36℃の経年優化

日々一歩一歩自然体で成長し、経年優化を実現するための奮闘ブログ

触れたことがあるか、ないかの違い

2022-03-12 21:34:31 | 意識を整える


 先週いろいろな方とお話をしていて

 ちょっとしたことを知っているか、知らないか、
 特定のテーマに触れたことがあるか、ないか、



 の違いは思っているよりも大きいな、と
気づかされました。

 
 具体的に日常生活に大きな影響が出ることはなく、
知っているからと言ってお金が儲かるわけでもない、
急に周囲の評価が上がるわけでもない。
それでも、長い人生トータルで見れば、
間違いなく知っておいた方が/触れておいた方が、
いい話というのはあるように思うのです。

 例えていうなれば、コロンブスの卵のような話。
卵を机の上に直立させるのは、
普通にやっているとほぼ不可能です
しかし、知っている人は知っています。
コツっとヒビを入れれば簡単に立てられるのです。



 誰も卵にヒビを入れてはいけない、
とも言っていませんが、何も知らなければ
ヒビを入れて立てようとは思わない人が
多数派なのではないかと思います。



 同じように、普段「当然だ」と思っていること、
あるいは「これは変えられない条件だ」と
捉えていることを少し見方を変えてみると
それだけで行き詰まりが突破できることもあるハズ。

 ○○は難しい
 ▲▲だから自分ができることはない
 □□が変わらないとどうしようもない

なんてことも実は自分の発想一つで
世界が変わるかもしれないのです。



 他人と話が合わないのは自分の置いている前提が
違うからかもしれません。
ちょっとしたコツを相手が知らないので
仕事のペースが合わずイライラするのかもしれません。



 モノの見方、
 発想のありかた、
 自分にとっての基準値、

 といったものは、自分の思い込みでしかない、
というケースもあるのではないでしょうか。
そういう場合には別の視点もあるんだ、
アプローチを変えることができるんだ、
という考え方に触れることが重要だと思います。



 もちろん、知識の有無が生死に直結する場面も
あるでしょう。
日本では狂犬病はほぼ根絶されていますし、
飼い犬への予防接種も比較的高い割合で
行われていますので犬にかまれたからといって
慌てて病院に駆け込む必要はありません。
しかしながら、日本から一歩外にでれば
狂犬病が蔓延していない国の方が少ないのです。

 外国で犬や野生動物に噛まれたらまず病院へ。
これは皆さんの命を守るための必須知識です。



 ここまで大げさなケースは少ないですが、
やはり触れたことがあるテーマ、
基礎知識の量が多いに
越したことはありません。



 次回は基礎となる知識の有無が乗数的に
差を生む仕組みを考えてみましょう。

はやぶさ2の日常(その2)

2022-03-05 21:32:10 | 仕事術

 前回ご紹介した「はやぶさ2」が
無事に小惑星リュウグウから採取したサンプルを
地球に持ち帰ることに成功しました。

イギリスBBCで特集ページが組まれるほど、
世界的にも大々的に報じられています。

https://www.bbc.com/news/topics/c3473d42xw1t/hayabusa-2



 ただし、はやぶさ2が宇宙を旅していた時間は
約6年の長きにわたります。
その間、日本やイギリスでここ数日と
同じレベルの報道があったか、と問われれば
答えはNoの一択になるはずです。

 
 今回のように人類初となる
小惑星の地表と地中両方のサンプルを
地球に届けるというのは
大変ニュースバリューの高い出来事。
多くのメディアが取り上げたくなる、
そんなニュースであることは間違いありません。

 しかしながら、そのために必要な
宇宙空間を淡々と移動する6年、
あるいははやぶさ2の開発計画から、
打ち上げまでの約10年のあれこれについて
詳細に報じられてきたわけではありません。

 誰が見てもわかりやすい、
多くのメディアが取り上げたくなる「成果」には
15年以上の時間がかかっているのです。
その間も大小の成功や失敗を繰り返していたはず。
ただ、その取り組みは滅多なことでは
世の中に知られることはないのです。
開発、移動中の成功や失敗の繰り返しが
なければ絶対に大きな「成果」はでないのですが。

 そして、そうした成功や失敗を支えている
多くの方の仕事にスポットライトが
当たることもごくごく稀。
「成果」が出て初めて新聞等で
関わった方の苦労話が(ダイジェストで)
取り上げられる程度でしょう。



 我々の仕事も似たようなところがあるなぁと
Ozaki自身は感じています。
先般運と勢いが重なって法人化後約2か月で
日経新聞という大きなメディアで記事を
掲載していただけるという「成果」が出ました。
しかしながらその裏には長年の地道で
誰も知りたがらない積み重ねがあります。
(はやぶさ2ほどではありませんが・・・)



 
 「成果」のためにはなくてはならない日常。
誰も注目してくれず、褒められづらい日常。
毎日それほど変わらない取り組みが続く日常。
ある日突然「成果」が出て、報われる日常。

 そんな日常をどう紡いでいくか、
がまさに経年優化の要なのでしょうね。

はやぶさ2の日常(その1)

2022-02-26 14:02:04 | 仕事術

(本記事は2020年12月1日に配信した
メルマガのメイン記事を再録したものです)

日本経済新聞への寄稿記事は
メルマガ読者の皆さんからも、
また古巣の皆さんからも
いろいろと反応を頂きました。
記事をお読みいただいた皆様
ありがとうございました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66467260Q0A121C2SHE000/



 その中でも特にうれしかったコメントは
古巣の先輩Tさんから頂いたもの。

 「日頃のお仕事の成果が
 広く認められてのことと思います」

とサラッとOzakiが認めてほしかったことを
ズバリお褒め頂いたこと、
大変ありがたく感じました。



 220万部以上の大新聞に掲載される、
という出来事は一大イベントです。
大勢の方に注目を頂きますし、
成果としても目立つものでしょう。



 しかしながら、日経新聞への掲載に至るまで、
少なくとも2年半以上にわたって

 コツコツと安全管理に関するニュースをつぶやき、
 安全管理ノウハウを文章や図表にまとめ、
 一定数のお客様のご期待に応えてきた、

というつながりがあって初めて
寄稿記事の内容に信頼性・信ぴょう性が生まれた
のではないか、とも思います。

 
 寄稿記事の掲載のために直接的に必要だった
Ozakiの行動は

 メールの文面に約1000文字の原稿を書いて送信、
 掲載に関したメールの交換、
 編集後原稿の確認/承認、

の三段階でしかありません。
トータルで1時間もかかっていないと思います。



 ただ、その1時間弱を生み出すために、
2年半=約2万時間の中で様々な取り組みを
行ってきたのはまぎれもない事実です。
この2万時間の一見目立たない時間の使い方が
結果として目立ったイベントにつながったのだ、
ということを考えさせられたコメントでした。
(Tさん、コメントありがとうございました!)



 来週6日、約6年ぶりに地球に戻ってくる
JAXAの「はやぶさ2」も似たような
事例と言えるかもしれません。



 日本が開発し、運用している小惑星探査機
「はやぶさ2」は人類史上初めて
小惑星(イトカワ)の地表と地中両方の
試料を採取して機関する予定です。
遠く離れた小惑星の地中の物質を露出させるため、
世界で初めて金属弾を用いて小惑星に
人工クレーターを作ることに成功したニュースは
2019年4月、世界にインパクトを与えました。



 来週いよいよそのサンプルが地球に戻ってきます。
世界中で「はやぶさ2」とJAXAの名前が
大々的に報じられる数日間を迎えることは
想像に難くありません。
ただし、「はやぶさ2」の旅は2014年から
始まっておりかれこれ6年が経過するところ。



 6年間で数回大々的に報じられるチャンスが
訪れてはいるのですが、それ以外の
「はやぶさ2の日常」とは
どんなものなのでしょうか?



(次回に続けます) 

既知のテーマも勉強し続けるワケ

2022-02-13 09:37:41 | 意識を整える

 「勉強する」という表現を聞くと
たいていの方は

 いま自分が知らないテーマについて、
新しく知識を仕入れる、理解を深める、

というイメージを抱くのではないでしょうか?



 小学校から高校くらいまでの「勉強」は
ほとんどがこのパターンに当てはまります。



 新しい漢字を覚える
 数学の公式を使えるようになる
 歴史的事実を文献を読んで理解する
 論文を読んで知識を吸収する

 などなど、皆さんが通ってきた道でしょう。

 社会人になったらなったで

 社会人としてのマナーを身に着ける
 プレゼンに向けた文章やスピーチ手法を学ぶ
 説得力を増すためのフレームワークを活用する

 といった新しい知識を身に着けたり、
新しくできることを増やすことを
一般的には「勉強する」と表現するのだと感じます。



 他方で、既にある程度知識があるテーマでも
時代の変化や技術の進歩など、
勉強し続けなければならないこともあります。
特に一つのテーマを掘り下げる研究者タイプの方、
また専門性が評価されるお仕事の方は
こちらの勉強を避けては通れません。



 Ozakiも安全管理や競馬については
既に知っていることも含めて
繰り返し勉強することが日常茶飯事です。



 ただ、Ozakiが既知のテーマを
勉強し続ける理由は、知識のアップデートや
更なるノウハウの深掘り以外にもう一つあります。
それは、そのテーマのリソースパーソンが
どのような表現で説明しているかを学ぶこと。

 自分がよく知っているテーマについて、
しばしばご依頼を頂いて講演やセミナー、
あるいは解説の文章を書くことがあります。

 ただし、自分が知っている/わかっている、ことと
他人に上手に説明できることはまったく別もの。
Ozakiが特定のテーマについて深く知っていても、
わかりやすく説明できなければ知識を生かした
仕事はできません。



 その点、世の中に出ている講演の記録や動画、
編集作業を経て掲載されている記事などは
知識が豊富で、かつ分かりやすく説明できる方のもの。
効率よく、上手な説明を学ぶにはもってこいです。

 例えば最近読んで、感動すら覚えた
「年末調整」の説明は以下のようなものでした。



 会社員が毎月の給与やボーナスから納める所得税は
 『この人がこの収入で1年間働いたら、
 このぐらいの税金を納めるだろう』
 という概算で天引きされています。
 その天引きされた税金を精算する仕組みが
 年末調整です。
(日経ヴェリタス2020年11月15日号、前野彩さん)



 不足は全くなく、そして端的。
美しいと言ってもいいくらいの完璧な説明です。
Ozakiも「年末調整が何か」の基礎知識はありますが、
こんな美しい説明はできません。
今後もし、税金や資産運用の説明を求められたら
この文章をそのまま活用するつもりです。



 自分が既に知っているテーマを
勉強し続けると時として、

自分にはこんなきれいでわかりやすい説明できない!

と感じるような話し方、文章に出会えます。
そしてこうした説明の仕方をより多く知り、
幅広い聴衆・読者層に伝わる表現のバリエーションを
身に着けることができれば仕事力も向上します。



 知識のアップデートという側面以外にも
既知のテーマの勉強には意義があるのではないか、
と強く感じるOzakiです。

コーチ・メンターはいて当然

2022-02-05 11:48:19 | 仕事術

 今日はかつてお世話になった組織の
役員経験者の方に久しぶりにご挨拶。
Ozakiが役員秘書チームの一員だった頃に、
現役の役員としてお仕えさせていただきました。

 組織の中で重責を担ってこられた方、
そして現在も某有名企業の顧問、
あるいは複数の大学で客員教授として
ご活躍されている方にお会いできたことは
大変光栄であり、はじめはちょっと緊張しました。
(Ozakiも当然緊張はするのです)



 今回お会いした目的は、
表向き独立・法人化のご挨拶。
うまく話が運べば、メンター役として
折に触れて話を聞いていただき、
時には調子に乗りがちなOzakiへのご指導を
いただけないか、というお願いができればいいな、
と考えていました。



 個人事業主時代は比較的自由に、
いやどちらかというとフラフラと活動できていました。
が、法人化して以降は、

 組織とは何ぞや
 仕事とは何ぞや
 資金繰りはどうする?
 人材の活用は?
 自身と会社の実績をどうPRする?

などなど、さすがに考えることが多くなりました。
あれこれと考える日々で気づいたのは
客観的に話を聞いていただき、
そしてOzakiに率直な感想を発してくれる方が
どうしても必要だ、ということ。

 お取引をさせていただいているお客様や
あるいはウェブサイト運営を手伝ってくれる人々とは
もちろん普段から意見交換をしています。
が、そういった方々はどうしても利害関係があり、
必ずしも客観的なOzakiへの発言は
難しいかもしれません。
あるいは利害関係者の発言であるがゆえに、
Ozakiの方でも素直に受け取れない、
という状況もあり得ます。



 Ozakiが尊敬でき、そして信頼できる大先輩、
かつOzakiの足りない経験値をお持ちの方から
ある時はアドバイスを、ある時はご指導を
頂ける機会はないといけないだろうな、
ということに気づかされました。



 子どもの頃はさておき、大人になってから、



 誰かに物事を教わる、
 他人に教えを請いに行く、
 コーチ・メンターをお願いする、



という行為をあまり良しとしない人も
いらっしゃるように聞いています。

 でもプロのスポーツ選手だって、
一流の音楽家だって、自分の調子を客観的に判断し、
修正が必要な時には助言をくれるコーチは
絶対に必要なのです。
たとえそのコーチが同じスポーツや音楽をやっても
本人よりもうまくなかったとしても、
活躍し続ける人ほどコーチと二人三脚で
努力しているのではないでしょうか?



 例えばゴルフのタイガー・ウッズ選手の
復活の影にはクリス・コモというコーチがいました。
プロゴルフの実績だけで言えばウッズ選手とコモ氏は
比較することもできないくらいの差があります。
が、ウッズ選手はコモ氏に体のバランスや
スイングのブレなど事細かにチェックを受け、
どん底から復活したと言われています。



 最高レベルのプロゴルフ選手ですら、
他人に教えを請いに行く、コーチ就任をお願いする、
というのが実態なのです。

 ましてや、会社経営や人材活用に何の実績もない、
40手前の若造にすぎないOzakiが
自分の力不足を誰かに指導いただくのは当然のこと。
今回組織の大先輩に意を決して
メンター役をお願いしたのも必然の流れです。
無事にお願いを受諾していただけたことは
大変心強い出来事で、お願いして本当に良かった、
と安堵しています。



 どんな分野であれ、活躍し続けるためには

 自分の癖を客観的に評価してくれる
 自分の好調・不調を教えてくれる
 自分の経験不足を補ってくれる
 自分が調子に乗っている時にいさめてくれる

そんな相手が必要なのではないでしょうか。