2019年の冬の話ですが、
Ozakiは母校の高校で現役の高校生を前に
「食えるオタクになれ」
「食えるオタクが最強だ」
と繰り返しお伝えしてきました。
この根拠は二つ。
人口構造が大きく変わることが確定済みなこと。
好きなことを続ける力こそ付加価値になること。
いわゆる「年金2000万円不足」問題で話題になった
金融庁作成のレポートがあります。
このレポートの中に1955年、2015年、2050年の
日本の人口構成を比較した表が登場します。
人口構成は毎年の出生数がかなり正確であり、
全ての人が一年に一つ、確実に年を取ること、
また各年代の死亡率も長期にわたってデータがあり、
極めて正確に予測できるものです。
この表を見れば、1955年もしくは2015年頃の常識を
持ったままでは2050年から先の時代を生き抜くことが
できないのは明白です。
今回Ozakiの話を聞いてくれた高校生は
現在16歳~18歳。
2050年の時点でもまだ40代ですので、
そこからさらに25年以上「仕事」を
しなければならない世代なのです。
当然2050年よりも先の社会情勢にも
適応しなければなりませんよね。
彼らを前に、親・教師世代(含Ozaki)の常識を語ると
間違いなくミスリードしてしまいます。
むしろ親・教師の常識とは反するような
アイディア、生き方を模索しなければ
通用しないのではないでしょうか?
それは就職先や働き方、能力開発の方向性等
さまざまなテーマで当てはまるでしょう。
もう一つOzakiが語ったのは、
勉強は誰かに「ありがとう」と言ってもらう
能力がまだ足りていない人がするもの、
決してテストに合格するためのものではない、
ということ。
長く仕事を続けられる、
多くの人にお金を払っていただける、
サービスや商品を必要としてもらえる、
というのは自分が提供する付加価値が
誰かに感謝されるということ。
もし、現時点で誰かから持続的に感謝される能力が
備わっているのであればその人は
いわゆる偏差値教育的な勉強をするよりも
その人なりの付加価値を社会に提供したほうがよいはず。
例えば若くして才能を開花させた芸術家や
スポーツ選手などはその時点で多くの人に
パフォーマンスを評価され、お金を稼げる存在です。
しかし大多数の人は中学生、高校生の時点で
そこまでのパフォーマンスを発揮できません。
その時点では付加価値を社会に提供できない人が
将来誰かに「ありがとう」と言ってもらえるよう
努力をする、その一形態が勉強なのだと思います。
偏差値をあげる勉強は社会に付加価値を提供する
一つの近道ではあろうと思います。
ただし、やっていて楽しいかはわかりませんし、
その道の先が続いているかどうかも定かではありません。
であればストレスなく努力し続けられる、
「没頭できる何か」
を突き詰めることで、他の人が簡単に得られない
ノウハウや知識を提供できるようになる、
というのも付加価値を提供するための方法論でしょう。
この二つの背景からOzakiが導き出したメッセージが
皆さんの世代なら「食えるオタク」
を目指すのがベストですよ、
というもの。
オタクはその時点で評価軸が決まっていませんので
なかなか良い評価をもらうことはできません。
しかしながら突き抜けてしまえば
後から評価軸が設定されるのも過去多くの
「突き抜けたオタク」たちが証明してくれています。
小学校時代に120キロのボールを
バッティングセンターの所定の場所より前で
打ち込んでいたイチロー選手は
「突き抜けた野球オタク」でしょう。
中学生のころからプロ棋士として
百戦錬磨のおじさんたちと闘ってきた
羽生永世名人や藤井八段(高校生!)は
さながら「突き抜けた将棋オタク」です。
最近ではe-スポーツの世界で現役の学生が
脚光を浴びるシーンも増えてきていますし、
アプリ開発等でも「突き抜けたオタク」
がたくさんいるようです。
いずれもその時点での標準的な価値観を超えて
好きなものに没頭してきた人ばかり。
周りが評価しなくても好きだからこそやり続けられる、
そしてやり続けるからこそ気づいた時には
一定数の人から「ありがとう」と言ってもらえる
高みに到達してきた人がたくさんいます。
進路で悩んでいる高校生、
思う通り成績が伸びてこない高校生、
社会に出るイメージがつかめない高校生、
そんな聞き手に届けたいメッセージが
既存の価値観に捕われるな!
今目の前にある好きなことをやり切れ!
突き抜けた「オタク」になれば絶対に食べていける!
という三点。
簡単に言えば「食えるオタク」になれよ、
ということになるのです。
最終的に聞いてくれた高校生がどのくらい
Ozakiの考え、話に納得してくれたかはわかりませんが、
読者の方にもお伝えして
ご意見、コメント等を伺えればうれしいなぁと
考えこの原稿でも共有させていただきました。