フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

文化的表現の多様性の保護と促進のための条約

2005-10-25 00:10:00 | today's focus
ちょっと遅くなりましたが、今月21日、ユネスコは上の条約を賛成143カ国、反対2カ国、棄権4カ国で、採択したそうです。新聞では指摘がありませんでしたが、これはじつは2001年に9.11の惨劇を受けて、同じくユネスコで採択された「文化の多様性」宣言の実効をせまる採択と言えそうです。2001年の採択ページに行くと、文化の多様性とは何か、について4つのポイントが挙げられています。

(1)文化の多様性は事実である(Cultural Diversity is a fact)
(2)文化の多様性はわたしたちの毎日の現実である(Cultural Diversity is our everyday reality)
(3)文化の多様性は基本的権利の尊重を反映している(Cultural Diversity reflects the respect of fundamental rights)
(4)文化の多様性はわれわれの集合的な強さである(Cultural Diversity is our collective strength)

9.11を受けて行われた宣言と先週の条約ということですから、反対したのがどこの国かはわかるでしょう。アメリカとイスラエルが反対しました。棄権したのは、キリバス、オーストラリア、そのほか2カ国ということだそうです。日本もイギリスも賛成をしています。新聞では世界の映画館の90パーセント以上がハリウッド映画を上映していることをあげて、それに対して各国が自国の映画産業を保護するような宣言にアメリカが反対するのは当然だと論評を加えていました。しかし、イスラエルという名前をみつけたとき、アメリカの反対が単にハリウッドを守るためだけではないことは明らかではないでしょうか。

文化の多様性は事実である、とありましたが、文化の多様性とは政治であると言えるでしょうか?
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