ウルトラマンレオ、これは本来のウルトラマンでは無い異色の作品です。三木内閣、石油ショック、昭和49年です。
ツルク星人という通り魔が登場します。レオに変身する主人公の下宿先に父子家庭の男の子と女の子がいます。大変仲の良い3人親子でした。
ある日突然通り魔宇宙人にお父さんが八つ裂きにされます。現場を目の当たりにした男の子に強烈すぎるトラウマを植え付けます。
その後、男の子に彼女ができるのですが、しかしその彼女が怪獣だった。情け容赦なくレオがその怪獣をやっつけます。男の子の精神状態が気になるところです。
レオの敵はほとんど目的が無い通り魔が多いのです。
また、レオは毎回負けます。ウルトラセブンがマグマ星人とギラス兄弟という双子怪獣にボコボコに負けてしまい、一話で変身できなくなりました。
「レオ君が代わりに守ってくれ」、レオを特訓で鍛えてやっつけます。
タロウまでの6兄弟は義兄弟で、ウルトラの星出身です。レオはL77星の出身です。双子の王子でした。
ある日突然マグマ星人に侵略されて星が爆破されて地球に亡命してきました。レオは実は難民なのです。亡命先の地球で恋人と幸せに暮らしていました。
そこにマグマ星人がやってきたので復讐心が目覚めます。しかし、「今は復讐では無くて、大事な人のために戦うのだ」と改心します。
マグマ星人は31話から登場しますが、ただのストーカーになっていました。ローランという鶴の怪獣に対するストーカーでした。
制作当時は田中内閣が弾けて石油ショックまっただ中でした。怪獣の着ぐるみが作りにくくなり、
人間ドラマを中心に、怪獣も着ぐるみを極力廃したてるてる坊主とか、空飛ぶ円盤自体を敵キャラにしたり、舞台セット、着ぐるみの質が低下します。
40話以降の円盤生物は役者使わなくて済むのも魅力だったのでしょう。動物に情けをかけた子供が裏切られたり、隊員は毎回のように殺されていく。
そして新隊員が補充されていきます。
第10話はウルトラマンレオは恋人の浮気を疑って逆上し、その間に仲間の隊員が殺されてしまいます。しかし浮気は全くの事実無根でした。
彼女は天涯孤独の戦災孤児で、浮気を疑われた相手は唯一の同郷の幼なじみでした。「なんてこった」。何の救いもない話です。「それでも君強く生きろ」だそうです。
レオはブルースリーブームの影響を受けて格闘シーンが多いのも特徴です。延々5分ほど空手道場で少年に化けた怪獣と戦います。
38と39話はレオとウルトラ兄弟が本気で殺し合いをする話です。
ババルス星人がレオの弟のアストラに化けてウルトラの星の重要な動力源のウルトラキーを盗んでしまいます。
その結果ウルトラの星の軌道がずれて地球に向かって直進しだします。300万光年離れた所からです。神話なので科学的現実的な突っ込みはナンセンスです。
レオは弟を守るためにウルトラ兄弟と殺し合いを展開します。ウルトラ兄弟合体光線で重傷を負います。
恋人は「私は地球が滅んでもオオトリさん（レオの本名）の側にいる」。
レオはアストラを助け出して、「アストラこんな所に閉じ込められていたのか」、ババルス星人の陰謀を打ち砕いて、ウルトラの星はぶつからずによかったね。
地球人の中にはウルトラの星を爆破しようとするヤツもいてセブンが悩んでしまいます。「あれはウルトラの星なんだがそれは言えない」。
その後レオとアストラはウルトラ兄弟に入れてもらいます。翌週レオの恋人は空襲で死ぬことになります。とおる少年の妹のかおるちゃんも死にます。
後輩のムラタ君も死にます。マック全滅です。シリーズ後半の話はレオと関係の無い話が多くなってきます。展開が分かりません。
しかも子供番組でやる必要があるのかという悲惨な展開です。
また、最後の2話がすごいのです。蟹江敬三演じる星人ブニョに下宿先のおばちゃんが人質に取られ、
その娘が「レオがいるから地球が攻められる」と発言したことからレオが動揺し、レオは敵に捕まって生きたままのこぎりでばらばらにされてしまいます。
ここは憲法9条の浸透によって負けた戦後日本の投影となっています。
最後は下宿屋の娘の奈良藤子という美人女優が「憲法9条思想万歳」と言いだして、怪獣に負けるのではなく憲法9条に負けます。
そこで下宿屋の子供に小学生杉田かおるが登場します。
敵の黒幕ブラック指令に杉田かおる、とおる君、その他の子供達が立ち向かって命の源の水晶玉を奪ってしまいます。ブラック指令は泡になって死んでしまいます。
子供達が自分で未来を切り開いて敵を倒した。そしてレオは地球を去って行きます。自主防衛達成によって終わるのです。
主人公の身体的能力では後のシリーズの方が強いはずですが、実際はセブンの方が強いのです。
キリヤマ隊長がなぜ強いのでしょうか。それは強靱な精神力です。「疑わしきは滅ぼせ。理由は後から考えろ」。おそらくイギリス海軍出身なのでしょう。
そこから住民運動に対処が必要になり、間接侵略が入ってきます。国民の防衛意識が弱くなってきます。
セブンにおいても過労死する中でキリヤマ隊長が「地球は我々人類が自らの手で守り抜かねばならないんだ」と発言します。
地球人に乗り移る他のシリーズと違ってレオは主人公とレオが完全に同一人物です。しかも難民。時代はベトナム戦争終わりかけの時です。
親日的な国、台湾ベトナム満州の人が日本を助けようと声をかけますがますが、でも憲法9条で追い出されます。
日本人じゃない人の方が日本人らしく、地球人である日本人が日本人らしさを失っていくというお話なのです。
ところが5年後「ウルトラマン８０」の一話で、宇宙人も来ない怪獣も攻めてこない中で隊員はテレビゲームに興じています。平和ぼけしている状態です。
中曽根内閣の防衛意識です。「不沈空母」かっこいいこと言ってればいい時代です。実際スペースマミーというあまり使われない宇宙空母を持つことになります。
主人公は中学校教師、ストーリーは金八先生のような、熱血教育路線でした。結局憲法9条、戦後民主主義に次第に負けていくウルトラマンというお話でした。
ウルトラマンは在日米軍の投影では決してありません。アメリカは無私の心はけっしてないからです。
アメリカは自国の国益にのみ沿って、スーパーマンはアメリカ市民として戦います。国益はアメリカ市民としての権利義務です。
一方ウルトラマンは地球のため宇宙のためというように国境を軽く飛び越えてしまう存在です。
帝国陸海軍は祖国に帰りたいのに目の前にいるインドネシアビルマインドのために平気で戦って死んでしまいます。
「日本は日本人の手で自らを守らなければならない」、これがウルトラシリーズの一貫したメッセージであるのです。
了
ビデオお薦めストーリー
ウルトラマン２３，３１、３９
セブン１７，２６，３９，４０，４２，４８，４９
帰ってきたウルトラマン３，６，１８，３３、３７，３８，５１
ウルトラマンA ７，８，２３，２６，２７，２８、５２
ウルトラマンタロウ３９，５３
ウルトラマンレオ３，４，６，１０，１５，３８，３９，４０，４８，４９，５０，５１
☆お知らせ
営業日の午後12時～午後４時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
フィラリアの予防を開始しましょう。
お休みの日のホテル受付は午前9時または午後7時の二回とさせていただきます。
年末31日（月）まで通常営業
～新年1月の予定～
1月1日（火）全日お休み
2日（水）全日お休み
3日（木）午前通常営業、午後お休み
4日（金）以降、通常営業
アクセス
トータル
ランキング
