36℃の経年優化

日々一歩一歩自然体で成長し、経年優化を実現するための奮闘ブログ

『ムダ』の効用(その1)

2019-10-19 02:26:23 | 意識を整える


 ビジネスに取り組んでおられる方であれば、
効率よく、できるだけ大きな成果を得たい、
そうお考えなのではないでしょうか?

 もちろんこのメルマガでもその点は
十分理解していますし、
時には短期的に成果が出るであろう
仕事上のテクニックなどを
コラムでお伝えすることもあります。



 他方で、このコラムの本来の趣旨は
タイトルにもある通り、

 時間をかけてゆっくりと自分をよくしていく、

 「経年優化」

を目指して中長期的に効果がありそうな
取り組み、考え方のご紹介の方が多いはず。
今回も効率優先ではない考え方を
あえてご紹介させて頂きます。



 ビジネスの世界ではよく

「仕事を重要度と緊急度で四つに分類し、
 取り組む優先順位を考えましょう」

と言われることがあります。
優先順位の高い方から

 1:重要かつ緊急
 2:重要だが、緊急ではない
 3:重要ではないが、緊急
 4:重要ではなく、緊急でもない

となるのですが、往々にして2と3の
取り組み順位が変わってしまいますね、
ということが説明されます。

 
 3に該当するのは、例えば

 重要ではない社内作業(電話やメール対応等)
 自分が発言する機会のない会議出席
 慣習的に続いている儀式的(?)業務

などなど。

 テトリスのブロックの如く次々と
降ってくるそういった業務に忙殺されて、
なんとなく仕事をしている気になるが、
その実重要なことに取り組めていないですよ。
こんなことを聞いた方は少なくないはず。



 さて、通常こういったテーマでの研修で
ほとんど話題に上らないのが4の項目。
重要でもなく、緊急でもない業務。
つまり「ムダ」と呼ばれてしまうような業務です。

 実例として、職場内での噂話や
無意味に長い電話などが時間の浪費として
指摘されることが多いようですね。



 
 ただ、一見「ムダ」に分類される行為でも
二種類あるように感じ始めました。
一つは暇つぶしや未来に全くつながらない行動、
つまり真正の「ムダ」。
もう一つは中長期的に意味を持ってくる「ムダ」。
短期的には重要でもなく、緊急でもないけれども、

 心や体を整える行動
 将来の収穫に(思いがけず)つながる行動
 一緒にいる相手との関係が深まる行動



といった効用のある「ムダ」。

 中長期的には効用がある、
それも思いのほか重要な意味を持つことすら
ありえるものです。
上述の4つの分類に当てはめれば

2:重要だが、緊急ではないもの

にも分類できてしまう行動です。



 ただ、その効用は短期的には見えませんので、
前者の真正の「ムダ」と区別はつきづらいですね。



 次回はOzakiの経験も踏まえながら、
具体的にこの効用のある「ムダ」について
考えてみたいと思います。



 (次回に続きます)

自分が今できることに集中する

2019-10-12 18:41:02 | 意識を整える

(この記事は2018年10月16日に配信した
メールマガジンのメインコラムを再録したものです
アーモンドアイ号が勝った秋華賞直後の記事でした)



 週末、出資している競走馬が
GⅠ(じーわん)と呼ばれる最高格付けレースに
出走することになったので、
京都競馬場まで応援に行ってきました。

 
 勝ち目がありそうだからわざわざ関西まで
行ってきたというわけではありません。
実際にはむしろ正反対で、

 「まぁ十中八九負ける、それも完膚なきまでに」

と確信を持っていたのですが、
それでも栄誉あるレースに愛馬が出走するので、
負けると分かっていても
見届けなければならないだろう、
ということで出張日程を合わせました。



 結果は優勝馬から0.8秒差の9着。
戦前の予想通り完敗でしたが、
レース中に怪我することもなく、
大一番から帰ってきてくれたことに
感謝したい気持ちで一杯です。

 日ごろ同馬を世話をしてくれている方から、
本日確認したところでは、

「脚も体も異常はない。
レース直後はイライラしていたが、
今朝はいつも通りだった。」



とのこと。
本当にうれしい情報でした。



 今回完敗することが分かっていたのは、
レース前に不安材料が多々あったからです。

 ・9月上旬に同馬は脚を痛めていた
 ・その時点で運動を控え、体重が大幅増
 ・主戦騎手が先週落馬負傷し、急きょ騎手変更

などなど。

 不安材料の方が圧倒的に多い状況下、
レースで結果は出ませんでしたが、
最高峰のレースで9着。
史上6頭目の牝馬三冠馬、
絶対女王とのタイム差は
わずかに0.8秒は評価してよいと思います。 



 この結果は一重に、調教師以下関係者が
誰一人として手を抜くことなく

 「今自分ができることに集中」

したからだと感じました。

 
 トップクラスのアスリートは
オリンピックや世界選手権に向けて、
寸分の狂いもなく

 体調を整え、
 体重も調整し、
 精神的な集中力を高め、

本番に臨んでいると聞きます。
直前まで怪我の不安や体重超過があれば、
トップオブトップの闘いで勝利することは
まず不可能でしょう。



 しかし、どんなに入念に準備しても、
不運な事態が発生することはあります。
その場合に勝負を投げ、調整を諦めるか、
逆境にもめげずその時点でベストを尽くすか、
は将来的に大きな差が生まれそうです。



 たとえ、調整が狂った直後の試合で
思わしい結果が出なくとも、
その時点でのベストな対応を考え抜く経験、
逆境の中でベストを尽くす経験、
には意味がありそうな気がします。



 ビジネスでも 

 思いがけない障害にぶつかる、
 関係者のミスで取り返しがつかない状況に陥る、
 自然災害等でそれまでの努力が無に帰す、

など様々な逆境はあり得るでしょう。
その場合に、プツンと集中力を切らし、
状況を投げ出してしまうのか、
なんらか自分ができることを見つけ出し、
やれることに集中できるか。



 逆風下だからこそ、人間の本質が
問われるような気がします。



 Ozaki自身出資馬の負けるシーンを見て、
自分はここまでの逆風下、

 どこまで頑張りぬけるだろうか、
 自分が今できることに集中できるだろうか、
 既に投げ出してしまっていることはないか、

などなど、貴重な教訓をもらったように思います。

知識を増やそうとしない人にイノベーションは無理

2019-10-05 00:18:19 | 意識を整える


 前回、イノベーションについて
シリーズを始めさせていただきました。

 イノベーションとは、



 「経済活動の中で生産手段や資源、労働力等を
 それまでとは異なる仕方で新結合すること」
(Wikipediaより)



が一応の定義。


 この定義を踏まえると、
イノベーションのためには、
何かと何かを結合する必要があります。
工場や大量の労働力などを個人レベルで
結合することは難しいですので、
一人一人にできることと言えば、

 手当たり次第、自分の内側、
 もしくはごく近場で
 知識と知識を組み合わせてみる

という取り組みではないか、という話を
先週させて頂きました。



 これだけであれば、

 ふむふむなるほどな、

と聞き流されて終わってしまいそうだな、
と感じましたので、今回はやや強めの表現で
皆さんに行動を呼びかけようと思います。



 知識と知識を組み合わせる、

ために必要なものはなんでしょうか?
そう、知識です。
知識がなければそれらを組み合わせることは
絶対にできません。

 ですので、知識を持たない人には
絶対にイノベーションを起こせません。



 とはいえ、常識的に考えれば、
Ozakiも含め、皆さんの内側には
無数の知識が蓄積されています。
まずはこれらの知識を組み合わせることが
イノベーションの第一歩かもしれませんね。



 しかしながら、

 既に入手済みの知識

  と

 入手しきれていない知識

のどちらが多いか、と言われたら
当然後者ではないでしょうか?
世の中には知らないことの方が圧倒的に多いはず。

 そして組み合わせる知識の母数が大きければ
大きいほどその結果生み出される可能性も
当然大きくなります。
つまり、既に入手済みの知識で満足してしまうと
イノベーションが起こる可能性が著しく
制限されてしまうのです。



 この状態を打破する、
つまりイノベーションが起こる可能性を
出来る限り増やそうとするならば、
個人レベルで知識を増やし続ける必要が
あるのではないでしょうか?



 どんなテーマでもよいので、
日々新しい知識を吸収することが
イノベーションの原点なのではないか、
とOzakiは考えています。



 これまでに入手できる情報を
単純に整理するだけであれば、
コンピュータやAIの方が
人間よりも圧倒的に能力が上でしょう。
ですので、これから先、
より一層AIが進化しかねない時代に
付加価値を生み出せる人間になろうと思えば、
どうしてもイノベーション=新しい価値、を
生み出す人になる必要がありそうです。



 知識が増えていかなければ
イノベーション=新しい付加価値
は生まれません。
そして知識を個人のレベルで
増やせない人はイノベーションから離れていく人。



 そうであれば、たとえ

 「オタク」と言われようと
 「雑学にはくわしいよね」と揶揄されようと
 「勉強ばかりして楽しい」とバカにされようと

新しい知識の吸収だけは止めてはいけない、
のではないでしょうか?



 集めた知識がイノベーションにまで
繋がるかどうかは、別の話です。
どのような組み合わせを試せば
イノベーションが生まれるのかは
Ozakiが知りたいくらいです。



 が、ここまで考えてきて、
Ozaki自身確信を持っていることが一つ。
それは

  少なくとも知識を増やそうとしない人に
 イノベーションは絶対に起こせない

ということ。

 勉強を人生の娯楽だと考えられる人、
 永続的に学び続けるエネルギーを持てる人、
 好奇心に従うと眠れなくなる人、

こんな人がいつかどこかで
馬鹿でかいイノベーションを起こすのではないか、
なんてことを考えています。