36℃の経年優化

日々一歩一歩自然体で成長し、経年優化を実現するための奮闘ブログ

言葉にする意味(その1)

2012-07-25 10:39:01 | コミュニケーション
 最近自分の考えていることや思いつきを文字にすることの大切さを感じています。はじまりは自分が考え出したことが良く本に書かれていることに気付いたところからです。

 なんとなく、自分の頭の中で感じているけれどもうまくまとまらない。そんなときにほとんど同じことが文字になって自分の目に飛び込んでくる驚き。

 最初のころは身の程知らずもこの上ないことに
 
 「これは自分が考えてたことなのに…」

などと感じていたこともありました。

 しかしながら、自分の頭の中で考えているだけの状態と本として出版される状態は全く別次元。様々な情報、体験からアイディアを思いついたり、漠然と考えていたりという時は自分さえ分かっていればそれでOKです。でもそれを他の人に伝えるとなると、自分だけが分かる表現ではいけません。以前もコミュニケーションの話で書いた記憶がありますが、

 「相手に分かってもらおうと思うのであれば分かってもらえる表現を使わなければダメ」

なのです。

 あいまいな考えや断片的なアイディアでは家族や長年の親友でも理解することは至難の業。頭の中のばらばらなものを分析し、体系化し、論理的にまとめないと伝わらないはずです。ただ考えているだけの状態から自分の周囲の人に伝えるためには少なくとも以下のプロセスが必要なのではないでしょうか?


 自分の思いつき、考えを分析する段階
        ↓
 分析結果を踏まえて思いつきや考えを体系化する段階
        ↓
 思いつきや考えのエッセンスを抽出する段階
        ↓
 エッセンスに至るまでを論理的に表現する段階

 

 本、もしくは文章にするためにはさらに多くの人が理解できる文字にする必要があります。また、自分の周りの人たちは共有している時間や経験があるので、「共通言語」があります。不特定多数の人を対象とした本や文章では「共通言語」がありません。そのため、

 エッセンスに至るまでの自分の経験を改めて語る
 世の中で一般的な事例をエッセンスに絡めて説明する
 多くの人に分かるような比喩を用いてエッセンスを表す

などの工夫も必要です。(一部の人はさらに、困っている人の話を聞き、「その場合はこのエッセンスをこういう風に使うと良いですよ」とアドバイスをするという「具体化」のレベルまで進めています。こうなるとその人はそのアドバイスでお金が稼げる状態になっています。) 



 こうやって考えてみると自分の頭の中のアイディアを本や文章にするには労力や時間をかけてプロセスを踏んでいかなければならないということが分かります。

 自分の頭の中でアイディアが浮かび、
 アイディアの概要を口頭で語れる程度に分析、体系化し、
 実例や比喩をひいて一般化した上で言語化する。

少なくとも二つ壁を乗り越えなければ本や文章にはならないはずです。

 つまり

 思いつくことと自分の周囲の人に伝える、わかってもらうことは別。
 文字にして公にすること(=多くの人に理解してもらうこと)はさらに別。

ということですね。



(次回に続きます)