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ヤマハ、中国でのピアノ生産から撤退へ  鶴の一声で習い事も禁じるクニ

2024-01-08 10:09:08 | トーク・ネットTalk Net
【東洋経済オンライン】ヤマハ:「中国ピアノ市場の変調」により曲がり角 2024年は新たな「成長ストーリー」を描き出す年<吉野 月華>
 2023年後半に株価が急落したのは楽器大手のヤマハだ。8月頃まで5000円台前半で推移していた株価は下落を続け、足下では3000円台前半だ。インフレが進んだ欧米で、
低価格帯の電子ピアノを中心に楽器需要が想定よりも弱かった。電子ピアノは利益率が高いため、業績に与える影響が大きい。この修正で株価は一気に800円近くも下がった。
 需要が軟調な中、市中在庫の調整のために楽器の減産を実施し費用が発生したのが主な要因だ。加えて、中国での市況回復が難しいと判断し予想に織り込んだ。
 中国については2024年度も厳しい状況が続くとみる。中国では単に深刻な景気後退で市況回復が遅れているだけではない。

★ 2021年に発表された「双減政策」の影響を受け、教育向けピアノの需要が減衰している。子どもと保護者の負担軽減を目的とし、学校の宿題と学外教育の時間を
  減らすことを定めたのが双減政策だが、結果として教育熱を冷ますこととなった。
  教育向けピアノ需要の減衰がヤマハに与える影響は大きい。なぜなら、ヤマハの過去10年の収益拡大は、中国の高いピアノ需要を前提とした成長ストーリーだったからだ。
  中国では教育熱の高い都市部の富裕層を中心に、アコースティックピアノの需要が強かった。ヤマハは中国市場向けのピアノを現地生産することで利益を最大化できる体制
  を築いていた。


政府の一声で問答無用に政策が翌朝には変えられてしまう、全体主義国家の通弊は教育も例外ではない。ゲーム規制を巡る最近のニュースも全く同じだ。
ヤマハは中国でのピアノ販売に依存する「1本足打法」をやめ、日本国内への製造回帰のほか、ピアノ以外の楽器への注力を含め、新興国むけ開拓にも経営を多様化する。

妥当な戦略転換であるが、ここで改めて日本の産業界全般が心すべきは『カントリーリスク』の重要さだ。事業効率本位なら「選択と集中」だが、相手を吟味しない過度な集中はリスクを伴う。国際経済がこれほど一体化すると【サプライチェーンリスク=安保リスク】に直結するのだ。嘗ての様に悠長な時間的余裕は遺されていない。
 あらゆる資源の自給度が極めて低い日本は、他の諸国以上に素早く取り組まねば生き残れない。アメリカを含め、資源調達に『他力本願』は既に無理だ。
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