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67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

レイ・バレットの乾いたコンガ

2006-09-06 05:20:34 | jazz & vocal
Moon Child/Johnny Lytle
(Jazzland 81)


 ジョニー・ライトルはリバーサイド、ジャズランドから紹介されたバイブラフォーニストで、初リーダー盤については以前にこのブログでもアップしています。ここでも触れたように旧知のオルガン奏者ミルト・ハリスとのコラボでフワーッとした雰囲気にライトルの鋭いバイブサウンドが絡まりいつもの魅惑のサウンド造りがなされています。Jazzlandの4作目にあたります。



 このアルバムは勿論、両者のプレイは楽しめるのですが、"Plus Ray Barretto"と副題に示された彼のコンガプレイが聞き物とも言えます。各面4曲、計8曲の構成ですが6曲でレイの乾いた空を貫くようなコンガの響きを聴く事が出来ます。レイのコンガに導かれてはじまるA-1のタイトル曲でグッと演奏に引き込まれていく感じがします。ライトルとの相性も抜群です。続く"Work Song"の連打を駆使したレイのプレイも印象的です。続く"The Nearness Of You" のライトルのバラードプレイもいいですね。B面では”蜜の味”や"Moonlight In Vermont"が演奏されており選曲の魅力もありますね。

 ジャズランドのモノラル盤でプロモ/ホワイトレーベルです。オルガンの分厚いサウンドと鋭いバイブのメタリックサウンド、コンガの音の余韻もうまく収録された録音も素晴らしいですね。

FENで頻繁に流されたトニ・アーデン

2006-09-05 00:10:18 | jazz & vocal
Miss Toni Arden/Toni Arden
(Decca DL8651)


 Deccaはジャズボーカルもさることながら、本日紹介のトニのようなポップボーカルものも多く白人、黒人、非歌手(俳優、ボードビリアン)、コーラス等と極めて多彩なラインナップでコレクター泣かせであると言われています。Jazz系のモノではサッチモ、ビリー・ホリデー、エラ、カーメンなどがその代表ですよね。

 本日紹介のToni Ardenはやや甲高いきれいな張りのある高音が特徴で40年、50年代にFENでは花形スターであったと言います。ラルフ・バーンズのオケがバックを勤め、スインギーな曲からバラードまで力強い歌唱を聴かせてくれます。A面冒頭の"Sand I n My Shoes"での彼女の美しい声に思わずニンマリしてしまいますね。選曲も素晴らしくA面では"You Stepped Out Of A Dream", "Let's Face The Music And Dance", "Autumn In New York", B面の"That's All"や“Be my Love"等の佳曲が取り上げられています。またA面ではイタリアンタッチ、B面ではフレンチタッチと呼ばれるメドレーが配され、A面では”帰れソレントへ”、B面ではおなじみのテーマが泣かせる"Sur Le Pont D'Avignon"の歌唱が目玉になっていますね。知名度は低いですが、彼女の声質一度体験しても良いのでは?

 アルバムはDeccaのレインボウレーベルで”by Decca Records Inc. New York, U.S.A.”から言いますと60年代の再発盤と思います。

マジック・フルート

2006-09-04 00:36:58 | jazz & vocal
The Magic Flute Of Herbie Mann
(Verve MGV-8247)


 ジャズ界でのフルートの位置づけはどうだろう。決して人気がある楽器ではないがマルチリードプレーヤーはたくさん存在し、今日の主役ハービー・マンもそうですが合わせて他の木管楽器(テナーサックス、クラリネットなど)も演奏し、そういったマルチぶりをどのプレーヤーもセールスポイントとしていますよね。しかしながらハービー・マンはその中でもフルートをメイン楽器とした最初のプレーヤーと言えると思います。彼の言葉を借りると、他のどんなフルートプレーヤーからも影響を受けておらず帝王マイルスが彼にとってのアイドルだったと言うのが彼のパイオニアぶりを如実に表していると思います。晩年、bossaへの傾倒、ソウルフルなジャズロックへの傾倒で人気盤をリリースしますが、それ以前の純然たるジャズフルートが聴けるのはベツレヘム時代、ヴァーブ時代であろうと思います。

 本日のアルバムはヴァーブに録音された一枚で、彼のフルートを堪能できる好盤と思います。3つのセッションからなりますが、一つめはFrank DeVolのストリングスとJimmy Rowles(p), Buddy Clark(b), Howard Robert(g), Mel Lewis(ds)のリズムセクションで"Moonlight Serenade", "Stardust", "Body and Soul"等をアルトフルートでやっています。最もジャジーなセッションが上記リズムセクションからロバーツを除いたトリオがバッキングするものでここでの"St. Louis Blues"のタイトなリズムに乗ったフルートプレイは聞き物です。最後のセッションはLaurindo Almeidaのアレンジでギター、ベース、2ドラムスのバックで聴かせるもので"Frenesi"では後のボッサへの伏線を感じさせます。このメンバーでA-1にクレジットされる"Evolution Of Man(n)"でのプレイは美しい音色と激しい吹奏で彼のプレイの真骨頂でしょう!

 VerveのMGM、T字レーベルのモノラル盤です。

シナトラに後継者と言わせた実力派、バディ・グレコ

2006-09-03 00:57:06 | jazz & vocal
My Buddy/Buddy Greco
(Epic LN3660)


 Buddyがエピックレコードからリプリーズに移ったときに”これで自分も安心して引退できる”とコメントしたのは有名な話です。弾き語りが得意で粋な魅力をもったシンガーで、男性的な、歯切れのいいスピード感と迫力に満ちあふれた唄いっぷりがシナトラにこういったコメントをのこさせたのでしょう。ピアノに関しても相当な実力と思われ、ベニー・グッドマン楽団でも歌、ピアノ、アレンジと3足のわらじを履いて活躍したと言います。Coral, Kapp, Epic, その後Repriesと移っていきますが最も油が乗った歌唱を聴かせるEpic時代に名盤が目白押しです。

 本日アップのアルバムはこのエピック時代を代表する第一作で自己のトリオを率いて、シカゴのLe Bistroに出演した時のライブを収録したアルバムです。Buddyのピアノとボーカルが最もシンプルな形で表現された好盤と思います。A面1曲目のラテンタッチで静かにはじまる"Like Young"からもう彼の虜になってしまう渋さです。つづく“Only Love Me", "Misty"や"Just In Time"の粋な歌唱も聞き物です。B面ではシングルカットされたと言う"Lady Is a Tramp"からはじまりますが、静かにはじまり徐々に盛り上がっていく計算され尽くしたパフォーマンスは大歌手出現を予感させる好唱と行っても過言ではないと思います。

 エピックのモノラルオリジナルですが、カバーの女性のとてもキュートで印象に残る秀逸なジャケと思います。粋なボーカルの一枚と行ってよいと思います。

女流ピアニストたち

2006-09-02 04:41:45 | jazz & vocal
Ladies Of Jazz/Mary Lou Williams & Barbara Carrroll
(Atlantic 1271)

 女流ピアニストではジャズシーンで最も活躍したのが、日本が誇る秋吉敏子氏ではないかと思います。彼女が、渡米した50年代中期、既に女流ピアニストとしてビッグ(まではいかないか?)ネームとなっておりこのようにアルバムが制作されていた事実を考えると、この2人がいかに注目の存在であったかが想像されます。

 A面を担当するバーバラ・キャロルはマサチューセッツの出身で、40年代にNYのジャズシーンに登場。当時のビバップスタイルを吸収し、バド・パウエルのコンセプトに根ざし女性的な感性を加味した自己のピアノスタイルを確立していきます。 彼女の代表作はRCAやVERVEにいくつかみられ、晩年はブルーノートにリーダーアルバムの録音がありますよね。この51年のセッションはベースにJoe Shulman, ドラムにHerb Wassermanを加えたトリオ演奏で、彼女としては2nd リーダーセッションにあたります。選曲も"My Funny Valentine", "Taking A Chance On Love", "You Took Advantage Of Me"や"Autumn In New York"等スタンダードを中心にバランスのとれたピアノを聴かせてくれるなかなかの好セッションですよ。確か元々は10インチで出たアルバムだと思うのですが・・・

 B面はメリー・ルー・ウィリアムスのトリオです。彼女は音楽的には、バーバラよりさらに古くそのデビューはおそらく30年代です。バド・パウエルやモンクとは友人関係にあったようですね。一時はヨーロッパに滞在していましたが50年代になり米ジャズシーンに復帰します。トリオはCarl Pruittのベース、シアリングとの共演で知られるBill Clarkをドラムに起用しています。演奏もオリジナルと"Surrey With The Fringe On Top", "From This Moment On", "'S Wonderful"等のスタンダードがバランスよく配され、トラディッショナルとバップの中間的スタイルのピアノを楽しめます。

 両者のカップリングですが、アトランティックのモノラルオリジナルと思います。greenのグラデーションのバックにFlower arrangementをあしらったカバーが粋ですよね。

追記:実を言うと自分はバーバラのマニアでもあります。ブログ仲間のbassclefさんから10インチのカバーが見たいとのコメントをいただきましたのでアップしますね。"Piano Panorama"と題される10インチです。録音は決して悪くないのですが、10インチの方はバックグラウンドノイズがおおいので聴くのはもっぱらこの12インチですね(笑)。



10インチのカバーもなかなか秀逸です。

こんなコーラスはいかが?

2006-09-01 00:00:27 | jazz & vocal
The Axidentals with The Kai Winding Trombone/The Axidentals
(ABC paramount ABC-232)

 たまにはコーラスもいいな!なんて思いながら混声ボーカルはというと、以外と手持ちが少ない事に気がつきます。混声ボーカルでは何といってもLH&Rが有名ですが(J&Rはduoでコーラスと言うのかどうか・・・)、イキのいいコーラスをと思い取り出したのがこのアクシデンタルズです。サンフランシスコ州立大学で出会った4人組(男性3人と女性1人)の混声でビビッドで楽しいコーラスを聴かせてくれます。バッキングはトロンボーンのカイ・ウィンディングのグループで、Wayne Andre(tb)の参加もあり、フォー・フレッシュメンを意識したアルバム造りのコンセプトが垣間見えます。ミルト・ヒントン、オシー・ジョンソンなどの手堅いプレーヤーの参加もあります。他のメンバーについては不明です。 選曲も素晴らしいです。A面冒頭の"Day In, Day out"でいきなりコーラスの楽しさに引き込まれます。"You Don't Know What Love Is"のようなバラードにも巧みな対応が聴けますし、"Gypy In My Soul"や"No Moon At All"のコーラスもいいですね。B面では, 何と言ってもマイルスの決定的名演で知られる"Walkin'"がすきですね。LH&Rのようなブルースフィーリングは乏しいですが、コーラスの楽しさにあふれた歌唱で楽しめますよ。"Out Of This World"のハーモニーも見事です。

 ブログ仲間のbassclefさんが言うところの”ギザエッジ”をもったabc- paramountのモノラル盤です。コメディアンのようなジャケ写はどうかと思いますが美しいコーティングカバーです。たまにはコーラスも良いですね。