練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『ウランバーナの森』 奥田英朗

2006-02-06 | 読書
『イン・ザ・プール』、『空中ブランコ』そしてこの『ウランバーナの森』
奥田英朗さんは「人との会話の中にこそ癒しがある」と信じているのだと思う。

思い出したくもない過去、決して他人には口外できないような悪事、記憶の中に封印していたはずなのにあるとき蘇ってしまった悪夢。
そういうものに苦しめられている人は多いはず。
いえ、誰しもが必ずそんなトラウマを多かれ少なかれ抱えているのだと思う。

そんな心の中の黒い塊のようなもの、それを取り除いてくれるのは、薬でもなく、刹那の享楽でもなく、やっぱり心を持った生身の人間と暖かい気持ちで接するという、ただそれだけのことなんだろうなぁ、と思わせてくれた作品でした。

でも、食事中には読めない本かもしれない・・・。
あの、出そうで出ない、ずっと出ないと感じるものすごいプレッシャー、そしてやっと出たときの天にも昇るような快感・・・というのはよく分かるケド・・・。