よく使われることわざに「一を聞いて十を知る」というものがあります。
もともとは中国古典「論語」の故事に由来するようです。辞書でこのフレーズの意味を調べるとおおよそ
「物事の一部を聞いただけで全部を理解できる、賢明で察しのいいことの例え」
という解説がついているはずですし、皆さんもそのように理解されているはずです。
「一を聞いて十を知る」ということわざを普通に考えれば
「10-1=9をこれまでの経験や知識、相手の表情などから想像して補っている」
ということになるでしょうか?ですので、「賢明で察しのいい」とはこれまでの経験や知識が豊富で、相手の気持ち、立場を深く考えられるような人のことを言うと理解できます。
なるほど。これができれば確かに仕事の上でも私生活の上でも素晴らしい人ですよね!Ozakiもこういう人物を目指してインプットを増やし、経験を積みたいと考えています。
では、このことわざを別の解釈で捉えてみましょう。
「一(いち)を聞いて十(じゅう)を知る」
ではなく、
「一(マイナス)を聞いて十(プラス)を知る」
というちょっとふざけた解釈です。
(実はこれ、とあるの漫才コンビのネタです)
最初は笑い飛ばしていたのですが、実は奥が深いように思います。よくよく文字をじっくり観察してみると十の中には一が含まれている、つまりプラスの中にはマイナスが含まれているのです。人生にとっていい出来事ばかりが起こるわけではなく、いい出来事の裏には悪い出来事も含まれているのですよと諭されている気持ちになります。
人間万事塞翁が馬とも言いますが、「マイナスを聞いてプラスを知る」とは
「悪い出来事を聞いていい出来事を期待する。
また、いい出来事があっても過度にはしゃがず悪い出来事に備えなさい」
という意味に捉えても良いのではないでしょうか?ただの言葉遊びのようで、なかなかおもしろいなぁと感じたOzakiです。
また、十やプラスという字の一画目は横棒、つまりマイナスです。プラスの出来事の前にマイナスの出来事を経験しなければならない、そういう意味に捉えることもできますよね。
先週オススメ本のコーナーで紹介した「一流たちの修行時代」や日経新聞の「私の履歴書」、R25で連載されている現在活躍中の人たちの20代後半の回想などを読んでいると必ず若い頃に大きな失敗や病気、挫折を経験しています。(このブログは毎週発行しているメルマガのメインコラムのバックナンバーです。メルマガにはほかにもいくつかコーナーがあり、その一つが先週のオススメ本のコーナーです)
そんな苦しい時代があったからこそ、そしてその苦しい時代を乗り越えたからこそ今の成功に至ったのだろうなぁと感じることが多々あります。まさにマイナスの出来事を経験したからこそプラスの出来事があったという事例です。
「いつもいいことばかりを求めていては不満が募るだけ。
多少悪いことがあってもそれを受け入れ苦しい時期を耐え忍べばかならずいいことがある」
言葉遊びから生まれた
「マイナスを聞いてプラスを知る」
という言葉も↑のように改めて捉えなおしてみると、考えれば考えるほど味がでてくる言葉ではないかと感じました。