阿部ブログ

日々思うこと

アメリカ連邦政府におけるソーシャルメディアの活用

2011年03月11日 | 日記
オバマ大統領は、選挙戦においてYouTube やFacebook、Twitterなどソーシャルメディアを多用した事は有名である。政権発足直後からオバマ政権ではOpen Government政策を推進し、「透明性」「市民参加」「コラボレーション」を掲げ連邦各機関にソーシャルメディアの利用を促し、積極的に情報公開を行い国民との対話を深めつつ、国民の意見を反映させることで、より良い政策推進に資するようホワイトハウス自ら先導している。その影響もあり連邦各機関において国民とのコミュニケーションにソーシャルメディアを利用する割合は59%に上り、ブログ利用は48%、YouTubeなど動画による情報発信は40%に達する事がヒューレット・パッカード(以下HP)の調査で判明した。このHPの調査は連邦政府機関を対象に2010年に実施されたが、ソーシャルメディアなどの利活用により国民へのサービスが向上したと答えたのは33%、他の連邦機関とのコラボレーションが増えたとの回答も20%となっており、ソーシャルメディアの利用により国民との距離感を縮め、政治参加を促進する効果があるとの報告がなされている。

 また我が国でも適用できそうなソーシャルメディアの利用事例としては国土安全保障省隷下の連邦危機管理局(以下FEMA)の取り組みがある。FEMAは国民の安全に関する災害などリスク情報を通常のホームページ以外でもFacebookやTwitterなどでリアルタイムに配信している。また連邦調達庁(以下GSA)が管轄する「Challenge.gov」と言うサイトでは、社会的課題解決のための創造的・革新的なアイディアを国民から広く募集し、採用された場合には賞金も提供するという「クラウドソーシング」、若しくは「オープン・イノベーション」と呼ばれる手法を用いているが、この手法にGSAはソーシャルメディアを併用・連動させ「口コミ効果」を得ながら、より多くの参加を募ることを可能としている。このような似た取組みはソニーやGEも行なっているが、様々な企画やアイディア募集を組織内外でソーシャルメディアを併用して一般市民などから募集するなど「クラウドソーシング」にチャレンジする事も有効ではないだろうか。