私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

資産としての不動産

2010-10-12 | 10住む・暮らす
資産としての不動産というのは、非効率的なものだ。

実際にそこに暮らすというのであればまだしも、資産を不動産の形で所持するということは、多くのロスを覚悟すべきなのだ。

まず、所有することで、固定資産税が課される。
固定資産評価額の1.3%ぐらいだろうか。

土地だけであれば、荒地とならないよう草刈りなどの手入れが必要。
その上に家屋があれば、屋根や塀の補修、防災・防犯の為の出費が必要とされてくる。

賃貸に出せば、月々の賃貸収入に気をもまねばならない。
賃借人一家の暮らしが荒れるようだと、ご近所さんから苦情を受ける役割を負うことになり、家屋の傷みに拍車がかかる心配も生じる。

しかも、このデフレ下にあっては、資産価値が大幅に下落していく危険を抱えることになる。

低利であっても、銀行に預けている分には目下のところ資産税は課されず、目減りする心配もまずない。

それどころか、手放すに際しても、不動産には結納金のごとき多額の費用が発生することになる。

家屋ごと手放すのであれば、リフォーム費用がまずかかる。
土地だけの形にするのであっても、家屋の解体費用、庭木・庭石の撤去費用、境界をはっきりさせる為に土地家屋調査士に支払う費用、不動産を仲介してもらうことで発生する仲介手数料(物件の額×3.15%+63,000円)。
そこに登記変更があって、その登記を司法書士に依頼するのであれば、税金に加えてその費用も必要となる。

更に、それが何十年前に入手した不動産であり、物価上昇の結果、入手額より売却額の方が高額となっている場合には、不動産譲渡所得が発生したとみなされ、またまた課税対象となるのだ。

土地の価額は、オイルショック以前からの物価上昇率にはとても追いついていない。
その間に生じた、税金や家屋の補修や敷地手入れの為に費やされた膨大な費用が、減額要素として勘案されることはない。

資産としての不動産は、大変分の悪いものなのだ。
暦年の資料を整理しつつ、それをつくづく思い知る秋である。
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