RURUのひとりごっち

「博多にわか」な「独り言」と「ごちそうさま」を鍋に放り込んでなんだか煮てみたら・・・ひとりごっちが生まれました。

冷えた心に「焦がし」を一服差し上げよう

2009-04-06 16:05:20 | どっこい!

(天蓋が桜花なら・・・好ましい眠りが訪れよう)



だが
我が家には明るいニュースは
ここ数年ない
世間一般じゃ
春は悲喜こもごもなんだろう
卒業・入学・引っ越し・就職の春
でもあるから
良くも悪くも旅立ちの春である
旅立ちというと
先日
自転車君の伯母さんが亡くなり
それから
仕事の取引先の社長も先日亡くなられた
(54歳だったそう)
それに小さい頃から知っていて
昔、母の勤務先の
デザイン事務所の先生も28日に亡くなられた
早川良雄さんという方
(92歳だった)

グラフィックデザイン界で一時代を築いた
すごい偉大なデザイナーだった

るるは 
母の勤務先のボスでかっこいいおじさん
ぐらいな風に思っていて
大人になるまでは
そんなすごい人って
思っていなかったんだけど
学科は違うけど高校の大先輩でもある
心からご冥福をお祈りします




桜の散る頃に
人も散るのか
人は咲き誇って居られる時期は短い
しかし死ぬまで胸の芯には
何か咲かせていたいものです

なんとなく
冬より春に死ぬほうが良い様に思える

この前の朝
テレビをつけたら
たまたま映画の中で
歌われていたムーンリバー
るるの風呂の溺れ溜め用
定番歌
歌詞の事なんだけど
この前仕入れた歌詞とは
だいぶ違っていた
こんな字幕が出てた

ムーンリバー

いつまでも 忘れない
流れに 身をまかせて
汚れないよう

泥にまみれた 流れに
つれさられないよう

月の輝きと共に
見守っておくれ

月の輝く川を
どこに流れていくの

神様や 善悪について
教えておくれ

汚れなき心を
どうかみちびいて

恐ろしい暗闇には
何がひそんでいるのか
それを見つけたら…。

というの
これは宗教歌だったのかしら?

どうなのか
わからないが
どうやら映画が
罪にまつわるお話のようだった
途中で電波が乱れ
入らなくなったので
チャンネルを替えた




罪といえば
罪つくりな数奇者の物語
『利休にたずねよ』
を読み終えた

かまびすしくも あらまほしい
えも言われぬ 物語じゃた(笑)
希代の悪党の物語
ともいえる
天下人豊臣秀吉の怒りを買い
切腹させられた千利休は70歳だった
その日から物語は
利休19歳の悲恋の章まで
少しづつ遡っていく

人たらしの秀吉
VS
美たらしの利休

美たらし?
そんな言葉はないって!?
ないかしら?
なくてもいいけど
美を求める道は
傲慢にも
時には謙虚にもなりうる
いや
真摯にだろうか?
どちらにしても

己の道に邁進し
己の道のみに価値を見いだし
奢り高ぶりも半端なくむしろ
清々しい程すごい
そんな悪党の話

えっ!?
違う?
いいじゃない
どう読もうが
何故悪党なのか
数奇者とはなんなのか
侘び寂とはなんであるのか

その謎が面白いんだ

枯れたものは枯れたものなのに
その中に艶があって
初めてそれは生かされる
などと
こむずかしいことを
言う
あれもこれも
さておき
大事なのは常に人の物語
である



その男は
若くして色事をやりつくし
茶の湯などに嵌まって道楽三昧
そんな
ある日理想の女が我が家に・・・。
異国の高貴な教養もある女
しかし裏切られ買われた女である
美を追い求める男は
捨ててはおけず逃がそうとする
我と共に
異国の地へと・・・しかし。

若き日の命がけの
まことに濃い茶の様な
苦き熱き恋を胸に秘めて生きる
さすれば
侘び寂に艶を与えられるものだ

言うのさ
というより
結論はというと
美しい女は茶道具のひとつなのかも

だか一理ある
選ばれし美は一瞬の輝きを守り
その美の散るさまを
探究者の眼に焼き付ける
そんな使命を帯びている?
たわけ!

小賢しい
さかしらしい?
もう
利を休みなはれ


まあまあ
そのように怒らずに
どうぞそちらに
気を静めましょうぞ



私が
一服の茶を点ててしんぜよう
茶筅は程よく茶碗の湯にて湿らせ
羽を開かせておく
これをゆめゆめ怠るな
とのこと
温めた茶碗に石臼引きの濃茶を
棗より茶碗に入れ
茶杓に残った粉茶を
コン

茶碗の淵にてはたき
残らず茶碗に落とす
湯気の立つ釜から竹の柄杓で湯を
汲んで
茶碗に注ぎ
開かせた茶筅を中にたて
手首を小刻みにふるわせて
細かな 細かな泡が
茶碗の中で踊るまで
手先も踊らせよう
さすれば
えも言われぬ
一服の
碧の夢魔
至福の癒しが出来上がる
ほろ苦き清々しき味の
泡立つ水草に埋もれた沼のごとき
夢魔を口にふくむ
ほら!
胸から腹へ
腹から身体全部に懐かしき風景

あの緑のなだらかな丘は広がる
茶畑
茶畑の畝の間に一本のムクゲの樹
茶畑に連なる青空には
羽ばたく鳥達の群れ
耳をすませば
さらさらと さらさらと
小川の流るる水音が
釜の湯気の向こう側から
聞こえたならば
心にほっこりと
ぬくい陽がさしまする
おめをつむって耳をすまし
何もかも忘れて
ゆるりとおくつろぎ下さいませ
ではお客人

温まるまで
ごゆるりと
みんな
心が冷えているからね
寒すぎる所じゃ息をすると
肺が痛くなる
そんな寒い所には
行きたくないの
熱いものが人には必要


(樹だって燃えるわ!)

熱いといえば
そう
『恋に落ちる確率』という映画の中で
登場する小説家が言う
女にとって恋愛は不可欠なもの
女の愛は能動的かつ計画的なもの
しかし
男の愛は偶発的なものだと言う
とすれば
男の恋愛は受動的でもあるのか?
偶発的で受動的じゃ
結局は成り行きまかせじゃないの!

だからこそ「熱い」といえるのかも?

けれど
胸が焼け焦げる程熱ければ
死ぬまで醒める事なく
利休の物語の様に
燻る火種が胸に残り
心を焦がし続け
枯れても艶を保ちつづける
かも知れない

どうだかね

冷えた心には
もう一服
熱い熱い茶を下さいませ
「お薄」でもかまわぬ
貧乏で茶が買えないなら
「焦がし」でも結構

「焦がし」
とは?
何か知りたければ
『利休にたずねよ!』


(ハバタキには作法があるね)





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