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●「どうぞ米軍は撤退してください」:散々「思いやら」されて、そしてまたしても「肝苦(ちむぐり)さ」…

2016年05月22日 00時00分47秒 | Weblog


東京新聞の社説【元海兵隊員逮捕 沖縄を安心安全の島に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016052102000171.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016052102000124.html)。

 《米軍基地があるために犯罪が繰り返される…県民を守るために、日本政府は米国との交渉に全力を尽くすべきだ。「またか!」と県民には痛恨の極みだろう…。犯罪に巻き込まれたのは、普段の暮らしのすぐ隣に基地があったがためである》。
 《「沖縄の言葉「肝苦(ちむぐり)」…。▼沖縄はいま、「肝苦さ」でいっぱいだという。…「基地の島」で、またも悲劇が繰り返された▼…いくら米軍基地の県外移転を訴えても顧みられぬ沖縄の痛み。日本中が、「肝苦さ」の本当の意味を理解する時だ」》。

   『●翁長雄志知事、再度の決意表明:
     「安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが…政府の選択は誤りだった」
    「アベ王国の王様・アベ様による「人治主義国家」を沖縄辺野古から覆す
     翁長雄志沖縄県知事による辺野古破壊阻止に向けての、そして、
     反「沖縄差別」・「住民分断」への再度の決意表明。この先何があろうとも、
     改めて、《あらゆる手法で建設を阻止する意向》を明確に示した。
     そして、《大きな圧力の前で県民もしっかりがんばらないといけない。
     その先頭に立つ私は、命懸けで政治をやっていく》とも」

 訪米中の翁長雄志沖縄県知事が決意を新たにし、《先頭に立つ私は、命懸けで政治をやっていく》と宣言した矢先にこれである。

   『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
     その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」
    「辺野古破壊高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様や、
     スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。
     何のためらいも無く、「番犬様」に貢ぐ非道」

   『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
      「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」
    「《安保条約で米国は日本防衛の義務を何ら負っていない》し、
     《日米地位協定24条経費負担は米国がする》と決まっているし、
     《24条が日本に求めているのは基地の無償提供だけ》のはずなのに、
     アベ様らの歴代自民党政権は気前のいいことだ。つくづく、
     「思いやる」先を間違っていると思う」

 散々「思いやら」されて、そしてまたしても「肝苦(ちむぐり)さ」…。『(ぬち)どぅ宝』が無残にも…。「どうぞ米軍は撤退してください」。クルッタ「番犬様」なんてイラナイ。

   『●「現実の戦争を知る
      ベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を
    《政府の目的は国益を守ること。優先されるのは国家であり、
     民間人の命ではない。戦争ではむしろ、民間人が犠牲になる》
    《民間人が平和に暮らせることこそが国益。『(ぬち)どぅ宝』。
     何よりも命が大切です》
    《生きている間に基地のない平和な沖縄を見たい。それが、私の願いです》

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016052102000171.html

【社説】
元海兵隊員逮捕 沖縄を安心安全の島に
2016年5月21日

 米軍基地があるために犯罪が繰り返される。沖縄県で女性が行方不明になっていた事件で、元米兵が死体遺棄容疑で逮捕された。県民を守るために、日本政府は米国との交渉に全力を尽くすべきだ。

 「またか!」と県民には痛恨の極みだろう。四月から行方不明になっていたうるま市の会社員女性(20)の遺体が恩納村の山林で発見された。沖縄県警は米軍嘉手納基地で働く元海兵隊員のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者(32)を逮捕。「女性を捨てた」と容疑を認め、殺害をほのめかす供述をしているという。

 被害者の女性はシンザト容疑者と面識がない。犯罪に巻き込まれたのは、普段の暮らしのすぐ隣に基地があったがためである

 在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄は「基地の中に沖縄がある」と例えられる。米軍関係者による犯罪は、第二次大戦末期の沖縄戦当時から繰り返されてきた

 全国の警察が二〇〇六年から十年間に摘発した殺人や強盗などの凶悪犯は六十二件九十一人。沖縄では毎年のように発生している。

 事件のたびに日米政府は遺憾の意を示すが現実には再発防止になっていない沖縄の人々が求めるのは、米軍基地の廃止である。それがすぐにかなわないなら米軍に特権を与え、県民を憲法のらち外に置く日米地位協定を対等なものに改めることである。

 シンザト容疑者は、今は軍人ではないが、日米地位協定で定められる「軍属」に当たる。今回は「公務外」であるため、日本の刑事手続きに従って罪が問われることになるが、米兵、米軍属による犯罪がやまない背景には、改善運用はされるものの、不平等を解消する抜本的見直しがされてこなかった協定があることは論をまたない。

 辺野古新基地に反対する沖縄県民の声を直接伝えようと、翁長雄志知事が訪米している最中に急展開した事件である。無残な犯行で若い命が奪われたことに、沖縄の怒りはまた燃え上がる。大規模な基地反対運動のきっかけとなった、一九九五年の少女暴行事件を思い起こさせる。

 事件が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設に伴う、名護市辺野古の新基地建設に影響を与えるのは必至だ。来日するオバマ米大統領は沖縄の米軍基地がいかに理不尽な形で置かれているのか、県民の痛みの声を正面から受け止めてほしい。広島の思いだけでなく沖縄の思いを毅然(きぜん)として伝えることも政府の責務である。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016052102000124.html

【コラム】
筆洗
2016年5月21日

 極北の民が話すイヌイット語には「イクトゥアルポク」という言葉があるそうだ。意味は、<だれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること>。きっと客人を大切にする民なのだろう▼南アフリカのズールー語で「ウブントゥ」は<あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す>との意味で、「人のやさしさ」を表すというから、実に味わい深い▼世界にはおよそ六千の言語がある。その一つ一つに風土が深く染み込んでおり、だから、他の言語に簡潔に置き換えにくい言葉も多い。『翻訳できない世界のことば』(創元社)は、そんな言葉を集めた小さな宝箱のような本だ▼その箱にぜひ加えてほしいのが、沖縄の言葉「肝苦(ちむぐり)」だ。これも訳すのが難しいという。だれかの悲しみや苦しみを思えば、自分の心が本当に痛くなる他人の痛みを自分の痛みとする。そういう深い意味合いを持った言葉なのだそうだ▼沖縄はいま、「肝苦さ」でいっぱいだという。二十歳の女性が、行方不明になった。家族は祈り続けただろう。しかし遺体で見つかり、元米兵が逮捕された。「基地の島」で、またも悲劇が繰り返された▼娘の命を奪われた家族の悲しみ。いくら米軍基地の県外移転を訴えても顧みられぬ沖縄の痛み日本中が、肝苦さの本当の意味を理解する時だ
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