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保守はゴジラの夢を見るかⅢⅩⅨ

2014年07月14日 | 歴史
 日本人は戦争末期に「本土決戦をやる!」と言いました。「連合軍を日本国内に引ずり込んでも最後の最後まで戦う」。
ところが本土決戦は沖縄を例外とすればやっていません。沖縄戦とは当時の日本人の意識としては本土決戦の第一弾でした。
沖縄は明治維新まで琉球王国という別の国なので、現実には一部別の意識もあったでしょう。
「次は我々は本土で迎え撃つ」「九州で迎え撃つ」「四国で…」「関東で…」。ところがそれを止めてしまいました。
土壇場で逃げ出したと言われても文句言えません。本土決戦をやったら日本は滅んだことでしょう。少なくとも分割占領をされたでしょう。
戦術的にいってポツダム宣言を受け入れて降伏は正しい選択だったという議論は十分に可能です。しかし、「最後までやる」といっておいて止めたのです。
物語としてはつじつまが合いません。「最後の大決戦やるぞやるぞ」、寸前に「やっぱり止めた」。それで物語が終わってしまいました。
それで人間納得がいくでしょうか。観る側は怒り狂うだろうし、演じる側も「それは違うだろう…」と思うのが人間の自然な感情でしょう。
ちょうど終戦時に中学3年生だった人達の中に小松左京、小説『日本沈没』の作者、深作欣二、映画『バトルロワイヤル』の監督がいます。
彼らはひどい目に遭っているのです。勤労動員、空襲、飢餓、本土決戦があれば「爆弾特攻せよ…」といわれています。
「二十歳過ぎまで生きられるわけがない」と言う世界で生きてきたのです。この人達が戦後こだわり続けるのが本土決戦です。あるいは本土決戦をしなかったことです。「命拾いしたからいいじゃないか」という意見もあるかもしれません。しかし人間は物語を持っていなければ生きていけないのでそこまで単純に割り切れません。
自分がここで一回死ぬと決めたのです。その後で自分で止めたと決めたならともかく、上から「あっ、それ無くなったから、後はよろしく~」で済まされました。
それで「あ~助かった…」と納得できるほど人間は単純じゃありません。卑しく割り切ることなどできないのです。
人間はどこかもっと気高いものがあり、「一度死ぬと決めたのに突然生きろと言われても困るよ…」。
実際特攻隊で出撃して、天候など周辺の理由で帰ってきた人はしばらく物が食べられないそうです。身体は死ぬ気になっているのです。
死ぬ気になったら身体は食べる必要がありません。また食べる気にはならないのです。人間は身体ですら物語を要求するのでしょう。
物語がつじつまが合わない内に終わらせられました。非常に精神衛生上良くないことです。そうするといつかもう一度やりたくなる物なのです。
一方、本土決戦は日本の滅亡でもあります。戦後高校の歴史では「間違った戦争をやってしまってこてんぱんに負けた。間違ったから仕方ないことです。我々が悪かったのだからしょうがねいのです。その後良くなりました…」、これが教科書的な見方です。しかしそう簡単には割り切れません。物語は最後まで終わってないのです。
やってないことを我々は押さえつけてしまいました。抑えつけた感情は必ずいつか甦ります。我々は本土決戦をやりたいのです。たとえ自滅の結果があろうともです。
願望を抱えたまま新しい戦後を始めてしまったのではないでしょうか。

☆お知らせ
カレンダー通りのお休み(日曜祝日)です。臨時の休診はここで随時お知らせします。
営業日の午後12時~午後4時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
当院の金額はすべて、内税表示です。

7月の予定:



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