36℃の経年優化

日々一歩一歩自然体で成長し、経年優化を実現するための奮闘ブログ

打率10割はありえない

2014-08-13 20:35:24 | 意識を整える
 先週ニューヨークヤンキースに所属するイチロー選手が
日米通算4000本安打を達成したというニュースが流れました。
(この記事は2013年8月27日に配信したメルマガのメインコラムです。
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 プロ野球で20年以上現役を続けられるということがそもそも稀ですが、
一年で200本安打を打つだけでもニュースになるレベルの成績を
20年間継続できたということは驚異的な成績と言えるでしょう。
(野球に詳しくない方でもそのすごさは分かってもらえると思います)



 では、そのイチロー選手、どのくらいの確率で安打を打っているでしょうか?
イチロー選手の生涯打率を調べてみると3割2分でした。
つまり3回に1回以下しか安打を打てていないことになります。
(「しか」というのは多くのプロ野球選手に大変失礼ではありますが…)
裏返してみると3回の打席のうち2回以上は凡退(失敗)しているということ。
驚異的な成績を残しているイチロー選手ですら、かなりの確率で「失敗」
してしまっていると言えるでしょう。

 
 ちなみに競馬界のスーパースターである武豊騎手の通算勝率は1割9分。
3回に2回の失敗どころか、10回に8回以上は負けているわけですね。

 余談ですが、昔中央競馬会のCMでナインティナインの岡村さんが
新人騎手に扮するというものがありました。
デビュー戦でなすすべなく敗れ、落ち込んでいる岡村さんに
大ベテランの先輩一流ジョッキー(河内現調教師)が

 「一回負けたくらいでくよくよすな。
 俺なんか一万回以上負けてんねんで」

と諭し、「新人岡村騎手」が号泣し、感謝するというストーリーでした。
このCMを見て、当時(2001年)

 「そうか一流ジョッキーでもそれだけ思うようにいかない経験をしているのだな」

と 妙に納得したことを思い出します。

 話を元に戻すと、日本人であれば大多数の方が聞いたことがあるであろう、
スーパースター二人でも「打率10割」がいかに難しいことかよくわかる統計です。



 さて、スポーツのスーパースターから離れ我々のことを考えてみましょう。
ある日何か新しいことを始めたとして、皆さんは新しいチャレンジに
どのように取り組んでいるでしょうか?

 少しうまくいかないとやめてしまったり、
別の何かを始めてみたりしていませんか?
驚異的な成績を打ち立てるスーパースターではないのですから、
(将来的にスーパースターになる読者の方もいらっしゃると思いますが)
実際に何かを始める際には 失敗もありうるでしょう)

 むしろ

 百回に一回、
 場合によっては千回に三回(センミツ)
 もっと言えば、一万回に八回(マンパチ)

くらいしか「アタリ」はないものと考えて、
失敗したらすぐ次のやり方を試してみることが大切なのではないでしょうか?
そうやって数多くの「ハズレ」を継続的に経験することで、
「アタリ」に近づくと考えることもできるかもしれません。

 言い換えれば「アタリ」を引くためには、
一定の量の「ハズレ」を経験する必要があるとも言えるでしょう。
イチローも武豊も「ハズレ」のほうが多い世界で
「アタリ」の確率を相対的に高めてきたという点が
結果として残っている記録以上に偉大なのだと思います。



 想像してみてください。

 イチローが一回の凡退でプロ野球の道を諦めていたら、
 武豊が一回の負けレースで馬に乗ることを止めていたら、

今の彼らはもちろん、同じ日本人として誇らしい気持ちになるような
記録は一切生まれていないに違いありません。
我々も同じで、一度や二度の失敗で意気消沈し、取り組みをやめてしまうことは、
将来達成できるかもしれない「驚異的な記録」の芽を摘むことでもあります。



 具体例を挙げる時にOzakiが好きな野球、サッカー、競馬、将棋ばかりで
大変恐縮ですが、今度は将棋界のスーパースター羽生三冠(当時)の言葉を紹介します。
その言葉とは

「私は以前、才能は一瞬のきらめきだと思っていました。
 けれど今は、10年とか20年とか30年とか、
 同じ姿勢で同じ情熱を傾け続けられることが才能なんだと思っています」


 羽生さんは史上初めて、そして唯一将棋界の7つのタイトル戦を独占した
「スーパー棋士」とも言えるプロ中のプロ。
その羽生さんですら今日まで478回(公式戦のみ)負けているのです。
(ちなみに現役プロ棋士の中には1104回負けている超ベテランもいます)



 羽生さんは負けても負けても、

 別の手はないか、
 逆転の手はないか、
 局面を変化させることはできないか、

と情熱を傾け、考え続けて来たのだと思います。
この継続する姿勢こそが、羽生さん自身もおっしゃっているように、
有望な若手棋士が次々登場してもトップクラスの成績を維持できる
一つの要素なのではないでしょうか。



 Ozakiが最近読んだ何かの文章にも

 何かに挑戦したいと考える人が10000人いれば
 実際に挑戦を始める人が100人、
 その挑戦を続けられる人が1人

 という記述がありました。
それだけ、失敗にめげず長年続けることは難しいのだと解釈しています。



 イチロー選手や武豊騎手でも失敗のほうが圧倒的に多いのがこの世の中。
我々が一回や二回失敗を織り込まずして何が達成できるのでしょうか?
数回、数十回、あるいは数百回の失敗や挫折もあって当然です。

 毎日少しずつ何かに挑戦し続ける。
 小さなことであっても、昨日から一歩踏み込んだ行動をしてみる。
 そして挑戦を始めたら多少の失敗にめげずとにかく継続する。



こういった考え方、日々の行動が近い将来必ずやよい結果を生むのだ、
そう信じているOzakiです。