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保守はゴジラの夢を見るかⅢⅩⅢ

2014年07月08日 | 歴史
 確かに魂のレベルでは東洋西洋に普遍的な物もあり得るでしょう。優劣など無いはずです。しかし、この時産業革命によって東洋西洋に如実に序列がついていました。
西洋のテクノロジーを持っていなければ植民地になってしまうのです。生き残るためには西洋テクノロジーを学ばなければどうにもなりません。
「向こうのが上」というはっきりとした意識があります。そこで洋魂洋才を目指すのは大変なことでありましょう。魂を入れ替えるのはたいへんなことです。
それを「しない!」と宣言したのは理解できます。代わりに文明を学ぶというレベルに落とすだけでなく、日本人の魂を押さえつけなければならない事態に直面します。
和魂洋才は言葉では簡単ですが、魂と才が簡単に切り離せるわけがないのです。
西洋の技を学ぶ上で日本的魂は邪魔となってしまうため、ある程度押さえつけなければいけないのです。魂を抑圧したのです。
これが明治以降の近代化の正体ではないでしょうか。この時ドイツから来たベルツが東大医学部で教鞭を執っています。ベルツ水(皮膚荒れ止め化粧水)の人です。
東大の関係者が彼に「日本にはこれまで歴史はありませんでした。これから始まるのです」とベルツを持ち上げます。
ベルツは「自分の国の歴史にそんなに誇りを持てない民族は悲惨ではないか」と感想を述べています。
しかし当時の日本人は「そうでも思わなければやっていけなかったのではないか」と認めてあげたい気もするのです。
近代西洋は世界普遍の物であり、その気になれば誰でも学べるテクノロジーに過ぎないマクドナルドです。
そう割り切ろうとしますが、当時の状況はそれを許さない状況がありました。
その西洋自体が帝国主義の真っ最中で、自分たち以外の国は自分たちの植民地になるために存在しているのです。アフリカは西洋同士で分け合っていました。
インドは英国の植民地で、アジアもすべて植民地になりかねない状況です。それに対抗する形で日本の近代化が始まります。

 しかし日本の近代化は非常にグローバリズム的で「国境や国籍にこだわる必要もなく、西洋テクノロジーに学べば誰もが勝ち組」
そういう理念の元に展開されていきます。ここには明らかな矛盾があります。どこかつじつまが合っていないのです。
その結果、戦前の日本は2つに分裂が起きてしまいます。グローバリズム派、「欧米化をどんどん進めていってその一員になれば勝ち組だ」
アジア主義派、「日本はアジアの一員、白人と同じにはなれない。西洋に対抗すべく国力付けよ」
昭和に入ると大日本帝国の覇権を確立しようという話になっていきます。戦前の日本は矛盾している方向性を抱えるに至るのです。
つじつまの合わない物語の元、日本の近代化が進んでいきます。
しかもやっかいなのはアジア主義には文明開化の時に押さえつけられた日本人のアイデンティティーあるいは民族主義の復活をもくろんでいるという側面もあります。
心理学的に抑圧された感情はそのままでいることはまずありません。何かの機に爆発します。
映画のゴジラや怪獣は我々の中の抑圧された破壊願望や暴力的衝動のシンボルです。それが暴れるのは抑圧が安全な形で復活したのです。
日本は2千年以上続いた国が明治以降いきなりそれまでのアイデンティティー全てを抑圧して保つわけがありません。
それがアジア主義という形で出現したことも否定できないでしょう。
さらに複雑なのはこういったアイデンティティーやナショナリズムを表に出せるようになったことも、実は欧米に学んだ結果なのだということです。
グローバリズムを突き詰めたからなのです。日本は江戸時代鎖国していました。その頃のアジアの中心は中国です。
それから50年経つと日本が中心のような顔をして中国に”21箇条要求”を押しつける所までいってしまうのです。
これは明らかに欧米化近代化をやらなければできなことです。戦前の日本は根本的矛盾が解決しきれないまま、さらに近代化が進んでしまったのです。

☆お知らせ
カレンダー通りのお休み(日曜祝日)です。臨時の休診はここで随時お知らせします。
営業日の午後12時~午後4時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
当院の金額はすべて、内税表示です。

7月の予定:7月12日(土)学会出席のため獣医師全日不在です。スタッフは通常勤務。サービス内容はお問い合わせを。



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