ラスカルか。
「ラスカルの話をしていました」
26日に行われた東京五輪スケートボード女子ストリートで、
日本代表史上最年少で金メダルを獲得した西矢椛(もみじ)選手が競技後のインタビューでこう答え、ネット上がざわついた。
同じ種目に出場していた中山楓奈選手と
「何を話していましたか」との質問に対しての答えだった。
ラスカルが26日に投稿した、
西矢椛(もみじ)選手、中山楓奈(ふうな)選手をたたえるツイート 「ラスカル」と聞いて、多くの人がイメージしたのはテレビアニメ「あらいぐまラスカル」。
そのため、「ラスカルって、あのラスカル?」「かわいすぎる!」などのツイートが相次ぎ、「ラスカル」がトレンド入りする事態となった。
「ラスカル」自身も反応した。
26日午後4時過ぎ、公式ツイッターで、スケートボードに乗るラスカルのイラストとともに、「西矢選手、中山選手、スケートボード女子ストリートでのメダル獲得おめでとうございますミャ~」と祝福の言葉を投稿した。
「あらいぐまラスカル」の制作会社、日本アニメーションによると、ラスカルの「お友達」の社員が西矢選手のニュースを見つけ、
社内が騒然となった。
「『ラスカル』と言っても、色々な可能性がある。確定しているわけではないけれど、うちのラスカルならこんなにうれしいことはない。
ラスカルと一緒にお祝いメッセージを作ろう」と、
社員が一丸となり、ラスカルに代わって、イラストの作成に取りかかった。
「鮮度が命」と、ほかの仕事はすべて後回しにして、2時間ほどで一気に描き上げたという。
西矢選手が言ったのは、別の「ラスカル」かもしれない、という疑いも頭をよぎったが、
「おめでたい話だし、この際どうでもいい」と思ったという。
ツイートには「君のことじゃないよ」とのコメントもあったが、
「ラスカル仕事早い!」と称賛する声が続いた。
「あらいぐまラスカル」は1977年に放送されたテレビアニメ。子供たちの人気を博し、ペットとしてアライグマを飼うのがはやるほど、一大ブームとなった。近年は、無料通話アプリLINE(ライン)のスタンプのキャラクターとして人気で、文房具なども販売されている。
「今では、そもそもアニメだったことを知らない人の方が多い」(広報)と言う。
ただ、西矢選手の後に会見に応じた中山選手は、
同じことを聞かれ、こう答えた。
「(最後の滑走の前に西矢選手と)ラスカルの曲を聴いてるよ、って」。
あらいぐまラスカルは歌を出しているのだろうか。
再び日本アニメーションの広報に尋ねた。
長い沈黙が続いた後、答えが返ってきた。
「オープニング曲とエンディング曲ならありますね」
面白い。あらいぐまラスカルか。