パキスタンの反政府デモ隊の動向について
情報収集をはじめてから気が付けばもう3週間も
経過してしまいました。
(このエントリは2014年9月2日に配信したメルマガの
メインコラムだけを抜粋してお届けしています)
この間、常に心がけている言葉が一つあります。
それはタイトルにもある通り
「最善を期待し、最悪に備える」
というもの。
これはOzakiの好きな映画に登場するCIA長官役の座右の銘。
英語では
'Hope for the best, prepare for the worst'
という表現となっています。
これまでのところ、デモを取り巻く情勢は全くもって
最善とは程遠い状況に進んでいるように見えます。
しかしながら、デモ隊の中から数百人、数千人の死者が出るような
最悪の事態にも至っていません。
関係者の安全を確保する役割を担っている身としては、
最悪の事態は絶対に避けたいところですが、
楽観的になりすぎるのも困りもの。
最悪の事態をも想定しつつ準備をしているからこそ、
「最善ではないけれども、最悪より多少はマシ」
な現状にも対応できているのではないかと考えています。
(もちろんOzaki一人の力で対応しているのではなく、
大使館や上司、パキスタン人のアドバイザーの助力あってこそです)
この3週間の間、何か新しい事態が発生するたびに、
この言葉を思い出しながら、対応案を考えるよう心掛けています。
さて、反政府デモが三週間続き、警官隊と衝突を起こす事態に対応する、
というのは前々回のメルマガでもお伝えした通り、
普通の日本人が日常的に経験する状況ではありません。
「最善に期待し、最悪に備える」というスローガンが
ここまでズバリ当てはまるケースもなかなかないとは思いますが、
実はこのスローガン、一般的なビジネスにも当てはまるのではないでしょうか?
例えば業界シェアナンバーワンの人気商品を扱っている場合。
常識的に考えればお客様の支持も高く、利益も出ているのですから、
何も心配することはないのかもしれません。
しかし、変化が早い昨今、いつ何時新しい、革新的な商品を
他社が開発するかまったく予想がつきませんよね。
そのため、どれだけ人気のある商品を誇っていたとしても、
あまりに楽観的に捉えすぎて、全く備えをしないという態度では、
いつの間にか他社に優位な立場を奪われてしまいかねません。
たとえ優位な状況が続いていたとしても、
今の売上、利益水準が継続するという「最善を期待」しつつ、
他社の新商品開発に負けない商品改良、新商品開発を行うといった
「最悪に備える」というスタンスが必要なのだと思います。
この言葉、会社のレベルだけではなく、個人のレベルにもあてはまります。
例えば、これまで何度も対応してきたような業務を依頼されたとしましょう。
過去の経験から考えて、一日あれば十分に対応できる業務量だとすれば、
締切(納期)に間に合わせるには一日前に着手すれば何とかなります。
自分を取り巻くすべての状況が順調で、予定通りであれば
一日前の着手、締切(納期)までの完成は可能ということですね。
しかしながら、もし緊急事態が発生したらどうでしょうか?
何らかの自然災害で出勤できなくなった
別案件でトラブルが発生し、対応に追われた
自分や家族が急に体調を崩した、不幸があった
などなど、複数の「最悪」の状況がパッと想像できるのではないでしょうか?
こうした事態を想定するのであれば、
たとえ慣れた業務内容であったとしても、「最悪に備え」て
余裕を持ったスケジュールを組むといった工夫が必要でしょう。
デモ対応にピッタリの「最善を期待し、最悪に備える」という標語、
実は、皆さんの日常にも活かしていただける言葉ではないかと思います。