『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

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土地の味

2009年09月24日 11時40分49秒 | ソウルフード
       名物の芦名サラダ

昨日、連休ラストは家族で神奈川県の三浦半島へ出かけました。半島先端の佐島にある天神島は県の天延記念物として保護される海岸で、ここで弁当をひろげて太平洋を眺め、潮風に和みました。すぐ近くの佐島漁港は、地域の良港として知られ、東京でも佐島産の魚といえば、旨そう!となります。

その佐島から歩いて15分ほどの丘陵地が芦名です。芦名という地名は、半島地名にもなっている三浦一族から分かれた氏族として知られます。戦国武将の石田三成も芦名氏の流れをくむといわれます。三浦氏枝分かれの系統には、相模芦名氏と会津芦名氏があります。鎌倉の地にほど近い土地柄ですから、名門の武家氏族が多く排出されてしかり。源氏に縁のある私としては、まあ、気になる土地ということになります。歩いていると、いつしか800年前の世に心が飛んで、一緒に歩いている家族は、ははあ、またいつもの調子でと(笑)

さて、その丘陵地を歩いた県道脇に「カフェ・エ・カーネ」という名の店があります。実はちょうど2週間前に取材で訪ねた店で、ここの気さくなご夫婦と名物料理がすっかり気に入って、また訪れました。イタリアンスタイルの料理に使われる野菜や魚は、ほとんど地物で、味つけもナイスです。なかでも気に入ったのは、大皿いっぱいに盛られた「芦名サラダ」(1200円)。近所の農家さんが作った無農薬野菜がホント旨い。野菜が苦手の息子も旨いとのたまうほど。ご主人手作りのスモークチキンがまぶしてあって、これをつまみにワインが一本空いてしまいます。(詳しくは、「クラリス」という雑誌で紹介)。

三浦は魚だけでなく、野菜が旨いとは周知のことで、いい土地だなあと憧れます。NHKで放映していた「白洲次郎」のように、自分もこの辺りに土地を借りて百姓をやりたいと、ワインを飲みながら放言していると、ご主人に「探しておきましょうか」と言われて本気になっているのですが、いつものように家族は笑っております。晴耕雨読に憧れ、早や幾年月か。待てば海路の日和あり。とはいえ、説得と実現方法を見つけねば。