安城市緑町 ミドリペットクリニック0566-77-6047

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動物病院の日常、広報、呟き
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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅢⅩⅠ

2023年05月31日 | 歴史
 昭和35年に中央公論事件が起こります。これは深沢七郎が短編小説『風流夢譚』を書いたことに
反発した右翼活動家が起こした殺人です。この時三島も右翼に狙われて警視庁から特別警備が付きました。
どういうわけか、当時三島は左翼だという認識が一般にありました。
これは深沢のデビュー作『風流夢譚』を三島が激賛したからです。
警備が解かれた直後、それは誤解だという意味でこの『憂国』を書き始めています。
自分は右翼だというアリバイ証明です。時系列的に安保騒動が終わってこの事件が起きて『憂国』が書かれました。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅢⅩ

2023年05月30日 | 歴史
作者の心が大きな世界へ大展開していく感じではなく、内側へどんどんとぐろを巻いていくイメージです。
もし226事件を象徴する一篇であるなら昭和初期の精神風景を彷彿とされなければいけないが、
書かれているのが過去とは私には思えません。
あまりにも自由な現代人のタブーを失ったうつろな心が意図的に自ら進んで違反に違反を重ねて
次第に自己破壊に近づいていく様です。
これが60年安保直後に書かれた、この作家のいち早い時代への参加の仕方だったのでしょうか。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅨ

2023年05月29日 | 歴史
運命を自分の方へ呼び寄せようとして、存在しない不条理に対して我と我が身をぶつけていく主人公、
禁忌へ向かっていくチャレンジしようとする三島。一軒の家の中のできごと、非常に安定した構成、非常に鮮明で激しい・・・。
でも表現の外枠が何も見当たりません。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅧ

2023年05月28日 | 歴史
しかし私には無言の内に竹山中尉個人を支配している大きな時代の運命をこの作品に感じないのです。
社会環境の提示が作品中にないので、ひたひたと我々の胸に迫ってくる昭和初期の時代精神が
そこで象徴されているように思えません。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅦ

2023年05月27日 | 歴史
ベルリンの壁が設定されたのは1961年。激しく衝突して日本にも選択を迫ってきました。
三島の『憂国』は安保から少したってからです。主人公の竹山中尉の割腹の動機は非常に単純です。
竹山は反乱軍に参加できませんでした。しかし仲間を討つ側に回るのは辛い事です。妻の動機は書かれていません。
現代風の動機の説明は何もありません。迷い無く恍惚として死へ向かっていく作品です。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅥ

2023年05月26日 | 歴史
 35年、60年安保、それらが米ソ代理戦争だったことをその時日本人は気がつきませんでした。
反米だとかそうじゃないとかつまんないことを言い合って大騒ぎした時代です。あれは戦後一番米ソが露骨に対立した時だったのです。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅤ

2023年05月25日 | 動物病院
36年になって最初に書かれたのが『憂国』、そして『十日の菊』でした。これと『喜びの琴』は設定が同じです。
「世の中をたぶらかしてやる!」という主人公がいて劇が2転3転していく。そうしてだんだん英霊が取り憑いてしまいます。
『英霊の声』にいたります。昭和39~41年あたりの三島は精神構造が大きく変わっていきます。
43年に至ると2元論が成り立たなくなり、責任を持って行動もするという風に傾いて行ったのです。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅣ

2023年05月24日 | 歴史
 昭和35年が60年安保です。左右激突、明日にも共産革命が起きるやもしれません。
この時三島は左右どっちに付くのか態度鮮明ではありませんでした。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅢ

2023年05月23日 | 歴史
彼は昭和30年頃から変わってきますが、例えば「鹿鳴館」という芝居、そこでは近代批判が前面に登場します。
最後に影山伯爵「これで世界中をたぶらかしてやるんだっ!」。この独白は日本人にとって重要で、被害者意識?、
夜郎自大?、あの当時の三島はこの日本の位置づけで世界中をたぶらかしてやるんだというくらいの意気込みで行かなきゃやってらんないじゃないかと見てて、その後三島はそういう見方ができなくなっていきます。
三島自身の変化と同時に、社会が三島と全く違う方向にバランスを超えて一面化していったことの裏返しであろうと思います。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅡ

2023年05月22日 | 歴史
 彼はいろんなテーマを引き受けて、美と醜、善と悪も全て描くことを彼の才能が担保しています。
時代による物の見方のバランスを取っているのです。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩⅠ

2023年05月21日 | 歴史
三島はかなり計算高く若い頃は動いています。
題材の選び方、つまらないアルバイト小説でも人に読ませる圧倒的な筆の力、昭和23年第2次吉田内閣、
女性議員のおしり触って問題になったい泉谷三六議員を題材にした『大臣』というつまんない小説、
でもあの時代の政治の一つの瞬間を鋭角的な切り口で見事に描いているのです。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅡⅩ

2023年05月20日 | 歴史
 三島の一貫性は反近代あるいは近代への疑問にあります。
矛盾するのは三島の才能が近代の中でこそありと、あらゆる手段を使って表現することができ得たことです。
三島はそのことをものすごく意識していて親友の矢代静一が評して「処世術に長けている」。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅩⅨ

2023年05月19日 | 歴史
トーマス・マンと三島のヨーロッパあるいは明治維新の近代に対するアンチテーゼをずっと出し続けてきたのでしょう。
陽明学という物の再発見、西郷南州と大塩平八郎の方向へ形として向かわれたのだと思います。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅩⅧ

2023年05月18日 | 歴史
陽明学も同様で、自分の実人生と重ね合わせていく同伴者としての文体、
神話的な世界になって書き手も登場人物も一緒になってしまいます。
タイムマシンのように過去も現在も未来も同じような神話の世界的文体になっていきます。
三島がそういう流れの中で事件を起こしたのでしょうか。

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戦後日本と三島由紀夫の残した物」2006年平成18年ⅭⅩⅦ

2023年05月17日 | 歴史
ところが最晩年になると旧約聖書の『ヨゼフとその兄弟』物語の生死に変わっています。
三島由紀夫のあり方に、トーマス・マンの文体の変化が現れています。

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