36℃の経年優化

日々一歩一歩自然体で成長し、経年優化を実現するための奮闘ブログ

空のバケツほど大きな音を立てる(その1)

2019-05-25 01:03:44 | 読書


 サッカーW杯の開催が近づいてきました。
今大会の日本代表は直前で
3年間チームを率いてきた
ハリルホジッチ氏を解任し、
国内での最終壮行試合も
ガーナに完敗する状況。



 大躍進はあまり期待されていない、
そんな状況の中日本を出発し、
現在オーストリアで最終合宿中です。
(この記事は2018年6月5日に配信した
 メールマガジンのメインコラムを
 再録したものです)



 そのサッカー日本代表がロシアW杯で
勝ち進むかどうか、スポーツ新聞が
小柳ルミ子さんにインタビューしたところ


 「私の言うことを聞けばね(笑)」

という答えだったそうです。



 なぜ、小柳ルミ子さんがこんなテーマの
インタビューに登場するかというと、
小柳さん自身が年間2000試合以上(!)、
世界中のサッカーの試合を見て、
独自の「サッカーノート」を書き残している、
ということがサッカー関係者の間で
有名になっているからです。





 その「サッカーノート」誕生の経緯や、
実際にスペインにサッカー観戦に行った様子が
書籍となって発売されました。



 それが

「パスコースがない?じゃあ、つくればいい」
(小柳ルミ子、東京書籍)

という一冊。

 興味本位でざっと読み終えたのですが、
強く印象に残った言葉を
コラムのタイトルにしました。

 その言葉とは

「空のバケツほど大きな音を立てる」

というもの。



 昔からあることわざのようですが、
中身のない人ほど、大げさに大騒ぎする、
という意味だそうです。



 今の日本人のプロサッカー選手でも、
口は立つけれども世界レベルで
なかなか実力を発揮できない人が多い、
それは自分の実力のほどを棚に上げて、
大騒ぎばかりしているからだ、
といった文脈で紹介されていました。



 また、小柳さんは
一流ではない人ほど、
たくさん言い訳が出てくる、
という趣旨でもこの言葉を使っています。


 たいした痛みでもないのに、
 「どこそこが痛かったから」


 たいして忙しいわけでもないのに、
 「忙しくて準備ができなかったから」



 たいした仕事を成し遂げてもいないのに、
 「あの仕事は大変だったから」



といった具合に大騒ぎするそうです。



 他方で、先般日本のサッカーリーグチーム
ヴィッセル神戸に移籍した
スペイン代表のイニエスタ選手をはじめ、
世界の超一流選手は
小さなことで大騒ぎすることなく、
淡々と自分のやるべきことを成し遂げ、
周囲のサポートも(疲れた、とすら言わず!)
サラリとやってのける、
というのが小柳さんの説。



 なるほど、確かに野球の世界でも
イチロー選手や大谷選手は
あれが嫌だ、ここが痛い、
などという言葉よりも先に
自分がやるべきこと、できることを
しっかりとやり切っているように見えますね。



 だからこそ、実績も残るのでしょうし、
チームメートからは尊敬されますし、
ファンからも愛されるのではないでしょうか?



 そう思って、この一節を読むと、
自分の至らなさを指摘されているようで、
なんとも胸が締め付けられる思いです。

(次回に続きます)

少し居心地の悪い場所に行こう(その2)

2019-05-18 10:10:10 | 意識を整える
 前回はOzakiが東京競馬場の馬主席に入り、
自分がいかに未熟かつ努力不足か、
痛感させられた、というお話でした。
馬主席ではこれまで見聞きしたことのない、

 「馬主の世界」

を体験し、居心地の悪い思いをしています。



 逆に言えば、これまで口先だけで

 「馬主になりたい」
 「日本人で初めて凱旋門賞馬の馬主になりたい」
 「馬主として日本人の心に火をつけたい」

などと言ってきたことが、
いかに現実離れした絵空事だったのか、
ようやく気付くことができた、
とも言えます。



 自分の力が足りないことを自覚させられる場、
というのはとにかく居心地が悪いもの。

 仕事がうまくできずに上司や先輩に

 もうちょっと頑張ろう
 何故これができなかったんだ?
 次はもう少しうまく対処しよう

といった指摘を受けるのも居心地は
良くないとは思いますが、
目の前にうまく成果を出せなかった、
という事実がある分納得感もありますよね。



 他方で、

 自分自身がいかに無知で無謀だったか
 自分の努力が足りていなかったのか、
 自身の努力の方向性が間違っていた、
 
といった点に自分で気づいてしまった際の
恥ずかしさはなんと表現すればよいのか・・・。
「穴があったら入りたい」という言葉は
言い得て妙です。



 ただし、こうした恥ずかしさを感じても、
実は対外的に失うものはありません。
なぜならその居心地の悪さ、恥ずかしさ、は
自分の内面における現象だからです。

 むしろ、居心地が悪い、と感じる機会を
多く経験した分だけ

 「二度と恥ずかしい思いをしたくない!」

と決意を新たにできるチャンスを得たとも
考えられませんか?

 
 その時点で居心地が悪い!、
恥ずかしい!ということに
気づかなければそのまま何年も、
場合によっては一生涯にわたって
恥ずかしい!行動を継続することにも
つながりかねませんよね。



 このコラムを書く前に読み終えた
田村耕太郎さんの 
 
「頭に来てもアホとは戦うな!」
(朝日新聞出版)

にも

 「デキる人間に環境に飛び込め!」

という項目の中で以下のように書かれていました。



 (人よりも早く成長するためには)
「成長できる環境に身を置くことだ。
 こういう環境にいれば
 アホと戦っている暇はない。

 会社でも勉強会でも、誰でも入れるものに
 入るのはおすすめしない。
 面接等の選抜過程が厳しかったり、
 誰かに推薦してもらわなくてはならなかったり、
 入るのに資格や試験があったりと、
 そう簡単に入れてもらえない場にいるべきだ。
 そのために何をしなくてはならないかを
 知って準備するのだ。

 (中略)

 こういうところでさらに世界の多様な
 素晴らしい人材に囲まれ
 切磋琢磨できているから、
 次々と自分の世界が広がる。
 なかなか入れない世界を狙って、
 入れるよう努力して、
 挑戦し続けて今がある。
 
 自分でやってみて、

 『自分よりデキる人間に囲まれてこそ成長する』
 『戦うのは自分よりできる人材と』

 という仮説は正しいと胸を張って言える。」



 少し表現は違いますが、
自分よりも能力の高い(デキる)人と
常に一緒にいることを推奨していますよね。
自分よりも能力の高い人といると


 現在の自分の能力では一緒にいるのも恐れ多い
 自分とはレベルの違う努力量を見せつけられた
 想像もしていなかった視野の持ち主に囲まれた


という感覚が芽生えるはずです。
居心地の悪い経験をすることになるでしょうが、
田村さん同様、Ozakiも

 「居心地の悪い経験こそが成長の原動力」

なのではないか、と感じています。

少し居心地の悪い場所に行こう(その1)

2019-05-11 00:46:33 | 意識を整える


 このコラムを執筆した前日の日曜日、
東京競馬場の 馬主席」に人生で初めて立ち入りました。


 Ozakiはこれまで、JRAのイベントや
関係者のご厚意で来賓エリアや
パドック(下見所)の中には何度か
入った経験があります。

 また出資馬が勝った際に馬と記念撮影をする
ウイナーズサークル(表彰エリア)での
写真撮影も何度か経験済みです。



 他方で、本物の馬主さんがぞろぞろ(失礼!)
いらっしゃる「馬主席」に立ち入るのは
正真正銘今回が初めて。



 日頃から何度も来ている競馬場に、
こんなエリアがあったのか、と改めて
新鮮な感覚を抱き、あちこち歩き回って
挙動不審になってしまいました。
結果的に昨日一日で約17000歩、
距離にして13キロ以上も歩いていたようです。



 
 さて、少し話は変わりますが、

 先日退職に伴う壮行会で、ある方から

 「Ozakiさんは10年近く前、
 初めて会った時から

 『馬主になって競馬を通じて
 日本人の心を前向きにしたい』
 
 と言い続けている。
 それに向けて動き続けているのが凄い!」

とのお言葉をもらいました。

 馬主になって、競走馬を所有して、
大学同級生の調教師に育ててもらいたい。
その結果として日本を代表するような馬を
海外の大レースで走らせ、
日本が盛り上がる一助になりたい、
という気持ちはずっと持ち続けていますが、
この言葉で

 「そうか、もう10年以上公言し続けているんだ」

ということに気づきました。



 ただ、そのための努力が十分だったか、
と言われると恐らく答えはNOでしょう。
特に昨日本物の馬主さんとすれ違い、
馬主皆様のオーラを直接感じたことで、

 馬主になるための要素であるビジネス上の成功
 競馬関係者との人脈構築
 競走馬の良しあしを見極める眼力

いずれも、

 気が向いたらやる、
 できたらやる、
 「人並み」の努力をする

といったレベルでしか努力できていない
自分自身のふがいなさを痛感しました。



 なぜ、昨日イヤというほど、
自分のダメさ加減に気づいたか、というと
これまで慣れ親しんだ競馬場内の世界ではなく、
そのすぐそばにあった「未知の領域」に
足を踏み入れたからです。

 そして、自分が目指している
(行動は伴っていなくとも、
 少なくとも周囲に目指していると公言した)

 馬主になって競馬界と日本を盛り上げる

という目標を実現/実践しておられる方の
すぐそばに行くことができたからです。
そういった場で

 「今の自分には居心地が悪い」

という感覚を持ったことが 一つの要因だと感じます。

 
 (で、なに?というところですが、
 次回に続けさせていただきます)