「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅤⅩⅣ

加えて言えば彼はもうすでに公邸を引き払っているのです。
それは日程だということで当然だと言うかもしれないが憲法上のの建前では来週何が起こるか
今の世の中誰にも分かりません。
来週の月曜日の時点でも間違いなくまだ小泉内閣です。米国だったら絶対あり得ないことです。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅤⅩⅢ

皮肉を言えばそういう日本世論を促した最大の功績者は慈悲深い将軍様金正日でしょう。
そういう意味で彼は公約を果たしませんでした。しかも最後に至るまで何も言いません。言おうともしません。
周りから言ってくれと促されても「それは次の人の課題だ」と平然としています。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅤⅩⅡ

特に集団的自衛権に関しては何もできませんでした。9割も支持率があったにもかかわらずです。
これはきちんと検証し批判されるべき点です。
この分野で自衛隊を派遣したとか有事法制を次々法案化させたことをポジティブに評価すべきです。
これが小泉という男の力量とリーダーシップによる物だったのでしょうか、
他の内閣だったらできなかったのでしょうか。
そうではないと考えます。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅤⅩⅠ

ただそれは自民党総裁選の公約ではありません。
「大声で言うのは止めてくれ」と田中真紀子さんに言われ、総裁の公約にはなっていません。
30兆円国債枠は霞ヶ関に激震を走らせる具体的公約でありましたが守りませんでした。
靖国参拝は公約でも何でもありません。彼が総裁選で掲げたのは30兆枠と集団的自衛権行使問題だけです。
それ以外の「自民党をぶっ壊す」だの「構造改革」だの抽象的なことばかりでありました。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅤⅩ

　小泉さんの最大の罪は内閣総理大臣の合格ラインを自ら上げたことでしょう。我々に期待をさせてくれました。
そして裏切りました。彼は公約を果たしませんでした。
5年間も任期があり、なおかつあれほど高い支持率があったにもかかわらずへんてこな前例を残したことも忘れません。
郵政民営化がいいか悪いかどうかはともかく大きな反対勢力を物ともせず断行しました。
その手腕は評価されることでしょう。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅨ

高い支持率をバックにしながら官邸主導の政治スタイルを築いたという点も非常に大きいでしょう。
今後安倍さんが内閣を率いるに当たっての推進力を小泉さんの時代に用意できた点も大きいと思います。
官邸主導の政治は今後も続けてほしいものです。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅧ

最もひどかったのは皇室典範問題です。どうしようも無いほどだめでした。
でも運がいいのか皇室によって最後は救われ、汚名を残さずに済みました。
高い評価のまま終わることができた非常に運のある人です。
また本人が意図したかどうかは別として、安倍さんを引き上げてくれました。
結果として保守という物を表舞台に出したことは評価すべきでしょう。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅦ

　政局をおもしろくした、飽きさせなかった男が小泉さんです。
ワイドショーやスポーツ新聞を舞台に政治が語られるようになりました。
国民一般が政治に関心を持ったことは非常によかったでしょう。
しかし危うい所もずいぶんあって、靖国参拝は大きな功績を残したが歴史認識は非常に危うい人でした。
ここは安倍さんの代で組み立て直す必要があるでしょう。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅥ

これを何としても安倍さんに引き続けてもらいたいものです。
日本の国の戦後の歴史を考えたとき、小泉さんは保守本流、いや保守正流を復活してくれました。
もしかしたら彼自身意図していなかったのかもしれませんが、
吉田茂、岸信介、そして小泉純一郎それに続くのが安倍晋三と言われるようになるでしょう。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅤ

中曽根さんは戦後の政治家としては優秀な方だった思いますが、
彼の参拝中止の害悪は後に続く政治家にとって極めて大きかったと思います。
途中で1回だけ参拝して批判を受けて止めてしまった橋龍なんてのもいましたが、
中曽根さんの参拝中止を復活したのが小泉さんでした。
圧倒的な反日的マスメディア、野党、自民党内総批判に会いながら貫き続けました。
これは日本にとって大変意味がありました。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅣ

しかし5年間靖国神社に続けて参拝したことは良くやってくれたと思います。
自民党の歴代の総裁が誰もできなかったことです。
あの中曽根さんが最後の1984年昭和60年に参拝を止めてしまいます。
彼は靖国参拝に対する思い入れは誰よりも強い人でした。
自ら審議会を立ち上げて公式でも私的でも参拝は合憲なんだと打ち出して麗々しく公式参拝をしたのに
中国から反応があったらすぐ止めました。実に情けない政治家です。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅢ

　小泉さんに対する評価は劇的に変化しました。
拉致事件に対して平壌宣言を見ても植民地支配に対する謝罪が中心になっています。
そもそも小泉さんの歴史認識は曖昧で東京裁判史観の呪縛に捕らわれている点で大きな問題があります。
A級戦犯は犯罪者だと言ってみたり村山談話を踏襲する、アジアへの侵略を謝罪する小泉談話、
バンドン会議の記念集会で諸外国に謝罪するなど明らかに戦後レジューム、前例踏襲です。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅡ

60点が合格点とすると小泉さんは通常の国家に復帰するために国益を増進したとすれば70点はつけられます。
終戦の日、靖国参拝を13日に前倒しするとした時はがっかりもしたものです。
しかも出だしはぼろぼろ、一番の親中議員を外務大臣にしてしまいました。
しかし方向を間違えば非常に素早く修正し、終わる時の高い支持率はたいした物です。
メディアの使い方、大衆に対する訴え方、大きな大義はずらしませんでした。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩⅠ

このスタイルは欧米で言えばレーガンがやったスタイルです。レーガンの補佐官がはっきり言いました。
「政策が先で支持率が上がるんじゃない、今は支持率を取ってそれをバックに仕事をするんだ」。
ポリティカルキャピタル、高い支持率が資本、それを投資して仕事をしていくスタイルです。
このアメリカ的発想、これを踏襲すべきです。

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「安倍政権誕生 どうする日本！？」2006年平成18年ⅣⅩ

彼は支持率が低くても靖国に行って支持率を上げてしまいます。
決然とやってそれなりに意味が通っていればいいのです。全く新しいパターンを小泉さんは作りました。
安倍さんは小泉さんのパーソナリティーはまねできないがそれは大いにやっていただきたいと思います。
国民に直接語りかけて今の課題は何なのか、総理はこういうことで戦う、
俺は支持率高いんだと言うことをバックに反対勢力を押さえ込んで行けば良いのです。

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