サッカーW杯の開催が近づいてきました。
今大会の日本代表は直前で
3年間チームを率いてきた
ハリルホジッチ氏を解任し、
国内での最終壮行試合も
ガーナに完敗する状況。
大躍進はあまり期待されていない、
そんな状況の中日本を出発し、
現在オーストリアで最終合宿中です。
(この記事は2018年6月5日に配信した
メールマガジンのメインコラムを
再録したものです)
そのサッカー日本代表がロシアW杯で
勝ち進むかどうか、スポーツ新聞が
小柳ルミ子さんにインタビューしたところ
「私の言うことを聞けばね(笑)」
という答えだったそうです。
なぜ、小柳ルミ子さんがこんなテーマの
インタビューに登場するかというと、
小柳さん自身が年間2000試合以上(!)、
世界中のサッカーの試合を見て、
独自の「サッカーノート」を書き残している、
ということがサッカー関係者の間で
有名になっているからです。
その「サッカーノート」誕生の経緯や、
実際にスペインにサッカー観戦に行った様子が
書籍となって発売されました。
それが
「パスコースがない?じゃあ、つくればいい」
(小柳ルミ子、東京書籍)
という一冊。
興味本位でざっと読み終えたのですが、
強く印象に残った言葉を
コラムのタイトルにしました。
その言葉とは
「空のバケツほど大きな音を立てる」
というもの。
昔からあることわざのようですが、
中身のない人ほど、大げさに大騒ぎする、
という意味だそうです。
今の日本人のプロサッカー選手でも、
口は立つけれども世界レベルで
なかなか実力を発揮できない人が多い、
それは自分の実力のほどを棚に上げて、
大騒ぎばかりしているからだ、
といった文脈で紹介されていました。
また、小柳さんは
一流ではない人ほど、
たくさん言い訳が出てくる、
という趣旨でもこの言葉を使っています。
たいした痛みでもないのに、
「どこそこが痛かったから」
たいして忙しいわけでもないのに、
「忙しくて準備ができなかったから」
たいした仕事を成し遂げてもいないのに、
「あの仕事は大変だったから」
といった具合に大騒ぎするそうです。
他方で、先般日本のサッカーリーグチーム
ヴィッセル神戸に移籍した
スペイン代表のイニエスタ選手をはじめ、
世界の超一流選手は
小さなことで大騒ぎすることなく、
淡々と自分のやるべきことを成し遂げ、
周囲のサポートも(疲れた、とすら言わず!)
サラリとやってのける、
というのが小柳さんの説。
なるほど、確かに野球の世界でも
イチロー選手や大谷選手は
あれが嫌だ、ここが痛い、
などという言葉よりも先に
自分がやるべきこと、できることを
しっかりとやり切っているように見えますね。
だからこそ、実績も残るのでしょうし、
チームメートからは尊敬されますし、
ファンからも愛されるのではないでしょうか?
そう思って、この一節を読むと、
自分の至らなさを指摘されているようで、
なんとも胸が締め付けられる思いです。
(次回に続きます)