前回は仕事の上で新しいことに挑戦するためには
失敗を恐れていては何もできなくなります、というお話でした。
そこでOzakiがおススメするのは失敗しようとなにしようと
とにかく手数を出して、繰り返し類似の仕事をすること。
シャドウ電話受けといった模擬訓練、
営業トークのロールプレイング、
特定の作業工程の徹底した反復練習、
こういった直接仕事の成果につながらない
「練習」であってもとにかく繰り返し行うことで、
体や口が自然と動くようになってくるはずです。
その上で実戦の場とも言える仕事に臨めば、
比較的緊張せずに一つ一つの作業を行えるのではないでしょうか?
さて、今回は手数を出すことで失敗が怖くなくなる
メカニズムに触れてみたいと思います。
Ozakiはたくさんの類似業務を繰り返し行うことで
失敗を恐れなくなる理由は二つあると考えています。
一つはチャレンジの数を増やすことで、失敗経験もおのずと増え、
失敗するパターンがおおよそつかめるというもの。
人間誰しも学習能力を持っています。
全く取り組んだことのない、目新しい仕事に取り組む時、
自分が失敗するとどの程度損害が出るか、
周囲の同僚や先輩、上司に影響があるか、
はわからないはずです。
もしかしたら会社が倒産するほどの大失敗につながるかもしれませんし、
もしかしたら、誰かがすぐリカバーできるレベルのミスかもしれません。
通常新人/若手が任される仕事で会社が倒産することはまずありませんが、
失敗した際の影響度合いが分からない人間にとっては、
恐怖感から体がすくんでしまいかねませんよね。
昔お年寄りが携帯電話をうまく使えない理由の一つに
ボタンを間違って操作した時に携帯が壊れてしまうのではないか、
という懸念があるという話を聞いたことがあります。
若い世代の人たちは操作ミスで携帯が故障することはない、
万が一間違ったとしてもメニューボタン等で初期画面にすぐ戻れる、
ということをよくわかっているので
こう操作するとどうなるのだろうか?
このボタンは何のためにあるのだろうか?
とりあえずいくつかアプリをダウンロードしてみよう
といった使いながら使い方に習熟するという方法が一般的です。
ところが、自分の力では元に戻せなくなるかもしれない、
と感じてしまうとこの方法は通用しません。
そのため、本来有効なはずの使いながら使い方を覚えることができない、
そういうお話でした。
仕事でも同じように、
失敗してもなんとかなる、
リカバーする方法は存在する、
フォローしてくれる人もいる、
と思えるようになるまで、失敗のパターンを学ぶことができれば、
失敗しながらでも成長できるようになるはずですよね。
数多くの失敗、色々なパターンの失敗を体感するには、
まずは数多くの挑戦をしてみなければなりません。
挑戦数が多くなれば、同じ失敗回数でも失敗率は減るもの。
失敗から学び、失敗率を下げるためにも新しい仕事、作業に
ひるむことなく手数を出すとよいのでは、とOzakiは考えます。
もう一つの経路は失敗を繰り返すことで、
精神的にタフになれるというものです。
失敗のパターンを学ぶだけでなく、
数多くの失敗を繰り返すことで、多少のことには動じなくなります。
もちろん失敗をして全く反省しないのは考え物ですが、
どうがんばっても事前に予想もしなかった事態によって
思い通りの結果が得られないということはままあるもの。
そういったときでも焦らず、怒らず、慌てず対応するためには、
常に精神状態にゆとりが必要です。
常にゆとりがあるように見える上司や先輩も
過去に全く失敗せず、常に冷静に対処できてきたわけではないはずです。
彼らは仕事の経験が長いがゆえに、いろいろな失敗もしてきています。
しかし、繰り返し失敗を経験することで、徐々に
「思い通りではなくても冷静でいられる範囲」
を広げてきたのではないかとOzakiは考えています。
精神的なタフさ、ゆとり、落ち着きといったものは
一朝一夕には身に着くものではありません。
もし、読者のみなさんがそういった精神力を備えた人に憧れるのであれば、
自分の「許容範囲」を広げるためにも手数を出して、
さまざまな失敗を経て打たれ強くなっていくというプロセスが
必要なのかもしれない、と考えてみてはいかがでしょうか?