まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

東日本大震災伝承館へ

2024-05-05 18:07:35 | 建築まち巡礼東北北海道 Tohoku, Hokkaido

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東日本大震災・原子力災害伝承館は、忘れてはならない大切な事柄を受け継いでいく場所です。重い事実を伝えるわけですが、建物自体は大変軽快でさわやかなものです。地元福島出身の渡部和生さんの設計です。氏の作品は、いくつか拝見しました。分かり易い空間構成をとりながら、部分は丁寧に作り込んでいく・・というスタイルで、学ぶところの多い建築ばかりでした。朝早く訪れたのでもやの中の写真となりました。海が近いせいです。春になるといつももやが出ていた、自分の生まれ故郷、高松の海辺近くを思い出しました。

木の竪羽目板を外壁に用いており、優しい印象もありますが、ディテールがしっかりしているので、大変シャープで「きちんと整った」感じも持ちます。木を使うだけではなく、どう使うのかが大事なのだと思います。

足元も、巾木部分にレンガのような質感のものがちらりと見えます。こだわっていますね。

エントランスのラウンジです。右手方向に海があり(堤防があるのと少し距離があるので直接は見えませんが)、海まで広い芝生がひろがっています。その景色を横長の窓で切り取っています。残念なことに展示物でうまく写真が撮れません(展示のせいではありません。写真の腕ですね)。

巾木のおさまりもきれいです。この辺りは、広くないので、広報展示がなくてもいいのではないかという気がします。

とはいえ、広報を含む展示が主役です! ということで最初の展示室に入ります。らせんのランプウェイですね。青山スパイラルを皆さん思い出すと思います。曲面壁にプロジェクションするという発想がユニークです。

この展示ホールはいいと思ったのですが、この形状が、内部のほかの部分と関連性を持っていないことや、外観にほとんど表現されていないのが、残念な気がしたのですが、そのあたりは設計意図としてどうだったのでしょうか。下写真は円形の展示ホールの外観ですが、もう少しスパイラルの形態を表象することもできたのではないか・・と思ってしまいます。

展示物の一部です。水素爆発を起こした、あとの原発です。復旧にはまだまだ数十年を要するでしょう。

展示室を出ると、エントランスラウンジの上部に戻ります。分かり易いですね。

エレベーター廻り。きれいですね。

階段のおさまり。面白い。

屋上もあるんですね。見そびれました。周りは復興記念公園になるようです。公園ができた時に、また見に来たいと思います。

高谷時彦

建築・都市デザイン

Tokihiko TAKATANI

architecture/urban design 

設計計画高谷時彦事務所



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