(登龍門は火を灯してお待ち申し上げております。)
世界が百人の村だったら
という本があったと思うが
百人は万人を表して
考える
世の中が百人でもいや何人でも
物事の正解は常に多数決
それが納得しかねる
というのは
常に少数派であるという事だ
100人中90人があるものを
『醜い』と答えたら
10人が『美しい』と言っても
それは『醜い』ものと認められる
逆に
90人が『美しい』と答えれば
10人が『醜悪そのもの』だと
言い張ったところで
それは『美しい』ことになる
勝つ
というは90人にはいることか
と
悲しくなるやつに
成功はない
時に
少数派が少数派として
市民権を得ているのは
ある意味
多数派からゲテモノ?として
認められて
それを
有り難がること
とさほど違いはない
が
腹立たしいと考えるのかどうか
その辺が分かれ道か
まるでお笑いの世界に似て
いじられ からかわれると
笑い
がとれたと喜ぶ自虐ネタの世界
世の中
多数決で動いていることを
常に喜べなければ
大人と言えない
なら
大人になりたくないなどと
言うと
ますます孤立して
なかなかに世の中生きにくい
とかくこの世は理不尽だ
(そうかもね)
理不尽でないのは
常に意見が分かれること
まあ普通はそうだろう
だが
それを無理やり半々にするとする
バランスが保たれると物事は進まない
それを詰めていって
60対40そして70対30
くらいにしてしまうのが
世の中ってモンだ
むしろ
進めないほうが
幸せに近いのかも知れないと
ひとりごちて
(いいのよ)
戦争だって多数決で選んだ
人間たち
の
多数決で決まるのだろう
独裁のばあいは別だが
良い決断とは
良いと思った人の数の多いほうに
良い決断である
その数にも入らない人々にとって
良い決断は決断がなされないこと
である・・・。
と堂々巡りに
くだをまきながら
いつものように
愛 を探す
そんなもの 落ちちゃいないがね
夜中の Ben E king
より
夜明けのBob Dylan
さしづめ
林檎につきる
なにが さしづめだ
すし詰めになって
おりに入ってろ
自分で自分に突っ込んで
(はじゅかしい)
だが椎名林檎だ
いかない~で ね
どこに だあって
あたしと一緒じゃ なきゃ
や~ょ
あなたしか みてないの
いますぐに
ここで キスして
と歌う
椎名林檎を食べながら
朝を迎えてしまった
ならば
それはそれでヨシとしよう
ちょっと古い選曲に
時代を感じつつも
林檎はお腹に優しい
ウィリアムテルテル
アダムとイブ
ニュートンにアップルパソコン
ビートルズのレコード
みんなみんなリンゴだった
リンゴはなんにも
言わないけれど
リンゴ可愛いや
可愛いやリンゴ
調子づいても
万有引力
引き合う孤独の力
(光はどこにだって差す)
なんかしら
引き合うことが
新しい?
つまり
なにか決定的に
違うもの同士の出会いが
新しいものを生み出す
けれど普通は
出会いながら決裂して
新しいものはなかなかに
生み出されない
あい いれない
あい いれない
何で二回言うのか?
あい いれないから
だろ?
あい入れないもの同士を
取り持つひとが
広く明るくなければ
持っている心の
風呂敷広くなければ
包み込めない
あいいれないものたちを
ひとつ風呂敷に
包み込めない
(なんとかつつんでみる)
ああ
それしかないのか
いまだにそれしかない
と
世の中はいい続ける
抽象論ではない
現実的方法論が欲しい
あい入れないものたちは
何が違う?
さほど違いのないものたち
新しいものと古いもの
美しいもの醜いもの
上品と下品
馬鹿と利口
サマランチにお子様ランチ
熱情と冷徹
いい加減と几帳面
すっぴんと厚塗り
ヘゲモニーとハゲちゃびん
ほら吹きと正直者
考えないやつらに考え過ぎるやつ
こみ上げる涙と枯れた涙
どれもこれも似通っている
本当にさほど違いはない
ならば何と何が
あい入れれば
新しいのだろう
例えば
機関車にマシュマロ食わせて走らせる
てな 感じか
だいぶ違う気もする(笑)
そんな感じで生きて
毎日生きて
そのうち死ぬから
まあ どってことない
(虹色のトンネルを抜けると)
新しくなくても
古くなくても
どってことない
上品でも下品でも
どって ことない
なにも 考えないでも
いろいろ 考え過ぎても
そこそこ 考えても
やっぱり どってことない
生活あるのみ。
其の辺が真実だ
だってさ
30数年働き続けているにもかかわらず
この世にふりまわされこき使われる
10年に1年くらいの割りで
ちょっとは余裕ってもんが欲しいじゃない
でなきゃ続かないよね
この前小倉に行った
小倉城近く川沿いの
リバーウォークにある美術館で
鴨居玲展がやっていた
から見た
良かった
見て良かった
そこにある空気感は
少し怖く
しかしあたたかく
やるせないがあい入れる
良い絵はやはり良い
人を描ける画家は
すごい!!
人種を超えて
出会ったものたち
人の表情には
その人の人生と
絵描きの人生が折り重なる
決定的に違うものたちが出会い
そこで生まれる芸術
鴨居玲さんに会ったことはないが
その姉であった
鴨居羊子さんにはお会いしたことがある
母の友人でもあった
一度母が鴨居さんと食事をする時に
ご一緒させてもらった
兎に角
あこがれの女性でもある
新聞社の学芸記者から下着デザイナーに転身し
会社をつくりエッセイも書けば絵も描く
才能と魅力にあふれた女性であった
二つ歳下の画家の弟
鴨居玲さんをささえていたのも
姉の羊子さんだったという
お二人とも今は亡くなられて
もうこの世には居られないが
母にもらった可愛い羊子さんの絵が
我が家の壁には2つ掛かっていて
私の宝物でもある
鴨居玲さんの絵は
新しくて古い
几帳面で面倒くさがり
愛に飢えながら
愛を嫌う
あい入れないものがあいまって
愛を表す
決定的に苦しんだあとに残された作品
苦しまないと生み出されない
苦しみの果てにある
美しさに
圧倒されるね
美しい絵は良いね
と
ひとり堪能したあと
小倉の大学で先生をしている
友人の研究室が
すぐ近くにあったから訪ねた
十年くらい前か何年前だか忘れたが
彼女の研究室とコンペを共同でやった時
に
一緒に手伝ってくれた卒業したての
ゼミの学生だった人が
もう一児の母となり
研究室に残って居てお茶を入れてくれた
子供はもう5歳になりました
と言った
月日のたつのが早すぎやしないか?
帰り際
研究室の資料や本の間に
古酒と書かれた茶色い瓶があって
このお酒は継ぎ足していけば
また同じように熟成されて
「いつまでもも 飲めるのよ」
と友人は言う
「まるでヨーグルトだね」
と言うと
「そうそう」って答えた
「いつ飲むの?」
と一応聞いたら
「何時でもいい」と笑った
あい入れれる酒 だな
古酒はあなどれない
継ぎ足しながら
生み出されるもの
か・・・。
おでんのだし と ぬかみそ(笑)
熟成するのに何年かかるのさ
継ぎ足して
すぐに飲めるのかな?
と考えながら
古酒に後ろ髪ひかれて研究室を後にした
古酒は次来た時に
飲ませてもらおっと(笑)
夜二人で居酒屋で
建築と造園は深いって話を浅く(笑)
しながら
お互い
二十数年住み着いた
博多と小倉に住む関西人同士
自分達の ついの棲み家
は何処にある?
と話をする
ついのすみか
どこであろうか?
流れものには 女房はいらねえ
流れものには すみかもいらねえ
ギター抱えて 旅の空
あい入れない あいを探して
今日も行くのさ あなたのもとへ
なにいってんだか。
(愛と希望とパンドラの函どれが多数の支持を得る)