年内は更新しないつもりだったのだが、縁ある人に、早く何らかの結果を出して欲しく、密教とサドゥの奥義を教えることにしました。
生きている間に二人仲人をしなさいと言い伝えられている。二組では無く、二人である。この言葉は宗教言葉であり、世間でいう結婚の中を取り持つ仲人の事では無い。神との縁結びの事を指した言葉なのである。つまり生きている間に縁結びを行うと大功徳が与えられると教えられているのである。一説によるとマントラを10年間唱え続けるより、一人の縁結びを行った方が数倍の功徳があると教えられている。
仲人はどのように行われるのか、これは前回書いたようにヒマラヤの奥に住む大グルの所に新人を連れて行く行為を指している。つまりお世話をしながら手を携えて連れて行くことを指しているのであり、この時行う行為を「お手引き」という。
新人の方は不安であろう。その不安を拭い去り、親身になってエスコートするのが仲人なのである。無事仲人が終わると二人の関係は兄弟弟子となる。であるから、早く入門した人を兄弟子と呼ぶのとは少し違い。一生涯縁の切れない兄弟弟子になるのである。
私は7~8年前ヒマラヤの麓のリシケシでラケシギリのテント小屋に居候していた。その小屋には、毎日のようにヒマラヤで修行したサドゥが遊びに来るのである。多くの情報は、そのサドゥ仲間から得たのであるが、ある日ラケシギリの兄弟子がヒマラヤから降りてくることになった。
ラケシギリは朝から緊張気味でベッドの用意から食事の支度と大忙しである。それに要したお金は、もちろん私の財布から出ていくのは道理である。この時、私もヒマラヤのサドゥになろうかと考えていた時期なのでラケシギリの言いなりであったが、ふと考えが過った(よぎった)のである。
ラケシギリの紹介で大グルに会い入門を許されたなら、ラケシギリの弟弟子になるゆえに、今までのように五分の付き合いは出来なくなる。一生おとうと弟子で頭が上がらない修行を行いながら援助しなければならなくなる。金銭的にも教え的にもしっかりした生活をしている兄弟子なら願ったり叶ったりなのだが、どうしても日常を見ていると不安が過る。
なら、ラケシギリの兄弟子に仲人して頂けば、ラケシギリとは生涯五分の関係になれるではないかと考えたのだが、その兄弟子にもピントくるものを得ることがなく、結局はサドゥの夢はあきらめたのである。一回縁結びが終わると一生の付き合いになるので、簡単には飛び込めなかったのであります。結局は縁がなく、その後違う縁に結ばれ今日があるのであります。今思えば決断に間違いは無かった事になります。
もし良い教えを誰にも教えず自分だけのものにしたら、それは自力行であり、パーソナルマントラも与えられる事もなく、必要もないであろう。が、もし成功を願うなら、グルパランパラの仕組みの一員になることが成功の秘訣であり、自分が学んで得たものを弟子に伝えることが出来る仕組みでもあるのである。
グルパランパラの仕組みとは、師から弟子へ、弟子からその弟子へと古の昔から未来まで途切れる事なく連綿と教えが伝わっていくシステムである。ゆえに一回結ばれたサークルの輪は、永遠に存在し、途切れることなく、ファミリーの輪のエネルギーで守られて行く。その輪をリヴァインサークル(女神の輪)と呼ぶのであります。
今日、日本で修行を行うにおいて、ヒマラヤの大グルに縁を結んで頂き、12年間ヒマラヤで修行することが可能でありましょうか? その気はあるが、本当に決断できる人は、よほどの変わり者かサドゥになる為に生まれてきた者しかいないであろう。
しかし、あきらめる必要はないのである。神は万全である。どこに生まれようが、いくらへんぴな場所に住もうが、神を求め真理を掴もうと努力する人を切り捨てることはしない。貴方が近くに住む人に、教えを請うことが出来るシステムが、パーソナルマントラを伝授できるシステムなのであります。
いわば神からのギフトであり、伝授される者もする者にも、神の恩寵が注ぎ込まれる儀式が始まろうとしているのであり、それは永遠に、解脱が完成しても途切れる事は無いのです。解脱した人はエネルギーを回す神仏になり、求める人のサポートをしなければならないのです。