RURUのひとりごっち

「博多にわか」な「独り言」と「ごちそうさま」を鍋に放り込んでなんだか煮てみたら・・・ひとりごっちが生まれました。

乳白色の肌・乳桃色の花・地上へのオマージュ

2009-04-13 13:08:12 | さるきましょう

(八重咲きは今まさに満開の時)

おにぎりを三個ずつ計六個
二人前にぎる
中味は紀州うめ、四万十川わさび海苔、佃煮昆布の具
海苔を巻く
おにぎりを持って舞鶴~大濠公園に向かう
ソメイヨシノはほぼ咲き終わり
今は里桜が満開である
天神から歩いて約20分
赤坂を過ぎてお城跡のお堀沿いに歩き
堀を渡って鴻濾館跡の発掘場を横目に
お堀の内側
咲き終わったシングル桜並木の道を歩き
市民競技場の横を抜けて
二車線の細い道絡を渡ると舞鶴公園への門がある
門の前に藤棚広場があり
満開の八重桜も数本咲き誇っている
門を抜ける
隣接の学校の校内放送
若干やかましめのポピュラー音楽が迎えてくれた


(てまり桜って感じよあなた)

舞鶴公園へ入ると
ひと昔前
我社(会社だった頃)が設計に関わった
大きな芝生広場が広がっている
その広場の自然石ベンチで
にぎってきたおにぎりと
スーパーで仕入れた惣菜と缶ビールでランチタイム
設計者たる自転車君は
広場の外周の側溝が砂土で埋まり
芝草が這うのを見て
「誰の設計か!」などとつぶやきく
「あんたや!」と突っ込まずに
フラットなのは利用上機能的だけど
管理がいまひとつないからね
仕方ないねと発言しつつ
おにぎりをほうばる女


(ひろびろだから広場なのよ)

広場にはボール投げの子供達や
里桜花見のグループもちらほらいる
縁台でパンツ一丁にて日光浴する男もいる
お爺さんが自転車をこいで広場の中
園路をゆるらと走り抜けた
青いビニールシートのホームが数件
公園の端っこに並ぶ
前には自転車や植木鉢やらが置かれて
犬も繋がれている猫もいる
ホームレスだがある意味
スイートホームな感じもする


(お遊戯で作ったちり紙の花に似ているの)

カラスと鳩それに名前の知らない野鳥が
餌を求めて舞い降りる
あんたらにやる米はもうない
満開のサトザクラを見ながら
残りの缶ビールを飲み干した
公園の使われ方を見るのは重要なお仕事よ
けっして花見遊山などではございませんわ
楽しく花見をするためにはどんな設えがいるのか
そこんとこも研究しなければならないから
缶ビールもいやいや飲む
ほろ酔いが研究には一番有効だったりするのよ
これも憩いの場所を作るためよ
うん



それは兎も角
米腹をかかえて
広場を後に大濠公園へつながる道を歩く
大濠公園は博多の涙壺でござります
真ん中に大きな池を配し
訪れる人たちの涙を拾ってくれる
溜まった涙は浄化され
外周の散策路の修景用カスケードに流れていく
外周は一周2千メートルのジョギングコース
と自転車路に園路
その両側に緑地や遊具広場、四阿や散策路がある
売店前には体操服や制服姿の学生達がたむろっている
池端には背もたれベンチ
そぞろ風にふかれて
カップルやトリプルな仲良しこよしが
風景に溶け込んでいる


(紫外線ってお肌の敵よね~そうそう)


池の中ほどに浮かぶ島に橋が架かり
いつもの様に
池には舟形ボートや白鳥のボートも浮かぶ
大濠公園も改修工事でこの20年で
ずいぶん綺麗になっている
この設計にも結構関わった
調査にもよく訪れたが
なにより
この大濠公園が我々の原点であるのは
結婚式の披露宴をこの公園の
レストハウスの二階で執り行ったことだ
思い入れの深い公園であるのである

ウェディングドレスで公園を歩いた女は
そうたくさんはいないだろう



(白鳥の湖ならぬ大池で今日も群舞)


公園の中には
能楽堂や弓道場や市美術館や日本庭園のゾーンもある
春ののどかさを味わうには最適の場所なのである
が、夏も悪くない
夏八月には毎年花火大会で屋台もでるし
まじかで打ち上げられる
迫力の夜空のイベントでにぎわう


では
そろそろ美術館へ入ろう
4月19日まで開催中なのはレオナール・フジタ展
これを見逃しては後悔の嵐である




修復された幻の大作もさることながら
一番見たいのは
齢80にして毎日12時間3ヶ月かけて描いたという
聖堂の壁画にステンドグラス

この小さな教会「平和の聖母礼拝堂」は
まるごと細部に至るまでフジタの作品なのである
聖堂の中の映像が展示室の白い壁に映しだされ
展示されている下絵がその命を与えられた壁面へと
オーバーラッブされていく演出である
なかなかいい
魅惑の乳白色作品群は至近距離で
じっくり見れる展示もいい

フジタといえば裸体と猫であるが
筋肉質な人間の微妙なからだの線と面
緊張感あふれる肉体のひと筆のライン
女の金髪の柔らかであざやかな流れるライン
その横に
野生のしなやかさを柔らかな毛で隠し
あどけなさのみを魅せる猫

「一枚下さいな」
「飾る部屋もないが」

あんまりじっくり見すぎて出てきたら
自転車君は早々と見終わって
館内の通路の日当たりのよい椅子でお昼寝中だった

レオナール・フジタは
日本人だった頃は藤田嗣治だったが
日本人籍をぬきフランス人として死んだ
73歳でカトリックの洗礼を受け
レオナール・フジタとなって
遺作に聖堂を残して81歳でこの世を去った
この世に何かを残して去りたいと思い
実際にあまた残して去り
尚かつ
その作品を守って行こう
という人々を生み出すのが芸術

一本の線にこめられていたのは
探求者の
地上への接吻とオマージュに違いない
と考えながら
そぞろ風に吹かれて美術館をあとにした



(あたしに息を吹きかけるあなたは誰?)



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あまぐり)
2009-04-18 14:27:39
おにぎり持って、公園で食べて、
美術館に行って、外は天気が良くて・・
幸せな時間やと思いますわ。
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Unknown (るる)
2009-04-19 18:15:19
そうやね
あとは相方が言葉の通じる話好きの人で
日々のやり繰り月末の帳尻合わせを考えなくて済み
尚かつ
胃が痛い日々に
食事の支度に縛られずに過ごせて
近くにすぐ会いに行ける友人が3人いれば
もうほんまに幸せ

返信する
Unknown (るるる)
2009-04-19 18:19:57
そうよ!
みんな博多に住んだらええのゃん
そうしよ
そうしよ
返信する
Unknown (あまぐり)
2009-04-19 21:38:02
私も博多に住みたいんですけど。
なんか、おまじない、ないかね。
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