[※ アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一、洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)] (2023年02月11日[土])
和氣正幸氏《…「多様な世界へ飛び立てる本」…「世界に幅と揺らぎあれ」…「もしかしたら多くの人が見落とすかもしれない視点や考え方を拾い上げていくこと」…》。さらに、《たしかに、全体の書店数は減っている。出版市場も縮小していくだろう。だが、このように見ていくと大手メディアで流布される暗い言葉とは裏腹に足元の世界では本屋の灯りが増え続けていることを強く感じる。しかもそれは都心部だけではない。全国各地にある》。
《勉強とは本である、本とは勉強である》(小川書店・小川頼之さん)…「日々読学」を掲げる、当ブログ。本屋さんに、是非とも、頑張ってほしい。《活字離れ、出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている》という、とても嬉しい小さな朗報。
『●長周新聞の書評『一万円選書』(岩田徹著)…《わざわざいわた書店に
注文するのか。…「これは!」と思える本との出会いを求めているからだ》』
「「いわた書店」店主の岩田徹さんの「一万円選書」を知ったのは、
『セブンルール』にて。「隆祥館書店」店主の二村知子さんの回。
【7RULES あなたに「ルール」はありますか?/「隆祥館書店」店主
二村知子 (9月1日(火))】。《一万円選書》として、松下竜一さんの
『豆腐屋の四季』が選ばれていて、とても嬉しかった。」
『●《本屋はないと困る。そう思ってもらえるようにしたい》、《勉強
とは本である、本とは勉強である。》(小川書店・小川頼之さん)』
《減り続ける「街の本屋」の魅力や、厳しい現状を伝えようと、
東京都内の中小書店が加盟する東京都書店商業組合(千代田区)が
PR動画を作り、ユーチューブの公式チャンネルに公開した。
動画制作に携わった映画監督の篠原哲雄さん(60)は
「本屋は本と人とをつないでいるもの。それぞれの本屋さんが
おもしろく、印象的だった。ぜひ動画を見てほしい」と話す。
(奥野斐)》
和氣正幸氏による、週刊朝日の記事【書店が増えている!? 「行きたい本屋」から「やりたい本屋」へ】(https://dot.asahi.com/wa/2023020200011.html)によると、《活字離れ、出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている。本屋ライターで本屋のアンテナショップの店主でもある和氣正幸さんがそんな本屋さんの現在を報告。》、《もう一店紹介したいのは福岡県糸島市に昨年3月にできたばかりのAll Books Considered(以下、ABC)である。 中田健太郎氏をはじめとした大学生が4人で運営するこの店は、1階にある棚貸し本屋「糸島の顔がみえる本屋さん」(以下、糸かお)からはじまった》。
『●東京電力原発人災で失われた内在的価値』
『●「糸島ブランド」が泣いている:
安全神話に乗っていて「原子力正しい理解で豊かな暮らし」なのか?』
『●三上智恵監督『標的の村』上映会後援「不承諾」の理由
……「糸島ブランド」が泣いている』
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【https://dot.asahi.com/wa/2023020200011.html】
書店が増えている!? 「行きたい本屋」から「やりたい本屋」へ
2023/02/06 11:30
和氣正幸
(COWBOOKS(撮影・和氣正幸))
活字離れ、出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている。本屋ライターで本屋のアンテナショップの店主でもある和氣正幸さんがそんな本屋さんの現在を報告。
【写真】こだわりの本屋がこちら(全10枚)
* * *
本屋が増えている。
突然そんなことを言われても驚く読者が多いとは思う。活字離れや出版不況という言葉が生まれてから久しい。しかしそれでもなお筆者は言いたい。本屋は増えているのだ。
ただしここでいう本屋とは個人、あるいは少人数のチームで運営され、新刊と古書を併売することもあり、小さいながらも品揃えやイベント、空間演出などそれぞれが独自の光を放つ店のことだ。筆者は本屋ライターとして10年以上そうした独立書店とも呼ばれる店のことを追ってきたのだが、ここ数年の増加数は筆者も驚くくらいのペースなのだ。
まず紹介したいのは鳥取県の湯梨浜町に2015年にオープンした汽水空港だ。
(汽水空港(鳥取県湯梨浜町)撮影・和氣正幸)
「多様な世界へ飛び立てる本」として思想や哲学に建築、映画、旅、植物など店主が丁寧に選んでいる本が並び、併設されたカフェでゆっくり読むことができる。月に2、3回トークイベントも行い、近所のお客さんだけでなく鳥取、島根、岡山など、半径100キロ圏内から本好きが訪ねてくる。
18年には店舗を増築工事しリニューアルオープン。近頃は自分たちが借りた畑を「食える公園」と称して開放、誰もが農作業でき収穫もできる試みを行っている。
本屋を目指すなら新刊書店や古書店、少なくとも出版業界で経験を積むというのが一般的な認識かと思うが、店主のモリテツヤ氏がまず学んだのは農業だった。理由は「最低限死なずに本屋を続けるため」。都心部から離れ、縁もゆかりもない鳥取にツテを頼ってたどり着いた。資金を貯めるために左官屋のもとで働き、その技術をベースに格安で借りた小さな廃屋をリノベーションして本屋をはじめた。
経営もはじめこそ厳しくアルバイトをしながらの運営だったが、現在では汽水空港の売り上げだけで家族3人が暮らしていけるようになったというから驚く。「世界に幅と揺らぎあれ」と掲げられたコピーもまたモリ氏を表しているようだ。
もう一店紹介したいのは福岡県糸島市に昨年3月にできたばかりのAll Books Considered(以下、ABC)である。
中田健太郎氏をはじめとした大学生が4人で運営するこの店は、1階にある棚貸し本屋「糸島の顔がみえる本屋さん」(以下、糸かお)からはじまった。
棚貸し本屋(シェア型書店とも呼ばれる。以下、棚貸し本屋で統一)とはボックス型の本棚を一箱ずつ月額制で貸し出すことで家賃など固定費を捻出するスタイルの本屋のことだ。
中田氏は糸かおの21年9月のオープン当初から棚を借りていたが、もっと大きく展開したいと2階の部屋に移った。蔵書だけでなく新刊を販売するためのルートも自ら開拓し、家賃を払って契約しABCをはじめたのだ。大学生が、である。
販売するのは新刊/古本にメンバーによるリメイク服。選書は4人で話し合って決めているが、フェミニズムやアナキズムといった思想の本から、本屋大賞で選ばれるようなエンタメ本まで幅広い。共通しているのは「もしかしたら多くの人が見落とすかもしれない視点や考え方を拾い上げていくこと」だ。
「10年前、20年前にはオタクと言われ蔑(さげす)まれていたものが、いまではクールジャパンと言って多くの人に支持されています。いまでもそういうことは起きていて、そういうものがカルチャーをつくっていくと僕たちは思っています」とメンバーの一人の斎藤楓季氏は話す。
本に限らず服に対しても思いは同様で、誰かと語り合いたくなるようなものを置いている。そういった物たちが四畳半という狭い空間にあるのだ。当然、お客さんと自然に話が弾むことも多い。自分たちより上の世代のお客さんから本の話以外にも思い出話など、ときには何時間も話すこともあるそうだ。
今後の展望を聞くと「もしかしたら10年後には違うことをしているかもしれません。ですが、根底にある“自分たちが良いと思えるものを紹介したい”という気持ちは変わらないと思います」と話してくれた。
若いながらも言葉を選びながら自身の思いを話し、それを実践していく姿は応援したくなるもので、福岡に行く際には必ず訪ねようと思えた。
(ユトレヒト(撮影・和氣正幸))
■「行きたい」から「やりたい」へ
以上、長くなったが筆者が知りうる店の中でもいま一番気になる本屋を紹介した。共通しているのは小規模店であり空間が限定されているが故に選書や空間演出に店主の思いや人柄が色濃く反映されていることだ。
話を戻そう。本稿で筆者が言いたいのはこういった本屋の数が増えているということである。
具体的な数値面について客観的なデータがないので筆者が知っている限りのものとなるが、開業数だけを追ってみても、2015年、16年が6店、17年に17店と2倍以上になり、18年が15店、19年25店、20年には35店もの開業があった。
21年はそこからさらに増え79店となり、22年は少し落ち着いて50店だったが、それでも5年前と比べると約3倍のペースで増えていることがわかる(古書店や私設図書館等も含む)。
要因はいくつかあるが、時系列に沿って言えば、2000年代に「こんな本屋に行ってみたい」 「こんな本屋を自分も開いてみたい」と思わせてくれるような店のオープンが相次ぎ、10年代前半には本屋の概念の拡張が行われ「自分でもできるかも」と思えるようになった。10年代後半は、本屋になるための具体的な道筋が広まり、20年代になると継続性に難点のある本屋のビジネスモデルにあたらしい風がもたらされた。その結果として開業数が増加している現在へと至る。
どこをスタート地点に持ってくるかは難しいところだが、1986年の「遊べる本屋」と銘打ち本と雑貨をシームレスに売り出す手法が斬新だったヴィレッジヴァンガード1号店(愛知県名古屋市)開店を始まりとしたい。次のトピックスは96年まで飛ぶ。文脈棚という本の内容を緩やかにつなげていくことで棚をメディアとして価値づけた往来堂書店(東京都文京区)のオープンがこの年なのである。
2000年にはブックカフェの先駆け的存在火星の庭(宮城県仙台市)が生まれ、02年は「暮しの手帖」元編集長・松浦弥太郎氏がCOWBOOKS(東京都目黒区)を開き古本屋をカッコいいものとして世の中に提示した。
(ブックスキューブリックけやき通り店
(福岡市中央区)撮影・和氣正幸)
(スタンダードブックストア(撮影・和氣正幸))
さらに、アーティストや作家が個人で少部数出版する本(ZINE)を広めたユトレヒト(東京都渋谷区)や、福岡のブックスキューブリック(福岡市)、大阪と言えばここ、スタンダードブックストア(大阪市天王寺区)、京都の恵文社一乗寺店(京都市左京区)がセレクト書店の元祖と呼ばれるようになったのも同じ時期だ。
(本屋B&B(撮影・和氣正幸))
12年には「これからの街の本屋」を謳う本屋B&B(東京都世田谷区)がオープン。ビールが飲めてほぼ毎日イベントを開催する場所として本屋のイメージを革新した。
そうして13年、同店の共同オーナーでもある内沼晋太郎氏が『本の逆襲』(朝日出版社)で“広義の本に関わる仕事、それをあらためて「本屋」と呼ぶとしたら”と書き、本と本屋の可能性を広げた。現在のように多様な本屋が広がった契機のひとつである。
(双子のライオン堂(撮影・和氣正幸))
さらに同氏は14年から「これからの本屋講座」をはじめ、本屋ルヌガンガ(香川県高松市)や本屋イトマイ(東京都板橋区)など全国各地に卒業生を送り出した。筆者も同時期に双子のライオン堂(東京都港区)・竹田信弥氏と「本屋入門」をはじめ、同様に書肆スーベニア(東京都台東区)やワグテイルブックストア(神奈川県横浜市、古書店)などの卒業生を輩出している。
■ノウハウの開示 直接取引の増加
(本屋Title(東京都杉並区)撮影・和氣正幸)
こうした本屋が増えるきっかけとなったのは、本屋Title(東京都杉並区)店主・辻山良雄氏が17年に出した本『本屋、はじめました 新刊書店Title開業の記録』(苦楽堂、後にちくま文庫)である。同書で辻山氏は開店の経緯はもとより事業計画書まで公開した。試算であるとはいえ経営の内実が本という形で公開されたことは、開業希望者にとって大きな希望だったに違いない。翌年、内沼氏が『これからの本屋読本』(NHK出版)を出したことで、事実上ブラックボックスだった本の仕入れ方法も公開された。
どういうことかというと、一般的に新刊書店を始めるためにはまず取次と呼ばれる出版業界の問屋と契約する必要があるのだが、これがハードルが高い。というのも契約時に保証金として売上予想額の数カ月分が必要なのだ。
(BOOKSHOP TRAVELLER(撮影・和氣正幸))
委託販売なので時間を置けば返品され、お金が戻ってくるとは言え、粗利率は約2割である。これはつまり一冊の本を売ったとして、その価格が例えば1600円(以下すべて税抜き)だとしたら約320円の利益になるということだ。この利益の中から人件費や家賃を支払い返済もしなければならないとすれば、二の足を踏むのも仕方がないというものである。
とはいえ当時から買い切りではあるが契約時の保証金が必要なく、粗利率も比較的良心的な取次も実はあった。子どもの文化普及協会や八木書店をはじめとした神田村と呼ばれる取次群などだ。
さらに書店数の減少に反応してか、出版社が取次を介さず本屋と直接取引することも増えた(取次の手数料がない分、本屋の取り分が増える)。トランスビュー方式という取次代行と呼ばれる仕組みも本屋にとっては大きな味方だ。
しかしそれでも新刊書店の急増には至らなかった。なぜなら、本屋を開きたい人にそういった情報が届いていなかったからだ。憧れはあったが、具体的にどうすれば良いかも分からず、調べても保証金のハードルで心折れるということが多かったことが推察される。筆者もそうだった。
それが『本屋、はじめました』と『これからの本屋読本』の出版により状況が変わったというわけだ。本好きが、自分のなりたいものとして自然と本屋の開業を目指すことができる。そういう状況が作られたのである。
加えて、前述した棚貸し本屋というビジネスモデルが世に広まったことも大きい。17年に月額制で棚を貸すことで成り立つはじめての本屋みつばち古書部(大阪市阿倍野区)、次いで翌年、筆者の運営するBOOKSHOP TRAVELLER(東京都世田谷区)がオープン、そして19年に生まれたブックマンション(東京都武蔵野市)はメディアでも大きく取り上げられた。
棚貸し本屋は通常の小売りと違いコミュニティー運営という別のスキルが必要とはなるが、例えば、新刊書店が棚の一部を貸すことで、仲間を増やし経営の安定も図るという事例は近頃よく耳にする。独立書店開業数増加の要因の一つだろう。
(冒険研究所書店(神奈川県大和市)撮影・和氣正幸)
■北極冒険家や大学生も
さて、独立書店の歴史をここまで紐解(ひもと)いてきたわけだが、最後に現在の話をしたい。先に“本好きが、自分のなりたいものとして自然と本屋の開業を目指すことができる”ようになったと書いたが、ここ1、2年は特にこの意識が浸透してきているように思うのだ。
例えばそれは他業種の開業者も多いことである。昨年11月オープンの本屋象の旅(神奈川県横浜市)は元不動産関係の営業職の方が開いた店だし、一昨年の5月には北極冒険家の荻田泰永氏が冒険研究所書店(神奈川県大和市)をオープンしている。
例えばそれは、いままではできなかったような場所に本屋ができることである。昨年8月に生まれたTUG BOOKS(香川県土庄町)は小豆島にあるし、一昨年9月には佐渡島にnicala(新潟県佐渡市)が店を開いた。例えばそれは若者の登場でもある。先述したAll Books Consideredに加え大阪には昨年7月オープンの水野ゼミの本屋(大阪市北区)がある。どちらも運営するのは大学生だ。
たしかに、全体の書店数は減っている。出版市場も縮小していくだろう。だが、このように見ていくと大手メディアで流布される暗い言葉とは裏腹に足元の世界では本屋の灯りが増え続けていることを強く感じる。しかもそれは都心部だけではない。全国各地にある。コロナ禍の中ではあるが、散歩の折に、あるいは里帰りの際にぜひ探して訪ねてみてほしい。きっとあらたな出会いが待っているから。(和氣正幸)
※週刊朝日 2023年2月10日号
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[※ アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一、洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)]/
(2022年04月21日[木])
東京新聞の記事【減り続ける「街の本屋」…動画で魅力を発信 オリジナルドラマや太田光さんらのインタビューも】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/173031)。
《減り続ける「街の本屋」の魅力や、厳しい現状を伝えようと、東京都内の中小書店が加盟する東京都書店商業組合(千代田区)がPR動画を作り、ユーチューブの公式チャンネルに公開した。動画制作に携わった映画監督の篠原哲雄さん(60)は「本屋は本と人とをつないでいるもの。それぞれの本屋さんがおもしろく、印象的だった。ぜひ動画を見てほしい」と話す。(奥野斐)》
「〝読学〟することなく、ツンドク状態になって久しい当ブログ。特に、本年度は肝臓の数値が異常に悪くなるほどの酷い日々で、指折り3月末を待つような状態。」…4月もあまり変わらないなぁ。少しは人間らしい生活には戻りましたが。心に余裕がない。
日々読学…《勉強とは本である、本とは勉強である》(小川書店・小川頼之さん)。
『●長周新聞の書評『一万円選書』(岩田徹著)…《わざわざいわた書店に
注文するのか。…「これは!」と思える本との出会いを求めているからだ》』
「「いわた書店」店主の岩田徹さんの「一万円選書」を知ったのは、
『セブンルール』にて。「隆祥館書店」店主の二村知子さんの回。
【7RULES あなたに「ルール」はありますか?/「隆祥館書店」店主
二村知子 (9月1日(火))】。《一万円選書》として、松下竜一さんの
『豆腐屋の四季』が選ばれていて、とても嬉しかった。」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/173031】
減り続ける「街の本屋」…動画で魅力を発信 オリジナルドラマや太田光さんらのインタビューも
2022年4月21日 12時00分
【【港区南麻布・小川書店】本屋の愉しみを子どもたちに。教科書と参考書にこだわる本屋。人気漫画も全巻揃っています!】
(https://www.youtube.com/watch?v=ePYq--6GE3k&t=489s)
減り続ける「街の本屋」の魅力や、厳しい現状を伝えようと、東京都内の中小書店が加盟する東京都書店商業組合(千代田区)がPR動画を作り、ユーチューブの公式チャンネルに公開した。動画制作に携わった映画監督の篠原哲雄さん(60)は「本屋は本と人とをつないでいるもの。それぞれの本屋さんがおもしろく、印象的だった。ぜひ動画を見てほしい」と話す。(奥野斐)
中小書店を中心に組織する同組合の加盟店舗数は、1984年に1426店だったが、今年4月1日時点で277店と、ピークから8割減少した。組合によると、紙の雑誌と書籍の販売金額は90年代半ばの半分以下に縮小。電子書籍の普及が進み、街の本屋の収入の柱である雑誌の売り上げは最盛期の3分の1ほどまで減ったという。
(自身が営む書店を紹介する東京都書店商業組合の
小川頼之さん(ユーチューブチャンネル
「東京の本屋さん」より))
こうした業界を盛り上げようと、組合は都中小企業団体中央会の支援事業として、昨年夏に動画制作を開始。計99本を公開した。このうち、都内72店の紹介動画は、各店主らが店をバックに歴史や品ぞろえの特徴、魅力を語る。
組合常務理事の小川頼之さん(58)は、動画で自身が営む港区南麻布の小川書店の教科書、参考書の充実ぶりを紹介。親に連れられてきた子どもが、飽きて教科書から目を移した時に、絵本から学習漫画、文学、小説へと順に視界に入るような配置の工夫をしているという。「意外に本屋おもしろいね、と思ってもらえるような仕掛けをつくっている」と語っている。
店主らに話を聞き、動画を制作した篠原監督は「書店主の個性が違う。本に対するこだわりが本の並び方に象徴されていたり、(その人の)人生が本屋に表れていた」と振り返る。
【ドラマ『本を贈る』第一話「どうする凪紗」】
(https://youtu.be/AdWZs8aF9qQ)
動画は他に、お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さんや、ジャーナリストの池上彰さんら著名人が本の読み方や本屋について語るインタビュー、篠原監督による本屋を舞台にしたドラマ「本を贈る」(各話約10分、全9話)もある。小川さんは、動画を通じ「本屋はないと困る。そう思ってもらえるようにしたい」と話した。
公式チャンネルは「東京の本屋さん~街に本屋があるということ~」。今月26日からは、港区北青山の山陽堂書店内のギャラリーで、動画で紹介した書店の写真パネル展も3期に分けて開かれる。
【関連記事】日仏文化の懸け橋75年 飯田橋のフランス語書店「欧明社」閉店
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[※ アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一、洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)] (2022年02月06日[日])
長周新聞の書評【『一万円選書』 著・岩田徹】(https://www.chosyu-journal.jp/review/22656)。
《「一万円選書」というタイトルからは、こんなに深く、また温かい話だとは想像できなかった。多くの町の本屋が姿を消すなかで、この本屋は取次から送られてくるベストセラー作家の本も新刊も、大学受験参考書も置かず、売りたい本を山積みにしている。この本屋は、北海道砂川市にある「いわた書店」である。店主の岩田氏はバブル崩壊後の出版不況と借金で七転八倒し、いよいよ店を閉めようかという2007年から始めた「一万円選書」が大ヒットした》。
〝読学〟することなく、ツンドク状態になって久しい当ブログ。特に、本年度は肝臓の数値が異常に悪くなるほどの酷い日々で、指折り3月末を待つような状態。
「いわた書店」店主の岩田徹さんの「一万円選書」を知ったのは、『セブンルール』にて。「隆祥館書店」店主の二村知子さんの回。
【7RULES あなたに「ルール」はありますか?/「隆祥館書店」店主 二村知子 (9月1日(火))】。《一万円選書》として、松下竜一さんの『豆腐屋の四季』が選ばれていて、とても嬉しかった。
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【https://twitter.com/ActSludge/status/1301144263384657921】
■《一万円選書》として、松下竜一さんの『豆腐屋の四季』が(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/27ff46d6574ec1fd046795c74878ce8c) 【7RULES あなたに「ルール」はありますか?/「隆祥館書店」店主 二村知子 (9月1日(火))】(https://ktv.jp/7rules/program/)/《一万円選書…一万円分の本を書店が選ぶサービス。北海道のいわた書店が先駆け》
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https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/27ff46d6574ec1fd046795c74878ce8c
●《松下竜一著…「豆腐屋の四季」は「歌の型を借りた生活綴り方」…まさに25歳の怒れる青年の生活の叫びだった》 - Activated Sludge ブログ ~日々読学~
[※アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一、洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)]佐高信さんによる、日刊ゲンダイでの書評【週末オススメ本ミシュラン/「豆腐屋の四季」松下竜一著/講談社文芸文庫】....
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午後10:05 2020年9月2日
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【https://twitter.com/ActSludge/status/1301144264680697856】
■《一万円選書》として、松下竜一さんの『豆腐屋の四季』が 【7RULES あなたに「ルール」はありますか?/「隆祥館書店」店主 二村知子 (9月1日)】(https://ktv.jp/7rules/program/)/《一万円選書…一万円分の本を書店が選ぶサービス。北海道のいわた書店が先駆け》《Rule3 人を傷つける本は置かない》
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ktv.jp
プログラム | セブンルール | 関西テレビ放送 カンテレ
7つのルールで話題の女性の人生を映し出すドキュメントバラエティ『セブンルール』!“今、最も見たい女性”のルールを通して、多くの人がよりよい人生を送る為のヒントが隠されているはず!
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午後10:05 2020年9月2日
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【https://www.chosyu-journal.jp/review/22656】
『一万円選書』 著・岩田徹
書評・テレビ評 2022年2月1日
「一万円選書」というタイトルからは、こんなに深く、また温かい話だとは想像できなかった。多くの町の本屋が姿を消すなかで、この本屋は取次から送られてくるベストセラー作家の本も新刊も、大学受験参考書も置かず、売りたい本を山積みにしている。
この本屋は、北海道砂川市にある「いわた書店」である。店主の岩田氏はバブル崩壊後の出版不況と借金で七転八倒し、いよいよ店を閉めようかという2007年から始めた「一万円選書」が大ヒットした。
「一万円選書」とは、選書カルテをもとに、「あなたにあった一万円分の本を選書してお届けします」というもの。現在、「一万円選書」の募集は1年で7日間だけ。そこに全国から何千人もの応募があり、抽選で毎月100人ずつに選書した本を送っている。
なぜ人は、品揃え豊富な大型書店や、クリック一つで届くネット書店ではなく、わざわざいわた書店に注文するのか。それはたくさんの読者が、かならずしもベストセラーではなく、自分が本当に読みたい本、自分の生きる指針になるような「これは!」と思える本との出会いを求めているからだ。
最近では、地震や豪雨災害などで被災した人や、コロナ禍で奮闘する医療従事者からの応募が多いそうだ。
いわた書店は抽選で選ばれた客に「選書カルテ」を書いてもらう。そこにある質問というのが、「これまで読んだ本のなかで印象に残った20冊」「これまでの人生で嬉しかったこと、苦しかったこと」「これだけはしないと決めていることは」「あなたにとって幸福とは」という、時間と覚悟が必要なものばかり。
そこに自分をさらけ出して、あふれんばかりの思いを綴ってくる人がいる。そうでない人に対しては、岩田氏は行間から伝わってくるものを読む。とくに彼は、書かれていることをそのまま受けとるのではなくて、本人も気づいていない欲求を汲みとって、その人自身では探せないような本を紹介することに心を砕く。それができるのは、彼の読書遍歴の豊かさに加え、若い頃から暗闇の中をもがくようにして生きてきた経験から得たものがあるからだ。確かにこうした作業は、AIには決して真似できない。そうして選んだ本が相手に喜ばれたら、本屋としてこれほど嬉しいことはない、という。
選書カルテを書くことは、客にとっては自分のこれまでを振り返り、人生を立ち止まって考える作業となる。
カルテを書いた段階で選書はほぼ終わっており、自分はただ役に立ちそうな本を届けて作者と結びつけるだけ、人生のアドバイスを直接できなくても、そっと背中を押してくれるような本を紹介することはできる――と岩田氏はいう。ビジネス書のようにすぐに役立つノウハウや結論を求めず、本の中からメッセージを感じとり、自分の中の答えを見つけて、とも。
どうやって本を選ぶか
第三章の「僕はこうやって本を選ぶ」の中に書かれている読者の悩みと選書のようすを読むと、どれも手にとって読んでみたくなる本ばかりだ。
「もっとゆっくり、自分のペースで暮らしたい」と書いてきた大手メーカー勤務の40代男性に対して選んだ本の一つは、ルポライターの笠井一子がまとめた『京の大工棟梁と七人の職人衆』。数寄屋大工、左官、表具師、錺(かざり)氏、石工、簾(すだれ)師、畳師、庭師といった、日本の美意識と文化を築いてきた職人たちの、匠の技と感覚、仕事と心を知ることができる。しかも、どんなプロフェッショナルであっても、自分にはこの仕事は向いていないんじゃないかと悩み、迷い、葛藤しつつ、それでも自分の技を磨き自分の山に登っていく。「仕事とは――働く意義にぶつかった人にはぜひ読んでほしい本だ」という。
「子どもが5、6歳になってくるということを聞かなくなってきてイライラしてしまう」と書いてきた若い母親に対しては、益田ミリの絵本『はやくはやくっていわないで』。ところが、この本を読んで夫が泣いたという。IT企業で働く夫は、毎日仕事で「はやくはやく」といわれることにストレスを感じ、そのイライラから家族に当たっていたことに気づいたのだ、と。
こうして7年間で選書した人は1万1000人をこえ、その人たちから届いたお礼や感想の手紙は段ボール数箱にもなるという。このような血の通ったコミュニケーションから豊かな栄養を得て、岩田氏は今日も本を選ぶ。それが反響を呼ぶのは、スマホ全盛期の孤独な時代だからだろうか。本屋にとって、いや人に役立ちたいと願う様々な職業人にとって忘れてはならない原点、初心があふれる一冊。
(ポプラ社発行、新書版・190ページ、定価900円+税)
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