(2023年04月01日[土])
4月1日エイプリルフール、『●《本来、問題にすべきは…安倍政権が政権批判をおこなう“目障りな番組”を潰すために法を捻じ曲げさせていた、という民主主義の破壊行為》』の冒頭で触れた通り、リンさんを連れて桜見散歩に行く気力もなく、ベッドで横になりgooブログ仲間(と勝手に思っている)のブログを訪問している。
megii123さんの【行雲流水の如くに/世の中の動きを新たな視点で眺める】(https://blog.goo.ne.jp/megii123)の『緩衝材としての海上保安庁の活動に期待したい』(https://blog.goo.ne.jp/megii123/e/2938d65e47857d53de26d1f1513e3829)にコメントをさせて頂いたので、以下に自己引用。何度も人様のブログにコメントするのも何なので、それ以降に思い出したことも、書いておきたい。
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こんにちは、A.S.です。
ご指摘の通りだと思います。昨年11月のコラム『政界地獄耳/防衛大綱「多次元統合防衛力」とは』に「★まさに多次元統合防衛力であり総合的防衛力とはこういった防衛省、海上保安庁、警察と役割が違う組織を一元化するということにほかならず、それに米軍やNATOが加わる大規模編成が想定されているのではないか。既に海自と海保の合同訓練や連携は“役割の違い”を乗り越えて実施されつつある。安保3文書改定で消え去る運命にあるであろう海上保安庁法第二十五条を書き留めておく。「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」。海保設立の誇りと独立性をついえさせるべきなのだろうか。」とありました。
もう一点思い出した負の側面。日々ドブガネし、土砂をぶちまけ、完成することのない、破壊「損」な辺野古。沖縄辺野古での新基地建設、その反対運動に於いての誇り高き「海猿」どころか「アベ様のイヌ」だったこと…。アーサービナードさんは「沖の風景を見ろよ。沖縄が日本政府の攻撃にさらされている。もう、この風景は戦争だよ。」と仰っていました。
『マガジン9』の記事【三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉 第3回「もはや戦場だ」~8月14日、ついに辺野古は包囲された~】(http://www.magazine9.jp/article/mikami/14204/)にも。
長々と失礼しました。
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再び、A.S.です。すいません。
「「戦争を起こさないための考え方や外交」が今ほど必要な時はありませんね。」、本当にそうだと思います。
さらに、引用させてください。長周新聞の記事『沖縄を戦場にすることに断固反対する 沖縄・元全学徒の会が声明』です(2023年1月23日)。「先の大戦では、若い学徒を含め310万人の日本人が犠牲になり、アジア全体での軍民の犠牲者は2千万人を超えるとされる。日本は侵略した国の人々を虐げ、収奪し、命を奪った。今、日本政府がすべきことは、侵略戦争への反省と教訓を踏まえ、非戦の日本国憲法を前面に、近隣の国々や地域と直接対話し、外交で平和を築く努力である。戦争を回避する方策をとることであり、いかに戦争するかの準備ではない。しかし、今の政府は戦争をするきっかけを見つけ出し、戦争にまい進しようとしていることが強く危惧される」。
もう一つだけ。琉球新報のコラム『<金口木舌>国葬見つめる沖縄戦体験者の思い』(2022年9月28日)。「▼沖縄戦も辺野古も沖縄を犠牲にする構図は変わっていない。政府が今なすべきは戦争の準備ではなく、沖縄を犠牲にしない政治であり、近隣の国や地域と友好を深め、戦争を回避する「不断の努力」だ」。
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『●《決して沖縄だけの問題ではない…「だからこそ自分たちのこととして、
そもそも戦争を起こさせないための声を国に対して上げる必要がある」》』
《戦争などできない国…「戦争などやるもんじゃない」の一言に尽きる》。長周新聞の武蔵坊五郎さんの仰ること、本当に素晴らしい。ズブズブ壺壺ヅボヅボな自民党議員やその直接的・間接的支持者の皆さんが、以下を理解できないことが不思議でならない……《安倍晋三からこの方、執拗に「戦争ができる国」作りに邁進してきたが、現実的には「戦争などできない国」であり、邦人の生命を脅威にさらさないためには「戦争などやるもんじゃない」の一言に尽きる。非戦の誓いを貫くことこそが、最大の防衛策なのである。それを粋がって、カモネギがたくさん武器を買い集めたからといってマッチョになったような勘違いをするというのは悲劇的である。戦争の脅威を抱えないためには、東アジアのなかで友好平和の力を強め、いかなる国であっても不断に平和外交に努めるほかないことは、火を見るよりも明らかなのである》。
誰の声に耳を傾けたか、〝検討使〟のはずが、国葬モドキや軍事費倍増、原発復権だけは異常に素早く決断。軍事費倍増については、番犬様への気遣いか。《米側の言い値で兵器などを買わざるを得ない「対外有償軍事援助(FMS)」は現代の不平等条約》なのに、ホシュを自称する皆さんは平気なのね。増税してまで軍事費倍増…《米国の覇権を維持…。まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》(斎藤貴男さん)なニッポン、哀れ過ぎはしまいか? ホシュを自称する皆さん、それでいいの? ニッポンに「主権」は本当に在るのかね?
さらに、その時、思い出そうとして思い出せずにいて、書きたかったこと。
『●《自民党タカ派…箕輪登…「戦争とは血を流す政治であります。外交とは
血を流さない政治であります。日本は永久に血を流さない政治を…」》』
自公政権は国を誤誘導し、市民を戦争の泥沼へと誘う。政治の失敗、《血を流す政治》。《血を流さない政治》=外交努力を一切放棄。害交・害遊ばかり。番犬様や米軍産複合体へおカネを注ぎ込み、貢ぎ、カモにされ、バカにされ…、周辺諸国から敵視され…。
(長周新聞)《そもそも際限なく国民の予算を米軍産複合体に垂れ流し、不必要な武器ばかり買い込んで配備し続けてきたことが、近隣諸国との軍事緊張を高めていく最大の要因である。このような血迷った権力者を即刻退陣させることが、日本やアジア諸国の平和や安全にとって真の「日本国民の責任」といえる》。
【政界地獄耳/今こそ思い起こす田中角栄の言葉 永久に血を流さない政治を】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202212240000033.html)によると、《自民党タカ派の1人といわれた箕輪登の言葉だ。…その時に広島の原爆記念館に行き「戦争とは血を流す政治であります。外交とは血を流さない政治であります。日本は永久に血を流さない政治をやるべきです」と記している。…所属した田中派の元首相・田中角栄は「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」を思い起こす》。
そうそう、《戦争を得意とする国ではない》《戦争に向いてない国》についてももう一度。
『●《血を流さない政治》は一体どこに行ってしまったのか? そもそも、
どこにどうやって《避難》できるのか? 核発電所事故時でも同様だ…』
《まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》《安全保障というより、米国の覇権を維持…》(斎藤貴男さん)。《柳沢協二・国際地政学研究所理事長・自衛隊を活かす会代表…「日本は国土が狭く、食料やエネルギーなどを全て自給できず、海外とつながらなければ生きていけない。少子化も進み、戦争を得意とする国ではない。武力強化ではなく、戦争を防ぐ新たな国際ルール作りに向け、もっと外交で汗をかかなければいけない」 ほんに、それです。戦争に向いてない国なんだから、敵基地攻撃能力とかいう前に、徹底的に戦争回避の方法について議論すべき。抑止をちょっとでも超えてしまったら大変なことになるのは、誰にでもわかることだろう。まず外交努力、最後まで外交努力。》(室井佑月さん)。
最後に、軍事費倍増なんてやってる場合か、という話。
《あれだけの批判をしてきた自民党の厚顔さにもあきれるが、やるべきことを10年放置した安倍政権の責任は重い》。斎藤貴男さん《適齢期の男女が結婚しないのも、子どもを産みたがらないのも、絶望的な政治に弄ばれる社会に、夢も希望も抱き得ないからではないか。》 ニッポンの《有事》は少子化(浜田敬子さん)。なのに、軍事費倍増って、バカなのか?
目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/辺野古ゲート前の県民大行動と埋め立て工事の状況】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/7f125f32c33c02f4305aaf2db95b1d5d)によると、《石垣島の自衛隊基地にミサイル発射機を含む約200台の車両が搬入され、琉球列島全体が対中国の軍事要塞と化していることに強い危機感が語られた。抗議のため今日は石垣島に向かった市民もいる、との話も聞いた。昨年生まれた子どもが80万人を割ったことが報じられている。莫大な予算を軍事強化に浪費し、少子化対策や貧困対策を後回しにしてきた結果がこれだ。「台湾有事」を煽って本当の危機から目をそらしている間に、さらに衰亡は進み日は没する》。
[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)] (2021年09月11日[土])
琉球新報の記事【宜野湾市下水から指針超PFAS 米軍放出後1リットル数百ナノグラム】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1390067.html?utm_source=ryukyushinpo&utm_medium=referral&utm_campaign=carousel)によると、《米軍が普天間飛行場から有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)を含む汚染水を処理し、公共下水道へ放出した問題で、宜野湾市が放出当日に下水道から採取した水を検査したところ、PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の合計(速報値)が、国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を上回る1リットル当たり数百ナノグラムだった》。
国や東電がやりたがっている、処理水という名の汚染水の海洋放出の論理と同じ。海水で薄めればOKというデタラメ。番犬様も《汚染水を処理》? 薄めただけか?
番犬様、やりたい放題。ニッポン政府は見て見ぬふりばかり。
立ち入りの調査もできず、事故の原因が判明するまでに長期を要し、国内法も適用されず、政府は沈黙する…ドイツやイタリアでも同様なのですか? もしかして、ニッポン政府だけが《ポンコツ》なの?
『●「日米地位協定が米軍に“特権”を与えているからだ。
「半分主権国家」…編集者で作家の矢部宏治氏」』
『●日米地位協定では《受け入れ側》ニッポンの
《国内法を米軍に適用している》のか? 沖縄はニッポンでは?』
『●番犬様との地位協定…《何のたがもはめず、
米軍のやりたい放題を許している》ニッポン、主権は何処に?』
『●安仁屋眞昭さん《沖縄では民意よりも米軍が優先。
沖縄の戦後は終わっていない》…何度事故・事件が起きようとも』
『●<金口木舌>《よほど国策ごり押しの現場を
見せたくないらしい。それこそ基地隠蔽》、辺野古破壊隠蔽』
『●PFOSを含む泡消火剤《14万リットル流出 ドラム缶719本分》!!
沖縄市民に強硬な防衛相は番犬様には何にも吠え付けないとはねぇ…』
『●COVID19人災でさらけ出され、ここでも《政治家や官僚が国防を語れば
語るほど、自らの無為無策がさらけ出される》(吉川毅記者)』
「琉球新報の記事【普天間OK、嘉手納基地は「保留」 有害PFOS調査
「米軍さじ加減」の事情】…。《米軍のさじ加減で調査の可否が左右》
…いつも思うのですが、ドイツやイタリアの番犬様もそうなのですか?」
『●ポンコツな番犬様…泡消火剤《14万リットル…ドラム缶719本分》
流出事件の《原因は米兵が格納庫でバーベキューをしたことだった》』
『●結局、COVID19禍で苦しむ沖縄の人々の命や安全・安心な生活など、
どうでもいい訳だ? 《米国への隷従》しかできない政府・自公お維』
《米軍が持ち込んだ汚染物質によって沖縄の環境が汚染される事態は後を絶たない》。《いつも米軍だけが知っていて、沖縄県民は知らぬままに被害に遭ってきた》。
琉球新報のコラム【<金口木舌>化学の成果】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1390065.html)によると、《▼米軍の毒ガス兵器が貯蔵されていたのは沖縄だ。2次にわたる移送で撤去が完了したのは71年9月9日だった。半世紀が経過したが、化学物質の脅威は今も消えていない。米軍基地からは有機フッ素化合物に汚染された水がたびたび流れ出している》。
『●「毒ガス開発の父ハーバー ~愛国心を裏切られた科学者~」読了(1/2)』
『●「毒ガス開発の父ハーバー ~愛国心を裏切られた科学者~」読了(2/2)』
『●核開発・核使用、そして原発推進……、それは愛国心の発露か?』
『●戦争法案・壊憲法案では核兵器も「弾薬」と解釈、
つまり、何でもできる「積極的平和主義」』
『●普天間「番犬様」基地: 「毎日頭上を飛ぶヘリの機体に
ストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散』
《三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉 第28回 墜落事故から
11年、ヘリが落ちた日の空は… …「こんな風に、住民は
あっけなく危険にさらされるのか」今まで伝えてきたニュースが
脳裏に甦る。いつも米軍だけが知っていて、沖縄県民は知らぬままに
被害に遭ってきた。高江のベトナム村では枯葉剤の後始末を
江区民にさせた。劣化ウラン弾を撃ち込んだ鳥島の射爆場では、
漁師達が知らずに漁をしていた。処分に困って土に埋めた
ダイオキシン、毒ガスや化学兵器の貯蔵も漏れ出して事件に
なって初めて知る。いずれも、米軍は当然知っているが
住民に報告の義務はないのだ。結局のところ、ここは戦争に勝った
アメリカが戦利品として勝ち取った島なのだから、軍事拠点
としてどう使おうがこっちの勝手だというのが彼らの本音。》
『●番犬様を諌めることもなく「海自、米空母と訓練検討」
…「あくまでも非軍事的解決の道を探るべきである」』
『●<金口木舌>《「私たちはウサギやヤギと同じだった」…人々の怒りは、
半世紀前に米軍車を取り囲んだウチナーンチュの叫びと地続きだ》』
「琉球新報の【<社説>毒ガス移送50年 今も危険と隣り合わせ】」
《米国統治時代に行われた化学兵器(毒ガス)の第1次移送から
50年を迎えた。1969年7月、米紙報道により沖縄がアジア最大の
毒ガス貯蔵基地であることが明らかになった。住民は即時撤去を
求め立ち上がり毒ガスを撤去させた。米軍による基地の自由使用を
住民が初めて阻んだ歴史的出来事といえる。しかし、毒ガスは
撤去されたが、米軍基地内にどのような危険物質が保有されているか
現在も明らかにされていない。米軍が持ち込んだ汚染物質によって
沖縄の環境が汚染される事態は後を絶たない。米軍基地の過重負担と
自由使用を許す限り、危険と隣り合わせの構図は今も変わらない
ことを忘れてはならない》
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1390065.html】
<金口木舌>化学の成果
2021年9月10日 05:00
金口木舌 化学兵器禁止条約 有機フッ素化合物
「きい剤」「あか剤」「みどり剤」。日本軍で使われていた名称だ。「きい剤」はマスタードガスなどのびらん剤(化学兵器)のことだ。皮膚に付くと赤い斑点を生じ、痛みを伴う。他に催涙、窒息などの影響を及ぼす化学兵器が造られた
▼日本軍は第2次大戦終結前後、中国に化学兵器を遺棄した。化学兵器禁止条約により日本が処理の責任を負う。化学兵器禁止機関(OPCW)によると90カ所以上から毒ガス兵器約7万6300発が発見され、5万3500発以上が破壊された。ほか吉林省に33万発が埋まっているという
▼1997年に発効した化学兵器禁止条約は「化学の成果は人類の利益のためにのみ使用される」と定める。加盟国は190を超える
▼ロシアは2017年に化学兵器の廃棄を完了したと発表した。米国は22年末までに廃棄完了を目指している
▼米軍の毒ガス兵器が貯蔵されていたのは沖縄だ。2次にわたる移送で撤去が完了したのは71年9月9日だった。半世紀が経過したが、化学物質の脅威は今も消えていない。米軍基地からは有機フッ素化合物に汚染された水がたびたび流れ出している
▼基地内にどのような化学物質があるのか、米軍は情報を公開しない。国家や軍隊が条約、法律に従っているか、市民が監視する必要がある。化学の成果が人を傷つけることのない社会を実現するために。
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『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の水井多賀子氏による記事【参院選敗北で安倍政権の沖縄いじめが激化、米空軍機が沖縄市上空で照明弾発射の暴挙! しかし本土マスコミは一切報道せず】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2425.html)
『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督
・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』』
『●2016年7月参院選、「あとの祭」の要因の大きな一つは片棒担ぎのマスコミにあり』
『●究極の差別…「県民の安全を守るために
派遣されたはずの職員が基地建設に抗議する住民を鎮圧」!』
《政府は500人規模の機動隊を投入することを決定…まったく、ここまで露骨に牙をむくことができるものかと驚く…》。
アベ様は夏休み満喫中だそうですが、《沖縄・地域住民弾圧隊》が沖縄へ…やることなすこと無茶苦茶です。2016年7月参院選直後から、沖縄で何が行われているのか、「本土」ではほとんど報じられていません。「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん…「第二の加害者」は、あなたたちです。」は続き、マスコミが報じもしないため、「第二の加害者」は気づきもしません。「沖縄差別」「住民分断」「捨て石」に苦しむ沖縄の皆さんの「怒り」を全く共有できていません。「本土」の報道機関は、今や、アベ様に楯突けない状況でしょうか? 「本土」の報道機関に皆さんは、沖縄に建つ「戦没 新聞人の碑」に顔向けできないのではないですか?
『●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん』
『●「百田氏や自民党議員からの圧力はすべてのメディアの
言論の自由に対する挑戦・・・危機感を共有して」!』
『●沖縄差別は続く: 黙殺により、「『日本を取り戻す』の中に
沖縄は入っていない」ことをアベ様が表明』
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」』
『●翁長雄志知事、再度の決意表明:
「安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが…政府の選択は誤りだった」』
『●「どうぞ米軍は撤退してください」:散々「思いやら」されて、
そしてまたしても「肝苦(ちむぐり)さ」…』
『●「落とした魂(マブイ)」を探しに、なんて悲し過ぎる
…「選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ」』
『●「…は沖縄県民の耳には「期待するな」
「何も改善しない」と冷たく翻訳」…中央政府の体をなしていない』
『●「日本政府による命の二重基準」にウンザリ:
「日米両政府の空虚な言葉」は不要、基地撤去が抜本対策』
『●「沖縄には明らかにおかしな新聞がある。
本当に潰れた方がいい」…自民党には「ロクなヤツがいない」』
『●沖縄市民の民意: 民意を何度明確にすれば、
アベ様や最低の官房長官らは理解しようとするのか?』
『●「捨て石」: 「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん
…「第二の加害者」は、あなたたちです。」』
《安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の
「第二の加害者」は、あなたたちです。しっかり、沖縄に向き合って
いただけませんか。いつまで私たち沖縄県民は、ばかにされるのでしょうか。
パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。
ばかにしないでください》。
(東京新聞【沖縄県民大会 玉城愛さんスピーチ全文 本土も「第二の加害者」】
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016062102000122.html)より、
⇒ ※コチラ)
『●映画『標的の村』監督・三上智恵さん、
「わずか9時間の歓喜 ~高江工事再開・民意圧殺の朝~」』
『●「在日沖縄人」石川文洋さんの写真集
『基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古』』
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【http://lite-ra.com/2016/07/post-2425.html】
参院選敗北で安倍政権の沖縄いじめが激化、米空軍機が沖縄市上空で照明弾発射の暴挙! しかし本土マスコミは一切報道せず
水井多賀子 沖縄 自民党 2016.07.18
(上・自由民主党ホームページより/下・島尻安伊子オフィシャルサイトより
先日の参院選において大きなトピックとなったのは、沖縄と福島で現職大臣が落選したことだろう。とくに島尻安伊子氏は、この参院選を見越して安倍首相が県選出で沖縄担当相に抜擢。しかし蓋を開けてみれば、辺野古基地移設反対を打ち出した伊波洋一氏に10万票も差をつけられて“惨敗”したのだ。
2014年の沖縄県知事選につづいて、沖縄県民が再びはっきりと“民意”を国に叩きつけたわけだが、対して安倍首相は島尻氏を民間人として大臣を続投させる方針を固めた。沖縄は島尻氏に「NO」を突きつけたのに、である。
だが、安倍政権は、沖縄に選挙結果の意趣返しをするかのように、さらにとんでもない行動に出ている。
なんと参院選の投開票の翌日11日から、沖縄県東村高江の米軍北部訓練場でヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)建設工事のための機材搬入を開始、反対住民を強制的に排除しはじめたのだ。
しかも、住民の数がたったの約160人という小さな集落に対し、政府は500人規模の機動隊を投入することを決定。きょうから順次配備していく予定だという。政府は昨年11月にも辺野古新基地建設の抗議運動が行われているキャンプ・シュワブのゲート前に100人規模の機動隊を投入したが、今回はその5倍。この安倍政権の行動はあきらかに、選挙で再び示された沖縄の意志に対して脅しをかけるやり方だ。
まったく、ここまで露骨に牙をむくことができるものかと驚くが、『標的の村』『戦場ぬ止み』といったドキュメンタリー作品で沖縄の現実を伝えつづけているジャーナリストで映画監督の三上智恵氏は、今回の参院選から一夜明けてのヘリパッド建設工事強行について、「わずか9時間の歓喜」と表現している。
〈国は用意周到に、参院選あけの11日早朝に向けて
高江の工事再開の準備を進めていたのだ〉
〈本当に現行計画通りにヘリパッドができてしまったら、
「負担増」どころではない。高江は人が住める村ではなくなってしまう。
あなたの家から400メートルの地点に、突然オスプレイ用の
ヘリパッドを造りますと言われたらどうするか、想像してみて欲しい〉
(マガジン9「三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉」第55回/外部リンク)
『標的の村』に詳しいが、この高江では、ヘリパッド建設工事に反対するため座り込み抗議を行った住民たちを防衛省沖縄防衛局が「通行妨害」で訴えるというスラップ訴訟も起こっている。しかも、その訴えられた住民のなかには、7歳の女の子も含まれていた。信じがたい暴挙である。
何度も繰り返される沖縄への暴力──。しかし、沖縄では最近もうひとつ、見過ごせない事件が起こっている。それは今月13日、米空軍嘉手納基地に所属するF15戦闘機が、沖縄市上空で熱源体の照明弾「フレア」を3発、発射していたのだ。
幸いなことに被害は報告されていないようだが、これをたんなる「誤射」と片づけるわけにはいかない。こうした頻発するミスこそが、重大事故を引き起こす可能性を証明しているからだ。2004年には沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落するという大事故が起き、日米地位協定の壁に阻まれていまだ事故原因の全容解明さえなされていないが、沖縄ではつねに、このような理不尽な事故への不安と隣り合わせのなかでの生活を余儀なくされているのである。
しかも、である。このフレア発射問題を報じたのは地元紙だけで、読売、朝日、毎日、産経の4大紙は扱っていない。沖縄が抱える現実は国全体の問題なのに、メディアがこうした姿勢でいるために、いつまでたっても基地問題は“他人事”になってしまうのだ。
米軍属による残忍な殺人事件や米兵の飲酒運転事故などが立て続けに起こったが、基地がある街の苦悩や不条理をわたしたちはもっと知らなくてはいけない。頭上を戦闘機や危険なオスプレイが飛び交い、サッカー場をはじめとする基地跡地からは高濃度のダイオキシンが検出されるなど土壌汚染が広がっている。その米軍が放置した環境汚染の調査のためにかかった約9億8000万円は日本が税金で賄っているのである。その一方で防衛省は、米軍基地などの騒音対策であるエアコン補助費を、県内の幼稚園や小中学校など計108施設で廃止する方針だ。
だが、そうした現実をもっとも無視しているのは安倍首相だ。沖縄の怒りによって誕生した翁長雄志知事の面会要請を再三拒否し、翁長知事の辺野古埋め立て承認取り消し処分に対して代執行訴訟まで起こした。裁判所の和解勧告によって協議のための作業部会が14日も開かれたが、ここでも話し合いや説明を求める沖縄側に対して国は“工事再開”の一点張りで、政府側は沖縄県への新たな訴訟提起さえ匂わせている。安倍首相は5月25日の日米首脳会談後に開かれた記者会見で「沖縄のみなさんの気持ちに真に寄り添う」などと言ったが、一体、どこに寄り添う気持ちがあるというのだろうか。
何度も言うが、沖縄は14年の知事選、今年6月の県議選、そして今回の参院選と、再三にわたって民意を示している。しかし、民主的なかたちで沖縄が声をあげているのに、見せしめのようにヘリパッド建設工事を強行しようと大量の機動隊を送り込み、県民に寄り添うどころか足蹴にしているのである。到底、民主主義国家のやり方ではない異常さだ。
最後に、前述した三上氏の言葉を、もう一度引用したい。
〈今回の選挙で沖縄を圧迫する自民党政権を圧勝させた人たちは、
これから高江で起きることについて目をそらしてはならない。
自分の一票が支える権力がどこかで暴走していないか監視する
義務があるはずだ〉
(水井多賀子)
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『マガジン9』の三上智恵さんの記事『三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉 第55回 わずか9時間の歓喜~高江工事再開・民意圧殺の朝~』(http://www.magazine9.jp/article/mikami/29325/)。
《ところが、夜8時の歓喜の瞬間からわずか9時間後の朝5時過ぎに、激震が走った。大型工事車両と機動隊が隊列を組んで高江に向かっているという情報が入った》。
アベ様や最低の官房長官らは、沖縄県から誰一人自公議員が居なくなっても、「沖縄差別」「住民分断」「捨て石」を続けるつもりらしい。番犬様にそこまで忠誠を尽くすニッポン…。子どもにまでSLAPP(SLAPP、スラップ)する国・ニッポン。
沖縄県の皆さんは何度民意を示しても無視され、一方、与党・「癒(着)」党を支持し、または、「眠り猫」になることで、本土では「第二の加害者」を続ける訳です。三上智恵さんの怒りの記事の最後のパラグラフ、「第二の加害者」としての自覚と責任を突き付けている。
『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督
・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』』
『●沖縄市民の民意: 民意を何度明確にすれば、
アベ様や最低の官房長官らは理解しようとするのか?』
『●「捨て石」: 「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん
…「第二の加害者」は、あなたたちです。」』
《安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の
「第二の加害者」は、あなたたちです。しっかり、沖縄に向き合って
いただけませんか。いつまで私たち沖縄県民は、ばかにされるのでしょうか。
パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。
ばかにしないでください》。
(東京新聞【沖縄県民大会 玉城愛さんスピーチ全文 本土も「第二の加害者」】
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016062102000122.html)より、
⇒ ※コチラ)
『●「百田氏や自民党議員からの圧力はすべてのメディアの
言論の自由に対する挑戦・・・危機感を共有して」!』
『●沖縄差別は続く: 黙殺により、「『日本を取り戻す』の中に
沖縄は入っていない」ことをアベ様が表明』
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」』
『●翁長雄志知事、再度の決意表明:
「安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが…政府の選択は誤りだった」』
『●「どうぞ米軍は撤退してください」:散々「思いやら」されて、
そしてまたしても「肝苦(ちむぐり)さ」…』
『●「落とした魂(マブイ)」を探しに、なんて悲し過ぎる
…「選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ」』
『●「…は沖縄県民の耳には「期待するな」
「何も改善しない」と冷たく翻訳」…中央政府の体をなしていない』
『●「日本政府による命の二重基準」にウンザリ:
「日米両政府の空虚な言葉」は不要、基地撤去が抜本対策』
『●「沖縄には明らかにおかしな新聞がある。
本当に潰れた方がいい」…自民党には「ロクなヤツがいない」』
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【http://www.magazine9.jp/article/mikami/29325/】
三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉
第55回
わずか9時間の歓喜~高江工事再開・民意圧殺の朝~
「おれたちの祝いは8時がピークだ。伊波さん当確!!
でもそのあとは全国で自民圧勝するだろうから、
祝勝会も早めに解散だなぁ…」
ヒロジさんの言葉に場がどっと沸いた。どの顔も明るかったが、とりわけヒロジさんは、はしゃいでいた。参院選の夜、辺野古の繁華街の一角にある店を貸し切ってゲート前の仲間たちが集まった。辺野古基地建設反対を訴える伊波洋一候補の勝利はまず間違いない。今回伊波候補が獲得する票は、ヒロジさん達の日々のゲート前の座りこみを応援してくれる県民の声の大きさに比例している。大差がつけばつくほど現場は勇気をもらえる。勝利の瞬間はみんなで味わいたいと、めったに酒席を持たないメンバーが珍しく店を予約したのだった。
おまけに今回の相手候補は、辺野古の問題にかかわってきた人々にとって、どうしても当選させてはならない人物だった。自民党の現職大臣のその女性は「辺野古県外移設」の公約を破って真逆に転じたばかりか、基地建設に抗議する市民の取り締まり強化を国会で提案するなど、沖縄に軍事的負担を強要する安倍政権の先鋒として県民を裏切ってきた。前回の衆議院選挙では、沖縄選挙区の自民党現職議員は全員落選している。この落選したメンバーとこの女性大臣は、そろって安倍政権に説得されて「辺野古の県外移設」の公約を撤回、「県内移設容認」に転じたという「平成の琉球処分」と言われた屈辱的な場面にいた議員達だ。
これまで沖縄の保守として政府との協調路線を選んできた人たちも、この図には耐え難いものがあった。ここまで誇りを傷つけられても基地負担に耐え、土地を差し出し続けなければならないのか。翁長知事を中心に「オール沖縄」を形成していく土台に、この沖縄の保守政治家の体たらくがあった。その中で、唯一国会に残っていたのがこの女性大臣だった。
「7時55分には当確が出るぞ!」
「そんなわけないだろ!」
開票率ゼロの段階で当選速報を出すことを放送業界で「ゼロ当」といい、賛否両論ある手法なのだが、開票が始まる8時を待てないメンバーは、選挙対策事務所のネット中継を見ながら大騒ぎ。そして8時の時報と同時に「伊波候補当選確実」のスーパーが表示され、座は興奮のるつぼになった。カチャーシー、歌、踊り。全国の速報では自民党が着実に議席を伸ばしていたが、そんなテレビはもう消して宴会は続いた。これで、なんと沖縄選挙区は衆参共に自民党議員がゼロになった。自民圧勝のこの国の中にあって、さらなる基地の痛みを押しつける自民党政権に、沖縄県民は解釈の余地などないほどクリアに「NO」を突きつけたのだ。知事選、衆院選、参院選、全県民が意思表示をする選挙はすべて、基地建設を拒否する候補が圧倒的な勝利で民意を形にした。
ところが、夜8時の歓喜の瞬間からわずか9時間後の朝5時過ぎに、激震が走った。
大型工事車両と機動隊が隊列を組んで高江に向かっているという情報が入った。辺野古が和解している間に高江のヘリパッドを造ってしまおうという動きは進行していたので、参院選後が要注意だという覚悟はあった。しかし、まるで喜んでいる県民をあざ笑うかのように、勝利の感激に酔う頭を下から蹴り上げるようなやり方で、工事に突入した。
国は用意周到に、参院選あけの11日早朝に向けて高江の工事再開の準備を進めていたのだ。沖縄防衛局は11日付で赤土防止条例に基づく工事の通知書を県に提出。同じ日、合わせて不法占拠している車の撤去を求める勧告をメールで県に送りつけ、それに先んじる形で早朝から高江で機動隊による制圧体制を敷きながら、トレーラーにプレハブ施設や簡易トイレを載せたものを始め、大型工事車両を米軍北部訓練場のメインゲートに搬入した。
「これが国のやり方か! 選挙結果を踏みにじって、
こんなやり方で基地建設を強行するのか!」
高江に駆けつけたヒロジさんに、数時間前までの笑顔はなかった。
「大丈夫。こんなやり方をしたら県民全体を敵に回します。
全基地封鎖になります。絶対に工事はさせません」
ヒロジさんが私に丁寧語で「大丈夫です」、と言うときは、いつも相当な怒りに燃えているときだ。ヒロジさんと言えば激高しているような場面の印象が強いかも知れないが、追い詰められるほどに冷静になり、本気で怒ったときは穏やかに笑ってみせる。私は心臓がヒリヒリする思いだった。高江は2007年の座りこみ初期からずっと、ヒロジさんが泊まり込んで抵抗運動を繫いできた場所だ。2014年からは辺野古のゲート前を担当するようになったが、高江のことはひとときも忘れたことはないだろう。2014年にN4地区の2つのヘリパッドが完成し、オスプレイの訓練が始まってしまっているが、そのほか4箇所は工事には入れないまま2年が経過していた。しかしこの再開は、国はどうやら本気のようだ。
先月18日、 沖縄県に駐留する米海兵隊のトップ、ニコルソン中将は、北部訓練場の一部を来年初めに日本へ返還すると語った。相次ぐ米軍の不祥事に対して高まる不信感を払拭する狙いなのだろう、沖縄の本土復帰後、最大の返還面積になると強調した。そのためには年内に残り4箇所のヘリパッドを完成させなければならない。着手すれば工事は2ヶ月で完成するともいわれている。防衛局のメンツに懸けて秋までに必ず着工まで持ち込もうという構えだ。それは両政府の都合なのだろうが、先週も連日連夜、オスプレイが複数編隊で飛び回って、子ども達が不眠で学校に行けない事態になっていた高江では、あと4つも集落近くにヘリパッドを造ります、という話を「そうですか」と受け入れられるはずもない。
北部訓練場を半分も返してやるんだから、ヘリパッドの移設くらい協力しろ、と米軍と日本政府は言っている。そして北部の市町村長は基地の返還を歓迎し、「返還に伴うヘリパッドの移動なのだ」という解釈の元に、明確にはヘリパッド建設に反対していない。
しかし、これは何重にもおかしな話だ。県民から奪ったやんばるの森を返すのに、なぜ上から目線で条件を付けられるのか。しかも返還されない南側の訓練場内にはほとんど使っていないヘリパッドがいくつもある。もしも返還区域にあるヘリパッドと同じ数をどうしても新しくつくるというなら、集落から最も遠い迷惑にならないところに造るのが当たり前なのに、なぜ高江を囲むような陣形に造るのか。
集落を含む山あいの地形を利用しながら、オスプレイが離発着できる新たなヘリパッドを拠点に山の稜線ギリギリに飛ぶ訓練をする、それが目的で有ることは明らかだ。これもまた、返還を口実に恩着せがましく振る舞い、より便利な訓練場を日本の税金で用意して頂こうというアメリカ軍の常套手段だ。
「返還すると言っているのに、なぜ反対派はわあわあ騒ぐの?」と言っている人は、政府に都合のいい報道しか見ていない。映画『標的の村』を是非見て欲しい。本当に現行計画通りにヘリパッドができてしまったら、「負担増」どころではない。高江は人が住める村ではなくなってしまう。あなたの家から400メートルの地点に、突然オスプレイ用のヘリパッドを造りますと言われたらどうするか、想像してみて欲しい。
「戦後70年、日本の安全保障を背負ってきた沖縄県民に対して
こういうやり方をするのか。到底容認できない」
翁長知事も、工事再開の夜に異例の会見を開いて苛立ちをあらわにした。
「これだけ安全保障に貢献し、これからも背負い続ける県民に対して、民意が示された数時間後に用意周到に手続きを始めることは、県知事として容認しがたい」。ヘリパッド建設そのものの是非については言及を避けてきた翁長知事だが、このタイミングとこの手法に怒りを覚えない県民はいないだろう。しかし昨日12日、中谷防衛庁長官が建設資材の搬入について「地元とのやりとりは丁寧に数を増やしながら行ってきた」と耳を疑うコメントを出した。
彼が「丁寧に行った」というのは、「不法占拠の車の移動を求める勧告の紙を9回高江に持って来た」そのことを指すらしい。片腹痛い。さかのぼれば、1996年のSACO合意の年に防衛局の高見沢氏は「オスプレイについて沖縄県民に説明しますか? 隠しておきますか?」とアメリカにお伺いを立てていたことが、メールによって暴露されている。96年の段階で普天間代替施設にオスプレイが来ることを知りながら、あらゆる公式な場でも、環境アセスメントでも、最後まで配備を隠し続けた事実を消せはしない。
高江の住民説明会では「オスプレイ配備は聞いていない」「配備されるならあらためて説明をする」と明言した。それから説明会も何もなく工事を強行し、年間1200回というオスプレイの高江での訓練はもう始まってしまった。これは確信犯のごまかしだ。もし民間なら詐欺罪の上に莫大な損害賠償が課されるはずだ。この過程のどこに丁寧さがあったのか。いつも夜中や早朝に闇討ち工事で進めてきた防衛局の、どこが丁寧なのか。7歳の子どもまで通行妨害で訴えた前代未聞のスラップ裁判を妙案として採用した国は、本当に高江に住む人々を国民として対等に扱ってきたと言えるのか。こういう防衛大臣を、日本国民は一体どんな感覚で放置するのか?
高江は那覇から片道3時間。工事を進める側も通うには相当遠い。だから住民が入れない北部訓練場の中に資材を搬入し、プレハブを立て、トイレも設置して寝泊まりをして作業に入るのだろう。遠隔操作ができる監視カメラらしきものも設置していた。ゲート前の人数が少ない時を画面で確認して、現場に向かうのだろう。しかし予定地周辺の林道が崩壊していることなどから、米軍機で重機をつり下げて山に入れる計画がささやかれている。重機をつり下げると言えば、沖縄県民の心に甦るのは米軍がトレーラーを落下させて幼女を圧死させてしまったむごい事件だ(棚原隆子ちゃん事件・1965年)。そこまで残酷な仕打ちを、現政権ならやりかねないとさえ思う。そうなったら沖縄はどうなるのか。国民はどうするのか。
今回の選挙で沖縄を圧迫する自民党政権を圧勝させた人たちは、これから高江で起きることについて目をそらしてはならない。自分の一票が支える権力がどこかで暴走していないか監視する義務があるはずだ。大手メディアが伝えなくても、必ず私たちが伝えるから、知らなかったとは言わせない。全国で自公政権を支持した人たちは、今後沖縄で起きることを必ず、しっかりと見て欲しい。
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『マガジン9』の三上智恵さんの記事『三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉 第28回 墜落事故から11年、ヘリが落ちた日の空は…』(http://www.magazine9.jp/article/mikami/21772/)。
「沖縄国際大学にヘリが墜落……翌日、防護服を着けた兵士が現場に現れ、はっとした。数名でガイガーカウンターを持って事故現場の数値を計っていた。放射性物質が飛散していたのだ。毎日頭上を飛ぶヘリの機体にストロンチウムが使われていることなど初めて知った」。
消された放射能汚染、米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件。沖縄タイムスの小出裕章さんに関する記事から知りました……私は「単なる〝番犬様〟米軍の傲慢さや沖縄差別の表れだとばかり思っていました。その裏に、ストロンチウム汚染の問題があったなど、全く想像していませんでした。初めて知りました」。
『●消された放射能汚染: 米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件』
番犬様は「結局のところ、ここは戦争に勝ったアメリカが戦利品として勝ち取った島なのだから、軍事拠点としてどう使おうがこっちの勝手だというのが彼らの本音。占領意識そのままに、今日に至っているのだ」。一方、ニッポン「政府は「普天間を返して欲しいなら辺野古を完成させなさい」と他国が奪った土地を人質に、涼しい場所から沖縄を脅し続けている」。番犬様およびニッポン政府による「差別性の極み」「沖縄だからいいや」が続く沖縄。
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【http://www.magazine9.jp/article/mikami/21772/】
三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉
第28回 墜落事故から11年、ヘリが落ちた日の空は…
2015年8月19日up
「この基地が危ないままなのは、反対してるお前らのせいだ。またヘリ落としてやろうか?」
そう言いながらわざと低空で飛んでるのかと思うほど、この日普天間基地の上空では過密な訓練が展開されていた。沖縄国際大学にヘリが墜落して11年になる8月13日。夕方5時半に集会が始まって日が傾いてからも、オスプレイを含む大型ヘリがまるでマイクの音を掻き消すかのように何度も頭上をかすめて離着陸を繰り返した。動画でご覧戴きたい。
私は37歳で沖縄国際大学の大学院の門を叩いた。民俗学者になる夢は叶わなくても、遅まきながら沖縄の民俗学をきちんと修めたいと、夕方のニュースを終えてから毎日バスに飛び乗って宜野湾市の大学に通った。すぐ隣にある普天間基地のヘリが大学の校舎をバリバリと破壊しながら墜落したのは、卒業してまもなくの夏だった。8月13日。忘れもしない、私の誕生日でもあるこの日、友人と海に行く車中で速報が入り、リゾート服のまま踵を返して自分の大学に駆けつけた。いや、正確に言えば駆けつけられなかった。あちこちにテープが張られ、米兵が「OUT! OUT!」と繰り返し怒鳴るのでなかなか近寄れない。車を捨てて「報道だ!私の大学だ!」と抗議を続けなんとか近づいた現場は、まだもうもうと煙に包まれていてガソリンやゴムが燃えたような異臭が漂っていた。私は近くでその煙にさらされていたが、翌日、防護服を着けた兵士が現場に現れ、はっとした。数名でガイガーカウンターを持って事故現場の数値を計っていた。放射性物質が飛散していたのだ。毎日頭上を飛ぶヘリの機体にストロンチウムが使われていることなど初めて知った。知っていれば無防備なリゾート服で胸一杯に煙を吸い込みはしなかった。
「こんな風に、住民はあっけなく危険にさらされるのか」今まで伝えてきたニュースが脳裏に甦る。いつも米軍だけが知っていて、沖縄県民は知らぬままに被害に遭ってきた。江のベトナム村では枯葉剤の後始末を江区民にさせた。劣化ウラン弾を撃ち込んだ鳥島の射爆場では、漁師達が知らずに漁をしていた。処分に困って土に埋めたダイオキシン、毒ガスや化学兵器の貯蔵も漏れ出して事件になって初めて知る。いずれも、米軍は当然知っているが住民に報告の義務はないのだ。
結局のところ、ここは戦争に勝ったアメリカが戦利品として勝ち取った島なのだから、軍事拠点としてどう使おうがこっちの勝手だというのが彼らの本音。占領意識そのままに、今日に至っているのだ。沖縄戦を生き延びた島民を追い出しはしないが、彼らのルールや人権のために軍の行動が制限されるなんてとんでもないと。そして安保条約と地位協定が、日本国民の基本的人権を保障する憲法の上位に位置してそれを可能にしているのだから、日本政府も見て見ぬふりを決め込むだけ。今の日本で米軍基地と共に生きるというのは、これ程に危険で惨めなことなのだ。いくらパートナーシップとか隣人、オトモダチ作戦とか呼んでみても、不平等な土台の上に対等な関係性が存在するはずがない。米軍が東日本大震災で力になってくれた事実を否定はしない。しかし米軍内部では、あれが放射能汚染された敵国から仲間を救い出すための実地訓練と位置づけられていたと聞いて、原爆の後にすかさず現地に入ってきたアメリカの調査団とダブってしまった。そもそも軍隊という組織が友情や愛情をもつなんてあり得ない事だった。
毎年、ヘリが落ちた8月13日は各地で集会やシンポジウムが開かれる。今年は緊迫する辺野古情勢を睨みつつ、あれから11年、当時は姿もなかったオスプレイ24機が加わって益々危険になるばかりの普天間基地の即時無条件撤去を訴えてデモ行進をした。
辺野古から島袋文子おばあも駆けつけた。辺野古区民であるおばあにとっては、辺野古に作らせてはいけないというのは、決して普天間基地が今のままでいいという意味ではないという苦しさがあるのだ。だから炎天下、宜野湾の皆さんと連帯したい、共になくしていきましょうというメッセージを送りたかったのだろう。車イスで3キロ近い道のりを共に進んでいった。
おばあの覚悟。参加した県民の堅い決意。空に突き上げたその拳をあざ笑うかのようなヘリの低空飛行。デモに絡む右翼団体の大音量のアピール…。
声を枯らし、汗を流して沖縄の必死の抵抗は続く。政府は「普天間を返して欲しいなら辺野古を完成させなさい」と他国が奪った土地を人質に、涼しい場所から沖縄を脅し続けている。
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nikkan-gendaiの記事【辺野古の「海猿」に批判噴出! 移設反対市民を羽交い締めに】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/152972)。
『マガジン9』の記事【三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉 第5回いつかは分かり合える日がくると信じたい。~8月30日、40人のカヌー隊と「海猿」との、壮絶な闘いの跡から】(http://www.magazine9.jp/article/mikami/14466/)。
東京新聞の社説【「辺野古」強行 拒絶する名護の民意】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090902000141.html)と、
最後にコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014090902000120.html)。
「沖縄・辺野古沖の「海猿」に対して批判が噴出・・・・・・移設に反対する住民のカヌーを監視、執拗に追い回し、「警備活動」と称して手当たり次第、乗員をとっ捕まえているのだ・・・・・・まるで戦前の特高警察・・・・・・いやはや、TVで脚色された“虚像”とはいえ、これが正義のヒーロー「海猿」の姿とは驚きだ」。海猿=「アベ様のイヌ」は、ついに「アベ様の特高」とまで呼ばれる酷さ。どこが海を守り人を守る「正義のヒーロー」なのだろう。
『●辺野古「この風景は戦争」:
誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」』
『●番犬様・米軍の飼い主の声は聞こえても、
辺野古市民の声は聞こえず「戦場」が見えない防衛省』
それに対して、名護市民らはカヌーなどで「彼らは世論に訴えるところにとどまらず、「本気で阻止」を決意しているのだ」・・・・・・「アベ様のイヌ」と死闘を繰り広げている。
でっ、アベ様は「最高の責任者は私だ。・・・・・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」と仰いましたし、それに、「地元に丁寧に説明し、理解を求めながら進める」とも仰せられました! 今般の名護市議会議員選で再び名護市民の明確な辺野古移設への反対の民意が示されたのですが、・・・・・・「安倍内閣が強引に進めている名護市辺野古沿岸部での米軍基地新設は、市民に再び拒絶された。地元の市議選で示された民意は明白」・・・・・・にもかかわらず、官房長官は「そんなの関係ねぇ」だそうです。酷いものです。豪語したアベ様の顔に泥を塗っています。
『●丸腰市民へ掃海母艦派遣・・・アベ様豪語
「最高の責任者は私だ。・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」』
東京新聞のコラム【筆洗】は、沖縄に対する「差別性の極み」を考えつつ、「新憲法の審議に沖縄の声がきちんと届いていれば、戦争の実相と基地化の現実を踏まえた九条論議ができた・・・・・・これは今へと続く問い掛けだ」と述べています。「平成の治安維持法」を制定し、「戦争できる国」へと地ならしを着実に進めています。しかし、市民の反対の声など、アベ様や自公議員は全く意に介していないようで、全く腹立たしい限りです。
『●番犬様・米軍の飼い主の声は聞こえても、
辺野古市民の声は聞こえず「戦場」が見えない防衛省』
アベ様らは、一度目は名護市長選で敗退し、二度目は今回の名護市議選。そして、三度目の敗北は来る沖縄県知事選だと予想します。アベ様は三度敗れるはずです。アベ様が、「アベ様のイヌ」を使ってまで既成事実化を焦るわけですが、さて、三度に渡り民意を問うて三度敗れたアベ様達は、それでも、辺野古や高江の暴挙を続けるつもりだろうか、沖縄への「差別性の極み」を続けるつもりだろうか。
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/152972】
辺野古の「海猿」に批判噴出! 移設反対市民を羽交い締めに
2014年8月30日
(羽交い絞め…(上)、押さえつけ(下)/ユーチューブから)
海上保安官の潜水士の姿を描き、人気となったTVドラマ「海猿」。危険を顧みず、人命救助に尽力する場面が話題となったが、沖縄・辺野古沖の「海猿」に対して批判が噴出している。普天間基地移設に反対する住民のカヌーを監視、執拗に追い回し、「警備活動」と称して手当たり次第、乗員をとっ捕まえているのだ。
「オラーッ」。
真っ青に広がる辺野古沖にドスの利いた声が響く。黒いゴムボートに乗った「海猿」の怒声だ。
「7月から始まった海上調査に対応するため、海保は全国の『海猿』を
辺野古沖に集中投入しています。基地移設反対派のカヌーを
見つけると猛スピードで近付き、写真を撮り、時には体当たりして
カヌーに飛び乗ってきます。まったく抵抗していないのに『確保!』と
叫びながら市民を羽交い締めにして強引にボートに引き上げる
こともあります。まるで戦前の特高警察です。このままだと
大事故が起きますよ」(地元住民)
一部報道によると、反対派の住民はこれまでに20人近くが拘束されたという。うち32歳の男性は、身柄を確保された際に頚椎捻挫のけがを負わされたとして、「海猿」を29日にも、特別公務員暴行陵虐致傷罪で那覇地検名護支部に告訴するという。
いやはや、TVで脚色された“虚像”とはいえ、これが正義のヒーロー「海猿」の姿とは驚きだ。
一連の行動に問題はないのか。第11管区海上保安本部に聞くと、「頚椎捻挫した男性がいた? 海保として事実は確認していません。(活動は)現場海域の安全確保と法令励行のためです」(総務課)と答えた。
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【http://www.magazine9.jp/article/mikami/14466/】
三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉
第5回いつかは分かり合える日がくると信じたい。~8月30日、40人のカヌー隊と「海猿」との、壮絶な闘いの跡から
8月30日。この日がカヌー隊のXデーになると知らされたのは直前だった。
この決戦計画は極秘で、それを証拠に放送局のカメラはひとつも海に出ていなかった。「反対アピール」が目的ならメディアをよぶだろう。彼らは世論に訴えるところにとどまらず、「本気で阻止」を決意しているのだ。
8月14日に、辺野古崎の周囲は赤いフロートで囲まれてしまった。その中に基地建設の第一歩であるボーリング機材が持ち込まれ、台船が組み上がり、海に穴を開けていく。
非暴力の抵抗を貫き阻止行動をしたいと、海保との直接対決も厭わずに集まってきたカヌー隊だが、このフロートに阻まれやぐらに近づくことができない。
2004年・2005年の沖合案の時には、反対する人々が海の中に立てられた4つのやぐら全てによじ登って座り込み、ボーリング機材を稼働させなかった。
政府が今回、海保を大量動員し、周辺の漁協も懐柔して、提供水域の形まで変えてなりふり構わず押さえ込もうとしているのは、海のやぐらやボーリング機材にしがみついてでも、あきらめずに反対する人々がいること、それを警戒するためである。
そして、あれから2週間、カヌー隊はフロートに近づいては海保に拿捕され、行く手を阻まれてやぐらには到達できないまま、効果的な阻止行動ができないでいた。
しかし、作戦は密かに進んでいた。
8月30日、決戦の日。満を持して集まった40人のカヌー隊が、この日一斉に台船を目指し、国が海に浮かべた見苦しい赤い鎖を次々と超えていったのだ。
この日の午前10時ごろ、辺野古は西から進んできた黒い雲に覆われ、一時、強い雨と雷に襲われた。海保や、防衛局が雇った漁師の船も一旦、港に戻って待機。灰色にそまった海上から一瞬、船の姿が消えた。
やがて雨が収まると、辺野古の浜から静かに20隻のカヌーが滑り出した。4隻の船も海域で配置につく。目指すは辺野古浜近くの掘削作業用のやぐら。赤いフロートに二重に囲まれたあのやぐらを占拠し、作業を止めるためだ。
異変に気づいた海保のゴムボートが猛スピードで集まってきた。
あっという間に10隻ほどが海域に結集し、「フロートに近づかないでください!」「それ以上接近したらわかってますね?」と拡声器で叫ぶ。カヌー隊は、淡々と打ち合わせ通りの配置に付く。そして、一斉に赤いフロートを超え始めた。
パドルで超えようにも、乗り上げている時間が長いと海猿に確保される。
そこはチームごとに打ち合わせたとおり、先に飛び込んでカヌーを引く者、2艇まとめて後ろから押す者、プカプカ浮いて注意をそらす隊員…。
作戦中止を訴える海保の怒号と、抗議船の拡声器で騒然とする中、次々にフロート間際で転覆させられるカヌー。投げ出される隊員、引き上げる海保。それでも、もみ合う一団をすり抜けて、何隻かのカヌーがやぐらに迫って行った。
しかし、海保のボートに追いつかれ、次々に飛び乗られて撃沈。中に入って行ったメンバーはすべて海保の黒いゴムボートに拘束された。乗り手がいなくなった色とりどりのカヌーが、あっちこっちの海面でひっくり返っていた。
壮絶な海上の戦いの跡。市民の無謀な行動に呆然とする海保の姿があった。
この40分、私の目の前で展開されていたのは、まぐれもない体当たり戦、だった。海のスキルを鍛え上げてきた海保の海猿たちにしてみれば、結局は捕まり、ゴムボートに拘束される運命とわかっていて、なぜ、カヌーのような弱い存在が次から次へと無駄な抵抗をするのか、理解できないだろう。
もはや気の毒にさえなったのか、当初のような手荒な行為を控える人もいた。
結論は出ているのに、秩序を乱すだけの集団。手のかかるならず者たちだと、我々を思うのかもしれない。
でも、船の数も、装備も、練度も完全に負けていて、権力も政治力も、なにも持たない彼らがなぜここまでのことをするのか。もしかしたら少しずつは考え始めてくれたかもしれない。
海保の皆さんはきっと、海を愛しているだろう。
だから、海を壊したくない気持ちはよくわかってくれるだろう。親しんだこの海の素晴らしさを知っているからこそ、大学生から70代の大先輩まで、年代も生きる世界もバラバラな人たちが、やむにやまれずパドルを手に、厳しい海上工事の現場まで来てしまうのだと。
それでも、まだ腑に落ちないだろう。
こんな負け戦に見える戦いを、なぜ彼らが繰り返し挑んでくるのか。そこは沖縄に来て数ヶ月では、わからないかもしれない
全てを失った沖縄戦から70年のできごと。伊江島で土地を守るために戦った阿波根昌鴻さんから、米軍の統治の横暴さに抵抗して投獄された瀬長亀次郎さんから、脈々とこの島で生きるものたちが受け継いできたもの。
沖縄が歩んだ道は、負けるとわかっていたって引き下がれないことばかりだった。
その歴史的な任務を引き継いで今を生きる人たちの覚悟について。圧倒的な力を持ってしても、決して根絶やしにすることはできない信念、希望、明日を変えられると信じる力。
そんなことを、できれば海保の皆さんの一人一人と話してみたいと、この日海に出た人や、浜で固唾を飲んで見守っていた人たちは皆思っていたに違いない。
この日は結局、誰ひとりやぐらに登ることはできなかった。
カヌーと身柄を返してもらい、夕方辺野古の浜に集まったメンバーに、周囲からは惜しみない拍手が送られた。確かに力でねじ伏せられたが、悲壮感はなかった。
その力を容赦なく行使するのは「国」であり、敵は海上保安庁の職員ではない。本当は、共に海を愛し、守るという理想を語り合える関係でいたいと、壮絶なぶつかり合いの後でも、私たちは思うことができる。
そうやって、作り上げられた対立の構図に落とし込まれずに、いつかは分かり合えると信じられる力こそが、希望そのものなのかもしれない。
三上智恵監督新作製作のための
製作協力金カンパのお願い
沖縄の基地問題を描く、三上智恵監督新作の製作を来年の2015 年完成を目標に開始します。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。
◎製作協力金10,000円以上、ご協力いただいた方(もしくは団体)は、映画HPにお名前を掲載させていただきます。
◎製作協力金30,000円以上、ご協力いただいた方(もしくは団体)は、映画エンドロール及び、映画HPにお名前を掲載させていただきます。
※掲載を希望されない方はお申し込みの際にお知らせ下さい。
■振込先
郵便振替口座 00190-8-513577
名義:三上智恵監督・沖縄記録映画を応援する会
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090902000141.html】
【社説】
「辺野古」強行 拒絶する名護の民意
2014年9月9日
安倍内閣が強引に進めている名護市辺野古沿岸部での米軍基地新設は、市民に再び拒絶された。地元の市議選で示された民意は明白だ。政府にはこのまま工事を進めるのではなく、再考を求めたい。
沖縄県内では七日、一村長選と二十四の市町村議選の投票が行われた。無投票で決まった自治体を含め、県内四十一市町村のうち約三分の二で選挙が行われた沖縄県版「統一地方選」である。
全国的な統一地方選は来年春に行われる。沖縄県では米軍占領下の一九四六年九月、本土に先駆けて首長・議員選挙が行われたため時期がずれている、という。自治体選挙の実施時期からも、沖縄県民が強いられた苦難の歴史がうかがえる。
今回、全国的にも注目を集めたのは名護市議選だろう。同県宜野湾市の米軍普天間飛行場を日本側に返還するため、代替施設を辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する「県内移設」に対する市民の判断が問われたからだ。
しかし、米軍基地の新設は、市民には負担増にほかならない。
辺野古移設反対を掲げて再選された名護市の稲嶺進市長は市議選でも反対派候補を支援した。「市長与党」は一議席減らしたものの引き続き過半数を確保した。名護市民の意思は明白である。
公約を破って県内移設容認に転じた仲井真弘多知事が三選を目指す十一月の県知事選への影響も避けられないだろう。政府は市議選結果を重く受け止めるべきだ。
安倍内閣は八月中旬、埋め立て地盤の強度や地質を調べる海底掘削調査を始めた。知事選前に建設を既成事実化し、県内移設の争点化を避けたいのだろう。
安倍晋三首相は内閣改造で、菅義偉官房長官に新設した「沖縄基地負担軽減担当相」を兼任させ、記者会見では「沖縄の方々の気持ちに寄り添い、これまで以上に全力で当たってほしい」と語った。
住宅地に囲まれた普天間飛行場の固定化を避けるのは当然だ。基地閉鎖、日本側への土地返還は喫緊の課題ではある。
とはいえ、同じ県内で基地をたらい回しにしては、在日米軍基地の約74%が集中する沖縄県民全体では負担軽減になるまい。
菅氏は名護市議選後、「辺野古移設は淡々と進めていきたい」と述べた。沖縄の気持ちに寄り添うというのなら、県内移設の強行ではなく、「国外・県外移設」の実現にこそ政治力を傾注すべきだ。あらためて強調しておきたい。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014090902000120.html】
【コラム】
筆洗
2014年9月9日
憲法制定をめぐる重い事実がある。戦争放棄という人類の理想をうたった新憲法案を議論した帝国議会に、沖縄県選出の議員は一人もいなかったという事実だ▼終戦の四カ月後、衆議院で沖縄選出の漢那憲和(かんなけんわ)議員は訴えた。「これは、見ようによっては沖縄県に対する主権の放棄」「帝国議会における県民の代表を失うことは、まことに言語に絶する痛恨事であります」▼批判の矛先は、衆院選挙法の改正案。憲法改正に先立って選挙も男女同権など新時代にかなうものにする。戦後民主主義の第一歩であったが、この改正で沖縄県民は選挙権を停止されてしまった▼戦争の地獄を見た沖縄県民を「戦後の平和」から切り捨てるのか。漢那の悲痛な思いは昭和天皇にも届いていたろうか。皇太子時代に訪欧した際、お召し艦の艦長として随伴し厚い信頼を得た軍人こそ漢那だった▼しかし、平和憲法制定と沖縄の基地化は、車の両輪のように進んだ。公表された『昭和天皇実録』にも、米軍による沖縄占領継続こそ日米双方の利となると、天皇が米側に伝えたとの文書が引用された▼憲法制定史に詳しい古関彰一氏は、労作『「平和国家」日本の再検討』で、新憲法の審議に沖縄の声がきちんと届いていれば、戦争の実相と基地化の現実を踏まえた九条論議ができたのではないだろうかと指摘している。これは今へと続く問い掛けだ。
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『マガジン9』の記事【三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉 第3回「もはや戦場だ」~8月14日、ついに辺野古は包囲された~】(http://www.magazine9.jp/article/mikami/14204/)。
「船長の誇りを散々傷付けた挙句、海難救助ということなら助ける、と念を押してきた。海猿たちはプロだ・・・・・・国に逆らうものはこうなるぞ、と言わんばかりだった。海の安全を守るはずの彼らは、基地を作りたい政府の手先になり、反対運動を恫喝する役割」・・・・・・マンガや映画等で喧伝されている誇り高き「海猿」の実像は、番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」だったわけです。
そして、今や辺野古の海は「戦争」「戦場」。アーサー・ビナードさんの別の発言(『森住卓のフォトブログ』の【2014年08月15日 海上保安庁法的根拠無く平和丸を拘束する。】、http://mphoto.sblo.jp/article/102426760.html):
「座り込みテントで詩人のアーサービナードさんの姿を見つけた。
再会を喜んだのもつかの間、彼の目が辺野古沖に向けられた。
「8月15日どこでこの日を迎えるか?とても重要なこと。
なにが終戦記念日だよ。沖の風景を見ろよ。
沖縄が日本政府の攻撃にさらされている。
もう、この風景は戦争だよ。」
と怒りをあらわにした」
辺野古で何が起きようが、京都や広島で何が起きようがお構いなしに夏休みを満喫して遊びほうけるアベ様、「ワシャ知らん」を決め込む仲井真弘多県知事、アベ様同様「差別性の極み」を続ける番犬様・米軍・・・・・・そして、沖縄の海を保安するどころか破壊し、危険に晒す「アベ様のイヌ」・海上保安庁。
『●国外移設どころか、やはり辺野古埋立承認へ:
2010年11月の沖縄知事選の予想が現実に』
『●2010年11月の沖縄知事選の選択はやはり誤りだった
~そうさせた「本土」の重い責任~』
『●稲嶺進氏が名護市長選圧勝:
「安倍政権はそれでも埋め立てを強行できるのか?」』
『●「辺野古の海を守ろう」:
アベ様の「政権が抱える差別性の極み」に屈せずに』
『●丸腰市民へ掃海母艦派遣・・・アベ様豪語「最高の責任者は私だ。
・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」』
『●番犬様の(ウラアリな)オモテナシは随分とお高い』
『●「辺野古の海を守ろう」:
アベ様の「政権が抱える差別性の極み」に屈せずに』
『●辺野古移設推進の仲井真弘多氏や丸腰の市民に
掃海母艦を派遣するようなアベ様を支持してはいけない』
『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』』
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【http://www.magazine9.jp/article/mikami/14204/】
三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉
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沖縄・普天間基地へのオスプレイ配備をめぐる抵抗運動の様子や、新たな米軍基地建設計画が進む沖縄本島北部・東村高江の住民たちの闘いを描いたドキュメンタリー映画『標的の村』を撮影した三上智恵さん。辺野古や高江の 現状を引き続き記録するべく、今も現場でカメラを回し続けています。その三上さんが、本土メディアが伝えない「今、何が沖縄で起こっているのか」をレポートしてくれる連載コラムがスタートです。毎週連載でお届けします。
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第3回
「もはや戦場だ」~8月14日、ついに辺野古は包囲された~
一夜明けると、海を埋め尽くす大船団が大浦湾に展開していた。
「これじゃあ沖縄戦だ」
明け方、大川から大浦湾に猛スピードで入っていた私は、フロントガラスから飛び込んで来た海に浮かぶ黒い海保の大船団に胸が潰れそうになった。
8月14日の光景は一生忘れないだろう。
私だけではない。 これを、沖縄戦開始を告げる1945年3月の光景とダブらせた人は多い。
翌15日には、水平線に連なる大型の海保の巡視艇、海保のボート、警戒船、合わせて86隻までは数えた。
島は、再び力ずくで包囲された。少なくとも辺野古沖は「占領」されたのだ。
2004年も、海のボーリング調査を巡って、防衛局の監視船が作業員の船を守るといいながら、反対運動の船と激しくやりあった。
防衛局の船を操船するのは、雇われた辺野古の漁師たちだ。基地を止めたい人々は、海人と闘いたくはなかったが、仕事の邪魔をする市民に対し、海人も容赦なかった。
しかし、クレーンを積んだ大型の台船がやって来た時、それを止めようと飛び込んだ市民を間一髪、下敷きになる前に救い上げたのも、海人だった。
そこには、対立の中にも、島で生きる人間同士を繋ぐ何かが存在していた。
今回、直接反対する人を押さえつけるのは海上保安庁に代わった。
もう、海人は前線に立たない。それは、両者を知る私たち地域人としては本当にほっとする。
海猿たちのほとんどは県外だが、中にもうちなんちゅはいる。
物々しい海上。
キャンプシュワブからは、赤い数珠繫ぎのウキがスルスルと引き出されて行き、海を囲い込んだ。 黄色いブイも打たれた。
様子を見ようとすると、工事区域にも、提供水域にも入っていないのに、海保のボートが過剰に制止する。一時、反対運動の要になる平和丸は14隻に囲まれ身動き出来なかった。
下の動画で左側の水面に出てくるのが、海を分断する赤いウキである。
15日には、平和丸が海保に拿捕。
定員13人が目一杯乗っている上に、海保の職員が次々乗り移ってきて、抵抗もしていない船長を2人掛かりで押さえつけ、確保されてしまった。
提供水域でもなく、理由の説明を求めても答えず、実力行使あるのみ。
やがて、大雨と雷で、小さい屋根しかない平和丸の船上に危険が迫り、いつもの平島の内側を通って港に帰ろうとしたところ、海保の船が立ちはだかった。
「今日からここは通れません!」
沖を回ればリーフから出てしまい、さらに波も風も当たる。
安全のために通してくれと言っても聞かなかったので、やむなく外を回ると案の定、悪天候で視界はゼロに。
立ち往生しているところに海保が現れた。
船長「岸はどちらですか? それだけでいいから教えて下さい」
海保「船長さんならわかるのでは?」「そんなことで12人の命を預かるとは、無責任だ」
船長の誇りを散々傷付けた挙句、海難救助ということなら助ける、と念を押してきた。
海猿たちはプロだ。訓練も受け、GPSも無線も装備している。島の未来のために止むに止まれず四級船舶の免許を取り、海に出た素人たちに恥をかかせて楽しいのだろうか。
結局、海難救助で曳航され、事情聴取をうけ、乗組員の住所氏名を記録される。国に逆らうものはこうなるぞ、と言わんばかりだった。
海の安全を守るはずの彼らは、基地を作りたい政府の手先になり、反対運動を恫喝する役割を演じている。
戦場の島に戻りたくない、ここは譲れないんだとメガホンで叫ぶ言葉に対し「工事区域に入ると危険です。それ以上近づくと、処置します」とだけ繰り返す。サングラスをかけたロボットのように。
そして、2004年、2005年と海の上に座り込んで止めてきたボーリング調査の掘削が17日、ついに開始された。
私は絶望感に襲われていたが、詩人のアーサー・ビナードさんが私にこう言った。
「沖縄戦、みたいね。でも、まだ戦争じゃない。まだ埋めたても始まってない。8月6日の原爆で言えば、僕たちは今8月5日にいる。8月5日なら歴史は変えられる」
笑顔のアーサーさん。その奥の海には黒い船影が連なっている。
圧力を前にしても、冷静で前向きな思考ができる能力。それこそが、今の私に一番必要だ。
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三上智恵(みかみ・ちえ): ジャーナリスト、映画監督/東京生まれ。大学卒業後の1987年、毎日放送にアナウンサーとして入社。95年、琉球朝日放送(QAB)の開局と共に沖縄に移り住む。夕方のローカルワイドニュース「ステーションQ」のメインキャスターを務めながら、「海にすわる~沖縄・辺野古 反基地600日の闘い」「1945~島は戦場だった オキナワ365日」「英霊か犬死か~沖縄から問う靖国裁判」など多数の番組を制作。2010年には、女性放送者懇談会 放送ウーマン賞を受賞。初監督映画「標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~」は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、キネマ旬報文化映画部門1位、山形国際ドキュメンタリー映画祭監督協会賞・市民賞ダブル受賞など17の賞を獲得。これまで300回を超える自主上映活動が続いている。現在、次回作の準備を進めている。
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三上智恵監督新作製作のための
製作協力金カンパのお願い
沖縄の基地問題を描く、三上智恵監督新作の製作を来年の2015 年完成を目標に開始します。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。
◎製作協力金10,000円以上、ご協力いただいた方(もしくは団体)は、映画HPにお名前を掲載させていただきます。
◎製作協力金30,000円以上、ご協力いただいた方(もしくは団体)は、映画エンドロール及び、映画HPにお名前を掲載させていただきます。
※掲載を希望されない方はお申し込みの際にお知らせ下さい。
■振込先
郵便振替口座 00190-8-513577
名義:三上智恵監督・沖縄記録映画を応援する会
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