ババはいつも、ひどく威張り散らしていました。ババが何か一言いえば、必ずそれを実行しなければなりませんでした。問答無用です。逆らえばババはあなたの皮膚を剥ぎ、それで靴を作り、その靴を履いて歩いたでしょう。これは冗談ですが、威張り散らしていたのは100%本当のことです。
ババはそういう性格でした。従わないと「出ていけ、出ていけ。お前が金持ちであろうが有名人であろうが関係ない。ここを出ていけ!」と顔もみてくれないのです。ババはある時地区の集金人のパンジャナンダという男を招きました。
しかし、何か月も来なかったので、結局ババは来るように命令し、パンジャナンダがついにやって来ました。ババは言いました。「お前は集金人で偉い役人かも知れないが、私が10回も呼んだのに、お前は一度も来なかった。何というエゴだ。お前と私の間には大きな絆があるのだ」
そしてババはパンジャナンダのサードアイに触れ、こう言いました。「さあお前の人生を見るが良い」そしてババはパンジャナンダに自分の人生を見せたのです。その後、パンジャナンダは仕事を辞め、ババの足元でババを崇拝するようになりました。
■仙人補足
金持ちであろうが有名人であろうが関係ない
私は、この部分の言葉が大好きです。多くの聖者は、金持ちと世間で地位がある人や芸能人などに弱く、頭をへこへこする光景を沢山見て来ました。へこへこされるので自分が偉いのではないかと思い、特別な事を心の中で要求するようになります。が、その肩書が邪魔(ブロック)して、聖者は教える限界を知り、あきらめ、いつの日のか消えて行った人がほとんどでした。カレシュワーラ・スワミは、最初はへこへこしますが、いつまでも頭に乗っているとドカーンと落としていました。これを見るのが一つの快感でもあり、それとなく本人に助言するのですが、無理だったですね。三つ子の魂百までで、かわいそうですが、大きなハンディーを背負って修行しているのですね。ゆえに偉人は「学者に悟った者なし」と言ったのでしょう。
霊性修行の成功は、馬鹿になる事が秘訣です。おちょこ一杯しかない脳みそで「神はああだ、こうだと」と解釈しても解けるわけはないのですから、ババのいう事を信じて修行する事ではないでしょうか?それには、もっともっとババを好きになる事だと思っています。あばら家に住んで、ボロ布を身にまとって、ババの真似をするのも一つの手であろうと思います。