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大国となってもインドは 五輪選手を国家ぐるみで育てようとしない

2024-08-30 12:20:26 | トーク・ネットTalk Net
【毎日/金言】24.08.23. 五輪小国インドの謎=小倉孝保  (論説委員)
・ 五輪が閉幕する度に欧米メディアなどで話題になる「謎」がある。大国インドがなぜ五輪では弱小国なのか。先日も英紙インディペンデントが背景を分析していた。
  インドが過去40年間で獲得した金メダルは北京大会(2008年)での射撃と、東京大会(21年)のやり投げでの計2個だ。すべて男子である。
   国・地域別メダルランキング(総数ではなく、金を獲得した国が上位)では72位で、香港(37位)やセントルシア(56位)、北朝鮮(69位)に負けている。セントルシアはカリブ海の島国で、
  人口は約18万人に過ぎない。
   前々回のパリ(1900年)からリオデジャネイロ(2016年)までの27大会で、獲得したメダル総数は28個にとどまる。これは米国の競泳:フェルプスさんの個人記録と同じだ。

    国際社会でインドの存在感が増す分、五輪での弱さは際立つ。国連によると、人口は昨年、14億2860万人となり中国を上回ったと見られている。国内総生産(GDP)は世界5位で、25年には日本
  を抜く見通しだ。昨年は無人月面探査機も打ち上げた。月への着陸に成功したのは旧ソ連、米国、中国に次ぎ4カ国目で、月の南極付近に着いたのは世界初だった。
  核兵器を保有し、国産空母も就役させている。 その大国がなぜ72位なのか。

1.まず、貧困である。多くの人にはスポーツを楽しむ余裕がない。国連食糧農業機関(FAO)によると、21~23年の飢餓人口割合は13・7%で、内戦下のアフリカのスーダン(11・4%)よりも高い。
2.社会格差も指摘される。中産階級の子は地域のクラブでスポーツを楽しむ一方、小中学校の授業ではほとんど教えられないため、多くの子は学べない。
3.宗教・文化的に女性は肌を露出する習慣がなく、スポーツ参加が遅れてきた。 (← ヒンドゥー教の制約:小李)
4.インドは地方分権で州政府の権限が強く、中国やカタールのように、中央政府が主導して選手を育成したり、有力アスリートに国籍を与えたりしない。
 ★ 貧困を撲滅して格差を解消し、ジェンダー平等を実現する。その先に五輪での勝利がある。メダルの数を増やすことが五輪やスポーツの目的ではない。
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 小倉論説委員の解析のうち、2.は、カースト制度とも深く結びついているのだろう。日本の場合、カースト制度にあたる障壁はないものの、1.2.は該当し、4.は逆を行っている。
 国家的な選手強化体制は間違いなく善だ、と信じて疑わない日本の姿勢は嘗てのソ連や中国・東欧諸国と同じ。国威発揚にスポーツを使う姿で良いのか?国民一人ひとりが考えるべき指摘だ。
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