私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
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コンビニの閉店

2009-01-25 | 5考える
当地では、昨年末から今月にかけて、従来あった店舗があちこちで閉店しているのを見る。

郊外に出かける途中、いつも通る200メートル足らずの路地では、通りの左右に「空き事務所」などの貼紙でテナント募集する物件を三つも見つけた。

ここ十年余りで、これほどたくさんの「賃貸募集中」の物件を目にすることはなかった。
ニュースに上らないような小さな事業者も、整理や調整をせざるを得ない状態になっているのは間違いないことのようだ。

先日、知人の一人が
「投資信託の評価が三割から四割減少していて、この状態が四~五年も続くようだったら、ちょっと耐えられない」とこぼしていた。
「わからないよ…百年に一度の不況だもの」と返したが、実際、円高、株安、金融不安の流れは、想像以上に長引くのかもしれない。

コンビニ業界の売上が、百貨店業界の売上を抜いた…というニュースがあったが、コンビニとても、既に飽和状態を超えてきているような気がする。

我が家の近辺には、この二~三年で最大手S系列のコンビニのほかに、F社、SU社と出店が相次いだ。
マーケットリサーチに誤りの少ないS系列のコンビニが、数百メートルの範囲に出店を許すなど、いくら人口が増えているからと言って、どの店も厳しいだろう…と近隣の人たちと話をしていた。

まず古参のコンビニP社が閉店した。
その後も新店の出店が相次ぎ、P社の次に古くからあるS系列のコンビニが、今年に入って閉店したのだ。

年末に行くと、アイスクリームの冷凍庫がほとんど空で、大量購入があったに違いないと思っていたのだが、年が明けてからも、弁当やパン以外の商品補充はほとんどされず、什器がむき出しになっていた。
最後の最後まで閉店セールをするでもなく、定価販売していたのは、流石だったが。

客は入っている感じの店舗だったので、まさかそこが閉店するとは思わなかった。
しかし、兆しははっきりとあったのだ。

ある日、アルバイトさんに初めて外国籍の方が現れた。その方は、写真入りのシステム化された名札を用いず、手書きのネームプレートで接客対応してくださっていた。

通りに面したゴミ箱は、気がつけば撤去されており「ゴミのある方は店舗内の店員にお渡しください」などというプレートが下げられた。
完璧にマニュアル化された、S系列の店にあるまじきことだった。

閉店の翌日は、きっちり朝九時から重機の音が鳴り響き、午後にはそこに何があったのかわからない、さっぱりときれいな賃貸物件になっていた。

店を閉めることができたのは、その店舗の余裕の現れであったのかもしれない。
契約や何やかやで、引くに引けない事業者もいるに違いないのだから。
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