋め立て承認の
“撤回”です。今、国と争っているのは仲井真弘多前知事が決めた
過去の承認の“取り消し”ですが、以前と状況が変わったとして、
改めて“撤回”を要求することができます。他にも、翁長知事には
国が設計変更の申請を出してきた際に不承認とし、埋め立て工事を
停止させる権限もあります。昨年、県議会で成立した
『県外土砂規制条例』も大きな武器です。外来生物の侵入防止を
目的としてできた条例ですが、大量の土砂を必要とする
辺野古移設工事には逆風です」(松永勝利氏)
そうこうしている間に、米軍撤退をチラつかせるトランプ大統領が誕生しないとも限らない。風向きがガラリと変わる可能性もある。
それにしてもふざけているのが、16日、スピード違反で略式起訴された鶴保沖縄担当相だ。判決前に「注文はたったひとつ、早く片付けて欲しいということに尽きる」と言い放った。沖縄に寄り添う気持ちゼロのスピード狂大臣なんていらない。
==================================================================================
==================================================================================
【http://lite-ra.com/2016/09/post-2567.html】
辺野古トンデモ判決の裏に裁判所の露骨人事! リベラルな裁判官を異動させ行政べったりの裁判官を抜擢
沖縄 野尻民夫 2016.09.17
(左・安倍晋三公式サイトより/右・オナガ雄志公式サイトより)
沖縄・辺野古の米軍新基地建設をめぐって、安倍政権が沖縄県の翁長雄志知事を訴えていた訴訟で、16日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は国側の主張を全面的に認め、翁長知事が辺野古埋め立ての承認取り消しの撤回に応じないのは違法だという判決を言い渡した。安倍(国)VS翁長(沖縄県)の法廷闘争は、アッサリ安倍に軍配が上がったのだ。しかも、その判決文は、翁長知事が「あぜん」という言葉を繰り返すほど、国側に媚びた内容だった。
そもそもこの訴訟は、仲井真弘多前知事時代に認めた「埋め立て承認」を県が自ら否定し、取り消すことが認められるかどうかといった法的手続き論が争点だった。
ところが、判決は「(北朝鮮の中距離ミサイル)ノドンの射程内となるのは、我が国では沖縄などごく一部」「海兵隊の航空基地を沖縄本島から移設すれば機動力、即応力が失われる」「県外に移転できないという国に判断は現在の世界、地域情勢から合理性があり、尊重すべきだ」などと新基地建設の妥当性にまで踏み込み、翁長知事が埋め立て承認を取り消したことについては「日米間の信頼関係を破壊するもの」とまで言い切った。また、翁長知事が頼りにする「民意」についても、「(辺野古基地建設に)反対する民意に沿わないとしても、基地負担軽減を求める民意に反するとは言えない」「普天間飛行場の被害を除去するには新施設を建設する以外にない」と、国の代弁者と見紛うほどの書きっぷりだ。
明らかに偏向した判決と言えるが、法曹関係者の間では「さもありなん」との声がしきりだ。というのも、この判決を出した多見谷寿郎裁判長は、“行政訴訟では体制寄りの判決を下す”ともっぱら評判だったからだ。それをいち早く指摘したのが、作家の黒木亮氏だ。昨年12月25日付のプレジデントオンラインに〈辺野古代執行訴訟「国が勝つことが決まっている」と題する寄稿をしている(外部リンク)。
それによると、多見谷氏は〈平成22年4月から同26年3月まで千葉地裁の裁判長を務め、行政(およびそれに準ずる組織)が当事者となった裁判を数多く手がけているが、新聞で報じられた判決を見る限り、9割がた行政を勝たせている〉というのである。しかも、この多見谷氏の着任人事が極めて異常だった。〈代執行訴訟が提起されるわずか18日前に、東京地裁立川支部の部総括判事(裁判長)から慌ただしく福岡高裁那覇支部長に異動している。この転勤が普通と違うのは、多見谷氏の立川支部の部総括判事の在任期間が1年2カ月と妙に短いことだ。裁判官の異動は通常3年ごとである。(中略)また、前任の須田啓之氏(修習34期)もわずか1年で那覇支部長を終えて宮崎地家裁の所長に転じており、これも妙に短い〉。
司法記者もこの指摘に同意し、こう解説する。
「前任の須田氏は『薬害C型肝炎九州訴訟』で国と製薬会社の責任を
厳しく指弾して賠償を命じるなど、リベラルな判決を出した“過去”があるので、
外されたと見るべきでしょう。そこへいくと多見谷氏は“アンチ住民”の態度が
鮮明です。有名なのは2013年の成田空港訴訟で、成田空港用地内の
農家の住民に空港会社が土地と建物の明け渡しを求めた裁判でしたが、
住民側に明け渡しを命じる判決を出した。住民は『国は農家をやめて、
死ねと言うのか』と訴えたが、裁判長は聞く耳を持たず、住民側の
証人申請はほとんど却下されました。他にも行政訴訟では、建設工事を
進める残土処理場を巡った千葉県の許可取り消しを住民が求めた裁判で
訴えを棄却したりしています」
今回の辺野古裁判でも、多見谷裁判長は露骨に国寄りの訴訟指揮を執った。翁長知事の本人尋問こそ認めたものの、稲嶺進名護市長ら8人の証人申請は却下したうえ、しかも、国側が早期結審を求めたのに応え、わずか2回の弁論で結審する“スピード審理”でもあった。判決にある「(新基地に)反対する民意に沿わないとしても、基地負担軽減を求める民意に反するとは言えない」などというのも、国を勝たせるための詭弁としか言いようのない理屈である。
県側は判決に納得せず、すぐに上告を決めた。翁長知事も会見で、「地方自治制度を軽視し、沖縄県民の気持ちを踏みにじるあまりにも国に偏った判断。裁判所が政府の追認機関であることが明らかになり、大変失望している。三権分立という意味でも相当な禍根を残す」と怒りを隠さなかった。当然だろう。
沖縄は太平洋戦争末期に日本本土防衛のため、住民の5人に1人が死ぬという夥しい犠牲を負った。戦後、1972年に返還されるまで長らくアメリカの支配下に置かれた。いまある基地のいくつかはこの間に、基地反対運動が激しくなった本土から押し付けられたものだ。海兵隊基地もこの時、本土から移設された。沖縄に米軍基地が集中しているのは必然ではない。
その米軍基地をめぐって県と国が法廷で争うのは、1995年に当時の大田昌秀知事が米軍用地の強制使用に必要な代理署名を拒否して以来20年ぶりだ。この時も最高裁まで争われ、県側が敗訴した。だが、判事15人のうち6人は、アメリカ軍基地が集中する沖縄の負担の大きさを認め、軽減するためには政府の対応が必要だと指摘している。多見谷裁判長による今回の判決は、沖縄に米軍基地があることを疑わない、20年前よりも後退した「差別的判決」と言わざるをえない。
翁長知事は会見の最後を「長い長い闘いになろうかと思う。新辺野古基地は絶対に造らせないという信念を持って、これからも頑張っていきたい」と締めくくった。だが、判決の当日、中央政界では、沖縄・北方相の鶴保庸介氏が訴訟について、「注文はたったひとつ、早く片付けてほしいということに尽きる」などと発言し、県民の感情を逆撫でした。一方、頼みの野党第一党も、民進党内極右を幹事長に据え「辺野古は堅持」「私はバリバリの保守」などと明言する人物が新代表に選ばれるようでは、お先真っ暗と言わざるをえない。
(野尻民夫)
==================================================================================
沖縄タイムスの【社説[「辺野古訴訟」結審]異様な裁判 浮き彫りに】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/58336)。
《2回の口頭弁論で見えてきたのは裁判の異様さである。…審理中の訴訟について、県が敗訴することを前提に最高裁における確定判決に従うかどうかを質問するのは裁判所の矩(のり)を超えている。多見谷裁判長と国側代理人の示し合わせたような尋問をみると、3月に成立した国と県の和解は、国への助け舟で仕組まれたものだったのではないかとの疑念が拭えない》。
県の敗訴を前提にするアベ様や「沖縄負担軽減担当相」最低の官房長官、石井啓一国土交通相、そして裁判長自身という異様な状況を呈している辺野古破壊訴訟。憲法さえ違憲に破壊するアベ様らに、そもそも「違法」を口にする資格はあるのか?
《国と県の和解は、国への助け舟で仕組まれたものだったのではないかとの疑念が拭えない》…やはりヒラメ裁判官だったのか?
『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』
《安倍政権が露骨な人事 沖縄「代執行」訴訟に“体制寄り”裁判官》
《とはいえ、判決は住民寄りではない。成田空港用地内の農家男性に
空港会社が土地の明け渡しを求めていた2013年の
成田空港訴訟では男性に明け渡しを命じる判決を言い渡しています。
11年に浦安市民が政務調査費の使われ方が不当として、
市長と議員に返還を求めた訴訟では原告の請求を棄却している。
体制寄りの判決を下す、ともっぱらの裁判官です》
《そんな“ヒラメ裁判官”が、寄りによってこのタイミングで那覇支部長に就いた
のだ。県民じゃなくても「怪しい人事」に見えてしまう。なにしろ、安倍政権は
憲法違反を正当化するために法の番人、内閣法制局長官のクビを
すげ替えるぐらいだ。菅官房長官は「司法の判断を仰ぐことにした」
なんて言っているが、本音は「多見谷裁判官よ、分かっているな」という
プレッシャーがありありではないか》
『●「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」:
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら』
『●自公支持者の皆さんへ、宮崎駿監督
「辺野古の海は残しておいた方が絶対沖縄の人のためになる」』
『●アベ様による辺野古破壊の「中止」「中断」は「断念」に非ず』
==================================================================================
【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/58336】
社説[「辺野古訴訟」結審]異様な裁判 浮き彫りに
2016年8月20日 09:00
名護市辺野古の新基地建設を巡る違法確認訴訟が結審した。判決は9月16日。新基地建設問題で国と県の対立に初の司法判断が下される。
埋め立て承認取り消し処分を取り下げないのは違法として、石井啓一国土交通相が7月に翁長雄志知事を相手に起こした訴訟である。
第2回口頭弁論が福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で開かれ、翁長知事に対する県側の主尋問と国側の反対尋問が行われた。
2回の口頭弁論で見えてきたのは裁判の異様さである。
この日も国側代理人は翁長知事に「最高裁の判断で違法だと確定した場合に是正するのは当然だという理解でいいか」と繰り返し尋ねた。多見谷裁判長も「県が負けて最高裁で確定したら取り消し処分を取り消すか」とただした。
審理中の訴訟について、県が敗訴することを前提に最高裁における確定判決に従うかどうかを質問するのは裁判所の矩(のり)を超えている。
多見谷裁判長と国側代理人の示し合わせたような尋問をみると、3月に成立した国と県の和解は、国への助け舟で仕組まれたものだったのではないかとの疑念が拭えない。
多見谷裁判長は昨年10月30日付で福岡高裁那覇支部に異動している。国が代執行訴訟に向けて動き始めていた時期と重なっていたため、さまざまな臆測を呼んだ。
同裁判長と国側代理人を務める定塚誠・法務省訟務局長は成田空港に隣接する農地の明け渡しを求めた「成田訴訟」で、それぞれ千葉地裁、東京高裁の裁判官を務めていたことがある。定塚氏は和解条項の案文や和解受け入れにも深く関わっている。
■ ■
多見谷裁判長は今年1月、国と県に出した和解勧告文で「現在は、沖縄対日本政府という対立の構図になっている」と双方に反省を求めた。
1999年の地方自治法改正に言及し、「国と地方公共団体は独立の行政主体として役割を分担し、対等・協力の関係となることが期待されたものである」として「改正の精神にも反する状況になっている」と指摘していた。
米軍基地建設を巡り、国と県が激しくぶつかり合う前例のない訴訟である。だからこそ多見谷裁判長も国地方係争処理委員会(総務省の第三者機関)も話し合いによる解決を促したはずである。
和解条項では確かに訴訟と協議の2本立てになっているが、政府は「辺野古が唯一」との姿勢を変えることはなく、訴訟だけが一方的に進んでいるのが現状だ。
■ ■
違法確認訴訟が国と県の初めての訴訟であることからもわかるように、そもそもこうした事態に陥ることを地方自治法は想定していなかった。
福岡高裁那覇支部が「円満解決に向けた協議」、係争委が「真摯(しんし)な協議」を促したのはそのためではなかったか。
翁長知事は協議が先行するとの見通しを持っていたことを法廷で明らかにしたが、政府は県との協議に真摯に応じていない。県の方が筋が通っている。福岡高裁那覇支部には地方自治法の精神にのっとった判決を望みたい。
==================================================================================
『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の伊勢崎馨氏による記事【安倍政権による沖縄いじめが異常! 150人の村に500人の機動隊を投入、辺野古提訴…「やると言ったらやる」と民意無視】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2439.html)。
《新たなヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の建設工事を再開、全国から投入された約500人の機動隊が抗議をする市民たちを力任せに次々と排除した。しかも、そのやり方は暴力的なものだった。反対する市民ひとりに何人もの機動隊員がよってたかって身体を拘束し、さらには県道も規制することで反対する市民がトイレに行くことも封じようとしたのだ》。
「美しい国」「県民に寄り添う」の実情はこんなもの。アベ様や「沖縄負担軽減担当相」を兼務する最低の官房長官ら『卑怯なコウモリ』と「似た類い」による、これまでの沖縄の民意に対する「明らかな脅し、報復」。2016年7月参院選直後の高江や辺野古破壊の再開、「小中学校のエアコン補助費を廃止」、市民に対する暴力…やることなすこと酷い。「美しい国」ニッポンには民主主義なんて存在しない。
『●究極の差別…「県民の安全を守るために
派遣されたはずの職員が基地建設に抗議する住民を鎮圧」!』
『●2016年7月参院選、「あとの祭」…「本土」マスコミは
「沖縄・地域住民弾圧隊」「照明弾誤射」を報じず』
『●こんな理不尽なことが許されるのか!
アベ様らは辺野古や高江で一体何をやっているのか?』
『●辺野古破壊・高江破壊…アベ様は
「話し合いで問題解決の道を探る心積もりなど、最初からなかった」』
『●辺野古破壊・高江破壊…
ニッポンでアベ様のやっていること、どこら辺が「美しい国」なのか?』
『●「住民分断」「差別」「イジメ」: アベ様や
「沖縄負担軽減担当相」が沖縄でやっていることは「あざとい」』
『●イソップ寓話『卑怯なコウモリ』と「似た類い」:
「県民に寄り添う」と言いつつ、辺野古・高江破壊』
『●自衛隊配備で「住民分断」:
「自衛隊の配備計画…いずれの島でも人々は分断されている」』
==================================================================================
【http://lite-ra.com/2016/07/post-2439.html】
安倍政権による沖縄いじめが異常! 150人の村に500人の機動隊を投入、辺野古提訴…「やると言ったらやる」と民意無視
伊勢崎馨 沖縄 2016.07.23
(上・自由民主党ホームページより/
下・島尻安伊子オフィシャルサイトより)
それはあまりにもむごすぎる光景だった。昨日、沖縄防衛局は沖縄県東村高江の米軍北部訓練場に新たなヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の建設工事を再開、全国から投入された約500人の機動隊が抗議をする市民たちを力任せに次々と排除した。
しかも、そのやり方は暴力的なものだった。反対する市民ひとりに何人もの機動隊員がよってたかって身体を拘束し、さらには県道も規制することで反対する市民がトイレに行くことも封じようとしたのだ。
このように約150人しかいない高江に大量の機動隊を配備するという異常さもさることながら、国は同時に、もうひとつの暴挙に出た。沖縄県に対し、辺野古埋め立ての承認取り消しを求める国の是正指示に従わないことが違法として新たな訴訟を起こしたのだ。
国と沖縄県は今年3月4日に、国が翁長雄志沖縄県知事を相手に訴えていた代執行訴訟で和解が成立し、双方が訴訟を取り下げ「円満解決に向けた協議」を続けてきたはずだった。安倍首相も「埋め立て工事を中止する」と明言し、国と県がそれぞれ行政手続きなどを取り下げて、代執行以外の手順を進めるとしていた。さらに6月には県が政府を提訴する予定だったが、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」がさらなる「協議」を促したため県は提訴を見送っていた。
協議がスタートしようとしたこの時期に一転、政府による強行とも思える再提訴。──これは、これまでの「協議での解決」を前提にした和解を踏みにじるものである。
もちろん、こうした安倍政権の強権的な姿勢は、あきらかな“報復”だ。ご存じの通り、7月10日の参院選では安倍首相が沖縄担当相に抜擢した現役閣僚である島尻安伊子氏が落選し、反基地の新人・伊波洋一氏が初当選。沖縄では14年の知事選以降、今年6月の県議会選挙、そして今回の参院選と3度続けて反自民、反基地勢力という民意を示してきた。
だが、こうした沖縄県の民意に対し、安倍政権はさまざまな嫌がらせを行ってきたが、とくに今回の参院選後は苛烈を極めている。現に、政府は参院選翌日から高江のヘリパッド建設工事に向けて機材搬入を開始。あまりに露骨すぎる態度だが、このヘリパッドではたんなるヘリコプター着陸帯ではない。すでに完成している2カ所のヘリパッドには、危険性が指摘されている新型輸送機オスプレイによる訓練が行われており、地元では昼夜を問わずに低空飛行を繰り返している。
想像してみてほしい。自分の住む家のすぐそばにそんな危険機種のヘリパッドがつくられ、夜中でさえ構わず爆音を立てて上空を飛び回る様子を。本来は自然ゆたかで静かな村が、このままでは壊されてしまう──そうした不安と怒りから、地元住民は精一杯の抵抗をしているだけなのだ。それを政府は力にものを言わせるように、参院選が終わったそばから強硬手段に出た。
しかも、そこに地元の意見を聴こうという姿勢はない。21日には沖縄県議会の定例最終本会議で、ヘリパッド建設中止を求める意見書を賛成多数で可決したばかりだったが、これを政府は無視。昨年11月の辺野古新基地建設の抗議運動が行われているキャンプ・シュワブのゲート前に100人規模の機動隊を投入したのに比べて、その5倍の数にあたる機動隊を投入したのだ。14年には特定危険指定暴力団工藤会の壊滅作戦で機動隊約530人が派遣されており、今回の人数は、基地やヘリパッドに反対する一般市民をまるで指定暴力団の抗争並みの警備と同一視しているという指摘もある。事実、地元紙である琉球新報の報道によれば、政府関係者は「国は物量で圧倒している。やると言ったらやる」と話しているという。これはあからさまな参院選で示された沖縄の意志に対しての脅し、報復だ。
政府はこうした一連の動きに対し「予定通り」と主張しているが、それを信じるわけにはいかない。そもそもこの間、沖縄担当相だった島尻氏へのこれ以上の逆風を恐れ、参院選まではこうした動きを一時封印してきた。しかし、それはたんなる選挙対策であり、島尻氏の落選により衆参すべてで自民党が議席を失ったことで、基地関連の建設を一気に強行させようとしているのだ。
しかも、落選早々、島尻氏は大臣辞任を否定し続投を表明したが、これも8月3日に予定される内閣改造までは留任させるという安倍政権、官邸の意向だった。
これほど沖縄県を、そして県民の民意を陵辱した政権はこれまでにもなかったはずだ。まさになりふり構わず、そして独裁的に進められていく沖縄イジメの、これが実態だ。
安倍首相はこれまでも、自分の意に沿ない沖縄に対して、民主主義国家のやり方とは思えない嫌がらせを数々行ってきた。とくに基地反対を訴えて当選した翁長知事就任後は、再三再四の面会要請を拒否するだけでなく、約3800億円と見積もられていた沖縄振興予算を3340億円へと大幅減額。仲井眞弘多前知事時代は要望を上回る予算を付けてきたが、その態度を一転させた。
なかでも卑劣なのが、今年4月には県内の幼稚園、小中学校のエアコン補助費を廃止する方針を決定したことだ。しかも県内の施設に設置されたエアコンは単に暑さ対策のものではない。基地周辺や軍用機の飛行ルートにある学校の騒音対策として設置されているものだ。
琉球新報の社説(5月14日付)には、〈補助のない他の公立校と不公平だというが、米軍機が飛ぶことこそ不公平だ。補助を廃止するなら全米軍機の沖縄上空飛行を停止すべきだ〉とあるが、まさにその通りだろう。安倍首相にとって沖縄の民意や子どもたちのことなどどうでもよく、頭にあるのはアメリカへの忠誠心だけだ。
これは決して沖縄だけの問題ではない。沖縄が選挙という民主的なかたちで示した民意は、こうしてわたしたちの目の前で踏みにじられているではないか。市民の声に聞く耳ももたず、力によって排除する。そうした安倍政権の沖縄軽視は、日本国民全体の軽視、民主主義の軽視だということを忘れてはならない。
(伊勢崎馨)
==================================================================================
毎日新聞の記事【辺野古移設 陸上工事再開へ…政府、司法判断待たず】(http://mainichi.jp/articles/20160722/k00/00m/010/074000c)。
琉球新報の記事【ヘリパッド建設工事に着手 沖縄防衛局が発表 機動隊員が市民の排除始める】(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-320997.html)。
朝から、腹が立ってしょうがない。アベ様らは、2016年7月参院選が終わったとたんに、このような「沖縄差別」「住民分断」、そして、「沖縄イジメ」。ヒトとしてやることか!? 50%の「眠り猫」の皆さんや、与党・「癒(着)」党に投票した皆さん、この「あとの祭り」状態を見ても何も感じないのか?
《中谷元(げん)防衛相は陸上部分の移設工事について「早々に着手する」と記者団に述べ、埋め立て承認に関する司法判断を待たずに陸上工事を先行して再開する意向を表明》。
《N1地区ゲート前に市民らが止めている車両の撤去作業も6時42分に始まった。市民らが同ゲートを中心に南北で座り込みと車両の駐車によって県道70号を封鎖していた。午前5時半ごろ、北側から機動隊員ら数十人が車両から降りてゲート前に進入している。座り込み現場では市民らと機動隊員がもみ合った》。
『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督
・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』』
『●2016年7月参院選、「あとの祭」の要因の大きな一つは片棒担ぎのマスコミにあり』
『●究極の差別…「県民の安全を守るために
派遣されたはずの職員が基地建設に抗議する住民を鎮圧」!』
『●2016年7月参院選、「あとの祭」…「本土」マスコミは
「沖縄・地域住民弾圧隊」「照明弾誤射」を報じず』
こんなこと許されるのか!?
番犬様に忠誠を尽くすアベ様や最低の官房長官殿らが高江や辺野古でやっていることは無茶苦茶だ。ニッポンには「正義」はないのか?
アベ様は番犬様への生贄として、沖縄の人々の暮らしを差し出している。
沖縄タイムスの【社説[緊迫高江]「暮らしと自然」こそ宝】(http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=179332)には、《参院選が終わったとたん、手のひらを返したように強硬姿勢に転じるのは、話し合いで解決するという政治本来の役割と責任を放棄したのに等しい。憂慮すべき事態だ》。
『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』
『●アベ様による辺野古破壊の「中止」「中断」は「断念」に非ず』
『●「辺野古移設が唯一の選択肢」を繰り返し言及する傲慢さ…
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様』
司法に「正義」が期待できればいいのだけれど…正直言って、絶望的。東京新聞の記事【政府、沖縄知事を再提訴 辺野古移設、違法確認求め】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016072201000735.html)によると、《国が地方自治体を相手に違法確認訴訟を起こすのは初めて…。政府は司法判断による決着を経て本格的な移設作業を早期に再開したい考え。一方、知事側は県民の反対意見を踏まえ、徹底抗戦する構えだ》。
相も変らぬ最低の官房長官の粛々な物言いに、呆れかえる。高江の皆さんから無理矢理土地を暴力で奪い取っておいて、「沖縄の負担軽減」? 一体どんな頭の回路してるんだろうか? 「本土」のマスコミの記者は、なぜ激しくツッこまないのか? それでもジャーナリストか? 単なる広報官?
以下のツイートで知りました。是非、YouTube映像を見てほしい、今直ぐに!
================
石原岳 @Takeshi319 7月11日
あらためて。2007年から沖縄県東村高江で起こっていることの
ドキュメンタリー『標的の村』テレビ放映バージョン46分。ぜひ観てください。
https://www.youtube.com/watch?v=raJ8vTr8r4c
================
【Targeted Village / 標的の村】
(https://www.youtube.com/watch?v=raJ8vTr8r4c)
星月夜☆@bluemoonnblue様のツイートで「英語字幕フルバージョン」というのがあるのを知りました。
【Targeted Village / 標的の村】(英語字幕フルバージョン)
(https://www.youtube.com/watch?v=pB7N_YlfaOA&feature=youtu.be)
==================================================================================
【http://mainichi.jp/articles/20160722/k00/00m/010/074000c】
辺野古移設
陸上工事再開へ…政府、司法判断待たず
毎日新聞 2016年7月21日 21時49分(最終更新 7月22日 01時07分)
政府と沖縄県は21日、首相官邸で米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設を巡って協議した。県側は話し合いによる解決を求めたが、政府側は県を相手取って地方自治法に基づく違法確認訴訟を22日に起こす方針を伝えた。また、中谷元(げん)防衛相は陸上部分の移設工事について「早々に着手する」と記者団に述べ、埋め立て承認に関する司法判断を待たずに陸上工事を先行して再開する意向を表明した。
協議に出席した翁長雄志(おなが・たけし)知事は終了後、記者団に「協議が先と思っていた。(提訴方針は)非常に残念だ」と述べ、政府の対応を批判した。菅義偉官房長官は記者会見で「訴訟と協議を並行して進める」と語り、訴訟以外でも話し合いを続ける姿勢を強調。この考えを協議で県側に伝え、「知事から『異存はない』との発言があった」と指摘した。
政府が22日に福岡高裁那覇支部に起こすのは、県の対応が違法であることを確認するための訴訟。2014年11月の県知事選で当選した翁長知事は、就任後に辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した。政府は不当だとして是正指示を出したが、これに従わなかったことの違法性を確認する。
今年3月、政府が翁長知事を訴えた代執行訴訟でいったんは和解した。和解条項により、総務省の第三者機関である国地方係争処理委員会が是正指示の妥当性について検討。係争委による適否判断を受けて県が政府を提訴する段取りだったが、係争委が適否を判断しなかったため、県側は提訴を見送った。
普天間飛行場の代替施設は辺野古の米軍キャンプ・シュワブの陸上部と沿岸部に建設される予定。中谷防衛相は沖縄県との協議で、兵舎の建設など陸上工事について「埋め立てと直接関係がない」と再開方針を伝えた。【高本耕太、村尾哲】
==================================================================================
==================================================================================
【http://ryukyushimpo.jp/news/entry-320997.html】
ヘリパッド建設工事に着手 沖縄防衛局が発表 機動隊員が市民の排除始める
2016年7月22日 07:16
【東・国頭】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事で、沖縄防衛局は22日午前6時ごろ、新たなヘリパッドの建設工事に着手したと発表した。予定されている工事現場周辺で資材を積んだ車両が到着するなど工事着手に向けた動きが始まった。新たなヘリパッドの建設が予定されている3地区のうち、H地区とG地区のそれぞれのゲートに続く道路を防衛局関係者が封鎖し、工事車両20台以上が次々と入っていった。また工事に反対する市民が数人しかいない通称N1裏ゲートには車両3台が到着し、ゲート前に鉄板や鉄パイプなどを積み下ろした。
N1地区ゲート前に市民らが止めている車両の撤去作業も6時42分に始まった。市民らが同ゲートを中心に南北で座り込みと車両の駐車によって県道70号を封鎖していた。午前5時半ごろ、北側から機動隊員ら数十人が車両から降りてゲート前に進入している。座り込み現場では市民らと機動隊員がもみ合った。
市民らは午前2時すぎから同ゲートを中心に南北2カ所でそれぞれ60人程度が県道70号に広がるように座り込みを始めた。N1地区ゲート付近では県道の左右の路側帯に市民らが約100台の車を駐車した。道路中央にも数十台の車が道路の中央線をまたぐようにハの字形に駐車し、完全に道路を封鎖していた。
県警の機動隊車両は午前5時ごろ、N1地区ゲートを挟むように東村側と国頭村側に大量に待機を始めた。うち国頭村安波の安波ダム構内では午前3時すぎ、機動隊車両約30台以上と沖縄防衛局の車両20台程度が待機しているのが確認された。機動隊員20数人程度が複数の場所で図面を手に話し合いをしていた。【琉球新報電子版】
==================================================================================
『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の水井多賀子氏による記事【参院選敗北で安倍政権の沖縄いじめが激化、米空軍機が沖縄市上空で照明弾発射の暴挙! しかし本土マスコミは一切報道せず】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2425.html)
『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督
・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』』
『●2016年7月参院選、「あとの祭」の要因の大きな一つは片棒担ぎのマスコミにあり』
『●究極の差別…「県民の安全を守るために
派遣されたはずの職員が基地建設に抗議する住民を鎮圧」!』
《政府は500人規模の機動隊を投入することを決定…まったく、ここまで露骨に牙をむくことができるものかと驚く…》。
アベ様は夏休み満喫中だそうですが、《沖縄・地域住民弾圧隊》が沖縄へ…やることなすこと無茶苦茶です。2016年7月参院選直後から、沖縄で何が行われているのか、「本土」ではほとんど報じられていません。「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん…「第二の加害者」は、あなたたちです。」は続き、マスコミが報じもしないため、「第二の加害者」は気づきもしません。「沖縄差別」「住民分断」「捨て石」に苦しむ沖縄の皆さんの「怒り」を全く共有できていません。「本土」の報道機関は、今や、アベ様に楯突けない状況でしょうか? 「本土」の報道機関に皆さんは、沖縄に建つ「戦没 新聞人の碑」に顔向けできないのではないですか?
『●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん』
『●「百田氏や自民党議員からの圧力はすべてのメディアの
言論の自由に対する挑戦・・・危機感を共有して」!』
『●沖縄差別は続く: 黙殺により、「『日本を取り戻す』の中に
沖縄は入っていない」ことをアベ様が表明』
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」』
『●翁長雄志知事、再度の決意表明:
「安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが…政府の選択は誤りだった」』
『●「どうぞ米軍は撤退してください」:散々「思いやら」されて、
そしてまたしても「肝苦(ちむぐり)さ」…』
『●「落とした魂(マブイ)」を探しに、なんて悲し過ぎる
…「選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ」』
『●「…は沖縄県民の耳には「期待するな」
「何も改善しない」と冷たく翻訳」…中央政府の体をなしていない』
『●「日本政府による命の二重基準」にウンザリ:
「日米両政府の空虚な言葉」は不要、基地撤去が抜本対策』
『●「沖縄には明らかにおかしな新聞がある。
本当に潰れた方がいい」…自民党には「ロクなヤツがいない」』
『●沖縄市民の民意: 民意を何度明確にすれば、
アベ様や最低の官房長官らは理解しようとするのか?』
『●「捨て石」: 「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん
…「第二の加害者」は、あなたたちです。」』
《安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の
「第二の加害者」は、あなたたちです。しっかり、沖縄に向き合って
いただけませんか。いつまで私たち沖縄県民は、ばかにされるのでしょうか。
パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。
ばかにしないでください》。
(東京新聞【沖縄県民大会 玉城愛さんスピーチ全文 本土も「第二の加害者」】
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016062102000122.html)より、
⇒ ※コチラ)
『●映画『標的の村』監督・三上智恵さん、
「わずか9時間の歓喜 ~高江工事再開・民意圧殺の朝~」』
『●「在日沖縄人」石川文洋さんの写真集
『基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古』』
==================================================================================
【http://lite-ra.com/2016/07/post-2425.html】
参院選敗北で安倍政権の沖縄いじめが激化、米空軍機が沖縄市上空で照明弾発射の暴挙! しかし本土マスコミは一切報道せず
水井多賀子 沖縄 自民党 2016.07.18
(上・自由民主党ホームページより/下・島尻安伊子オフィシャルサイトより
先日の参院選において大きなトピックとなったのは、沖縄と福島で現職大臣が落選したことだろう。とくに島尻安伊子氏は、この参院選を見越して安倍首相が県選出で沖縄担当相に抜擢。しかし蓋を開けてみれば、辺野古基地移設反対を打ち出した伊波洋一氏に10万票も差をつけられて“惨敗”したのだ。
2014年の沖縄県知事選につづいて、沖縄県民が再びはっきりと“民意”を国に叩きつけたわけだが、対して安倍首相は島尻氏を民間人として大臣を続投させる方針を固めた。沖縄は島尻氏に「NO」を突きつけたのに、である。
だが、安倍政権は、沖縄に選挙結果の意趣返しをするかのように、さらにとんでもない行動に出ている。
なんと参院選の投開票の翌日11日から、沖縄県東村高江の米軍北部訓練場でヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)建設工事のための機材搬入を開始、反対住民を強制的に排除しはじめたのだ。
しかも、住民の数がたったの約160人という小さな集落に対し、政府は500人規模の機動隊を投入することを決定。きょうから順次配備していく予定だという。政府は昨年11月にも辺野古新基地建設の抗議運動が行われているキャンプ・シュワブのゲート前に100人規模の機動隊を投入したが、今回はその5倍。この安倍政権の行動はあきらかに、選挙で再び示された沖縄の意志に対して脅しをかけるやり方だ。
まったく、ここまで露骨に牙をむくことができるものかと驚くが、『標的の村』『戦場ぬ止み』といったドキュメンタリー作品で沖縄の現実を伝えつづけているジャーナリストで映画監督の三上智恵氏は、今回の参院選から一夜明けてのヘリパッド建設工事強行について、「わずか9時間の歓喜」と表現している。
〈国は用意周到に、参院選あけの11日早朝に向けて
高江の工事再開の準備を進めていたのだ〉
〈本当に現行計画通りにヘリパッドができてしまったら、
「負担増」どころではない。高江は人が住める村ではなくなってしまう。
あなたの家から400メートルの地点に、突然オスプレイ用の
ヘリパッドを造りますと言われたらどうするか、想像してみて欲しい〉
(マガジン9「三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉」第55回/外部リンク)
『標的の村』に詳しいが、この高江では、ヘリパッド建設工事に反対するため座り込み抗議を行った住民たちを防衛省沖縄防衛局が「通行妨害」で訴えるというスラップ訴訟も起こっている。しかも、その訴えられた住民のなかには、7歳の女の子も含まれていた。信じがたい暴挙である。
何度も繰り返される沖縄への暴力──。しかし、沖縄では最近もうひとつ、見過ごせない事件が起こっている。それは今月13日、米空軍嘉手納基地に所属するF15戦闘機が、沖縄市上空で熱源体の照明弾「フレア」を3発、発射していたのだ。
幸いなことに被害は報告されていないようだが、これをたんなる「誤射」と片づけるわけにはいかない。こうした頻発するミスこそが、重大事故を引き起こす可能性を証明しているからだ。2004年には沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落するという大事故が起き、日米地位協定の壁に阻まれていまだ事故原因の全容解明さえなされていないが、沖縄ではつねに、このような理不尽な事故への不安と隣り合わせのなかでの生活を余儀なくされているのである。
しかも、である。このフレア発射問題を報じたのは地元紙だけで、読売、朝日、毎日、産経の4大紙は扱っていない。沖縄が抱える現実は国全体の問題なのに、メディアがこうした姿勢でいるために、いつまでたっても基地問題は“他人事”になってしまうのだ。
米軍属による残忍な殺人事件や米兵の飲酒運転事故などが立て続けに起こったが、基地がある街の苦悩や不条理をわたしたちはもっと知らなくてはいけない。頭上を戦闘機や危険なオスプレイが飛び交い、サッカー場をはじめとする基地跡地からは高濃度のダイオキシンが検出されるなど土壌汚染が広がっている。その米軍が放置した環境汚染の調査のためにかかった約9億8000万円は日本が税金で賄っているのである。その一方で防衛省は、米軍基地などの騒音対策であるエアコン補助費を、県内の幼稚園や小中学校など計108施設で廃止する方針だ。
だが、そうした現実をもっとも無視しているのは安倍首相だ。沖縄の怒りによって誕生した翁長雄志知事の面会要請を再三拒否し、翁長知事の辺野古埋め立て承認取り消し処分に対して代執行訴訟まで起こした。裁判所の和解勧告によって協議のための作業部会が14日も開かれたが、ここでも話し合いや説明を求める沖縄側に対して国は“工事再開”の一点張りで、政府側は沖縄県への新たな訴訟提起さえ匂わせている。安倍首相は5月25日の日米首脳会談後に開かれた記者会見で「沖縄のみなさんの気持ちに真に寄り添う」などと言ったが、一体、どこに寄り添う気持ちがあるというのだろうか。
何度も言うが、沖縄は14年の知事選、今年6月の県議選、そして今回の参院選と、再三にわたって民意を示している。しかし、民主的なかたちで沖縄が声をあげているのに、見せしめのようにヘリパッド建設工事を強行しようと大量の機動隊を送り込み、県民に寄り添うどころか足蹴にしているのである。到底、民主主義国家のやり方ではない異常さだ。
最後に、前述した三上氏の言葉を、もう一度引用したい。
〈今回の選挙で沖縄を圧迫する自民党政権を圧勝させた人たちは、
これから高江で起きることについて目をそらしてはならない。
自分の一票が支える権力がどこかで暴走していないか監視する
義務があるはずだ〉
(水井多賀子)
==================================================================================
東京新聞の後藤孝好記者による記事【あらゆる手法で辺野古阻止 訪米の翁長知事に単独会見】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016051890070441.html)と、
後藤孝好・石川智規の両記者によるインタビュー記事【普天間運用停止、進まねば約束違反 翁長知事インタビュー詳報】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016051802000130.html)。
《米軍普天間飛行場(…)の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に関し、和解を受けた国と県の新たな訴訟で敗れたとしても、あらゆる手法で建設を阻止する意向》。
《安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが、私からすると政府の選択は誤りだった》。
『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが文句を言うのは
許されないというのが安倍政権の立場」』
『●王様による「人治主義国家」を沖縄辺野古から覆す:
「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」』
「「日本は法治主義国家」にはほど遠く、21世紀のこの世で、
世界でも珍しい、アベ様という王様・独裁者による「人治主義国家」。
政治制度の欠陥もあり、自公支持者や「眠り猫」の皆さんがそれを
支えているという稀有な国。「主権在民」「国民主権」どころか、
「主権在アベ様」であり、それを「良し」とする、世界的に見て大変に
珍しい国家。お隣の国々を嗤えません」
『●本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」』
「「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
(沖縄人を見くびってはいけない)」
「「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」」……。
そして、記事が言う《本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」》
という言葉を信じたい」
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
「辺野古破壊や高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様や、
スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。
何のためらいも無く、「番犬様」に貢ぐ非道」
『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」』
「《安保条約で米国は日本防衛の義務を何ら負っていない》し、
《日米地位協定24条で経費負担は米国がする》と決まっているし、
《24条が日本に求めているのは基地の無償提供だけ》のはずなのに、
アベ様らの歴代自民党政権は気前のいいことだ。つくづく、
「思いやる」先を間違っていると思う」
アベ王国の王様・アベ様による「人治主義国家」を沖縄辺野古から覆す。翁長雄志沖縄県知事による辺野古破壊阻止に向けての、そして、反「沖縄差別」・「住民分断」への再度の決意表明。この先何があろうとも、改めて、《あらゆる手法で建設を阻止する意向》を明確に示した。そして、《大きな圧力の前で県民もしっかりがんばらないといけない。その先頭に立つ私は、命懸けで政治をやっていく》とも。
=================================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016051890070441.html】
あらゆる手法で辺野古阻止 訪米の翁長知事に単独会見
2016年5月18日 07時04分
【ワシントン=後藤孝好】訪米中の沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は十六日(日本時間十七日)、県ワシントン事務所で本紙の単独インタビューに答えた。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設に関し、和解を受けた国と県の新たな訴訟で敗れたとしても、あらゆる手法で建設を阻止する意向を示した。
翁長氏は九日から十八日まで米国に滞在。上下両院議員らと相次いで面会し、新基地建設阻止を求める沖縄の世論について理解を求めている。十八日には、一九九六年に当時の橋本龍太郎首相と、普天間飛行場の返還で合意したモンデール元駐日米大使と会って、返還実現への解決策などを協議する。
翁長氏は「もし敗訴した場合、確定するのは仲井真弘多前知事の埋め立て承認が適正で、僕らが取り消したのが違法というだけだ。(国の)やりたい放題ということにはならない」と指摘。工事を止めるため、新基地の設計変更や岩礁破砕に関する知事の権限を行使するほか、地元の名護市の稲嶺進市長もさまざまな権限を行使できるとした。
新基地建設の現状に関しても「安倍政権は昨年の夏までに埋め立てを始めると言っていたが、工事はほとんど進んでいないし、これからも最高裁の判決が出るまで工事は止まる」と指摘。「米上下両院の議員に経緯を説明して、日本政府の選択の誤りだと話したら『なるほど』と理解を示していた」と述べた。
沖縄の在日米軍基地の負担軽減に向けた政府の取り組みに対しては「普天間飛行場の五年以内の運用停止は、仲井真氏が埋め立て承認をした時の大きな条件だった。安倍政権はやることはやると言葉は勇ましいが、逃げ腰のようにみえる。今のところ、約束違反ではないか」と批判した。
新基地に反対する沖縄の民意と、建設を阻止するという知事の公約については「大きな圧力の前で県民もしっかりがんばらないといけない。その先頭に立つ私は、命懸けで政治をやっていく」と述べた。
<普天間飛行場移設問題> 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設問題。日本政府は1996年の普天間返還の日米合意を受け、99年に移設を閣議決定。仲井真弘多前知事は2013年12月、辺野古沖の埋め立てを承認したが、14年11月の知事選で新基地建設阻止を掲げて勝利した翁長雄志知事が15年10月に承認を取り消した。政府、沖縄県はともに提訴したが、福岡高裁那覇支部が示した和解案を16年3月4日、双方が受け入れた。和解に基づき、政府と県が協議を続けている。
(東京新聞)
==================================================================================
==================================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016051802000130.html】
普天間運用停止、進まねば約束違反 翁長知事インタビュー詳報
2016年5月18日 朝刊
(「工事が1年間止まることは大変な前進」と語る翁長知事
=16日、米ワシントンで(石川智規撮影))
翁長雄志知事は十六日、米ワシントンで本紙の単独インタビューに応じた。主なやりとりは以下の通り。 (聞き手=ワシントン・後藤孝好、石川智規)
-昨年の訪米から約一年がたった。
知事 昨年五月ごろ、私は「このままでは辺野古移設は難しい」と話した。米側は「日米合意がすべて」「辺野古が唯一(の解決策)」と言っていた。
訪米後の夏、政府との集中協議に応じた。ところが政府側は一カ月の協議後、即座に(辺野古への移設作業を)再開しますというので、僕も「それでは阻止してみせます」と。この言葉を交わして最後の協議は一分ぐらいで終わった。
その後も三つの裁判を経て和解勧告が出され、工事中止となった。これは僕らにとって大きい。
-和解条項をどう捉えているか。
知事 地方自治法が改正され、国と地方が対等な関係になった。これを国が無視した結果、出された和解案だろう。
執行停止と審査請求も問題だ。沖縄防衛局を私人と認め、内閣の一員である国土交通相が執行停止を認めたり、代執行を国交相が原告として行った。これらが、地方自治法にもとる大変な落ち度だということが和解案に入った。私たちに理解を示している。現実として工事が一年間止まる事は、昨年の今ごろの私たちの苦しさから比べると、大変な前進であると思っている。(事態が)止まった中から物事が発想できる。
-沖縄の現状に米側の理解は広がったか。
知事 私は昨年五月から六月にかけ「辺野古移設はできない」と言った。既にあれから一年を越え、ほとんど進んでないでしょうと(面会した)上下両院議員に言った。彼らは「そうだった」とまでは言わないが「なるほど」と理解を示した。これからも最高裁の判決が出るまで工事は止まる。そうすると一年半か、もう少し止まる可能性があると。
安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが、私からすると政府の選択は誤りだった、という話もした。
-和解案についての説明は。
知事 沖縄を含むオールジャパンで解決策を見いだし、米政府と協議をすれば打開も見えると和解案は指摘している。そこでは「辺野古が唯一」という考えが外されている。
一方、辺野古がこういう状況の中で、普天間の固定化という問題も出てくる。菅義偉官房長官は何回も普天間飛行場が世界一危険と言っているが、私が国との集中協議で辺野古移設ができない場合はどうするのかと聞いても返事がなかった。こういう経緯を議員らに説明した。
-手応えは。
知事 あると思うが、無関心派も多い。国と沖縄県が和解に応じたことを知っている上下両院議員がどこまでいるだろうか。今回の訪米で直接説明する議員は十二人。もともと沖縄に関心がある人が二十~三十人。計四十~五十人が分かるようになる。
-最高裁判決が出たあとの対応は。
知事 政府の方では最高裁判決が出れば(辺野古新基地が)できるという話だが、私たちが行政法学者や専門家に聞くと、一つの裁判の判決ですべてをやりたい放題にできるようにはならない。
もし敗訴した場合、確定するのは仲井真弘多前知事の埋め立て承認が適正であると認めたということ。私たちの取り消しが違法というだけ。仮にその後、四十五トンブロックを埋め立てとして海に投げても、それは撤回の対象になる。設計変更もそう簡単ではない。岩礁破砕許可もそうだ。もろもろを適正にやっていきたい。
-安倍政権の評価は。
知事 私からすると、厳しい評価だ。仲井真氏が承認した埋め立ては、普天間飛行場の五年以内の運用停止が条件だった。ところが中谷防衛相は最近、安易に言って期待を持たせるものではない、そういう定義はないと打ち消している。
安倍政権は、やることはやるというが、裏を返せばできないことはやらないということではないか。言葉は勇ましく見えるが、逃げ腰であるようにみえる。
いま県民のコンセンサスを得ているのは五年以内の普天間運用停止だ。宜野湾市長選でも佐喜真淳さんが辺野古新基地に一切触れず、私も名護市長も五年以内の運用停止は触れている。これが前に進まないということは、今のところ約束違反ではないか。まだ交渉が続いているが、ぜひ政府は真摯(しんし)に取り組んでいただきたい。
-オバマ米大統領が広島を訪問する。同じように歴史の懸案といえる沖縄基地問題では進展がみられない。
知事 日本政府の姿勢が大きい。広島や長崎は二度と繰り返してはいけない。広島出身の閣僚や首相、官房長官、さらにはオバマ大統領が政治的な意義を取れるという意味合いもあったのかもしれない。
沖縄の場合、気持ちをくむということがまったくない。唯一の地上戦があった沖縄を訪れお互いに平和について話し合いましょう、という積極的な姿勢はない。戦後七十年間、僕らが訴えている魂というものについて、官房長官は戦後の歴史は分からないという姿勢だ。
海上保安庁や機動隊を動員し、おじいちゃんやおばあちゃんや誰であろうが排除して工事を進めようとしている。沖縄に対してのオバマ大統領やアメリカ政府のその姿勢の違いも、目が曇っている。
-本土へのメッセージは。
知事 メディアの役割は大きい。私たちが問題をしっかり言うときは言葉が厳しくなる。一般の国民は「なんでこんなに本土の人をしかるの」と思われるかもしれない。そして無関心、無理解が広がるのだと思う。それを避けようと言葉を抑えると関心をひかなくなる。そういう中で私たちは悩んでいる。この表現方法の苦しさは、知事である私が一番感じている。
==================================================================================
『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の宮島みつや氏による記事【辺野古で米軍に拘束された芥川賞作家・目取真俊が「不当逮捕」の実態を告白! 百田尚樹の沖縄ヘイトデマ批判も】(http://lite-ra.com/2016/05/post-2246.html)。
《「沖縄の人は別に、反基地運動のために、反戦運動のために生まれてきたわけじゃない」「沖縄戦から71年間、県民が自ら望んで米軍基地を誘致したわけでもなければ、建設したわけでもない」》。
『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」』
『●稲嶺進名護市長「やり方が普通じゃない。
地方分権の無視だ。法治国家としてやることか」』
『●「今の日本は法治国家ではなく、解釈も放置するし、
憲法も放置するし、民意も放置する“放置”国家です」』
『●一体どこが法治国家か? アベ様やスガ殿ら
自公議員(公明も同罪)がやっていることは「傲慢」で沖縄差別』
『●「自治と基地」: 翁長雄志沖縄県知事
「日本に、本当に地方自治や民主主義は存在するのか」?』
『●「辺野古移設が唯一の選択肢」を繰り返し言及する傲慢さ
…「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様』
辺野古破壊や高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様や、スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。何のためらいも無く、「番犬様」に貢ぐ非道。
《目取真氏は「多くの日本人がその嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」と言う。「それで、沖縄に基地を押し付けているというやましさが解消される」と。核心をついている。だが、どうやら安倍政権は、この「やましさ」すら1ミリも感じていないらしい》
《現在、辺野古新基地建設工事は停止しているが、安倍首相は「辺野古移設が唯一の選択肢」と繰り返し、先月の日米首脳会談でもオバマ大統領に「急がば回れだ」と説明した。和解は選挙を見据えたパフォーマンスと見るのが妥当だ》。
選挙が終われば辺野古破壊を再開する気満々です。絶対に、自公お維大地に投票してはいけません。来る2016年夏の参院選でアベ様を大敗させなければ、壊憲が促進され、辺野古破壊は再開。格差社会はますます進み、経済的徴兵制・悪徳企業型徴兵制の世となり、「死の商人」国家へまっしぐら。アベ様の言う「子育て支援」なんて選挙向けパフォーマンスの典型。騙されてはいけない、無関心ではいけない。
『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて盗んだ」
…アベ様のニッポン、病んでいないか?』
『●現実路線に転じ、暴言を撤回する「ト」な米大統領候補
…アベ様同様、選挙が終われば豹変するに決まってる』
==================================================================================
【http://lite-ra.com/2016/05/post-2246.html】
リテラ > カルチャー > 作家 > 芥川賞作家が辺野古での不当逮捕を告発
辺野古で米軍に拘束された芥川賞作家・目取真俊が「不当逮捕」の実態を告白! 百田尚樹の沖縄ヘイトデマ批判も
【この記事のキーワード】 宮島みつや, 沖縄, 百田尚樹, 芥川賞 2016.05.15
(講演で拘束の実態について語る沖縄在住の芥川賞作家・目取真俊氏)
「沖縄の人は別に、反基地運動のために、反戦運動のために生まれてきたわけじゃない」「沖縄戦から71年間、県民が自ら望んで米軍基地を誘致したわけでもなければ、建設したわけでもない」
そう怒りをにじませたのは、沖縄在住の芥川賞作家・目取真俊氏だ。今年4月1日、名護市辺野古の新基地建設に対する抗議活動中、米軍によって約8時間拘束された後、海上保安庁に引き渡され日米地位協定に伴う刑事特別法違反の疑いで緊急逮捕。翌日、沖縄地検の処分保留により解放されたが、辺野古海上で移設反対活動を行う市民を米軍が拘束したのは初のことだ。
その目取真氏が、昨日5月14日、都内で講演を行った(主催:「路上で抗議する表現者の会」)。本サイトは以前、目取真氏逮捕の報を受けて、見せしめのための不当逮捕なのは間違いないと指摘したが、講演のなかで目取真氏が語った拘束の実態は、予想をはるかに超えた“暴挙”そのものだった。
当時、産経新聞などは、目取真氏逮捕の経緯について「関係者によると、男性はカヌーでシュワブの周辺海域から米軍提供区域に上陸したとして身柄を拘束された」(4月1日付)と報じていたが、実際はまったくちがっていた。4月1日、辺野古沖で目取真氏がカヌーで仲間とともに活動中、メンバーが米軍の警備員に腕を掴まれているのを見て抗議したところ、目取真氏は陸上に無理やり引きずられて拘束されたのだという。
目取真氏は、あたかも自発的に上陸したかのような一部報道は、報道機関が警察からのネタをそのまま垂れ流していることが原因だと指摘する。
また、警備員は米軍に雇われている沖縄人で、目取真氏を本名で呼んでいたという。明らかに人物を特定し、狙い澄ましたうえでの逮捕だろう。
さらに、恐ろしいのは米軍基地内での状況だ。無理やり陸にあげられた目取真氏は、刑事特措法違反として長時間の拘束を強いられていたのだ。
浜で軍警備員に拘束された目取真氏のもとに憲兵隊(軍警察)がやってきて、後ろ手に手錠をかけ、事務所へ連行した。ほとんど人が通らない廊下で、水に濡れたまま椅子に座らされ、拳銃を腰にぶら下げた憲兵隊の兵士が約8時間、ずっと目の前で見張っていたという。
もはや拷問に近い状況だが、さらにこの間、目取真氏が何度も弁護士との接見を要求するも認められなかったという。日本国憲法が第34条で〈何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない〉と記して保障している権利にもかかわらずに、だ。目取真氏は、講演でこのように訴えた。
「『基地の中だからしかたがない』と思ってしまったらおしまいです。
本来は日本の弁護士が基地のなかに入って接見できるべき。
そうでなければ、法的な知識のない私たち一般市民は身を守る術がない。
そもそも憲法で弁護士を呼ぶ権利が保障されているのは、冤罪を防ぎ、
思想弾圧がないようにと考えたからのはず。それが、
基地のなかではいかされていないのです」
まさに“治外法権”と言うしかない。これは日米地位協定が事実上、日本の憲法よりも上位に位置していることを意味するが、それは沖縄の基地だけの問題ではなく、たとえば日本全国どこでも米軍機が墜落すれば、協定によってその周辺は封鎖されてしまう。そして、民間人が一歩でも禁止区域に立ち入れば、目取真氏のケースと同様、身柄を拘束され、弁護士も呼べないまま外部と遮断されてしまう。
戦後日本がいまだに“主権を回復していない”という恐ろしい現実。だが、沖縄は基地を負担して当然とする右派メディアや極右言論人たちは、この事実をネグり、沖縄へのデマ攻撃すら繰り返しているのだ。目取真氏もこの状況を強く懸念する。
「戦後、ほとんどの沖縄島の住民は収容所に入れられました。
軍人でもないのに。その間に米軍が勝手に線を引いて、
金網のなかに基地をつくっていった。いまの普天間基地も、
そのようにしてもともと人が住んでいたところに米軍が勝手に
つくった基地です。どこかのバカな作家が、かつては田んぼで
人がいなかったとか言っていますが、馬鹿にするなという話です」
目取真氏は「多くの日本人がその嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」と言う。「それで、沖縄に基地を押し付けているというやましさが解消される」と。核心をついている。
だが、どうやら安倍政権は、この「やましさ」すら1ミリも感じていないらしい。3月に国が翁長雄志知事を訴えた代執行訴訟で和解が成立し、現在、辺野古新基地建設工事は停止しているが、安倍首相は「辺野古移設が唯一の選択肢」と繰り返し、先月の日米首脳会談でもオバマ大統領に「急がば回れだ」と説明した。和解は選挙を見据えたパフォーマンスと見るのが妥当だ。参院選後には、あの手この手を使って早期工事再開を狙ってくる。そのとき、安倍応援団メディア・言論人、ネトウヨたちが束になって、またぞろ“沖縄ヘイト”で援護射撃するだろう。
しかし繰り返しておくが、そんな連中にとっても、今回の目取真氏が受けた不当拘束は、決して他人事ではない。前述したとおり、基地問題の土台にある日米地位協定がこのままの形であるかぎり、潜在的に全国各地で治外法権区域が発生し、誰もが身柄を拘束されうる。どれだけ普段、領土だ国益だと喚いていても、そのとき国は、国民を守らないのだ。よくよく肝に銘じておく必要がある。
(宮島みつや)
==================================================================================
※『●①福井地裁「高浜仮処分」取消の背景…《政府の意向》に従う《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》』からの続き。
=====================================================
【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/177093】
【http://blogs.yahoo.co.jp/kotyannomama/18326291.html】
高浜原発差し止めはヌカ喜び 日本の司法と政治はグルである
2016年3月11日
(画期的なのは間違いないが…(C)日刊ゲンダイ)
これを機に脱原発の動きが広がるのか。大津地裁が9日、関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じる仮処分決定を出した一件のことだ。
「福島原発事故の原因も解明されていない中で、高浜原発の
再稼働は地震や津波への対策や避難計画にも疑問がある。
もともと4号機は先月末のトラブルですでに停止しているし、
関電は高浜原発が動かなくても『電力不足にはならない』
と言っている。原発がなくてもやっていけることは、ここ数年の
電力需給を見れば明らかです。今回の仮処分は、福島原発事故の
教訓を忘れたかのように、原発再稼働に突っ走る政府と
原子力ムラへの強烈な警告であり、再稼働ありきの方針自体を
転換しろと政府に迫る決定なのです。電力会社や政府は
重く受け止める必要があります」(政治学者・五十嵐仁氏)
決定を受け、関電は10日夜、年明けから営業運転を続けていた3号機を停止させた。運転中の原発が司法判断によって停止したのは初めてで、そういう意味では、たしかに画期的な決定といえる。だが、ヌカ喜びは禁物だ。
このニュースを伝えた10日の朝日新聞の記事によれば、エネルギー政策を担う経産省のある幹部は「福井地裁のケースと同じ。この先ひっくり返る可能性が高い」と話したという。まるで、地裁の決定など屁のカッパといった態度なのである。聞き捨てならない発言だが、残念ながら、その通りになるのだろう。
■人事介入してでも原発を守る
原子力ムラには、強気を裏付ける“実績”がある。高浜原発に関しては、昨年4月にも、福井地裁の樋口英明裁判長が再稼働差し止めを命じる仮処分を出している。これを不服として関電が異議を申し立てたところ、昨年12月24日に後任の福井地裁・林潤裁判長によって仮処分決定はあっさり取り消された。住民側が差し止め請求をしていた大飯原発3、4号機についても請求を却下。それで関電は大手を振って、高浜原発を再稼働させたという経緯がある。
元裁判官で明大法科大学院教授の瀬木比呂志氏が言う。
「今回、大津地裁が稼働差し止めを命じた決定は、昨年4月に
福井地裁の樋口裁判長が出した仮処分決定の内容をさらに
深化させ、原子力規制委員会の基準自体にも疑問を投げかけた。
実にまっとうで、勇気ある決定だと思います。司法の役割を
きちんと果たしたと言える。これまで原発稼働差し止めを
求める住民側の仮処分申請がことごとく裁判所に
退けられてきた中で、こうした仮処分決定が積み重なることには
大きな意味があります。とはいえ、今回も保全異議審で
別の裁判官が決定を覆すようなことになる可能性は
否定できません。原発訴訟の今後には注意すべきです」
原発は、政府が音頭を取って進める国策事業だ。一般国民が国家権力に抗するのは容易なことではない。だから、過去の原発訴訟でも、住民側の権利が認められたことはほとんどなかった。
実は、14年に大飯原発の運転差し止め決定を下したのも福井地裁の樋口裁判長だったが、高浜の差し止め申請の審理が昨年3月11日に終了した直後、裁判所は4月1日付で名古屋家裁に異動させる人事を発動した。高裁ならまだしも、家裁への異動。左遷とみられても仕方がない。それでも樋口裁判長は「職務代行辞令」を利用して、異動後も審議を担当し、再稼働を差し止める仮処分を決定した。ただ、異議申し立ての審議に関わることはできなかった。
高浜差し止めも辺野古和解も単なるガス抜き
「原子力ムラに歯向かうとこうなるという見せしめでしょう。
そういう懲罰人事を見ていれば、ますます裁判官は政府に
とって不利になる判断を下しづらくなる。それに、実は判事や検事が、
原発メーカーや電力会社に天下りした例も数多いのです。
信念を持った裁判官は一握りで、正義や国民の安全より、
権力の顔色をうかがう方が大事。出世や保身を第一に考える
裁判官だらけなのが問題です。しかも、上級審になるほど
ヒラメ裁判官ばかりで、権力に都合のいい判断を下そうとする。
自民党政権との長年の癒着があるから、最高裁は違憲判決なんて
絶対に出さない。政権交代しないかぎり、司法と政治の闇にメスを
入れることはできません」(政治評論家・本澤二郎氏)
そもそも政府は地裁の運転差し止め決定を尊重する気などサラサラない。菅官房長官は9日の会見で「原子力規制委の判断を尊重して再稼働を進める方針に変わりはない」と宣言。
安倍首相も昨夕の会見で「地元の理解を得ながら再稼働を進めるという政府の一貫した方針に変わりはありません」と言っていた。
「要するに、地裁の差し止め決定はガス抜きでしかない。
国民の間で脱原発を望む声が多いから、選挙への影響を考えて、
今は差し止め決定を出させておく。どうせ異議審や上級審で覆せる
という権力側の思惑が見え隠れします。残念ながら、この国には
三権分立なんて存在しないのです。司法と行政がグルになって、
政権に都合のいい判断を積み上げ、国民の利益は最終的に
無視される。特権層の側に有利な判断を下すのが上級裁判所の
仕事になっている。法の下の平等という憲法の理念は踏みにじられ、
民主主義がないがしろにされているのです。法治国家として、
こんな恥ずかしいことはありません」(本澤二郎氏=前出)
■司法判断を都合よく使う姑息
それは、辺野古の問題も同じだ。政府は4日、米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部の和解案を受け入れると表明。メディアは「電撃的和解」などと報じたが、こんなもの、ただの先送りでしかない。沖縄の意見を聞く姿勢があるかのように見せる選挙向けの目くらましだ。選挙後に再び強権的に移設を推し進めるのは目に見えている。
その証拠に、安倍は和解勧告の受け入れを表明したその場で、「辺野古への移設が唯一の選択肢であるとの国の考え方に何ら変わりありません」と断言。結論は決まっているのだ。しかも、すぐさま埋め立て承認取り消しを撤回するよう、沖縄県の翁長知事に迫った。話し合いをする気などサラサラない。これのどこが和解なのか。
さらに怪しいのは、安倍が「司法判断が下された場合には、国も沖縄県もその判断に従う。そして互いに協力して誠実に対応することで合意した」と言ったことだ。
裁判所は必ず国に有利な判断を下す。それに沖縄は従わなければならない。司法判断をタテに、辺野古移設を強行する魂胆が見てとれる。
「一般論として、統治と支配の根幹に触れるような裁判では、
権力寄りの判断をする裁判官が多い。本来は個々の裁判官が
法と良心に従って判断すべきなのですが、残念ながら、
そういう勇気ある裁判官は少数派なのが現状で、それは、
この国の司法の構造的な問題でもあります」(瀬木比呂志氏=前出)
憲法を無視し、他方では司法判断を都合よく使う。そういう政権に任せておいていいのか。そこが国民の側にも問われている。
=====================================================
=====================================================
【http://lite-ra.com/2016/03/post-2066.html】
裁判所は原発ムラの代理人だ! 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた
【この記事のキーワード】 伊勢崎馨, 原発, 癒着 2016.03.15
福島第一原発事故から5年。事故当時の東京電力の幹部、勝俣恒久会長、武藤栄副社長、武黒一郎副社長の3人の刑事責任がようやく問われることになった。
といっても、検察が起訴したわけではない。検察はこの3人について2度に渡り不起訴処分という信じがたい決定を下したが、それに対し検察審査会が2度とも「起訴すべき」との議決をした結果、強制起訴になったのだ。
今後は裁判で審理されるが、彼らが刑事罰を受けることになるかというと、残念ながらその確率は低いだろう。本サイトでも何度も指摘したように、政府と原子力ムラと裁判所の間には明らかな“癒着”があるからだ。
それは、この間の高浜原発に関する裁判所の対応を見れば明らかだ。高浜原発については、3月1日、大津地裁(山本善彦裁判長)が3、4号機の運転差し止めの仮処分を命じる決定を下した。3号機は今年1月29日から、そして4号機は2月26日から再稼働していたが、運転中の原発が裁判所命令で停止したのは史上初めてのことだ。
だが、高浜原発に関しては、これまで裁判所によって再稼働差し止めと容認が繰り返されてきた。まず、昨年4月14日に福井地裁が高浜原発再稼働差し止めの仮処分を決定した。この際、樋口英明裁判長(当時)は想定を超える地震が各地で起こっていることを挙げて、原子力規制委員会の新基準が「合理性を欠く」と政府の原発政策の根本に異を唱えている。
ところが、その画期的な判決を下した樋口裁判長は、その後名古屋家裁に“左遷”されてしまう。これは懲罰人事であり、今後原発訴訟に関わらせないための追放人事でもあることは明白だった。
そして、樋口裁判長の後任として福井地裁に赴任してきたのが林潤裁判長だった。林裁判長は昨年12月24日に高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを覆し、事実上、再稼働を決定。さらに、林裁判長は大飯原発についても周辺住民らが求めていた再稼働差し止めの仮処分の申し立てを却下する決定をした。
この林裁判長の人事について、今週発売の「週刊現代」(講談社)3月26日・4月2日合併号が露骨すぎる政治的背景を暴露している。
問題は林裁判長の経歴だ。1997年に任官した林裁判長は最初の赴任地が東京地裁で、2年後に最高裁判所事務総局民事局に異動。その後も宮崎地裁勤務以外、東京・大阪・福岡と都市圏の高裁と地裁の裁判官を歴任している。
「現代」では明治大学政治経済学部の西川伸一教授がその経歴についてこんなコメントをしている。
「任官して初の赴任地が東京地裁という点で、人事権を
握っている事務総局から、目をかけてもらっていることが
窺えます。その上、初任明けと呼ばれる2ヶ所目の赴任地が
事務総局。これは、林裁判官の同期108人の中でも
6名しかいません。実際、任官から18年で部総括判事の役職に
就くのもかなり早い出世です」
この最高裁事務総局というのは、裁判所の管理、運営、人事を仕切る部署で、将来は最高裁判官を狙えるようなエリートが集まるところだという。林裁判長は人事権を握る事務総局から目をかけられ、将来を約束された最高裁長官さえ狙えるようなエリートだったのだ。
いや、林裁判長だけではない。昨年12月、林裁判長と一緒に高浜原発再稼働を認めた左右陪席の2人の裁判官、中村修輔裁判官と山口敦士裁判官もまた最高裁判所事務局での勤務経験があるエリート裁判官だった。
中村裁判官は一度も遠隔地赴任がなく、東京、横浜、大阪で過ごし、事務総務局総務局付で国会対策などを担当したエリート。
また山口裁判官も大阪高裁や出向で外務省の花形ポジションである国連日本代表部2等書記官の肩書きを持っていたという。
そんなエリート裁判官たちが高浜原発のある福井に赴任し、原発政策に関わる決定に関与した。これは異例のことだ。「現代」では元裁判官の弁護士がこうコメントしている。
「本来、福井地裁は名古屋高裁内でも比較的ヒマな裁判所で、
アブラの乗った裁判官が来るところではない。しかも、
この3人は東京や大阪など、他の高裁管内からの異動で、
この人事には、各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が
反映されていると見るべきです」
ようするに、政府や電力会社に都合が悪い決定を下した裁判官を左遷し、代わりに最高裁がお墨付き与えたエリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ。
こうした最高裁による露骨な原発推進人事という“意思”の背景にはもちろん、政府の意向がある。前出の元裁判官の現役弁護士はこう語っている。
「いくら独立が保障されているとはいえ、裁判所も上層部へ
行けばいくほど政権との接触は増えるため、考え方が政権の
意向に沿ったものになる。彼ら3名を含め、事務総局に
勤務経験のある裁判官は、そうした阿吽の呼吸を
最もよく心得た人々なのです」
いや、政府だけではない。本サイトでも以前、指摘したように、裁判所は電力会社や原子力産業とも直接癒着している。これまで数多くの電力会社と住民との訴訟において、電力会社に有利な決定を下した裁判官や司法関係者が原発企業に天下りするなど、原発利権にどっぷりと浸かっているのだ。
こうして見れば、原発事故当時の東電幹部たちが公正な裁きを受けることなど、到底期待できないことが分かるだろう。同時に現在“かろうじて”停止している高浜原発に対しても、3月14日、関西電力は仮処分に対し異議と執行停止を求めて大津地裁に申立てた。これで三たび、高浜原発再稼働に関する審議が行われることになるが、予断は許さない状況だ。またぞろ政権の“意向”を受けた裁判所人事が行われ、もしかしたら今回の停止決定を下した山本裁判長が“左遷”されたり審議から外され、別のエリート裁判官が送り込まれる可能性もある。
国民の生命の安全を無視して原発再稼働政策を押し進める安倍政権と、それを後押しする法務省、裁判所に対して、より一層の監視とチェックが必要だ。
(伊勢崎馨)
=====================================================
東京新聞の社説【「辺野古」和解 県内断念こそ選択肢に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030502000150.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016030502000124.html)。
《とはいえ、安倍政権が辺野古への県内移設を断念したわけではない。首相はきのう「二十年来の懸案である普天間飛行場の全面返還のためには、辺野古移設が唯一の選択肢という国の考えに何ら変わりはない」とわざわざ強調》。
《翁長知事が法廷で口にした「日本に、本当に地方自治や民主主義は存在するのか」との問いに、首相は今後、どう答えるだろうか》。
『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」』
『●稲嶺進名護市長「やり方が普通じゃない。
地方分権の無視だ。法治国家としてやることか」』
『●「今の日本は法治国家ではなく、解釈も放置するし、
憲法も放置するし、民意も放置する“放置”国家です」』
『●一体どこが法治国家か? アベ様やスガ殿ら
自公議員(公明も同罪)がやっていることは「傲慢」で沖縄差別』
『●「自治と基地」: 翁長雄志沖縄県知事
「日本に、本当に地方自治や民主主義は存在するのか」?』
「中止」「中断」は「断念」に非ず。まだ、「辺野古移設が唯一の選択肢」を繰り返し言及する傲慢…「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様。「和解」受入は、アベ様の想定外のことでしょう。沖縄の人々の反対の意思を舐めていたとしか思えません。《「世界一危険」とされる普天間飛行場》と云うのならば、アベ様は、今直ぐ、普天間の番犬様には本国にお引き取りを頂くように飼い主を説得すべき。
アベ様らが強弁する「「世界一危険」とされる普天間飛行場の移設」賛成=「辺野古への移設(=辺野古破壊)」賛成は大ウソだ。アベ様らは「住民分断」「沖縄差別」を恥じることなく、さらには、そんなことを許して自公・お維支持者や投票者たちは恥の上塗り。
『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』
『●「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」:
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら』
『●自公支持者の皆さんへ、宮崎駿監督
「辺野古の海は残しておいた方が絶対沖縄の人のためになる」』
『●まずは、即時、辺野古破壊を止めよ!』
『●「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」:
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら』
「先の辺野古市長選、「辺野古破壊」を主張しない者が当選しました。
でも、アベ様らは「「世界一危険」とされる普天間飛行場の移設」賛成=
「辺野古への移設(=辺野古破壊)」賛成、と強弁しています。
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら。そんなことを許して
恥じぬ、自公・おおさか維新支持者・投票者たち」
『●アベ様による辺野古破壊の「中止」「中断」は「断念」に非ず』
=====================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030502000150.html】
【社説】
「辺野古」和解 県内断念こそ選択肢に
2016年3月5日
安倍晋三首相が裁判所の和解案を受け入れ、沖縄県名護市辺野古での米軍基地新設工事を一時中断する。しかし、計画自体を変えたわけではない。県民の基地負担軽減には県内移設を断念すべきだ。
この裁判は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に必要な辺野古沿岸部の埋め立て承認を、翁長雄志知事が取り消したため、知事に代わって国が取り消し処分を撤回する「代執行」のために、国が翁長知事を訴えたものだ。
国と県が福岡高裁那覇支部の和解案を受け入れ、きのう和解が成立した。国は代執行訴訟を取り下げて埋め立て工事を中断、訴訟手続きをやり直し、県との協議を継続するという。
国と県はこの代執行訴訟を含めて三つの裁判で争っていた。訴訟合戦はやはり異様な光景だ。
安倍政権は、県側の反対を押し切って埋め立て工事を強行し、知事の埋め立て承認取り消し処分に対しても、地方自治法に基づく是正指示や違法確認訴訟などの手順を踏まず、いきなり代執行訴訟に踏み切った。かなり強引だったと言わざるを得ない。
六月には沖縄県議選があり、夏には参院選もある。工事車両などが出入りする辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、市民が抗議活動を続けている。
安倍政権が工事中断を含む和解案を受け入れた背景には、強硬姿勢を貫けば選挙に悪影響が出るとの政治的判断もあったのだろう。
国と県が法的手段を通じてではなく、話し合いで解決策を探るのが、あるべき姿だ。国が協議のテーブルに戻ることは当然である。
とはいえ、安倍政権が辺野古への県内移設を断念したわけではない。首相はきのう「二十年来の懸案である普天間飛行場の全面返還のためには、辺野古移設が唯一の選択肢という国の考えに何ら変わりはない」とわざわざ強調した。
市街地に囲まれ、危険な普天間飛行場の返還は喫緊の課題だが、同じ県内での代替施設建設を条件とする限り、在日米軍専用施設の約74%が集中する沖縄県に暮らす県民の米軍基地負担は抜本的には軽減されない。
首相に埋め立て工事中断を決断する度量があるのなら、普天間飛行場の辺野古への県内移設を断念し、国外・県外移設を米側に提起すべきではないか。
今回の和解が、選挙をしのぐ時間稼ぎであってはならない。望むべくは、沖縄を米軍基地の重圧から解き放つ「真の和解」である。
=====================================================
=====================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016030502000124.html】
【コラム】
筆洗
2016年3月5日
「地方創生」にどう臨むか。安倍首相は国会で、こう説明していた。「地方の創生は、地方の自主性、自立性を高め、地域の特性に即して課題を解決するという基本的視野に立って取り組む必要があります」▼さて、この言葉にどれほど魂を込められるか。試金石の一つは、沖縄だろう。「今や基地は、沖縄経済発展の最大の阻害要因」と翁長雄志知事は語っているが、その実態を物語るデータがある▼県の調査によれば、那覇市内など三カ所の米軍用地が返還され、商業地などに整備されたことによる経済効果は、四千億円余。雇用と税収は三十倍以上にもなったという▼「基地頼みの沖縄経済」などというのは、実情を知らぬ人の幻想のようなもの。まして沖縄には穏やかな生活が基地によって害されてきた歴史と今がある。だから基地こそは「地域の特性に即して課題を解決」しなくてはならぬ問題なのだ▼だが、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる訴訟で「国防問題では沖縄の不利益が大きくても(知事は)一切判断できないのか」と疑問を呈する県に対して、政府は「それは国が決めること」の一点張りだった▼その訴訟で和解が成立して、工事を中止し、対話を再開することになった。翁長知事が法廷で口にした「日本に、本当に地方自治や民主主義は存在するのか」との問いに、首相は今後、どう答えるだろうか。
=====================================================
沖縄タイムスの社説【[辺野古訴訟 和解]政治休戦で終わらすな】(http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=157054&f=i)と、
琉球新報の社説【代執行訴訟和解 新基地 根本から問え 「辺野古が唯一」は本当か】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-233184.html)と、
東京新聞の金杉貴雄・関口克己記者による記事【国と沖縄 仕切り直し 辺野古工事中断 再協議】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016030502000123.html)。
《なぜそのような混迷状況が生じてしまったのか。原因と結果を取り違えてはいけない》。
《だが新基地建設という国の頑迷な姿勢はいささかも揺らいでいない。沖縄の民意を踏みにじり、あくまで新基地を押し付ける姿勢が民主主義、自治の観点から正しいのか。「辺野古唯一」は本当か。根本から問い直すべきだ》。
《首相は新基地建設方針は「何ら変わりない」としている。対立の構図は変わっていない》。
『●まずは、即時、辺野古破壊を止めよ!』
まずは、「中止」「中断」を達成。辺野古破壊に対峙してこられた市民の皆様の「闘争」に頭が下がる。一時的ではあるものの、すばらしい「勝利」だと思う。
『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』
『●「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」:
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら』
『●自公支持者の皆さんへ、宮崎駿監督
「辺野古の海は残しておいた方が絶対沖縄の人のためになる」』
次は、二度と再開させないための「断念」を勝ち取る必要があります。普天間の番犬様には本国へお引き取り頂きましょう。
アベ様による選挙対策としての「中断」「中止」は「断念」ではありません。引き続きの「闘争」、翁長知事への支持、そして、沖縄だけでなく、日本全国で自公議員・お維議員を落選させ続けること。
=====================================================
【http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=157054&f=i】
社説[辺野古訴訟 和解]政治休戦で終わらすな
2016年3月5日 05:00
(辺野古訴訟の和解案受け入れ表明を受け、
安倍首相(右)と握手を交わす沖縄県の
翁長雄志知事=4日午後、首相官邸)
国が名護市辺野古への新基地建設をあきらめたわけではないが、それでもなお、沖縄県にとって「地方自治を守り、工事を止める」という2点で、和解の成立は重要な意味を持つ。
和解条項の中には「円満解決に向けた協議を行う」との文言がある。新たな解決策を模索する第一歩にするよう、国に強く求めたい。
翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐる「代執行訴訟」で、県と国は福岡高裁那覇支部が示した和解勧告案を受け入れ、和解が成立した。
これによって国が県を訴えた「代執行訴訟」、県が国を相手に起こした「係争委不服訴訟」が取り下げられ、県が提訴した「抗告訴訟」も連動して取り下げられる予定だ。
沖縄防衛局は、行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止申し立てを取り下げることになっている。法律上は、翁長知事が埋め立て承認を取り消した時点に戻り、工事は止まる。
平たくいえば、工事を中断した上で、県と国が争っている訴訟をいったん取り下げて訴訟を一本化し、その判決には県も国も従う、というのが和解案の内容だ。
行政事件訴訟で裁判所側が和解勧告を出すのは極めて異例である。なぜ、裁判所は和解案を提示したのか。
1月29日に提示され、4日に公表された和解案を読むと、国と県の訴訟合戦に対して裁判所が深く憂慮していたことがわかる。
■ ■
とりわけ注目したいのは、地方自治法改正によって国と地方公共団体が「それぞれ独立の行政主体として役割を分担し、対等・協力の関係となる」ことが期待されたにもかかわらず、「改正の精神にも反する状況になっている」ことを指摘し、国におきゅうを据えている点だ。
今後も裁判で争うとなると、えんえんと法廷闘争が続き、「知事の広範な裁量が認められて(国が)敗訴するリスクは高い」とも踏み込んで指摘している。裁判所はそのような状態の異常さを強調し、司法の立場から警鐘を鳴らしたのである。
なぜそのような混迷状況が生じてしまったのか。原因と結果を取り違えてはいけない。
県外移設を公約に掲げて再選された仲井真弘多前知事は、6月23日の「平和宣言」の中でも、県軍用地転用促進・基地問題協議会会長としての政府要請でも、繰り返し「県外移設」を求めてきた。
にもかかわらず、国との「密室協議」を経て、県議会にも県民にも何の事前説明もないまま、唯我独尊の手法で埋め立てを承認した。
これが混迷の始まりだ。
安倍政権は仲井真前知事の埋め立て承認を唯一の根拠に、名護市長選、県知事選、衆院選で示された「辺野古反対」の民意を無視して工事を強行した。
そのことが訴訟合戦を招き、混迷を深めたのである。
安倍晋三首相は和解が成立したその日に、記者団に対して「辺野古が唯一の選択肢であるという国の考え方に変わりはない」と語った。あ然として二の句が継げない。
■ ■
6月の「県議選」、夏の「参院選」に配慮し、ソフト路線を演出するだけの、魂の抜けた、権謀術数の和解受け入れであってはならない。
今後、事態は、翁長知事の埋め立て承認取り消し処分に対する「地方自治法に基づく国による是正指示」→「県による国地方係争処理委員会への審査申し出」→「是正の指示の取り消し訴訟」へと進む可能性が高い。
仮に新たな訴訟で県が敗訴した場合、埋め立て承認取り消し処分が取り消され、工事が再開される。裁判の結果に従うことは県も明らかにしているが、知事の姿勢が「辺野古容認」に変わるわけではない。どっちみち裁判が避けられないものだとすれば、和解勧告の受け入れがベターな選択だといえる。
政府が「対話による解決」を望むのであれば、県の考えを取り入れ、計画を見直すことである。それが辺野古問題を着地させる「唯一の選択肢」である。
=====================================================
=====================================================
【http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-233184.html】
<社説>代執行訴訟和解 新基地 根本から問え 「辺野古が唯一」は本当か
2016年3月5日 06:01
辺野古新基地の埋め立てをめぐる代執行訴訟で、安倍晋三首相は工事中断を含む暫定的和解案を受け入れた。もともと前向きだった県も応じ、和解が成立した。
一見、国が柔軟な姿勢に転じたかに見える。だがそれは見せ掛けにすぎない。真実は、敗訴間近に追い詰められた国が、やむなく代執行訴訟から退却したのである。
県と国の対立は仕切り直しとなった。だが新基地建設という国の頑迷な姿勢はいささかも揺らいでいない。沖縄の民意を踏みにじり、あくまで新基地を押し付ける姿勢が民主主義、自治の観点から正しいのか。「辺野古唯一」は本当か。根本から問い直すべきだ。
沖縄側の勝利
「暫定案」は国が工事を停止して代執行訴訟を取り下げた上で、代執行より強制力の低い手続きを踏んで再度、県に是正を求めるという内容だ。
福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長がこの和解案を示した時点で、結論は必然だったとも言える。国と県の対立に決着を図る上で最も強権的な手法が代執行だ。他の手段を経ず、いきなり最終手段たる代執行を求めた国に対し、裁判長は代執行以外の手段を勧めたわけである。「このまま行けば国敗訴だ」と警告したのに近い。
一方で裁判長は、県側が申請していた環境や軍事専門家の証人申請を却下していた。前知事の埋め立て承認に瑕疵があったことを立証するのに不可欠な証人たちだ。却下は、翁長雄志知事の承認取り消しの適法性に対する関心の低さの表れとも見える。不適法との心証を抱いていたのかもしれない。
さらに裁判長は、違法確認訴訟で県が敗訴すれば県は確定判決に従うかと問い、県は「従う」と答え
た。このやりとりを国側にあえて見せたのではないか。代執行訴訟では国が敗訴しそうだが、仕切り直して是正の指示の取り消し訴訟になれば、いずれは国有利での解決もあり得る、とのメッセージを送ったようにも見える。
だから国は代執行訴訟取り下げという「退却」を選択したのだろう。
今後、県と国は再び協議の席に着く。溝が埋まらなければ、「是正の指示」、係争処理委員会、是正の指示の取り消し訴訟などの、より強権度の低い手続きへと進むことになる。その間、工事は止まる。いずれにせよ、あれだけ強硬だった政府の工事を暫定的ながら止めたのだから、沖縄側の勝利であり、成果には違いない。
真の仕切り直し
安倍首相は早速、「辺野古移設が唯一の選択肢という考え方に変わりはない」と述べた。この頑迷ぶりが今日の混迷を招いたという自覚はうかがえない。ましてや民主主義や地方自治の無視を恥じる姿勢は見当たらなかった。
首相の姿勢が正当化されるなら、どんな危険を強制されても、環境を破壊されても、選挙でどんな意思表示をしても、国がひとたび決めてしまえば地方は奴隷のごとく従うしかないことになる。これで民主国家だと言えるのか。それこそが本質的な問題なのだ。
是正の指示の取り消し訴訟は国有利だとささやかれる。沖縄側敗訴もあり得るだろう。だが仮に敗訴しても、次は埋め立て承認の「撤回」をすればよい。設計変更は必ずあるからそのたびに知事が承認を下さなければ、工事はできない。いずれにせよ沖縄側が折れない限り、新基地完成は不可能である。
今回、工事は1年以上、止まるだろう。米側もさすがに、日本政府の「移設に問題はない」との説明に疑念を募らせているはずだ。
真の意味での仕切り直しの好機である。海兵隊は、普天間代替基地は必要か。百歩譲って必要としても、「辺野古が唯一」とする軍事的理由はない。復帰前は海兵隊の航空団と歩兵砲兵は岩国と沖縄に分かれていた。両者が近距離にないといけないというのは虚構なのだ。「沖縄の海兵隊」という思考停止の見直しが必要だ。そこからしか真の解決は見つかるまい。
=====================================================
=====================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016030502000123.html】
国と沖縄 仕切り直し 辺野古工事中断 再協議
2016年3月5日 朝刊
(安倍首相(右)と会談する沖縄県の翁長雄志知事
=4日午後4時50分、首相官邸で(小平哲章撮影))
米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)の新基地建設をめぐる代執行訴訟で、安倍晋三首相は四日、福岡高裁那覇支部が示した和解案の受け入れを表明した。この後、首相は翁長雄志(おながたけし)知事と官邸で会談し、和解が成立した。国による工事は中断する。国と県の協議は仕切り直しとなるが、首相は新基地建設方針は「何ら変わりない」としている。対立の構図は変わっていない。 (金杉貴雄)
和解条項に基づき、辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しの撤回を国が求めた代執行訴訟など、国と県は互いに提訴した三訴訟をすべて取り下げる。首相は埋め立て工事の「中止」を指示した。
今後、国は翁長氏に対して埋め立て承認取り消しの是正を指示することから手続きをやり直す。県は国地方係争処理委員会に審査を申し出て、その後に訴訟を提訴できるが、訴訟が確定するまで双方は「円満解決に向けて協議」することが和解に盛り込まれた。
首相は翁長氏との会談で「訴訟合戦を続けていけば膠着(こうちゃく)状態となり、現状が固定化されてしまう恐れがあり決断に至った」と説明。翁長氏は「和解成立は大変意義がある」と評価し、「(昨年夏の国と県による)集中協議は形式的だった。皆さんの思いもしっかり聞きたい」と述べた。
国と県による今後の協議で双方の主張が変わらなければ、再び法廷で争われることになる。和解条項はこれを想定し、双方が「確定した判決には従う」とした。
ただ「仮に最高裁まで争えば一年程度」(与党幹部)とも指摘される再訴訟の間、工事は行われないことになった。
日米両政府は二〇二二年度にも移設を完了することで合意していた。政府は和解内容を米側にも説明。菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で、移設計画が遅れる可能性を認めて「(スケジュールに影響が)出ないと言えばうそになる」と述べた。
◆近づく参院選 民意に迫られ
<解説> 米軍普天間飛行場の移設をめぐる国と沖縄県による異例の「訴訟合戦」は、安倍政権が民意に押され、政権内で想定されていなかった譲歩を迫られる結果に至った。
防衛省幹部は和解について「一日も早い工事完成と言ってきたが、少なくともその方向ではない。全く予想していなかった」と不満を漏らした。和解案の受け入れは、官邸による政治判断といえる。
新基地建設については、二〇一四年十一月の沖縄県知事選で、辺野古埋め立てを承認した前知事を破り、翁長雄志知事が当選。同十二月の衆院選では沖縄の全四小選挙区で、新基地建設の反対を訴えた候補が与党を破った。沖縄の民意が新基地建設に反対していることが鮮明になった。
普天間飛行場を抱える宜野湾市で今年一月に行われた市長選では、新基地反対を訴えた候補が敗れたことで、政権内には沖縄の民意が変わりつつあるとの見方もある。だが、当選した現職は新基地建設問題を争点化しておらず、その見方は必ずしも妥当ではない。
和解案に対しては、沖縄側が受け入れを早々に表明した一方、政府は工事中止が盛り込まれていることを理由に受け入れに消極的だった。それでも最終的に和解に応じたのは、沖縄の民意に変化の兆しがないまま夏の参院選に臨めば悪影響が及ぶと懸念。対立を一時棚上げするのが得策との判断もあったとみられる。
首相はこの日「県との協議」を再び強調した。だが「辺野古が唯一の選択肢」という政権の基本方針まで変えたわけではない。 (関口克己)
=====================================================