経営の世界では
「短期悲観、長期楽観」
という言葉がよく使われているようです。
経営者は短期的には
新製品が予定通り開発できるだろうか
注文を受けた商品を期日までに納品できるだろうか
今季末の資金繰りは大丈夫だろうか
といった日々の問題点を常に心配しているはずです。
自分自身の明日はもちろんのこと、
自分が経営する会社、取引先、従業員とその家族…。
さまざまなものを背負って、決断を迫られているのですから、
どれだけ心配してもし尽せないといったところでしょうか?
おのずと短期的には悲観的にならざるを得ないのかもしれません。
しかしながら、大抵の経営者は長期的な自社の展望について
「未来は明るい」と考えているのだとか。
自分たちが提供するモノやサービスに自信がある、
自社の仕事が社会に価値を提供していると胸を張れる
今解決すべきことが片付けば、次回、同じ問題は深刻ではないと言える
などなどいろいろな理由はあると思いますが、総じて経営者は
長期的な展望について楽観的に捉えているようなのです。
給料をもらいながら、任された範囲の仕事をしている立場では
同じような仕事の繰り返しに思えたり、
目の前の問題が出口のない迷宮に感じてしまったり、
そういったことで日々悩んでしまうことはありませんか?
経営者の立場になると、思いもよらないトラブルが
次から次へと降ってくるので、心配しているうちに、
もう次のトラブルシューティングに向かわなければならない、
そんな状況だからこそ、短期的に一つ一つの問題を
心配することはあっても、
毎日変わりばえのない仕事だ
自分の将来はこのままでいいのか?
本当はいったい何をやりたいんだろうか?
といった得体のしれない将来の悩みに苛まれることはないのかもしれません。
逆に言えば、それだけ毎日頭を使って考えているからこそ、
経営者としての責任も生まれてくるのかもしれませんね。
さて、そんなことを考えていたら、面白い文章に出会いました。
それは富裕層を相手に商売をしていると思しき方が
「少なくとも3億円以上の資産を持っているお金持ちは
驚くほど似た共通の特徴を持っている」
というタイトルで書いた文章です。
8つほど項目があるのですがOzakiが注目したのは次の一節。
「お金持ちは短期的にネガティブ、長期的にポジティブである。
よくお金持ちはポジティブな人が多いと言われるが、
実際には、そうでもない。
短期的には悲観的だったり不安に思ってたりすることが多い。
避けられる失敗はなるべく避けようとする。
一方で、将来的に自分がどうなるか、
などに関しては驚くほどポジティブである。
長期的に悲観になっても無駄だということを知っている。
逆に、短期的な小さな心配ごとに『まあいいか』と楽観的になると、
のちのち悪いことが起きるのを知っているので、
目の前のことに対しては真剣に考える。」
お金や資産をたくさん持っているだけが人生の価値ではないでしょうが、
一定の「成功」の目安にはなるはずです。
そのお金持ちに多く触れた方が実感を込めて書いた文章を見ると、
未来の自分のありかたを楽観的に見るが
目の前の課題には全力で取り組む
という姿勢が重要なのだと感じさせられますね。
短期的には、自分の目の前の問題、課題に一生懸命取り組む。
でも長期的には問題が解決していること、そして自分の人生を楽観的に見る。
今現在経営者でなくとも、お金持ちでなくとも
生き生きと日々楽しむためにはこの考え方は見習いたいところです。
(次回に続けます)