カカ・マハジャニの友人は形のない神、ニルグンの崇拝者で、偶像崇拝には反対していた。好奇心から彼は、次の2つを条件にカカ・マハジャニとシルディを訪れた。(1)ババには頭を下げない、(2)ババには一銭たりともダクシナを払わない。カカはこれらの条件に同意して、二人は土曜の夜にムンバイを発ち、翌朝にシルディへ到着した。
彼らがマスジッドの階段に足をかけるや否や、少し離れた所から彼を見ていたババは優しい言葉で話しかけた。「おや、よく来たね」ババのこの言葉の調子は非常に妙な感じだった。それはカカの友人の父親の声のトーンに実によく似ていた。彼は離れて住んでいる父親のことを思い出し、全身がぞくぞくした。その声のトーンにはなんと魅惑的な力があったことだろう!驚いた友人は言った。「あれは間違いなく私の父親の声だ」そして彼はすぐに駆け上がると自らの決意も忘れて、ババの足元に頭を垂れたのだった。
それからババは朝に一度と、いとまごいを告げた際の正午に再び、二回に渡ってダクシナを要求した。だがババが要求したのはカカにだけで、友人には要求をしなかった。友人はカカに囁いた。「ババは君にだけ二度ダクシナを要求した。私は君と一緒にいるのに、なぜ彼は私を無視するんだろう?」「君は自分でババに尋ねたらいいじゃないか」カカは答えた。
ババはカカに友人は何と囁いたのかと尋ねたので、友人は自らババに自分はダクシナを支払うべきかどうか聞いた。ババは答えた。「君は払う気がないだろう。だから君には要求しなかったのだ。だが君が払いたいなら、そうすればよい」そこで友人はダクシナとして17ルピーを支払い、カカも同じ金額を払った。するとババは彼に短い言葉で助言をした。「君は私たちの間にあるテリの壁(相違の感覚)を壊した。だから私たちは互いに面と向かって会うことができるのだよ」それからババは彼らに出立を許可した。
空は曇って荒れ模様だったが、ババは旅が無事に終わることを保証してくれ、彼らは無事にムンバイに到着することができた。彼は家に帰って、家の扉と窓を開けると、二羽のスズメが地面で死んでいるのを見つけた。一羽は窓から飛び上がったところだった。彼は、もし自分が窓を開けたままにしておいたら、二羽のスズメは助かっただろうと思ったが、彼らにとってはそれが運命だったのであり、ババは三羽目のスズメを救うために彼をすぐに帰宅させたのだと思った。