フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

世界の名作図書館29「ロビンソン漂流記・宝島」

2007-09-11 23:57:45 | my library
千葉に戻りましたが、まだ気分は夏休みです。

さて、オーストラリアから帰って翌日は実家に飛んだのですが、本というものはいつまでも出てくるもののようです。まだ小さい段ボール2箱分があるから処分するか持って行くかしなさいと言われて、持ってきた中の1冊が上の本です。

昭和42(1967)年に講談社から出版されたもので、ロビンソン漂流記を久米元一、宝島を阿部知二が訳しています。ちなみに、この全集の監修には志賀直哉、坪田穣治などが入っており、箱の絵は安野光雅が描いています。錚々たる布陣で、このころは子供用の全集がよく企画されていたんですね。

この本がどうして手元にあるのか、自分から希望して買ってもらったのか、それとも買い与えられたのか、今となっては分からないとしかいいようがありません。しかし、小学生時代に何度も繰り返して読んだのはおそらくこの一冊だったような気がします。それも読んだのはロビンソン漂流記であって、宝島ではないんですね。

ロビンソン漂流記は承知の通り、デフォーが1719年に発表したもので、そんな時代の本がなぜ現在もなお面白く読めるのか不思議です。それでも同じデフォーの「ペスト年代記」などもものすごい迫力で今でも読めますから、デフォーのリアリズムの眼はとにかくすごいのだと思います。時代は少し下りますがどこかでスペインの画家ゴヤの眼とも通底しているかもしれません。

ロビンソン漂流記は、1人で孤島の中でいろいろな工夫をして自分の王国を作っていくような様があって、私の好みに合っていたのでしょうね。夢の世界にいながら、その世界では妙に現実的、というのがロビンソン漂流記の特徴のような気がします。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本に国際報道はあるのか? | トップ | 若い世代は会話をどのように... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

my library」カテゴリの最新記事