36℃の経年優化

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『情報の質』格差が広がっている?(その2)

2015-11-14 21:05:49 | 仕事術

 前回、昔は地位や立場の違いによる情報の量の格差について
ざっとお話しさせていただきました。
今回は主題である情報の質の格差に関するOzakiの仮説を書いてみます。

 このコラムを書こうと決めたのはシリアで邦人二名が殺害された際の
インターネットやメディアの反応がきっかけでした。
SNSやツイッターといったメディアでは一つの情報の真偽はさておき
インパクトの強い情報はあっという間に拡散するという性質があります。
今回の邦人殺害事件においても似たようなケースが相次いでおり、
中には驚くような誤解が広まってしまっているという事例もありました。



 「イスラム国」という通称がイスラム教徒全体のコミュニティを指す
 イスラム教は野蛮で同じイスラム教徒同士ですら殺し合っている
 中東地域の日本人は早く安全な日本に帰国したほうがよい

といったものは明らかに実態に即していない情報ですが、
センセーショナルな報道も相まって、実際に信じている人も多いようです。



 こうした状況を見るにつけ、2015年前後の時代は
誰しもが相当な量の情報に触れることはできるが、

 本当に信じてよい情報をしっかりと手に入れられる人

 と
 
 信じてはいけない誤った情報に振り回される人

とが断絶する時代なのかもしれないと感じました。
信頼できる情報ソースを持っている人や、
大量に流れてくる情報を鵜呑みにせず、少し時間を取って確認する人は
前者と言えるかもしれません。
逆にメディアの情報やSNS、ツイッターで見た情報をそのまま信じ、
自分自身で出来事や思想の背景を確認しない人は
後者ということになるでしょうか。



 
 よくよく考えてみると生きていく上で入手できる情報の価値(質)には
かなり幅があることがわかります。
高い価値を持つ情報を入手するためには、それ相応の対価が必要です。
だからこそ大企業はかなりの高額な契約金を支払って
コンサルタント会社や情報収集会社から貴重な情報を入手するのでしょう。
情報を正確に知っているか知っていないかによって、

 自分自身が生き延びられるかどうか
 より効率的に生きられるかどうか
 無用なトラブルを招かないかどうか

といった生きていく上で大きな格差を生みかねないことも多々あります。



 Ozakiが思いつく卑近な例で言えば税金の仕組みでしょうか。
これはOzaki自身ファイナンシャルプランナーや証券アナリストといった
金融関係の資格試験の勉強をしていて学んだことですが、
税金という制度の根幹にある考え方は



 「まずざっくりと大目に国が徴収しておき、
 取られ過ぎたことを証拠書類とともに提示、申請した人には
 取りすぎた金額を返金(還付)します」

というものだと理解しています。
Ozakiが知る限り、国が取りすぎた税金を自動的に計算して
取りすぎた人たちに返金するという制度は存在していません。
(各自治体の税額計算間違いといったケースは別ですが)
つまり、
 
 税金は取られ過ぎる傾向にあるという事実を知らない人
 取られ過ぎているという事実を認識できない人
 証拠書類を揃えて提示、申請するという作業を正しくできない人

は本来支払うべき金額を越えて国が税金を受け取っていたとしても、
誰も事実関係を教えてくれないということになります。
これは正しい知識、価値のある情報を持っているかいないかによって
経済的に格差が生まれる一つの事例です。
(自分で調べる労力を省くのであれば税理士に知識のアップデートを
依頼して、節税するということも可能です。
ただし、その際に税理士に支払う報酬が存在するということもまた、
質の高い情報を入手するために相応の対価が必要であることを意味します)



 消費税率が上がった、
 国の借金が1000兆円になった、
 アベノミクスで円安、株高になった

といった表面的な情報=質の低い大量の情報に振り回されず、
自分たちの生活を取り巻く世界環境がどのように変化し、
自分自身はどう行動を変容させていけばよいのかを考えることが
質の高い情報を得るための第一歩ではないでしょうか?
そしてできる限り幅広く、偏りなく情報を集めることも必要だと感じます。

 メディアのセンセーショナルな報道
 欧米中心の価値観
 大企業中心の経済特集

といった知らず知らずのうちに偏っている情報だけを収集していては
世界の実態を歪んだ形で理解し、結果として手持ちの情報の質が
劣化してしまうということもあるかもしれません。 



 現代は無料で圧倒的な量の情報が入手できる時代です。
情報の量そのものの格差は前回お話ししたように生まれにくいと言えます。
しかしながら、情報が溢れているからこそ、
自分自身の力で、もしくは人脈や金銭を使って
本当に信じてよい、正しく、貴重な情報を入手できる人と
そうでない人との格差は気づかないうちに広がってしまいます。



 情報の質格差が広がっているかどうかはあくまで感覚的なお話ですが、 
もしOzakiの仮説が正しければ、

 質の高い情報を持てる層

 と

 市井に拡散している質の低い情報に振り回される大多数の層

という二極化が今後明確になってくるかもしれません。



 普段日本人がなじみのない中東地域、イスラム教に関する
根拠のない風説が広がるという現象を観察してOzakiが感じたことでした。

(今回のシリーズはOzakiの仮説が中心ですので質問や反論は大歓迎です。)

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