安城市緑町 ミドリペットクリニック0566-77-6047

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動物病院の日常、広報、呟き
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保守はゴジラの夢を見るかⅤⅩⅥ

2014年07月31日 | 歴史
 信仰というと、「俺はキリスト教徒じゃないし、教会にも神社にも行かないし…」と言う大半の現代日本人には難しいですが、どんな宗教でも良いのです。
あえて伝統と言い換えても良いでしょう。『自分より上にある何か…』という気持ちを持つことはけっこう重要なことなのです。

☆お知らせ
カレンダー通りのお休み(日曜祝日)です。臨時の休診はここで随時お知らせします。
営業日の午後12時~午後4時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
当院の金額はすべて、内税表示です。

7月の予定:
8月の予定:お盆休みは13日(水)、14日(木)、15日(金)の3日間です。ご了承ください。


9月の予定:9月より毎週水曜日午後の外来をお休みとさせていただきます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

秋の健康診断実施:レントゲン写真、超音波画像診断を中心に期間限定で行います。期間9月1日(月)~20日(土)、
費用5150円、完全予約制、午前外来時間にお食事を抜いた状態でお預かりし、夕方の外来時間にお返しします。
結果は書面にて後日郵送いたします。できるかぎり尿と便をお持ちください。容器は事前に差し上げます。ご予約をお待ちしております。



保守はゴジラの夢を見るかⅤⅩⅤ

2014年07月30日 | 歴史
 また、信仰が無いことはその対局で相対主義に行く可能性もあります。
様々な矛盾を抱えてバランスを取っていると、左右水平より上の価値観を念頭に置いてバランスを取ることになる。
もし信仰が無かった場合、上の価値観を持たないで状況において変化するとなると自分の保身に走って、自分の発言をコロコロ変えて、
単に状況適応して内容は支離滅裂、なのに「俺は現実主義的だ」と言い訳をするのです。これは大変低いレベルの現実主義であるといえます。

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保守はゴジラの夢を見るかⅤⅩⅣ

2014年07月29日 | 歴史
 ゲーテが”ファウスト”の中で悪魔を軽蔑する人間に対して主人公ファウストが言います。
「君が悪魔を軽蔑することが私には理解できない。みんなから嫌われるのは一角の人物に違いないからだ」そういう意味では保守は悪魔的な存在なのかもしれません。
しかしその根底には信仰があります。信仰の重要性は、もしこれが無いと合理主義とはオカルトになりかねないからです。
オカルトはコストパフォーマンスが良いものです。ちょっと信念持っただけでものすごく良いことがあるとされます。
わずかのまじないで大変な大金が手に入るとか、信心を持たないと単に合理的にコストとそれによって得られる利益の比率だけで突き進むと、
だんだんオカルトが魅力的に見えてくるものです。

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保守はゴジラの夢を見るかⅤⅩⅢ

2014年07月28日 | 歴史
 ゴジラという破壊神は誰の腹の中にもあり、それを消すことはできません。それを飼い慣らすことを怠ると「ゴジラにお前が食われるぞ」と心得るべきです。
矛盾相克がありますが、それが無い『きれいな世界を強引に作ろうとすると破滅に向かう』というのはまさに保守主義の根本にある思想です。
20世紀最大の保守哲学者英国のマイケル・オークショットや彼の弟子のアンソニー・クイントンは保守の要諦として「politics of inparfection」不完全な政治、
つまり「政治とは不完全なのだ。不完全な物をどうやりくりするか、そのやりくりには永遠の議論が必要だ」と言っています。
同様なことをコールリッジも「矛盾した物のバランス」と言っています。
「矛盾とは支離滅裂ではなく、様々な価値を同時に持っているとその価値同士はopposit正反対かもしれないが、contrary対立ではない」
contraryは甘いと苦いのように折り合うことができないがoppositは磁石のN極とS極の様に両方無いと磁石にならない関係です。
「N極とS極の両方持つ」とは政治経済学で言うと、右に「市場に任せろ」という市場原理主義、左に「政府が全て片付けろ」という社会主義的考えがあります。
右左のバランスを常に保つように立ち位置を変え、右翼からは左翼と呼ばれ、左翼からは右翼と言われる運命をたどるのが保守なのです。
非難囂々されたら本物です。保守とは周りから嫌われる物なのです。

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保守はゴジラの夢を見るかⅤⅩⅡ

2014年07月27日 | 歴史
 優秀なアーティストを出やすくする鍵になる、インコヒーレンスを見直してみましょう。
つじつまの合わない物を何とかする、バランス感覚はどこから出てくるのでしょうか。「政府は万能じゃ無い」、これは当たり前です。
でも当たり前とは思えないのは為政の力で人間は何でもできるという前提が頭に入っているからです。
人間の中には首尾一貫していない部分やまとまりのない所もあります。それを認めることがバランス感覚の第一歩ではないでしょうか。
ちなみにインコヒーレンスやまとまりのなさが、常に悪いとは限りません。これが混乱を引き起こすのはよろしくないだけです。物事の意味は多重です。
いろいろな意味を持つことがあります。二つ以上の結果が見いだされることもあるのです。世の中が全て合理的に割り切れるほど単純な物ではありません。
だからあまり乱暴なことはせずにバランス良くいこうじゃないかと考えましょう。自分の中に人間なんだからつじつまの合わない物があります。
矛盾やまとまりの無いところもあるのです、まず認めることがまず重要です。そのつじつまの合わない人間がどうやってつじつまを合わせるかが重要なのです。
それは自分を超えた物にどこか頼るしかありません。コールリッジは「人間の理性の基盤にあるのは信仰である」といっています。
これで「19世紀の彼が神を信じていただけだ」という解釈は間違っています。
バランス感覚の根本に自分を信じない、自分の中につじつまが合ってない物があると認めることが必要です。自分を超えた支えがなければやっていけません。
こうなると、もはや頼りにするのは歴史、伝統です。長年人々が積み重ねてきた教訓に頼ることによってつじつまの合わなさを少しは減らせるという発想が出てきます。
では「なぜ自分の理性を押さえて伝統に従わなければならないか」となった場合、世の中には自分を超えた物があり、
それを信じなければ自分はやっていけないと考える必要があります。そういう意味で現代の我々も「自分の中に神を持たなければいけない」のです。
ゴジラは英語でGODZILLA、最初にGODがいる。”トカゲの神”という英訳なのです。日本を壊す恐るべきゴジラがいるのです。
「お天道様が見ている」の代わりに「ゴジラが見ている」として自分の限界を自覚することです。
これが21世紀の保守に必要ではないでしょうか。これなら保守がゴジラを夢見るのは正しい事です。我々の中にゴジラが巣くっているからです。
あまりに自己過信が過ぎるとそれが本当に出て来て日本を壊し始めます。それを押さえ込むようにすべきなのです。
そうでないと今のシステムには問題があるのですから「御破算で願いまして…」と現実にゴジラ登場を願う羽目になるのです。

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保守はゴジラの夢を見るかⅤⅩⅠ

2014年07月26日 | 歴史
 「『病理という物は無いのだ』ということが一つの病理である」
「近代という物は仕方ないのだ」「フランス革命や産業革命がなければ良かったのだ」…と言いつのっても仕方がありません。
まさにコールリッジは言っています
「保守はバランスを取り続けるしかない。自由主義がもたらすパワーを利用するにしても破壊的な方向に行かないように制御する事が必要」。
これはかなり難しいことです。経済で言えばある面で市場に任せるとバブルとバーストが起こることが分かっています。リーマンショックです。
経済学者の夢のような均衡にはならないのです。かといって政府が万能で均衡させることもできません。そうすると政府の役割はかなり保守的となります。
ブームには冷やし、バーストを小さくし、その後引き上げ、安定化、秩序化するしかありません。コールリッジの庭師の仕事です。
自由経済学が好きな人は政府の介入があると、「政府だって万能じゃ無いだろ」と反論します。政府は万能だから介入するわけではありません。
完璧にコントロールするために介入するのではなく、ブームとバーストを最小限にするために介入するのです。政府は流行を押さえ込まなければいけないのです。
政府は、保守は、天の邪鬼で無ければならないのです。庭師はごく少数に限られます。庭師は少数で良いのです。コールリッジは庭園を一つのアートとして見ていました。
政治家や庭師はアーティストです。ビスマルクは「政治はサイエンスにあらず、アートなり」と言います。ただ、優秀なアーティストは滅多にいないだけです。

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保守はゴジラの夢を見るかⅤⅩ

2014年07月25日 | 歴史
 では我々どういう未来を見いだしていけば良いのでしょうか。近代にはとても魅力的な部分もあります。
一方でそれまでの人間、社会、国家の持っていたバランスを崩す特徴もあります。なぜなら近代はパワフルだからです。
バブル経済を例にすればわっと盛り上がってわっと潰れるイメージです。これを繰り返すのが近代の特徴です。盛り上がって潰れるたびに大変な弊害が生じます。
ここをコントロールしなければならないのですが、この暴走こそが人々の魅惑なのです。アニメ映画「アキラ」で日本政府が超能力者を育てようとします。
その超能力者が暴走して東京を壊すという話です。その超能力者が能力を発揮する時に自己陶酔する姿が描かれます。近代という物は見事に魅力的なのです。
弊害があると言っても全否定できません。もし全否定すれば生活レベルがガタンと落ちるでしょう。前近代文明では日本は3000万人くらいしか養えないのです。
では1億人弱はどうするというのでしょう。今までの日本のように上手に良いとこ取りをして、「まあ~、だましだましやっていく」というのも限界が見えてきました。
21世紀に保守主義を名乗るとすれば、何を言うべきでしょうか。
それは「近代、自由主義によって崩れるバランスをいかに回復するのか」にあるのではないでしょうか。

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保守はゴジラの夢を見るかⅣⅩⅨ

2014年07月24日 | 歴史
 1979年の評論、”文明としてのイエ社会”が「文化としての…」という題名でなかったことが今思うと残念であります。やはり”文明”なのです。
明治の文明開化から続いた欧米を表面的にとらえて、「欧米には魂がない、日本にだけ魂がある」と錯覚する傾向が100年を超えて生き残っていたのです。
今では新自由主義的保守主義に対して「対米保守」「戦後保守」といった新たなレッテルで呼ばれます。アメリカべったりという批判です。
小林よしのり氏の「ポチ保守」がその最初でしょう。しかしこういう批判する人の中にも新自由主義的保守の欠点を乗り越えるものは残念ながら存在しません。
それは敗戦体験に直面しようとしないからです。
むしろ批判するグループは「あの戦争は正しかった」、下手すると「アメリカだって負けたのだ」、最後は「日本は勝ったのだ」と言うようになります。
「アメリカはソ連にしてやられたからだ」そのアメリカに従属している日本って何でしょうね。
戦勝国に従属するのならいざ知らず、彼らの言う敗戦国に従属する国って…混乱が悪化していくではないですか。
この混乱から現在の日本のつじつまの合わない、方向性の見えない状況が生まれてきているのです。
逆に日本を真剣に考えている人達の中でこれまでのシステムに対して「御破算で願いまして…」にしてしまいたい考えが出て来ます。

 震災ゴジラとは「これだけの震災があったのだから、次はゴジラにでも来てもらってこの国のシステムを一度全てぶち壊したい。
そのほうが新しい良い秩序ができる」という考え方で、保守主義者の心に芽生えてきています。現状は「保守はゴジラを夢見ている」のです。

しかし、これは新たな堂々巡りの始まりに過ぎないでしょう。
堂々巡りはやればやるほど事態は悪化していくものです。
これはできるだけ早く脱却すべきなのです。

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保守はゴジラの夢を見るかⅣⅩⅧ

2014年07月23日 | 歴史
 日本的な物を再評価することは、バークもコールリッジも
「近代や経済的繁栄、資本主義は前近代的な要素を連綿として残してちょうど混ざり合って上手くいく、バランスがとれている時に一番上手くいく」としています。
実は日本の70年代後半から80年代、経済的にも上手くいって格差も縮小し失業率も低く共同体も割と残っているというのはこれに割と近かったのです。
コールリッジと同じ時代にロバート・オーエン、社会主義者がいました。この二人は言っていることが似ています。
オーエンはスコットランドのニューラナークという小さな村で理想の工場を作って、今の生協か農協のような構想を立てました。これは割と成功しました。
実際にその記念館に行ってみると
「オーエンは労働者を保護して教育を与えて工場の生産性を上げた。社会主義的論理と資本主義的論理を上手く合わせて成功した先駆者だ。
このオーエンの理論を国レベルで実現したのが日本だ」と展示解説されています。残念ながらこの日本の成功は終わってしまいましたが。
しかし80年代の新保守主義における致命的欠陥は、日本的共同体や文化がすばらしいというのはけっこうだが、それはGDPに裏付けられていただけなのです。
「経済的に成功したから日本文化はすばらしい」と言っているだけなのです。
本来は文化の評価は経済価値とは無縁で行うべきで、文明ではなくて文化で評価すべきなのです。彼らの評価は経済的な文明に過ぎませんでした。
経済がぶっ壊れると本来は文明が失われたとしても残すべき”文化”を吹っ飛ばしたのが90年代でした。
80年代の新自由主義は個人主義を否定し、「集団的共同体的な日本人は遅れている」に対して「遅れてないんだ」と言う議論をしていました。
90年代以降は「新自由主義は遅れている」と言う議論になり個人主義で「日本人には個が確立してない」という戦後の左翼的論理を保守が言い出すのです。
戦後50年経って、第二の敗戦の2回目でさらに自信を失ってしまいました。

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保守はゴジラの夢を見るかⅣⅩⅦ

2014年07月22日 | 歴史
 ところが”農村共同体を理想とする”というのは日本政府が公式の政策として徹底した近代化路線を進める中で、
何と”左翼の中に生まれていたあこがれ”でもありました。例えばアニメ映画『崖の上のポニョ』の宮崎駿氏です。彼はずっとそれを信じていました。
「伝統的共同体を甦らせれば良いのだ」と考えます。彼は基本姿勢は左翼にポジションする人物です。芸術家としてはもちろん天才です。
ここで左翼と新保守主義がまた重なってしまうのです。19世紀のコールリッジの時代と近い状況です。
同時に80年代の新保守主義者の発想は1930年代の「もう西洋は没落した、これからはアジアの時代だ…」これが甦ってきたのです。
実際に新保守主義の旗振り役を務めた人は1930年代に生まれています。この時彼らは50代、社会の中核です。三つ子の魂百までということなのです。
彼らは小さい頃聞いたことを覚えていたのです。
「やっぱり西洋は没落したじゃないか。これからはアジアの時代…」と考えてしまったのは仕方なかったのかもしれません。
あるいは「俺たちは戦争に負けた親父達のリベンジを果たしてやる」と言う気持ちは当然あっただろうと思います。

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保守はゴジラの夢を見るかⅣⅩⅥ

2014年07月21日 | 歴史
 日本の保守主義と結びつく新自由主義は戦後日本に本当に合っています。近代日本全体に合っているのかもしれません。
70~80年代の新自由主義的保守主義は大平中曽根政権のころ、似たようなことが1990~2000年代に繰り返されます。
90年代の橋本龍太郎政権、細川政権、小泉政権は少しだけ違いがあります。それは80年代の新自由主義的保守主義の弱点にもなっています。
70年代に第二の敗戦があり、その後の新保守主義、大平中曽根政権、
この時の知識人達は価値観として、文化的精神的として、”伝統的日本的な物”をとらえて逆の面で新自由主義的なことを発言していました。
確かにその通りですが、一方であの頃のあの人達は
「西洋は70年代に行き詰まった。日本はかなり上手く石油危機を乗り越え、経済的に成功して欧米を越えた。これまでは欧米化を目指して高度成長まで来た。
よくよく見たら手本である欧米はまるでダメじゃないか。個人主義が行き過ぎて精神的に病んでいる。離婚率も高い。共同体崩壊している。公害もある。
それに比べて日本は家族制度がまだ残っている。失業率も低い。治安も良い。経済的にも凌駕している。もう西洋を追い抜いたんじゃないか」と言ったのです。

彼ら、当時の新保守は現在の保守と違って”日本的な物を再評価”する事を非常に強調していました。
「我々は近代とは違うやり方で発展したのだ」という議論までありました。「特に日本的経営は共同体経営をやることで経済的に上手くいった」としました。
彼ら新保守が対抗しようとしていた論理は西洋近代に加えて”丸山真男的進歩主義”です。
つまり「戦後は農村共同体があるから第二次世界大戦のような無謀な戦争に行ったのだ」という無茶な論理で、
彼らは「その共同体をぶっ壊すのが進歩主義だ」と戦後言ってきました。
80年代から「我々新保守は違うのだ。共同体、前近代的な物をもっと積極的に評価する」とします。
1979年、”文明としてのイエ社会”という象徴的な論文が登場します。当然左からかなり批判されました。こうして日本文化論が流行したのです。

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保守はゴジラの夢を見るかⅣⅩⅤ

2014年07月20日 | 歴史
 新自由主義、その背景にある新古典派経済学、市場原理主義も含めて、「一旦なかったことにしてやり直す」という発想に非常に近い理論です。
市場原理主義は規制を全て取っ払い、まっさらにして自由にやらせたらもっと良い秩序が生まれると考えます。
今上手く行っていないのは余計な規制があるからで、本来まっさらな状態なら絶対上手く行くのだとして、
「御破算に願いましては神話」の御破算を理論的にそれらしく展開するのには新自由主義はぴったりで相性が良いのです。
戦後の日本人と新自由主義は非常に相性が良いのです。自由を阻む、物事が上手くいくことを邪魔している物が悪いのであって、それをぶっ壊せば良いと考えます。
邪魔な物とは一番最初は軍国主義、封建制度がありました。
それがだんだん”政府による規制”、”利権の構造”がつるし上げられ、これらはテスト問題でよくある「空欄を埋めよ」で、
空欄にはその時に都合の良いものは何でも良いけれど、基本的発想はいつも同じで物事が上手くいかないのはそれを邪魔する物があるからだと言うのです。
「それを全て破壊してチャラにしてしまえばすばらしい世界が一から作れる」これが近代合理主義の発想の根本にあります。
イギリスの科学哲学者スティーブン・テュルビンが指摘していることですが、これを実際に本格的にやったのがフランス革命でした。
日本で何かにつけて「成功体験に安住するな…」が登場するのは非常に暗示的で、日本人は「失敗体験に安住している」のです。失敗とは敗戦です。
何かあるとすぐ敗戦に戻りたくなるのです。そこは文字通り全チャラ状態に破壊されている世界です。
そこから「理想のシステムを一から作りたい」、そこに戻りたくなるのです。つまり『戦後は破局へ回帰する』のです。
1980年代初頭、中曽根政権あたりに登場したのは新自由主義的保守主義でした。これにはおもしろい特徴があります。またつじつまが合っていないのです。
経済政策に関してはひたすら自由主義を主張します。
「余計な規制はいりません」「国の事業はできる限り民営化」「市場原理を導入して競争すればコストは落ちてクオリティーは上がる」、
実際にそうなるのかは何の保証も無いにもかかわらずです。その一方で社会的モラルや政治思想では
「日本の伝統を大事に」「愛国心を持て」等本来の保守主義的な発言をします。経済と政治社会教育分野とで矛盾しています。
この矛盾を気づくことなく、「これが正しい唯一の道だ」「他に道はない」と30年も続けてきたのです。なんでそうなるのでしょうか。
日本人は敗戦時に2つの物を同時に封印しました。まずは負けたことの屈辱、”敗戦体験”そのものです。
もう一つは戦前の日本が良しとしてきた物、世界に冠たる国であるという強いナショナリズム、”愛国心”です。
こうなると新自由主義的保守主義は、敗戦体験は封印を解くと大変なことになります。敗戦が復活してしまうからです。
日本のナショナリズム、愛国心は戦後一回全て否定されます。「そんな物信じているからあの戦争が起きたのだ」と言われ続けてきた物です。
新自由主義的保守主義者は愛国心は復活させたいのです。つまり良いとこ取りです。この新自由主義的保守主義の流行はアメリカではレーガン政権がありました。
イギリスではサッチャー政権です。両者だいたい同時に始まっています。日本では中曽根政権で本格化しましたが、そのさきがけで大平政権がありました。
首相が選挙中に急死して鈴木善幸政権となります。この時に日米英と同時多発的に流行が起こったのです。英米の風潮と日本は連動していたと説明されます。
しかし、加えて日本には独自の理由もありました。新自由主義的保守主義こそが時代の変化に対応した戦略だと喧伝されたのです。
表向きは「日本を取り巻く状況は変わりつつある。これまでのやり方では上手くいかない。新しい時代に対応した戦略はこれだ」と言うのです。
提唱した本人が自覚があるかは別として、本当は「敗戦体験を押さえ続けるためにアメリカとの一体化占領時代あるいは独立回復直後の路線を、
少し戦前のナショナリズムを復活させた形で繰り返そう」、こういう試みではないでしょうか。
これは英米にはありません。日本独自の事情です。日本の新自由主義的保守主義を理解するためには敗戦体験を抜きに語れません。

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保守はゴジラの夢を見るかⅣⅩⅣ

2014年07月19日 | 歴史
アニメ映画『アキラ』が1988年に登場します。時はまさにバブル絶頂期です。映画では絶頂に達した日本が突如崩壊する様子を描きます。
バブル崩壊前に予見しているのです。作者はこれまでの議論と同じような問題意識を持っているのです。
驚くのは作中の一度崩壊した東京がネオトウキョウとして甦り、次の舞台は2020年にトウキョウオリンピックをやる直前、2019年のネオトウキョウなのです。
バブルが崩壊して失われた20年で、その後の2020年にオリンピックが来るというストーリーを1988年にアニメ映画化しているのです。
ネオトウキョウはオリンピック前に一度核兵器で廃墟となっています。しかもネオトウキョウの幹部はその時に税制改革、増税の議論しているのです。
『アキラ』の公開は消費税が最初に導入された時期です。そういえば今の経済再生担当大臣は甘利アキラ氏というは偶然です。
『アキラ』の中で「我々政治家が国民の皆さんに頭を下げて税制改革をお願いしている時に、そんなアキラ対策なんかできるか!」と叫ぶ政治家が登場します。
フィクションとして作られた物語の中でも優れた物は国民が持っている物語の本質をえぐり出します。
『アキラ』ではオリンピック直前にネオトウキョウは崩壊して敗戦直後の状態に戻ります。そしてアメリカが国連軍の名目で日本を占領しに来るのです。


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保守はゴジラの夢を見るかⅣⅩⅢ

2014年07月18日 | 歴史
 保守と呼ばれる人達にありがちなことですが、戦後の経済的繁栄を非常に美化します。
「我々は焼け跡から努力によって立ち上がったのだ。これは日本人がすばらしいのだ…」
ところがその根底に本土決戦しなかったやましさをずっと残しています。
そしてもう一つ、”冷戦”と”朝鮮戦争”という他人の不幸で成長のきっかけを作ったというやましさがあります。
「自分たちはすばらしいことをやったのだ」と言ったところでアメリカとマッカーサーのおかげ、そして他人の不幸、
本土決戦してないやましさを残している割には異様に歴史的にもすさまじい高度成長を手に入れました。よって多くの国民はこれにはリアリティーが持てません。
不安になって、「この反映は虚構の物で、いつかやましさのしっぺ返しがあるに違いない」「懲罰が下る」「ふっと消えるんじゃないか?」
こういった考えに捕らわれ続けていました。経済的に世界第二位のGDPになって、1980年代にはアメリカを脅かすほどの繁栄を極めました。
そして貿易摩擦でアメリカからバッシングを受けます。この時アメリカの知日派ジャパノロジストの一人がこう言いました。

「日本は経済大国で、これほど繁栄して米国を脅かすほどの地位にいるのに、どうして日本人は『我が国は脆弱で』とか、
GDPは米国と同等に9割は内需なのに『輸出しないと生きていけない』とか、『鎖国しては生きていけない』とか、『第二の開国が必要だ』とか、
『成功体験に捕らわれて改革の手を止めてはいけない』とか…、とにかく世界第二位のGDPの国とは思えないほどビクビクしているのだろうか。
ヨーロッパの小国の方がよっぽど堂々としているじゃないか…」

これには軍事を持っていないとか様々な理由はあると思います。
みんなが「この経済的繁栄は虚構であっていつかダメになるのではないか」と潜在意識として考えています。
そして、本当にダメになったのは1991年のバブル崩壊でした。

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保守はゴジラの夢を見るかⅣⅩⅡ

2014年07月17日 | 歴史
 戦争が終わった時、「日本はこれからそこそこ食っていける貧しい国でよいのだ」というのが勝った連合国側の共通スタンスでした。
変に産業を残すとまた戦争を始めるかもと考えるのが勝った側の当たり前の理論です。それをひっくり返して「日本はある程度強くないと困る」と思い直したのです。
冷戦が始まってソ連をある程度封じ込めることが何よりも重要になったからです。これは1948年に大きな変換がありました。しかし、日本はそれに気づきませんでした。
なぜならその前にマッカーサーは自分の野心のために寛大な占領をしていたからです。1948年以前の寛大な占領は現地の司令官が勝手にやったことなのです。
それが1948年を境にアメリカの公式見解にすり替わりました。ところが日本人の目から見ればマッカーサー=アメリカです。すり替わったなんて分かりません。
「冷戦が始まる前からアメリカは我々に親切にしてくれたじゃないか」その通りです。ところが裏の動機はここで大きく変わっていたのです。
それに気づきませんでした。
いずれにせよ戦後日本ではアメリカとの一体化が理想で「そうすれば戦前の罪状は帳消しになる」「いや戦前に目指した理想も達成される」と考えました。
しかも今度は”平和国家”「良いことずくめ」、そういう発想が強かったのです。この物語、あまりにリアリティーがないので幻想と言っても良いでしょう。
この幻想を信じる上で邪魔になるのが”日本のナショナリズム”でした。何せ戦前は日本中心に考えていたわけですから。
戦前の日本では欧米化を進めるグローバリズムとアジア主義にこだわる帝国主義路線の対立がありました。ここからアジア帝国主義路線が切り落とされます。
戦後日本ではかなり長い間、今でも大半はナショナリズムとは悪いことだとされました。日本人はますますグローバリズムと相性が良くなります。
しかも戦争に負けた直後は日本は国際社会の一員ではありません。アメリカを初め、どこの国とも外交関係を持っていません。
その頃の外交関係は占領軍を通じてしか行えません。しかも国内は極貧です。
「こうなったら国際社会にもう一度受け入れてもらって、貿易促進をやる以外復興、発展の道はない」
「自由主義を信じて国のあり方を変えていき、ひたすら貿易促進、自由貿易、それ以外日本が生き延びる道はない」と言う発想になったのもよく分かります。
日本では近年15年の長きにわたり構造改革が叫ばれています。考えてみれば占領期の日本ではGHQ主導による大規模な社会改革が行われていたのです。
これこそ日本社会の構造を根本から変えてしまった物です。構造改革のルーツでしょう。
しかし、この戦後の物語には冷戦の勃発によってあっさりつじつまが合わないことが分かります。
アメリカ主導で世界が一つになるのなら、どうして米ソは対立しているのでしょう。
本来ここで”アメリカ=全世界”なのですから「日本はアメリカと一体化すれば良い」と言うパラダイムは崩壊して当然でした。
そこは日本人の器用なところで、上手にこれを切り抜けてしまうのです。実際にはアメリカの世界戦略につきあっています。追随しています。
しかし、「自分たちは未来を目指す平和国家なのでこういった国際社会の対立とは無縁」、
もしくは「過去の対立から足を洗って一段上のレベルでおります」という顔もします。
もちろんこれは建前で、日米安保条約があり、在日米軍がいることからも本音はアメリカ側に付いています。ダブルスタンダード、二枚舌です。
これが上手くいってしまうのです。
敗戦のショックから新しく信じようとした物語が占領政策転換までで3年、朝鮮戦争勃発までで5年でまたつぶれたというんじゃ精神的に非常に悪いのです。
「そんなことはない、まだまだこの物語は有効だ」と信じる方が楽であった事は間違いありません。
しかも、ここで皮肉なことに冷戦の深刻化、特に朝鮮戦争の勃発によって日本経済は復興のチャンスをつかむのです。
本来自分たちに都合の悪かったことによって大きく得をすることになります。
もし冷戦が起きなかったら、日本が思い描いていた通り連合国が一枚岩だったなら、戦後日本はこれほどまでに発展しなかったでしょう。
ポツダム宣言には「日本は”平和的産業”以外持ってはいけない」と書いてあるからです。
”平和的産業”とは、重工業は全て戦争目的に使用できるので、第一次産品、農水産物を輸出する「永遠の途上国でいろ」という含みがありました。
現在の経済大国日本は冷戦のおかげで生まれたのですが、建前上自分たちは国家間の対立は超越したという顔をします。
そこが戦後日本のおもしろい所であり、根本的矛盾であります。ただし、この矛盾を日本人は死守しようとするのです。なんでそれほどまでに懸命に守るのでしょうか。
根底に非常に重要な守るべき必要性があるからです。それが「敗戦の屈辱を忘れたい」という欲望です。しかし、抑圧された物は必ず甦るのです。
それは「敗戦がまた帰って来るんじゃないか?」という不安です。これは戦後ずっと取り憑かれているのです。「第二の敗戦」です。
左翼の言う「この道はいつか来た道」です。「また戦争をしちゃうんじゃないか」。言い換えれば「また負けるんじゃないか」ということです。
「今度は勝てるだろう」とはけっして思えないのです。日本人は「第二の敗戦」を恐れ続けるのです。日本の復興は朝鮮戦争を受けて軌道に乗ります。
独立回復も達成され、アメリカを中心とする西側諸国、自由主義陣営の一員として経済面でIMFに加盟でき、
GATTにも参加でき、輸出促進も達成し、高度成長が始まります。しかし、良いことばかりは続きません。1970年代半ばに最初の挫折が来ます。
石油ショックによる高度成長の終わりです。この時に「第二の敗戦」という言葉が登場します。次にバブル崩壊と阪神大震災の時にも「第二の敗戦」。
また、2010年代初頭東日本大震災とリーマンショックで「第二の敗戦」。なぜかいつも経済危機と天変地異が同時に来るのです。
おもしろいのはいつも第二であって第三、第四とはなりません。なぜかカウントは進まないのです。
結局日本人が感じるのは戦後の出発点で押さえつけた物、敗戦の経験、屈辱、衝撃が甦ってくるんじゃないかと怯えているのです。だからカウントは進みません。
おもしろいことにこの「第二の敗戦」が登場するたびに日本はいつも同じような方法で対処しだします。
それが新自由的な保守主義です。

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