●【日経新聞】メディアがトランプ発言を「浄化」か 意訳が裏目に:≪ニューヨーク=清水石珠実≫ 要旨抜粋
* 「セインウオッシング(sane-washing)」。米共和党の大統領候補、トランプ前大統領の言動に関する報道を巡って、評論家などが批判する記事をみかけるようになった。
英語でsane(セイン)は「正気」「思慮分別のある」、washing(ウオッシング)は「洗浄する」という意味だ。みせかけの環境対応を「グリーンウオッシング」と呼ぶように、
ウオッシングという言葉には不都合な真実を隠し、イメージを「浄化」するニュアンスが含まれる。
(A) 9月上旬、トランプ氏はニューヨーク経済クラブで講演した。最後の質疑応答で、チャイルドケア(育児サービス)の高額化を抑えるためにどのような法案を考えているのかという質問を受けた。
トランプ氏は「私の周りには(共和党のマルコ・)ルビオ上院議員や娘のイバンカがいる」と語り始めた。その後、外国製品に課する予定の高い関税に話題が移り、話しが脱線しているような印象を
与えた。関税がチャイルドケアに役立つという趣旨で話している可能性もあったが、最後まで「チャイルドケア」と「関税」の関係性への詳しい説明はなかった。
(B) AP通信はこの講演を「高騰するチャイルドケア、関税が解決する可能性を示唆 トランプ氏」という見出しで報じた。実際には理屈が通っていない話でも、こう見出しが立つと、トランプ氏が
理路整然と新しい経済政策を発表したようにみえる。一部の評論家が「セインウオッシング」と批判する背景だ。
噓や事実誤認がちりばめられたトランプ氏の発言内容をメディアが筋道が通ったように意訳していれば、再び大統領になるかもしれない人物を正確に報道しきれていないのではないか。
81歳のバイデン大統領は、高齢不安から大統領選を撤退した。トランプ氏は現在78歳で、11月の大統領選で当選して4年の任期を務めると82歳となる。投開票まで残り約1カ月。
セインウオッシング批判を受けて、今後、米メディアがトランプ氏の言動をどのように報じていくのかにも注目したい。
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清水石記者の指摘は示唆に富む。<ハチャメチャな暴言、論理なき脱線、すり替え、事実誤認、恫喝まがいの個人攻撃>など、日常生活なら、どの国であれ許されない言動が大統領選挙候補者ゆえか、
メディアはわかりやすくて汚くない言葉に置き換えて記事にする。仮初にも一度は大統領職にあった人物だから敬意を払う、そういう配慮もあるだろう。
問題なのは、文字にして浄化された文章を、その演説なり発言の録音を聞いてない読者は、記事の言葉どおりに受け取ってしまう。これがセインウオッシング(sane-washing)の危険な部分だ。
メディアの執筆者はまじめな気持ちで文章の品格を落とさないよう気を付けたことが、皮肉にも裏目にでてしまう。 だが、これは日本でも同じようにあるのではないか?
例えば、自民党で今回引退する二階氏は記者会見で「バカ!」などと記者に失礼な暴言を吐いたことが何度か書かれた。また最近では「岸田前首相が高市氏のことを汚い言葉で側近の前で罵った」
と漏れ記事が出たりする。 これはトランプのような公の場ではないにせよ、ストレートに伝わると有権者の判断材料にはなる。 裏話的には漏れるが、大手メディアは正面切って報道しない。
この辺りを放送メディア各社も含め、どう対処してゆき、誤った報道にならぬよう言葉をつかっていくか、考えて欲しい。
* 「セインウオッシング(sane-washing)」。米共和党の大統領候補、トランプ前大統領の言動に関する報道を巡って、評論家などが批判する記事をみかけるようになった。
英語でsane(セイン)は「正気」「思慮分別のある」、washing(ウオッシング)は「洗浄する」という意味だ。みせかけの環境対応を「グリーンウオッシング」と呼ぶように、
ウオッシングという言葉には不都合な真実を隠し、イメージを「浄化」するニュアンスが含まれる。
(A) 9月上旬、トランプ氏はニューヨーク経済クラブで講演した。最後の質疑応答で、チャイルドケア(育児サービス)の高額化を抑えるためにどのような法案を考えているのかという質問を受けた。
トランプ氏は「私の周りには(共和党のマルコ・)ルビオ上院議員や娘のイバンカがいる」と語り始めた。その後、外国製品に課する予定の高い関税に話題が移り、話しが脱線しているような印象を
与えた。関税がチャイルドケアに役立つという趣旨で話している可能性もあったが、最後まで「チャイルドケア」と「関税」の関係性への詳しい説明はなかった。
(B) AP通信はこの講演を「高騰するチャイルドケア、関税が解決する可能性を示唆 トランプ氏」という見出しで報じた。実際には理屈が通っていない話でも、こう見出しが立つと、トランプ氏が
理路整然と新しい経済政策を発表したようにみえる。一部の評論家が「セインウオッシング」と批判する背景だ。
噓や事実誤認がちりばめられたトランプ氏の発言内容をメディアが筋道が通ったように意訳していれば、再び大統領になるかもしれない人物を正確に報道しきれていないのではないか。
81歳のバイデン大統領は、高齢不安から大統領選を撤退した。トランプ氏は現在78歳で、11月の大統領選で当選して4年の任期を務めると82歳となる。投開票まで残り約1カ月。
セインウオッシング批判を受けて、今後、米メディアがトランプ氏の言動をどのように報じていくのかにも注目したい。
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清水石記者の指摘は示唆に富む。<ハチャメチャな暴言、論理なき脱線、すり替え、事実誤認、恫喝まがいの個人攻撃>など、日常生活なら、どの国であれ許されない言動が大統領選挙候補者ゆえか、
メディアはわかりやすくて汚くない言葉に置き換えて記事にする。仮初にも一度は大統領職にあった人物だから敬意を払う、そういう配慮もあるだろう。
問題なのは、文字にして浄化された文章を、その演説なり発言の録音を聞いてない読者は、記事の言葉どおりに受け取ってしまう。これがセインウオッシング(sane-washing)の危険な部分だ。
メディアの執筆者はまじめな気持ちで文章の品格を落とさないよう気を付けたことが、皮肉にも裏目にでてしまう。 だが、これは日本でも同じようにあるのではないか?
例えば、自民党で今回引退する二階氏は記者会見で「バカ!」などと記者に失礼な暴言を吐いたことが何度か書かれた。また最近では「岸田前首相が高市氏のことを汚い言葉で側近の前で罵った」
と漏れ記事が出たりする。 これはトランプのような公の場ではないにせよ、ストレートに伝わると有権者の判断材料にはなる。 裏話的には漏れるが、大手メディアは正面切って報道しない。
この辺りを放送メディア各社も含め、どう対処してゆき、誤った報道にならぬよう言葉をつかっていくか、考えて欲しい。
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