杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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グラム染色マラソン

2011年06月08日 | あんずのきしめんの部屋
 少しずつではあるが、病棟のノートの記載が増えている。取り合えず○ール、ならぬ取り合えず染めてみよう、という空気が大事で、レジデントにとっても収穫になると思う。はじめは記載はしないよ、と鼻で笑っていた(上級医)某先生が「じゃあ我々は胸部CT読影マラソンするか」と言っていたのはおかしかった。(遠まわしに感心してくれてるんですね)

コソ染め太郎のコソ染め日誌4

2011年06月03日 | こそ染め道場
お疲れ様です。コソ染め太郎です。

以前、ランチョンで感度と特異度の話がありましたが、その時に例として出されたのがうっ血性心不全における浮腫ですが…

感度:10%
特異度:93%


と紹介されましたが、「そんな訳なくねぇ?」「ソースは?」みたいになってましたよね。

僕なりに調べたところ…

足浮腫
EF≧45% 感度:83%(陽性尤度比 1.11)、特異度:25%(陰性尤度比 0.68)
EF≧30% 感度:71%(陽性尤度比 0.85)、特異度:16%(陰性尤度比 1.82)

(ソースはこちらhttp://rockymuku.sakura.ne.jp/zyunnkannkinaika/sinnfuzennnosinndann.pdf)

どちらかと言うと足浮腫なきゃ心不全ぽくなくて、逆に浮腫あるからって心不全とは言えないって感じですね。



前置きが長くなりましたが今日のコソ染めです。
肺のう胞内に感染した症例です。
経過が長く、PCT 0.05、βDグルカン 9と微妙。痰をグラム染色してもこれぞという菌が見えず、グラム陽性桿菌が怪しく光って(?)いました。
「あれ?コレもしかしたらノカルジアとか…?」と期待を膨らませて培養を待っていると…


ノカルジア



アスペルギルス


おおおおお!出たぁ!(ついでにアスペルギルスも)


しかし、いるだけなのか、感染なのかが確定できず。
もう一度喀痰を、そして穿刺液(少量)を培養したのですが、いずれも陰性でした。
現在は、先日行ったBFにて気管支痰を回収してきたので、その培養待ちです。(ちなみにこのグラム染色は何も出ずです)


さてさて培養を心待ちにしている僕ですが、実際に出たら患者さんにとってはマイナスなんだよなぁと思うと複雑な気分です。

ノカルジアよ!
生えろ!…いや、生えるな!
いややっぱ…生え…う~ん

第194回 呼吸器学会地方会

2011年06月03日 | あんずのきしめんの部屋
2題発表がありました。(おつかれさまでした~)
「空洞内部に菌球陰影を認めた肺放線菌症の一例」
「喀血を契機に発見された気管支壁原発の神経鞘腫の一例」
当院が救急医療を行っている事もあり、「これまでにない」例に遭遇することが多いという。どんどん形にできるといいです。

池田先生のお言葉”研修医に捧げるtips
http://square.umin.ac.jp/~massie-tmd/residentips.html#writing
症例報告を大切に:EBMでは症例報告は価値が低いという誤解のもとに,症例報告がないがしろにされる傾向があるのは困ったものである.症例報告は臨床のαであり,ωである.臨床は症例報告に始まり,症例報告に終わる.どんな世界でも基本がそれすなわち最終目標である.最も大切なものが基本となり,最も大切なものが最終目標になるからである.
Vandenbroucke JP. In Defense of case reports and case series. Ann Intern Med 2001;134:330-334


クリニカルクラークシップ

2011年06月03日 | あんずのきしめんの部屋
 実習の締めくくり、2人の学生さんがDermatomyositisとPneumothoraxについて発表をしてくれた。内科学会の地方会出せるんじゃないの!?という出来栄え。指導する上級医にとっては年々ハードルが高くなっているという話も。。。クラークシップの学生さんは希望して来てくれているだけに、こちらまで張り切ってしまいます。