まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

由利本荘文化交流館カダーレ

2015-08-23 17:24:50 | 建築まち巡礼東北北海道 Tohoku, Hokkaido

昨日遊佐に行ったあと、まだ少し時間があったので、由利本荘のカダーレまで足を伸ばしました。

大変印象に残る形態です(左写真)。基本的には1100席のホール、図書館、そして学習室や研修室、会議室などからなる公民館(あるいは生涯学習施設?)の3機能複合施設です。建築雑誌で見ると大変複雑な平面だというイメージがありましたが、実際には明快なゾーニングがありわかりやすいと思いました(ただし図書館の人が言うには迷う人が多いとのことでしたが・・)。上右写真は北から見ていますが、右の大きなボリュームがホール、左のドームを中心としたゾーンが図書館(2層)です。公民館ゾーンはホールの南側と3階のドーム(天体観測室)にあります。

上の写真がホールです。ホールはいわゆる多目的ホールとして作られています。この日はPAを使った民謡大会でした。

ホールのホワイエが不思議空間で大変印象的です(上の写真左、右)。光がいろんなところから落ちてきて、打ち放しコンクリートの重さがありません。なかなかよいと思います。

図書館もスリットが非常に効果的に光を導きいれます(上写真左、右)。複合施設にありがちな、閉鎖的で重い印象がまるでありません。

ちらちらと、ほかの階や吹き抜けの向こうの人が見えることが、この施設の楽しい雰囲気を作っています(上写真)。

また、当日は、展示用のギャラリー室を出演者の更衣室に使っていましたが、こういうことができるのも複合施設の良さでしょう。また市が一元的に管理しているということも使いやすさにつながっていると思います。・・・などと書いてきましたが、重いコンクリートが軽やかに空間を仕分けるというこの建築の最大の特徴は実物でないとおそらく伝わらないと思いました。

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