阿部ブログ

日々思うこと

【修正】東武伊勢崎線と関東軍 ~修正が遅れまして申し訳御座いません~

2013年01月16日 | 日記
過去ブログ『東武伊勢崎線と関東軍』を山縣一郎氏の訂正コメントを受け、下記の通り修正致します。著しく修正が遅れましたこと、伏してお詫び申し上げます。
(ご意見を頂いたのは2012年12月4日の14:49でした)

※【山縣一郎氏のご意見】
そもそも矢板家の旧姓は坂巻であり山梨より矢板に流れ来て財を築き地名の矢板を姓にしたものであり矢板市の名称とは関係ありません。

↓↓↓↓↓【修正】↓↓↓↓↓

栃木県の「矢板市」には、同市と同じ「矢板」の名前を冠する矢板家があった。この矢板家は山梨より栃木の矢板に流れてきたもので、旧姓は坂巻と言い、矢板を定住地に定めてから地名の矢板を自家の姓とした。さて、あったと過去形になっているのは現在の矢板家当主の矢板肇氏は、神奈川県逗子に転居しているからだ。

矢板家第16代当主の矢板肇氏の父である矢板玄の遺言により矢板家の邸宅は矢板市へ寄付され、今は矢板市指定文化財に指定され「矢板市立矢板武記念館」として市の管理下にある。

矢板玄氏は、昭和電工から日本陸軍系列の特務機関を経て、戦後は「亜細亜産業」を設立し自ら社長となった。晩年は矢板信用組合理事長を努め1998年に死去。

「矢板武祈念館」にある矢板武氏は、矢板玄氏の曾お爺さん。
矢板武氏は、日光鉄道や日本最初の私鉄である日本鉄道の役員を務めた。
ちなみに日本鉄道は、上野駅を基点として大宮で分岐し高碕を経由して宇都宮までいたり、それから東北新幹線も停車する那須塩原を結ぶ、当時の私鉄にしては長大な線路を建設し、その一部はJR東北本線の一部になって現在に至る。

この縁もあり矢板玄氏の父親である矢板玄蕃氏などが、東武伊勢崎線となる鉄道建設に従事した。
この鉄道建設は、当時の日本陸軍・関東軍の訓練を兼ねての鉄道敷設であった。
当時は満州地域における南満州鉄道と関連する権益拡大とその維持に多大なる努力が傾注していた時期であり、その後、東武伊勢崎線となる鉄道敷設作業は、日本陸軍・鉄道工兵部隊が中心となって実地訓練を兼ねてのプロジェクトであった。

鉄道工兵部隊は、この訓練後、途満州し関東軍の鉄道部隊として活躍する事となり、敷設した鉄路は東武に払い下げられ現在の伊勢崎線として現在に至っている。

さて、その後、東武伊勢崎線沿線に東京スカイツリーが2012年5月22日に完成お披露目&営業開始となる。これにあわせ東武鉄道は浅草~押上間を3月17日から「東武スカイツリーライン」とするとし、最寄り駅の業平橋駅を「とうきょうスカイツリー駅」に改称すると発表している。

イランの対外戦略とトルコ戦略、それとPKK幹部暗殺

2013年01月16日 | 日記
米国のThe Federation of American Scientists(FAS)が、連邦議会図書館が公開情報を基に作成したイランの諜報組織である情報保安省(Ministry of Intelligence and Security)についてのレポートを掲載している。
Iran's Ministry of Intelligence and security:A Profile』と言う文書だが、この32ページにシリア国内に2カ所に通信傍聴サイト(signal intelligence:SIGINT)を運用していると書いている。

場所は、ゴラン高原とトルコとの国境近くのシリア北部。ゴラン高原のSIGINTサイトは、勿論イスラエルの情報収集が目的だが、シリア北部のSIGINTサイトは、主要ターゲットはトルコと同国内のNATO軍だ。
イランはトルコへの攻勢を今後強化すると分析するが、イランが共闘するのはクルド労働者党(PKK)とシリア、それとヒズボッラである。イランはPKKの戦闘要員の訓練基地を提供しており、PKKの戦闘員は、イラン国境を越えてトルコへ侵入して各種作戦を実施している。

イランは、多面的に対トルコ戦略を着々と展開している。特にトルコとは歴史的に微妙な関係にあるアルメニアに接近して近親憎悪を煽っているし、シリア北部からトルコに存在するイスラム教の亜流であるアラウィー教徒、トルコではアレビィー教徒を扇動している。

イランはトルコ国内での諜報活動を活発化させており、トルコの防諜組織もシリアと共にイランへの警戒監視を強化している。またシリア内戦を理由に、米軍とNATO(ドイツ、オランダ)が地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC3)を配備しており、これは勿論、イランからの攻撃にも対処するものだ。

このイランのトルコ戦略の本質は?
イランという国家の外交政策の基本は、同じイスラム教であるもののスンニー派のサウジアラビアやエジプトなど国家群への対抗である。イランはシーア派盟主であり、この延長上にトルコが存在する。それとイスラエルや国際的なユダヤ勢力へのグローバル・テロ。イランがロシアと共にシリアを支援するのはイスラエルと敵対するシリアへの支援であり、ヒズボッラやハマスと連帯共闘するのは当然の帰結であり、イスラエル政府や諜報組織は過去判断を誤っている。 

さて過去ブログの『シリア情勢:トルコにパトリオットを配備』でも書いたが、対イラン監視向けのミサイル防衛レーダーもトルコのマラトゥヤ県チャルシャク高地に設置されており、イランの軍事的な包囲網は万全の状況だが、トルコはイランやPKK、ヒズボッラなどの間接的攻撃から防御しつつ、適切な反撃を行いつつ敵性勢力の抑止活動を行う事が必要。

イランが設置しているシリア北部のSIGINTサイトも、内戦のどさくさに紛れて破壊する事も可能だろうし、ニセ情報を流して混乱させつつ、サイバー攻撃をかけるなど積極攻勢をかけるべきと考える。しかしイランとシリアのバックには軍事的に復活しつつあるロシアの存在があり、地政的にトルコの立場は微妙であると感ずる。東と西の接点であるトルコは、パワー・バランスを勘案しつつ内政・外交を展開する事が必須だ。

最後にパリでPKK幹部が暗殺されたが、これはトルコではなくイランの関与を私見であるが否定できない。暗殺された時期には終身刑のPKK指導者アブドゥッラー・オジャランとトルコ政府との間で講和に向けた話し合いがイムラル島で行われていた事を忘れてはならない。