「日本教講義」Ⅵ

　キリスト教と明治天皇制は似ているところがあります。神であるそして人間でもある天皇がいて、彼が国全体を生まれ変わらせたからです。
キリスト教の最もすごいところは「予定説」と「ファンダメンタリズム（原理主義）」です。
日本にも明治維新によって「ファンダメンタリズム」が登場したのです。吉田松陰などが「日本の神話をそのまま教育で教えろ」と言い出しました。
「ファンダメンタリズム」とは、大事な書があって、それにとても価値があり、そこに全てが書かれており、それを行動や思考の基準にしようということです。
それが明治で登場したのです。日本の神話は徳川時代には作り物だと馬鹿にされていたのに、明治には初等教育の教科書に載ったのです。
これは日本教がファンダメンタリズムに徹したと見るべきでありましょう。実際に終戦までこうした教育を行いました。
神話を教えていますが、これは大変近代的な動きだと見るべきです。その結果、日本が国家として誕生できたからです。
普通近代国家は宗教と切り離すことによって誕生します。ところが日本は宗教に徹することによってそれを行ったのです。
国家神道がキリスト教の代用品になったのです。宗教的様相を帯びたことによって近代国家になれたのです。
敗戦により国家は強制的に宗教的ではいけないとされました。それによって日本人は近代化のバネを一つ失うことになってしまいました。
そして経済以外の価値観が混迷を極める世の中になってしまいます。
一般的に、各個人が世俗の経済と生活とは違った己の信仰を持って生活することによって、生き生きとした宗教が育ってくるはずです。
しかし実際には日本であるのは宗教に対する無関心が主流で信仰を持とうという人は少数です。
こうなると西欧のような宗教と国家が分離した形にはなかなかならないでしょう。
日本教という物が曖昧な形で生き残ったまま、経済だけはがんばっている日本社会になってしまいます。
その経済も上手くいかなくなったとしたら本当に元気の無い社会になってしまいます。
そんな日本に何か処方箋があるとしたら既存の宗教を徹底的に人々に理解させることです。
特にキリスト教をもっともっと勉強しなければなりません。ユダヤ教やイスラム教は日本では遠すぎます。
今の日本人はキリスト教のことを知らなさすぎです。
了

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中年のワンちゃん、後ろ足を良く舐めます

化膿した傷跡が気になって良く舐めます。念のためFNA検査をしました。単なる炎症とのことです。安心しました。

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「日本教講義」Ⅴ

　キリスト教は日本に2回入ってきています。1回目はキリシタンの時で、これはキリシタン弾圧があってその経緯は割と知られています。
しかし、2回目の明治時代になってキリスト教が入ってきた後、信者の数は増えていませんがその影響は直接的間接的に大きく及んできました。
キリスト教は日本に大きな影響を与えたのです。まず1回目に禁止したのがその証拠です。
イスラム教は大きな力があったにもかかわらず入ってこなかったし影響も与えなかったので禁止もされませんでした。禁止されたのはキリスト教だけです。
なぜ禁止されたのでしょうか。それほど日本で強力な力を持ち始めたからなのです。
日本社会を根底から覆す可能性を感じるほどだったため、徳川幕府は必死になって禁止したのです。
一方、その時入ってきたキリスト教徒は本当にキリスト教を理解していたのかとなると疑問です。
それは日本でキリスト教か否かを識別するのは踏み絵などを利用しました。本当のクリスチャンならば踏み絵なんぞは蹴っ飛ばしていたはずです。
そんな物は偶像に過ぎません。心の中にあるキリストが大事であるはずです。
それができないのならば真の意味でのキリスト教の理解が無かったか、彼らは日本教キリスト派だったのかも知れません。

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岡崎公園のサクラ。ちょっと早かったです。

お城付近は本当にきれいですね。



五平餅とみたらし団子を頂きました。八丁味噌の味がとってもマッチしており、たぶん日本一！。

岡崎公園は日本で最も古い公園の一つです。明治新政府の公園法に伴って指名されています。残念ながらお城をその時に一度壊してしまいました。

観光アトラクションの三河武将隊。とても完成度の高いチームです。”追っかけ”もいるようです。是非皆さん一度見に行って下さい。



紅一点のお姫様。スタイルも良いしアクションも一流。ファンも多いようです。

康生町市街地、ショッピングビルの再開発中。小学校時代の思い出深い施設です。


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「日本教講義」Ⅳ

　山本七平は”空気”の重要さを強調しました。”空気”の支配が日本教の特徴の一つであると指摘したのです。”空気”とは人々が漠然と思う事です。
どんな宗教にもドグマがあります。ドグマとは教理教義のことです。それはとてもはっきりした断定で語られる物です。ところが日本教にはそれが見当たりません。
人々が何と無しに良いと思えば良いことになっていきます。そんないい加減な物が自然に生まれ、逆に人々を拘束するようになるのです。
儒教では偉い政治家がいて民衆に命令します。キリスト教では神がいて、聖職者を介して民衆に命令します。だから”絶対”なのです。
日本人は”絶対”を信じられません。自分たちしかいないのです。その時自分で自分を拘束する物が自然に生まれてしまいます。
しかもそれが生まれるプロセスを上手く説明できないことが多いのです。言葉にならないし、合理的でも無いので時に困ることもあります。
結果が良いとは限りません。例えば第2次大戦の日独伊三国同盟がありました。初めは民衆はみんな反対していましたがいつの間にか賛成になります。
すると枢密院でさえも賛成するようになるのです。「事ここに至れば賛成せざるを得ず」と訳の分からないことを言いだすのです。
これは日本全体の空気が反対だったのにいつの間にか賛成になったからです。
枢密院議員のように経験も豊富で理性が巧みな人達でさえでさえも反対できなくなってしまいます。衆議院なんかだったらあっという間に空気に支配されるでしょう。
山本七平の「空気の研究」にはそういった例がたくさん記載されており、警鐘を鳴らしています。
一般的に民主主義、合理的近代社会というのは個人個人が良く考えて自分の意見を持って、例え反対があろうと主張していくプロセスがあります。
こういうことが出発点になるはずです。こういうことはできないししてはいけないというのが”空気”という考え方です。
日本における「会議」において、大勢でする会議でもなかなか意見が出てきません、どうも概ねの結論は決まっているようです。
会議ではない、別の場所で前もって行われる小さな会議で重要なことは話し合われています。
ところがその小さな会議でも結論は決まっていて、結局誰がいつ決めたか分からない結論が最初から本決まりになっています。
これが”空気”という物だと思われますが、これでは討論ができなくなるのが一番困る点なのです。日本人は昔からこんな事ばかりやってきたのでしょうか。
本質的にそうだったのでしょう。頼朝の時代、信長の時代でも何となくそれらしい結論に持って行きますが、最後に「俺が決める」とは言いません。
秀吉が重んじられたのも信長の意思をくんで「こういう案もあるのですが…」「ではそれにしよう」というやりとりが上手かったのです。
「私がこのように決める」とは絶対に言いたくないのです。
それとは正反対なのが近代西洋的発想です。大航海時代の航海者、マゼランは艦隊司令官になりましたが、その下に有力な艦長は多くいました。
しかし、人々を集めて「わしが絶対にこう決める」と言えばそれが通ります。日本では頼朝や信長といえどもそれが通りません。
マゼランのような最終決定ができないのです。これは絶対の神、価値が自分たちとは独立に存在すると認めるか否かに関連があるのです。
神という物があって、全員がそれに従うと言うことに慣れていれば、神の代理人や神の意志を解釈する人、神の原則に忠実な人等の偉い人が出てきた場合、
民衆は従わなければならないと考えます。
日本の様に、絶対の神や価値があるとは誰も思っていない場合は偉そうな人間が出てくると「同じ人間のくせに」と思ってしまい、従おうとしません。
そこでお膳立てが必要となるのです。全ての意思決定はそのお膳立ての結果になってしまいます。これを”空気”と呼びます。
これが日本教とヨーロッパの宗教との違いです。日本ではヨーロッパの一神教の方がおかしな宗教なのです。


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お年寄りシーズのしっぽに大きなできもの

しっぽの大きなこぶを高周波メスで取りました。
皮膚に余裕が無いので開放創としました。
おとなしい子ですから程なく良好。
病理検査でも心配なしとのこと。
よかったね。

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「日本教講義」Ⅲ

　宗教というと行動規範がそれに縛られる特徴がありますが、日本教ではどうでしょうか。
”行動を作り得ない”ところが日本教の特徴なのです。
イスラム教や儒教では「この時にはこう行動しなさい」と決められていて、それがこの宗教たらしめる大きな特徴となっています。日本教ではそれが一切存在しません。
一切無いのでは何にもなり得ないのです。我々が「無宗教です」と言ってはばからないのは日本教を信じていることなのです。
よって最も宗教らしいイスラム教は全く日本に入ってきていません。
航海技術として世界最高水準を持っていた時代が長かったイスラム教が日本に入ってきた形跡がありません。イスラム教は行動パターンが大変厳密に決まっています。
西行法師「何事のおわしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」
このような宗教家はイスラム教では絶対にあり得ません。日本教はイスラム教とは正反対の特徴を持っています。日本人は何を信じているのでしょうか。
自分よりも大事な物が在り自分には価値が無いと思うという考え方が大嫌いで、いろんな物があるけど自分に役に立てばいいや。
偉そうな人にああだこうだ言われて自分にそれを当てはめるのは嫌だ、何でもありな状態がいいや、と頑なに信じています。
いや信じていないけれど結論として信じていると同じ事になっています。また中国と違って日本では宗教家が政治には出て行きません。
しっかりとした宗教哲学を持っていても政治に行かないのはこういった空気を感じ取ったからでありましょう。
　ヨーロッパの社会では苦労に苦労を重ねて宗教と政治を分離して宗教を近代化し社会を近代化した後、
やっとのお思いで人間が勤勉に合理的に行動できるようになりました。
ところが「日本ではそういった苦労のプロセスを踏まないで何故か最初からよく働く」とマックスウェーバーはいいます。
この理由を山本七平は「日本教」という発想で解釈しました。日本の神話を見ると神話の時代から主神自ら勤勉に働いています。
天照大神はスサノオの尊が乱暴したときに繭を育てていました。そういう習慣があったのです。
ゼウスが勤勉に働いたという記述は一切ありません。ゼウスが怒ったときは相手に「額に汗を流して働け」という罰を与えています。
ギリシャ神話では神は働かないし労働は懲罰だったのです。日本では働かない人間の方が偉いのだという発想が初めからありませんでした。
こういう発想は世界史的に見れば大変珍しいのです。仏教が来る前からそういう出発点があったのです。
日本では窓際族のいたたまれなさが話題になりますが、ヨーロッパではそういう処遇は喜ばれてしまいます。
日本では定年の悲哀がありますが、ヨーロッパでは定年は大喜びなできごとです。
プロテスタントは「勤勉に価値がある」といっていますが、普通の人はなかなかそうは思えません。やりたいことと働くことは違っているからです。
だから定年になると大喜びです。日本人は働くことが大好きなので働きたいと考えます。これは宗教的価値観に近いのです。
むしろ仕事好きは宗教そのものであるといってもいいでしょう。日本人は資本主義の精神の一端をすでに持っていたのです。
日本民族は資本主義国家として成功することを運命付けられていたと言えましょう。
山本七平は「仏教、神学、儒教の中に勤勉を育てる考え方があって、それが日本人を勤勉にしたのではないか」と言っています。
しかし、例えば儒教には勤勉を宗教的に尊ぶという発想はありません。
「勤勉は下層民にやらせることであって、王がやることではない」「政治家が命令すれば民衆が勤勉になる」とされています。
日本人は政治家に命令されたわけではないのに文化として勤勉という物が深く組み入れられているのです。

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柴犬ちゃんの脇腹から・・・Ⅱ

外科手術後、一端良くなったように見えます。抗生剤が効いたようです。
まだ微熱とCRPの高値が続きます。
強烈なアトピー持ちなので、下腹部が赤黒くなっています。
ステロイドを少々ご使用いただきます。

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「日本教講義」Ⅱ

　本質が抜けていく中で新たに付け加わることはあるのでしょうか？。その残った今にある日本教の中身は何なのでしょうか？。
歴史上、日本に入ると役人が宗教を作りなおすのです。しかもかつありうべからざる作り方をするのです。役人とは行政など、現実の問題を処理する人達です。
つまり、現実問題の都合が優先されて宗教論理は二の次三の次になっていきます。しかも日本人はそれで良いと思っています。
しかし、それが本来の意味での宗教と言えるのでしょうか。儒教は中国では立派な宗教ですが、日本に来ると単なる道徳規範となってしまいました。
　仏教ならば本来最も大切な物はこの世の真理を知る「悟り」です。儒教ならば政治制度とか、それを通じて民衆の幸せを実現することです。
大事な事柄に順番があるはずです。これが日本に入ってくると順位が下がってしまいます。日本ではもっと大事な物があるというのです。
役人は大事な物とは何と考えているのでしょうか。それは「日本民衆の好み」が最も大事だと考えているのです。それは人間そのものに対する好みです。
「日本人が日本という島に暮らしていると言うことこそが大事」であるということなのです。
キリスト教では人間より神の方が遙かに大事であると考えます。
本来のクリスチャンが日本教を見れば奇妙奇天烈であって、日本では人間の都合の方が神様より大事であると考える変な人種であると見えます。
日本には神ではなくてそのかわり日本人同志が一番大事であるというのです。しかし実際日本では神様がたくさんいて、仏様も拝まれています。
例えば一神教では神は人間よりも先に存在し、神が常に存在しています。人間など神の創造物の一つに過ぎません。神の次に人間が存在するのです。
日本では人間同士の都合が最優先でその”補強として神が存在する”ことが大事というのが日本教の特徴なのです。
よって神が人間に命令したり指図することは好ましくありません。逆に人間が神に命令できればいいことだと考えます。神も仏も同様です。
日本では神と仏を並べて考えますが、本来の仏教ではあり得ないことです。仏教では神はまだ悟りに至っていなくて、仏様の方が位が高いのです。
日本人にはこれが同じに見えます。日本人は神様のようなものを何となく信じていますが本質的には人間が大事だという考えに帰着してしまいます。
でも人間には様々な欲望や欠点や間違いが含まれるので、あるがままの人間を最高位に置くというのが正しいとは考えにくいはずです。
上に立った者の足を引っ張ったりする者も現れます。それゆえ宗教が人間で無い神を頂点に置く意味もあるのでしょう。
日本人の場合だけ、どうして神や仏を大事と思わないで人間がやっぱり大事と考えてしまうのでしょうか。
神や仏は行き着く果ては人間のために存在するはずで、本来の神様はそうではないと言うことがどうしても日本人には理解できません。
外来宗教、仏教、キリスト教の以前から日本人はそう考えてきたし、そのようにしか考えられないということなのです。
しかし、そう考え続けることは大変なことで、人間第一ですが、表面的には神仏を尊重する努力をします。
日本人は仏教国、キリスト教国を見て宗教をどう信じるかを見て学びます。しかし日本人自身の中身はそれらの人とは違うのです。

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「日本教講義」

日本教とは何か。　　　小室直樹氏の講演より
　歴史上、日本に入ってきた宗教は様々な物がありますが、どれもこれも実質的に日本教に変化してしまいます。
例えば仏教です。仏教は本来、戒律がとても厳格な宗教の代表のはずです。ところが日本に入ってくるとこの戒律が全て抜き去られていきます。
そもそも日本の仏教の総本山である比叡山延暦寺の開祖である最澄は戒律を全廃してしまった人です。
それ以来、日本の仏教から少しずつ少しずつ戒律が抜けて行ってしまいました。ついに日本の仏教は本来在りうべからざる「戒律無き仏教」になってしまいました。
儒教はどうでしょうか。これは仏教以上に日本教化します。儒教は中国では一つの宗教であって、儒教式葬式というのがあります。
日本ではそんな葬式は全くありません。戒律も一つ抜け二つ抜け、ほとんど戒律が無くなってしまいました。

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三木武夫に学ぶ政治の定石ⅢⅩ

　現代政治を読む原点
　2012年8月現在、政治不信と言うことが頂点に達していると思われます。
新聞には「今の政治家は政局しか見ていないから困る」と書かれていますが、正確には違います。
彼らは「政局が見えていないから困る」のです。政策も政局も見えていません。引きこもり草食系政治家があまりに多いのです。
三木武夫を褒めなければいけない時点で日本政治は終わっているのです。最近では安住淳、輿石東を褒めなければいけないという恐ろしい状況になっています。
目の前で起きていることだけではなく、できるだけ長い視野で歴史から見ていこうと、三木武夫から始めたわけです。あまりにも今に至る問題が多すぎました。
三木武夫を本気で学んだのが小泉純一郎です。その後に小泉チルドレン、小沢ガールズがいて、今度は橋下ブームと連なっていきます。
これらの原点が昭和51年の三木内閣の選挙なのです。
　現代の谷垣さんが民主党より罪深いと考えられるわけは、当時自民党がダメなのに以後30年間も延命できたのは社会党がもっとダメだったからです。
民主制を行うには野党第一党が与党よりも重要なのです。与党が最も重要だというならファシズムを行えば良いだけです。
自民党は選挙をやっていますが、ベトナム共産党もうらやましがるほどの独裁政治と外国からは見られていました。
それまでの選挙は”地盤カバン看板”と言われていた物が、風によって大きく左右される物に変わって行きました。
風を見てどの党の公認で出れば良いのかそれを見極められる候補者。”風、公認、候補者”が選挙で勝てる三要素となって行きました。
その後の選挙は全て風で決まっています。
　小泉さんが”三木降ろし”と三木内閣から学んだ事は５つあります。
１．負けても一歩も引かない。
２．妥協するときは一瞬でする。
３．肝心なときは絶対決断しなければいけない。
４．メディアを味方に付ける、ただし力強さを演出する。
５．総理大臣として反対派を潰しに行くときは全選挙区に自派の候補者を立てる。（中選挙区ではこれができない）小泉さんは小選挙区制を相当利用しました。
中選挙区制は落としたい人を落とせないという最悪の制度です。死票の多い比例代表制ともいえましょう。

　小泉さんは昭和47年初当選、44年では二世でありながら落選して小沢さんの１期後輩になってしまいました。
44年の直前にいきなりイギリスから帰ってきてヒッピーか浮浪者のような酷い外観でした。
スマートな信次郎君を見た後援者は「お父さんの時とは見違えるようだ…」と呟いたそうです。そんな純一郎さんでも人間改造できるのです。
小泉さんが三木内閣2年と短命で終わってしまったことから学んだ５つのことがあります。
１．親米反中政策を取る。親米以上に反中であることが重要です。小泉さんは敵を作ることが上手なのです。
２．総裁選挙と総選挙で勝って世論の支持を得る。三木さんは椎名裁定という談合によって成立しましたが、そうではなくて選挙で敵を引きずり出して叩きのめすのです。
３．参議を抑えなければいけない。参議が非常に重要で、三木さんは参議議長河野謙三と仲がよかったおかげで危機を何度も乗り切っています。
４．大蔵省を味方に付ける。これは三木さんが全くできなかったことです。小泉さんは大蔵族議員筆頭でした。
５．最大派閥を分断する。これも三木さんはできなかったことです。野中橋本さんを叩きのめすために参議の青木さんを味方にしました。
青木さんを味方にすれば参議のほとんどを味方にすることができ、最大派閥を分断し、そのままそれが総裁選での自分の支持票となりました。
あれだけ改革改革と言っていた小泉さんが青木さんには一切逆らっていません。
小泉さんは”アメリカ”と”財務省”と”参議”、ついでに”国民世論”を味方に付けておけば安泰でした。小泉さんは負けるはずのない戦いとすることができました。
自分は少数派のように見せかけ実は多数派を握っている演出だったのです。橋下さんも全く同じ事をやっています。
今の政治家は歴史を知らなすぎます。政治のプロであるはずが素人過ぎます。歴史から学ぶことは大変多いのです。
最新の情報はネットに載っていることが多く、それを調べることは重要です。しかし、歴史はネットに載っていないことが多くあります。
基本は図書館に行って本を読むことです。絶対間違いの無い事実に基づいてを自分で年表を作ります。
年表は覚えるものではなく自分で作ることが本当の歴史を学ぶことです。
そういう作業を地道に積み重ねることによって人に騙されないインテリジェンスが身に付きます。
2012年8月現在、自民党当選1回の衆議4人、2回10人。たった14人しか若い人がいません。民主党も若い140人が次ぎ何人通るか分かりません。
彼らに必要な基本は本を読むことです。
了

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三木武夫に学ぶ政治の定石ⅡⅩⅨ

こうして三木内閣の改造人事が大変重要となってきます。
4人の注目人事がありました。
松野頼三。
外務大臣小坂善太郎、大平派を飛び出た、前任の宮沢喜一がMig25亡命事件であまりに無能な対応だったため、池田内閣の外務大臣を連れてきた人事です。
小坂さんは、すでに大統領選挙で就任が決まっていたカーターさんの「朴正煕軍事政権を見捨てる」と言う発言に対して、
三木さんと一緒に「そんなことするな」とかばった人物です。
福田篤泰、池田内閣防衛庁長官、外務官僚出身だが党人派派閥を渡り歩いた人物です。
早川崇、福田さんの三木降ろしに納得できず松野さんとともに福田派を飛び出して入閣しました。
これらの人達はたった3ヶ月の三木改造内閣に入閣したため、以降何の役職にも就けなくなります。
松野さん、早川さん、小坂さんに至っては派閥を飛び出してまで殉じた方々です。当にこの人達こそが保守本流です。
もう一人三木降ろしに批判的だった人物がいます。挙党協反主流派で、池田内閣・佐藤内閣の防衛庁長官だった小泉純也の息子、当選1回目の小泉純一郎です。
「この三木降ろしのやり方はあまりにおかしい」。
ただ、その後、この時の三木さんのやり方を学んだはずの小泉さんは肝心なときに決断できません。
中選挙区制なので結局三木派候補を立てられなくて党も分裂しません。三木派と反三木派が同じ党にいるため誰に投票して良いのか分かりません。
そこで新自由クラブ、河野洋平大躍進という結果に繋がります。当に郵政選挙の原点がここにあります。
真の保守本流、”日米安保を堅持して日本の安全保障を守った上で経済成長を達成する。その基盤が自民党である”と言う考え方の人達が三木内閣に殉じているのです。
だから”リベラル内閣”と言ってしまったら何も見えなくなってしまいます。
本来”保守本流”であるべき福田さんが田中大平の”親中派路線”に乗ってしまいました。福田さんは対外政策でも保守本流です。日米安保をやった系統出身です。
大蔵省としても”保守本流”が田中大平人脈に浸食されてしまったと言う認識です。自民党政治そのものが崩壊してしまったのです。
この原点が昭和51年9月15日、その存在は大変大きいのです。真の意味での”保守本流”、親米派が親中派に以後30年間負け続けるのです。
「小泉内閣がアメポチだ、アメリカの手先だ」と言われましたが親中派ではありませんでした。果たしてどっちがましでしょうか。
日本は日本の道を行くと言えれば良いのでしょうが、二者択一だったら親米しかないでしょう。
任期満了選挙によって福田内閣、実質親中派政権が以後三〇年間続く端緒となりました。今では福田赳夫の息子康夫さんはしっかり親中派政治家として存在しています。
実際に行った事を見れば、赳夫さんの方が康夫さんより遙かに親中です。
アメリカが平和条約を結ぶことをためらっていたのを福田赳夫内閣で園田直外相の下、あっさりやってしまいました。

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三木武夫に学ぶ政治の定石ⅡⅩⅧ

　昭和51年9月15日、ちなみにこの日は三木さんのお子さんの結婚式でした。
内閣改造を延々やり取りしているため父親が出席できないと言う状況になってしまいます。
三木内閣の評価としてはともかく、三木さん本人は左ではなく、何も考えていない人です。三木武夫は自民党を壊した人物です。
たまたま野党の社会党が弱すぎたため、自民党はそのままだらだら続いたのです。
三木内閣は酷い内閣でしたがその後の福田内閣から森内閣までがさらにもっと酷いのです。三木内閣は外交において米中ソ等距離外交でした。
だから当時は「日米安保厳守の方針を変えた左だ」と言われますが、その後の内閣は森内閣まで全ての内閣が田中角栄、竹下登の希代の親中派の影響がありました。
福田赳夫や中曽根康弘本人がどんな思想であろうが全て親中派内閣でした。アメリカのご機嫌を損ねない程度に「中国と仲良くしましょう」。
本国に本気になられない程度に「島津の属国になりましょう」と言った琉球と同じです。福田赳夫は系譜としては本来親台派でした。
ところが福田さんは田中さん大平さんという超親中派の人達に乗って”三木降ろし”をやったため政権を乗っ取られてしまいました。
幹事長ポストを大平さんに与えたことによって党は大平さんに仕切られてしまいました。この際政治思想は全く関係ありません。
その結果、現職総理が党首選挙で負けたのは後にも先にも福田さんだけでなのです。
この時この状況に警鐘を鳴らしていたのが福田派の松野頼三、後の小泉純一郎の指南役です。福田さんの政局の軍師は2人います。
まずは松野さん、三木内閣の政調会長、グラマンダグラス事件で話題になったほどの親米派、総理総裁に対して忠誠心を持ってしまった人物です。
ちなみに「清和会系はアメリカと仲がよいので逮捕されない」という神話は嘘で、松野さんは逮捕され、岸さんもこの時名前が挙がっています。
次に園田直、超親中派。
松野さん「三木さんは所詮第4派閥。副総理福田赳夫、幹事長を取っておけば実質福田内閣ではないか。
　　　　　三木さんの頼みの綱である世論に見捨てられたら三木さんから禅定できる」
福田さんはこの時71才、佐藤栄作の禅定を待っているうちに田中三木に先を越され、何としてでも。
そこに園田直「福田さん、松野は裏切り者です。言うこと聞いちゃダメですよ」
福田さんは園田さんを仲介にして田中大平と手を組みます。
三木さんの”三木降ろし”のしのぎ方は政局です。特例公債法案「これを通さないと国家財政が破綻する！」。これは今と全く同じ構図です。
特例公債を通さないといけないので臨時国会を開きます。”三木降ろし”連合である挙党協は「解散しない」という約束を三木さんに迫ります。
「では特例公債だけ通しましょう」。そして通した後に解散するのでしょうか。
内閣改造の時、党を牛耳る幹事長が重要になります。三木さん自身が作った当時の慣例として「総裁と同じ派閥から幹事長を出さない」のために中曽根さんでした。
でも中曽根さんはロッキードで危うい状況です。ここで松野さんを幹事長に据えるかどうかが”三木降ろし”の最大の争点になります。
福田さんは田中大平と一緒になって”松野阻止”です。
三木さん「あなたの派閥から幹事長を出すのが何でダメなんだ」
福田さん「いや松野君では反対が多くて…」
福田大平はどさくさに紛れて閣僚名簿にまで手を出そうとしてきたところで、
三木さん「松野君は党に残す」
結局松野さんは政調会長から総務会長になります。

内田常雄、大平派、史上最低最弱の自民党幹事長と評価されている、が幹事長に据えられます。
内田さんは幹事長就任の感想として「道を歩いていたらマンホールに落ちたようなもんだ」と発言し、マンホール幹事長と呼ばれました。
櫻内義雄政調会長を加え、党3役はこの3人で行くことになります。
この時、松野幹事長が成立しなかったことは田中角栄の延命に繋がりました。
福田さんは「総理になれば田中を切り捨て、三木中曽根と組めば良い…」と甘く考えていました。
当時の田中派のある幹部は「この時、松野幹事長だったら自分は間違いなく落選し、田中派は壊滅していただろう」と述べています。
田中派の代議士は総じて選挙が強いのです。しかしこの時だけは小沢一郎、橋本龍太郎などみんな最下位当選です。
梶山静六に至っては田中さんを小菅刑務所にお迎えに行った写真を撮られて落選してしまいました。
よって20才年下の小沢さんが当選回数で先輩面することになり、後の怨念に繋がっていくことになります。
松野幹事長が実現しないことにより特例公債を粛々と通すしか無くなってしまったのです。

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また京都旅行

今度は家族旅行となりました。

三河安城駅です。

京都駅。相変わらずでかい。荘厳。

京都市内をバスで移動しました。この路線はお年寄りばかり。とても時間がかかる。町はとても自動車が混んでします。

金閣寺に向かいます。小学校の修学旅行以来です。

大文字焼き。まだ花冷えのする雨模様にもかかわらず結構な数の観光客。

みたらし団子は岡崎公園の方がおいしいな。

桜の名所、平野神社。まだサクラは咲いていません。

でもサクラの種類によっては満開の木も。


美しい。

またまた京都駅。電飾で彩られたでかくて長い階段があります。

上ってみました。

あいにくの雨模様。
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発明と工夫

電気ドリルで遠心分離器。
何に使うのかは…ひみつ。

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