67camper's Blog

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喧嘩セッションには欠かせないセロニアス・モンク

2009-04-14 04:51:34 | jazz & vocal
Mulliigan Meets Monk/Thelonious Monk & Gerry Mulligan
(Riverside RLP247)

 「喧嘩セッション」、こういう言葉が本当にあるのかどうか知りませんが、お互い妥協を許さない個性の強いプレイヤーの競演の意であり、決して殴り合いになったセッションという意味ではない。クリスマスセッションのマイルスVSモンクなど、この種のセッションで強烈な個性のぶつかり合いで「喧嘩セッション」となりやすいプレイヤーの最右翼がセロニアス・モンクですよね。勿論、モンクと対峙するプレイヤーがビッグネームでなければ、プレイヤーは同化してしまいモンク色に染まってしまう結果に終ってしまいます。ジェリー・マリガンもバリサクの第一人者でウエストコーストジャズの旗手的存在であったわけで、モンクのコンセプトとは全く相容れないコンセプトが真っ向からぶつかりあったこのセッションも「喧嘩セッション」として捉えてもあながち間違いではないと考えられます。本日はこのリバーサイド盤をアップいたしますね。

 メンバーはGerry Mulligan(bs), Thelonious Monk(p), Wilbur Ware(b), Shadow Wilson(ds)というバリサクワンホーン形式です。Monk, Ware, Wilsonは当時のモンクカルテットのレギュラーであり、これにマリガン客演というスタイルです。演奏曲はモンク曲4曲、マリガンのオリジナル1曲、そしてスタンダードの"Sweet And Lovely"の6曲です。何と言っても有名なのがA-1の"Round Midnight"です。この美しい陰影のある曲をマリガンペースに進めていこうとするバリサクソロのバックで強烈なコンピングをいれ、マリガンのソロ終了後、最終的にモンクのソロに移りいつものペースに引き込んでしまうくだりは実にスリリングですよね。またB-1のマリガンの"Decidedly"はお得意のストップタイムを駆使した佳曲ですが、これもモンクのソロに入ると意表をつく和声はやはり圧倒的で、マリガン色を一掃してしまう勢いです。ウェアのこれまた斬新なピチカートも聴きものですね。

 所有盤はRIVERSIDEのブルーラベルのモノラルオリジナル盤です。以前は国内ステレオ再発で聴いてましたが、マリガンのグイグイ引っ張っていくバリトンを聴くにはモノ盤がいいかなと思っています。