Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●和氣正幸氏《…足元の世界では本屋の灯りが増え続けていることを強く感じる。しかもそれは都心部だけではない。全国各地にある》

2023年02月25日 00時00分43秒 | Weblog

[※ アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)]


(2023年02月11日[土])
和氣正幸氏《…「多様な世界へ飛び立てる本」…「世界に幅と揺らぎあれ」…「もしかしたら多くの人が見落とすかもしれない視点や考え方を拾い上げていくこと」…》。さらに、《たしかに、全体の書店数は減っている。出版市場も縮小していくだろう。だが、このように見ていくと大手メディアで流布される暗い言葉とは裏腹に足元の世界では本屋の灯りが増え続けていることを強く感じる。しかもそれは都心部だけではない。全国各地にある》。
 《勉強とは本である、本とは勉強である》(小川書店・小川頼之さん)…「日々読学」を掲げる、当ブログ。本屋さんに、是非とも、頑張ってほしい。《活字離れ出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている》という、とても嬉しい小さな朗報。

   『●長周新聞の書評『一万円選書』(岩田徹著)…《わざわざいわた書店に
     注文するのか。…「これは!」と思える本との出会いを求めているからだ》
    「「いわた書店」店主の岩田徹さんの「一万円選書」を知ったのは、
     『セブンルール』にて。「隆祥館書店」店主の二村知子さんの回。
     【7RULES あなたに「ルール」はありますか?/「隆祥館書店」店主
     二村知子 (9月1日(火))】。《一万円選書》として、松下竜一さんの
     『豆腐屋の四季』が選ばれていて、とても嬉しかった。」

   『●《本屋はないと困る。そう思ってもらえるようにしたい》、《勉強
      とは本である、本とは勉強である。》(小川書店・小川頼之さん)
    《減り続ける「街の本屋」の魅力や、厳しい現状を伝えようと、
     東京都内の中小書店が加盟する東京都書店商業組合(千代田区)が
     PR動画を作り、ユーチューブの公式チャンネルに公開した。
     動画制作に携わった映画監督の篠原哲雄さん(60)は
     「本屋は本と人とをつないでいるものそれぞれの本屋さんが
     おもしろく、印象的だった。ぜひ動画を見てほしい」と話す。
     (奥野斐)》

 和氣正幸氏による、週刊朝日の記事【書店が増えている!? 「行きたい本屋」から「やりたい本屋」へ】(https://dot.asahi.com/wa/2023020200011.html)によると、《活字離れ出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている。本屋ライターで本屋のアンテナショップの店主でもある和氣正幸さんがそんな本屋さんの現在を報告。》、《もう一店紹介したいのは福岡県糸島市に昨年3月にできたばかりのAll Books Considered(以下、ABC)である。 中田健太郎氏をはじめとした大学生が4人で運営するこの店は、1階にある棚貸し本屋「糸島の顔がみえる本屋さん」(以下、糸かお)からはじまった》。

   『●東京電力原発人災で失われた内在的価値
   『●「糸島ブランド」が泣いている: 
     安全神話に乗っていて「原子力正しい理解で豊かな暮らし」なのか?
   『●三上智恵監督『標的の村』上映会後援「不承諾」の理由
              ……「糸島ブランド」が泣いている

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https://dot.asahi.com/wa/2023020200011.html

書店が増えている!? 「行きたい本屋」から「やりたい本屋」へ
2023/02/06 11:30
和氣正幸

     (COWBOOKS(撮影・和氣正幸))

 活字離れ出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている。本屋ライターで本屋のアンテナショップの店主でもある和氣正幸さんがそんな本屋さんの現在を報告。

【写真】こだわりの本屋がこちら(全10枚)

*  *  *

 本屋が増えている。

 突然そんなことを言われても驚く読者が多いとは思う。活字離れや出版不況という言葉が生まれてから久しい。しかしそれでもなお筆者は言いたい。本屋は増えているのだ。

 ただしここでいう本屋とは個人、あるいは少人数のチームで運営され、新刊と古書を併売することもあり、小さいながらも品揃えやイベント、空間演出などそれぞれが独自の光を放つ店のことだ。筆者は本屋ライターとして10年以上そうした独立書店とも呼ばれる店のことを追ってきたのだが、ここ数年の増加数は筆者も驚くくらいのペースなのだ。

 まず紹介したいのは鳥取県の湯梨浜町に2015年にオープンした汽水空港だ。

     (汽水空港(鳥取県湯梨浜町)撮影・和氣正幸)

 「多様な世界へ飛び立てる本」として思想や哲学に建築、映画、旅、植物など店主が丁寧に選んでいる本が並び、併設されたカフェでゆっくり読むことができる。月に2、3回トークイベントも行い、近所のお客さんだけでなく鳥取、島根、岡山など、半径100キロ圏内から本好きが訪ねてくる。

 18年には店舗を増築工事しリニューアルオープン。近頃は自分たちが借りた畑を「食える公園」と称して開放、誰もが農作業でき収穫もできる試みを行っている。

 本屋を目指すなら新刊書店や古書店、少なくとも出版業界で経験を積むというのが一般的な認識かと思うが、店主のモリテツヤ氏がまず学んだのは農業だった。理由は「最低限死なずに本屋を続けるため」。都心部から離れ、縁もゆかりもない鳥取にツテを頼ってたどり着いた。資金を貯めるために左官屋のもとで働き、その技術をベースに格安で借りた小さな廃屋をリノベーションして本屋をはじめた。

 経営もはじめこそ厳しくアルバイトをしながらの運営だったが、現在では汽水空港の売り上げだけで家族3人が暮らしていけるようになったというから驚く。「世界に幅と揺らぎあれ」と掲げられたコピーもまたモリ氏を表しているようだ。

 もう一店紹介したいのは福岡県糸島市に昨年3月にできたばかりのAll Books Considered(以下、ABC)である。

 中田健太郎氏をはじめとした大学生が4人で運営するこの店は、1階にある棚貸し本屋「糸島の顔がみえる本屋さん」(以下、糸かお)からはじまった。

 棚貸し本屋(シェア型書店とも呼ばれる。以下、棚貸し本屋で統一)とはボックス型の本棚を一箱ずつ月額制で貸し出すことで家賃など固定費を捻出するスタイルの本屋のことだ。

 中田氏は糸かおの21年9月のオープン当初から棚を借りていたが、もっと大きく展開したいと2階の部屋に移った。蔵書だけでなく新刊を販売するためのルートも自ら開拓し、家賃を払って契約しABCをはじめたのだ。大学生が、である。

 販売するのは新刊/古本にメンバーによるリメイク服。選書は4人で話し合って決めているが、フェミニズムやアナキズムといった思想の本から、本屋大賞で選ばれるようなエンタメ本まで幅広い。共通しているのは「もしかしたら多くの人が見落とすかもしれない視点や考え方を拾い上げていくこと」だ。

 「10年前、20年前にはオタクと言われ蔑(さげす)まれていたものが、いまではクールジャパンと言って多くの人に支持されています。いまでもそういうことは起きていて、そういうものがカルチャーをつくっていくと僕たちは思っています」とメンバーの一人の斎藤楓季氏は話す。

 本に限らず服に対しても思いは同様で、誰かと語り合いたくなるようなものを置いている。そういった物たちが四畳半という狭い空間にあるのだ。当然、お客さんと自然に話が弾むことも多い。自分たちより上の世代のお客さんから本の話以外にも思い出話など、ときには何時間も話すこともあるそうだ。

 今後の展望を聞くと「もしかしたら10年後には違うことをしているかもしれません。ですが、根底にある“自分たちが良いと思えるものを紹介したい”という気持ちは変わらないと思います」と話してくれた。

 若いながらも言葉を選びながら自身の思いを話し、それを実践していく姿は応援したくなるもので、福岡に行く際には必ず訪ねようと思えた。

     (ユトレヒト(撮影・和氣正幸))


■「行きたい」から「やりたい」へ

 以上、長くなったが筆者が知りうる店の中でもいま一番気になる本屋を紹介した。共通しているのは小規模店であり空間が限定されているが故に選書や空間演出に店主の思いや人柄が色濃く反映されていることだ。

 話を戻そう。本稿で筆者が言いたいのはこういった本屋の数が増えているということである。

 具体的な数値面について客観的なデータがないので筆者が知っている限りのものとなるが、開業数だけを追ってみても、2015年、16年が6店、17年に17店と2倍以上になり、18年が15店、19年25店、20年には35店もの開業があった。

 21年はそこからさらに増え79店となり、22年は少し落ち着いて50店だったが、それでも5年前と比べると約3倍のペースで増えていることがわかる(古書店や私設図書館等も含む)。

 要因はいくつかあるが、時系列に沿って言えば、2000年代に「こんな本屋に行ってみたい」 「こんな本屋を自分も開いてみたい」と思わせてくれるような店のオープンが相次ぎ、10年代前半には本屋の概念の拡張が行われ「自分でもできるかも」と思えるようになった。10年代後半は、本屋になるための具体的な道筋が広まり、20年代になると継続性に難点のある本屋のビジネスモデルにあたらしい風がもたらされた。その結果として開業数が増加している現在へと至る。

 どこをスタート地点に持ってくるかは難しいところだが、1986年の「遊べる本屋」と銘打ち本と雑貨をシームレスに売り出す手法が斬新だったヴィレッジヴァンガード1号店(愛知県名古屋市)開店を始まりとしたい。次のトピックスは96年まで飛ぶ。文脈棚という本の内容を緩やかにつなげていくことで棚をメディアとして価値づけた往来堂書店(東京都文京区)のオープンがこの年なのである。

 2000年にはブックカフェの先駆け的存在火星の庭(宮城県仙台市)が生まれ、02年は「暮しの手帖」元編集長・松浦弥太郎氏がCOWBOOKS(東京都目黒区)を開き古本屋をカッコいいものとして世の中に提示した。

     (ブックスキューブリックけやき通り店
      (福岡市中央区)撮影・和氣正幸)
     (スタンダードブックストア(撮影・和氣正幸))

 さらに、アーティストや作家が個人で少部数出版する本(ZINE)を広めたユトレヒト(東京都渋谷区)や、福岡のブックスキューブリック(福岡市)、大阪と言えばここ、スタンダードブックストア(大阪市天王寺区)、京都の恵文社一乗寺店(京都市左京区)がセレクト書店の元祖と呼ばれるようになったのも同じ時期だ。

     (本屋B&B(撮影・和氣正幸))

 12年には「これからの街の本屋」を謳う本屋B&B(東京都世田谷区)がオープン。ビールが飲めてほぼ毎日イベントを開催する場所として本屋のイメージを革新した。

 そうして13年、同店の共同オーナーでもある内沼晋太郎氏が『本の逆襲』(朝日出版社)で“広義の本に関わる仕事、それをあらためて「本屋」と呼ぶとしたら”と書き、本と本屋の可能性を広げた。現在のように多様な本屋が広がった契機のひとつである。

     (双子のライオン堂(撮影・和氣正幸))

 さらに同氏は14年から「これからの本屋講座」をはじめ、本屋ルヌガンガ(香川県高松市)や本屋イトマイ(東京都板橋区)など全国各地に卒業生を送り出した。筆者も同時期に双子のライオン堂(東京都港区)・竹田信弥氏と「本屋入門」をはじめ、同様に書肆スーベニア(東京都台東区)やワグテイルブックストア(神奈川県横浜市、古書店)などの卒業生を輩出している。


■ノウハウの開示 直接取引の増加

     (本屋Title(東京都杉並区)撮影・和氣正幸)

 こうした本屋が増えるきっかけとなったのは、本屋Title(東京都杉並区)店主・辻山良雄氏が17年に出した本『本屋、はじめました 新刊書店Title開業の記録』(苦楽堂、後にちくま文庫)である。同書で辻山氏は開店の経緯はもとより事業計画書まで公開した。試算であるとはいえ経営の内実が本という形で公開されたことは、開業希望者にとって大きな希望だったに違いない。翌年、内沼氏が『これからの本屋読本』(NHK出版)を出したことで、事実上ブラックボックスだった本の仕入れ方法も公開された。

 どういうことかというと、一般的に新刊書店を始めるためにはまず取次と呼ばれる出版業界の問屋と契約する必要があるのだが、これがハードルが高い。というのも契約時に保証金として売上予想額の数カ月分が必要なのだ。

     (BOOKSHOP TRAVELLER(撮影・和氣正幸))

 委託販売なので時間を置けば返品され、お金が戻ってくるとは言え、粗利率は約2割である。これはつまり一冊の本を売ったとして、その価格が例えば1600円(以下すべて税抜き)だとしたら約320円の利益になるということだ。この利益の中から人件費や家賃を支払い返済もしなければならないとすれば、二の足を踏むのも仕方がないというものである。

 とはいえ当時から買い切りではあるが契約時の保証金が必要なく、粗利率も比較的良心的な取次も実はあった。子どもの文化普及協会や八木書店をはじめとした神田村と呼ばれる取次群などだ。

 さらに書店数の減少に反応してか、出版社が取次を介さず本屋と直接取引することも増えた(取次の手数料がない分、本屋の取り分が増える)。トランスビュー方式という取次代行と呼ばれる仕組みも本屋にとっては大きな味方だ。

 しかしそれでも新刊書店の急増には至らなかった。なぜなら、本屋を開きたい人にそういった情報が届いていなかったからだ。憧れはあったが、具体的にどうすれば良いかも分からず、調べても保証金のハードルで心折れるということが多かったことが推察される。筆者もそうだった。

 それが『本屋、はじめました』と『これからの本屋読本』の出版により状況が変わったというわけだ。本好きが、自分のなりたいものとして自然と本屋の開業を目指すことができる。そういう状況が作られたのである。

 加えて、前述した棚貸し本屋というビジネスモデルが世に広まったことも大きい。17年に月額制で棚を貸すことで成り立つはじめての本屋みつばち古書部(大阪市阿倍野区)、次いで翌年、筆者の運営するBOOKSHOP TRAVELLER(東京都世田谷区)がオープン、そして19年に生まれたブックマンション(東京都武蔵野市)はメディアでも大きく取り上げられた。

 棚貸し本屋は通常の小売りと違いコミュニティー運営という別のスキルが必要とはなるが、例えば、新刊書店が棚の一部を貸すことで、仲間を増やし経営の安定も図るという事例は近頃よく耳にする。独立書店開業数増加の要因の一つだろう。

     (冒険研究所書店(神奈川県大和市)撮影・和氣正幸)


■北極冒険家や大学生も

 さて、独立書店の歴史をここまで紐解(ひもと)いてきたわけだが、最後に現在の話をしたい。先に“本好きが、自分のなりたいものとして自然と本屋の開業を目指すことができる”ようになったと書いたが、ここ1、2年は特にこの意識が浸透してきているように思うのだ。

 例えばそれは他業種の開業者も多いことである。昨年11月オープンの本屋象の旅(神奈川県横浜市)は元不動産関係の営業職の方が開いた店だし、一昨年の5月には北極冒険家の荻田泰永氏が冒険研究所書店(神奈川県大和市)をオープンしている。

 例えばそれは、いままではできなかったような場所に本屋ができることである。昨年8月に生まれたTUG BOOKS(香川県土庄町)は小豆島にあるし、一昨年9月には佐渡島にnicala(新潟県佐渡市)が店を開いた。例えばそれは若者の登場でもある。先述したAll Books Consideredに加え大阪には昨年7月オープンの水野ゼミの本屋(大阪市北区)がある。どちらも運営するのは大学生だ。

 たしかに、全体の書店数は減っている。出版市場も縮小していくだろう。だが、このように見ていくと大手メディアで流布される暗い言葉とは裏腹に足元の世界では本屋の灯りが増え続けていることを強く感じる。しかもそれは都心部だけではない。全国各地にある。コロナ禍の中ではあるが、散歩の折に、あるいは里帰りの際にぜひ探して訪ねてみてほしい。きっとあらたな出会いが待っているから。(和氣正幸)

※週刊朝日  2023年2月10日号
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●三上智恵監督『標的の村』上映会後援「不承諾」の理由……「糸島ブランド」が泣いている

2015年08月31日 00時00分02秒 | Weblog


情けなくて、悲しくなりました。「糸島ブランド」が泣いている。

 ツイートで知りました……「もう黙っとられん!!糸島市民の会 ‏@damatoraren 9月12日の「標的の村」上映会の後援を糸島市に依頼していましたところ、「不承諾」となりました。 http://fb.me/uVTvam7z」……だそうです。
 『戦場ぬ止み』などを監督されている三上智恵さんの作品です。

 上記FBをご確認ください。理由が述べられています。すいませんが、勝手に一部引用させて頂きます(http://fb.me/uVTvam7z)……「糸島市……『この映画は、沖縄の基地問題をはじめ、日米安保の是非がクローズアップされています。』 『市の権限外の事務であり、市として賛否を唱えることができないものに該当する』…」。意味が分かりません。「後援」=「賛否を唱えること」なのでしょうか? 広く糸島市民に沖縄の置かれている現状を知らせることが、糸島市にとって問題のあることなのでしょうか?

   『●「糸島ブランド」が泣いている: 安全神話に乗っていて
              「原子力正しい理解で豊かな暮らし」なのか?


 またしても、「糸島ブランド」に大きな傷をつけ、泥を塗った、とブログ主は思います。沖縄の高江普天間辺野古の置かれている状況に共感できないようでは、糸島市の将来はないのでは?

   『●『標的の村』三上智恵さんインタビュー
   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・
      映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』 』

   『●映画『戦場ぬ止み』三上智恵監督:
      「米軍基地は人を殺しに行くための出撃基地なんですよ」

   『●辺野古破壊: 「そもそも、なぜ米軍の基地問題で
            日本人同士が争わねばならないのか――」

   『●普天間「番犬様」基地: 「毎日頭上を飛ぶヘリの機体に
            ストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散

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●「糸島ブランド」が泣いている: 安全神話に乗っていて「原子力正しい理解で豊かな暮らし」なのか?

2014年09月28日 00時00分10秒 | Weblog


【玄海再稼働反対の意見書、逆転否決 30キロ圏の市議会】(http://www.asahi.com/articles/ASG9T32CNG9TTIPE003.html?iref=comtop_list_pol_n05

   『●東京電力原発人災で失われた内在的価値

 ここで云う「30キロ圏の市議会」とは糸島市です。どこから30キロかというと佐賀県の九州電力玄海原発です。
 「福岡県糸島市議会(定数22)は25日の定例会本会議で、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働を行わないよう国に求める意見書案を賛成少数で否決・・・・・・意見書案は「(玄海原発で)事故があった場合、市は偏西風の影響で放射能飛散の影響を受けやすく、原発災害による被害は福島より大きなものになる」と予測。「ひとたび放射能で汚染されたら糸島の未来は暗く閉ざされる」として、同原発の再稼働を行わないよう国に求めていた」そうです。
 東京電力原発人災の「あの姿」を見た上で、否決してしまうのですから悲しくなります。「ひとたび放射能で汚染されたら糸島の未来は暗く閉ざされる」という確実な予測よりも、「原発安全神話」に信頼を寄せた訳です。いま色々な食材や観光で有名な糸島。でも、その「糸島ブランド」が泣いている。原発は、玄海町にも糸島市にも、「原子力郷土の発展豊かな未来」も、「原子力明るい未来のエネルギー」も、「原子力正しい理解で豊かな暮らし」も、決してもたらしはしない。

   『●何がメルトダウンしたのか?
   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」
                ・・・・・・いま、その〝少年〟は?
   『●「豊かな玄海町」へ:
     「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力正しい理解で豊かな暮らし」


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http://www.asahi.com/articles/ASG9T32CNG9TTIPE003.html?iref=comtop_list_pol_n05

玄海再稼働反対の意見書、逆転否決 30キロ圏の市議会
鳥居達也 2014年9月25日13時59分

 福岡県糸島市議会(定数22)は25日の定例会本会議で、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働を行わないよう国に求める意見書案を賛成少数で否決した。同市議会の総務文教委員会は8日、この意見書案を小差で可決しており、「逆転採決」となった。

 糸島市では、玄海原発から30キロ圏の緊急時防護措置準備区域(UPZ)内に約1万5千人が暮らす。

 意見書案は「(玄海原発で)事故があった場合、市は偏西風の影響で放射能飛散の影響を受けやすく、原発災害による被害は福島より大きなものになる」と予測。「ひとたび放射能で汚染されたら糸島の未来は暗く閉ざされる」として、同原発の再稼働を行わないよう国に求めていた。
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●東京電力原発人災で失われた内在的価値

2012年01月01日 00時00分12秒 | Weblog


謹賀新年。本年こそは、良い年でありますように。全原子炉が停止した年、となりますように。

 東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2011113002000051.html)。

 福島では一体いくらの「価値」が失われたのか・・・? 東京電力や政府がとても償えるものではない。自然・野生動物の内在的価値、そして、社会的環境の「価値」も失われ、最早元に戻すことは出来ない、100,0000年待とうとも。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2011113002000051.html

【私説・論説室から】
田んぼの生物の価値
20111130

 田んぼに生息する生きものは、環境面では有益・有用であることは間違いないが、本当に経済的には価値がないのだろうか。

 福岡県糸島市に住む農業宇根豊さん(61)らは、二〇〇五年から〇七年にかけて同県内を調査し、あえてお金の価値に換算してみた。

 「トノサマガエルがペットショップで千円で売られていたので、一匹あたり千円と換算するのです。田んぼ十アール当たりトノサマガエルは二匹いるので、二千円となります」(宇根さん)

 オタマジャクシは一匹〇・一円だが、十アールに三万七千八百匹もいるので、三千七百八十円となる。逆にアオサギは一羽あたり二千円とみるが、田んぼには〇・〇一三羽しかいないので、評価額は二十六円となる。

 イトミミズやクモ、トンボ、メダカ、ホタル、タニシ。一覧表には八十数種の生物が掲載されていたが、高額なのがカブトエビの八千四百円、青紋イトトンボの四千八百円、沼ガエルの四千三百円などだ。

 田んぼの生きものがそのまま売買されるわけではないが、学術会議は水田の洪水防止機能を約七万七千円、水源涵養(かんよう)機能を約三万三千円、土砂崩壊防止を約一万円などと換算し、十アールの多面的機能を約十七万九千円とはじき出している。

 生物の経済価値も引けを取らない。宇根さんらの計算では計約九万六千円となった。人間とともに生存する多様な生物にも温かい目を持ちたい。 (桐山桂一)
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